JPH0610006Y2 - 間仕切壁の下部取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、建物に於ける間仕切壁の下部取付構造に係
り、特に間仕切壁の下部を乾式工法によって床に取り付
ける取付構造に関するものである。

＜従来の技術＞ この種の間仕切壁の従来の下部取付構造は、一般的に第
５図(A)に示す如きＵ字形片１の側方に突起２を有する
クツ金物３を使用し、第５図(B)に示す如く、間仕切壁
用ＡＬＣパネル４の下端をこのクツ金物３のＵ字形片１
に嵌入し、かつパネル４よりも外に出ている突起２をボ
ルトやビス等の固定金具５によりコンクリートの床６に
固定して取り付けていた。

また、図示しないが、もう一つの従来の間仕切壁の下部
取付構造は、コンクリートの床の中に目地鉄筋の下端を
所定の深さに挿入し、それに挿入埋設することによって
間仕切壁の下部を取付固定していた。

＜考案が解決しようとする課題＞ 然るに、前述の従来技術の内で、前記のクツ金物３を使
用する場合には、第５図(B)に示す如く、Ｕ字形片１の
側部や突起２が間仕切壁の側方に露出して突出するため
に体裁が悪い上に、これが壁を塗装仕上げする際に支障
となると共に、更に間仕切壁が左右に首振りする所謂ロ
ッキング動作をすることが充分に出来ず、性能的に落ち
る等の問題があった。

また、後者の目地鉄筋を使用する場合は、目地鉄筋の床
への取付作業並びにＡＬＣパネルの目地への鉄筋の挿入
及び埋設が面倒であり、かつロッキング性能が乏しい等
の問題があった。

本考案は、従来のこれ等の欠点に鑑み開発された技術で
あって、特に下部に鍔部と突出部とを有する支持棒を間
仕切壁の下面側の孔に挿入し、かつ該間仕切壁の下面か
ら突出している突出部を支持金物の孔に嵌入し、これに
よって該間仕切壁が床にロッキング可能に取り付けられ
るように構成した取付構造である。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は、前述の従来の問題点を根本的に改善した技術
であって、その要旨は両端より隆起した中央部に孔が穿
設されかつ間仕切壁の厚み内に収まる大きさを有する支
持金物が床に固定され、下端よりに鍔部を有し前記支持
金物の孔に差し込み嵌入し得る突出部がその下端に突設
された支持棒が、前記間仕切壁の下面側に垂直に穿設さ
れた孔に挿入され、更に該間仕切壁の下面から突出して
いる前記突出部が前記支持金物の孔に嵌入されて前記間
仕切壁が床にロッキング可能に取り付けられているもの
である。

＜作用＞ 本考案に於いては、上述の如く、間仕切壁の孔内に挿入
固定されて、間仕切壁の下端から突出している支持棒の
突出部が、ビスやボルト等の固定金物によって床に固定
された所定の大きさの支持金物の中央の孔に差し込まれ
て構成されているので、支持棒や支持金物を間仕切壁の
厚さ内に隠すことが出来る。

かつ、間仕切壁内に挿入固定された支持棒の下部の突出
部は、支持金物の中央の孔にに差込固定されているの
で、これによって間仕切壁が横ずれすることを防止出来
る。

更に、間仕切壁内に挿入固定された状態の支持棒の下部
の突出部と支持金物の中央の孔の間は、単に差し込みに
よる固定であるので、間仕切壁は充分にロッキングする
ことが可能である。

しかも、そのロッキングの際は、支持金物は、支持棒の
鍔部と接触するので、該孔の部分では間仕切壁と接触せ
ず、従ってこの部分で間仕切壁を損傷する恐れがない。

＜実施例＞ 最初に第１図を用いて本考案に使用される個々の金物に
ついて説明する。

第１図の下部に示されている支持金物７は、細長い板状
の金物であって、周りよりも上方に隆起しかつ中央に穿
設された孔８を持った中央部９と夫々にビスやボルト等
の挿入用の孔10を有する両端の平坦部とによって構成さ
れている。

この支持金物７は、間仕切壁のＡＬＣパネル４の肉厚と
同じ巾であっても良いが、ＡＬＣパネルの肉厚よりも小
さい巾を持った細長い板状の金物であることが好まし
い。

尚、この支持金物７の全体の長さがＡＬＣパネル４の肉
厚と同じ長さであっても良く、ＡＬＣパネル４の肉厚よ
りも小さい長さのものでも良い。

また、第１図の下部に示している支持棒11は、その下部
に前記支持金物７の中央部９に載置し得る鍔部12が設け
られ、該鍔部12より上部に棒が直立していると共に、そ
の一部の周囲に小突起部を有し、更に該鍔部12よりも下
部に短い突起部13が設けられて構成されている。

本考案に係る取付構造の構成に当たっては、第２図に示
す如く、支持金物７をＡＬＣパネル４の長さ方向に沿っ
て床６の所定位置にビスやボルト等の固定金物５を孔10
の位置で床にネジ込んで固定する。

一方、間仕切壁のＡＬＣパネル４の中央下面から錐やド
リルで垂直な孔14を穿設する。この孔14の径は、支持棒
11をこの孔14に差し込んだ時に該支持棒11の上部の周辺
小突起部の存在により該支持棒11がパネル４から脱落し
ないような径とする。更に第３図に示す如く、支持棒11
の鍔部12が嵌め込めるだけの巾の広い浅い穿孔部をＡＬ
Ｃパネル４に設ける。

このように形成したＡＬＣパネル４の孔14の中に前記の
支持棒11を挿入する。そうすると該支持棒11の上部の周
辺小突起部で支持棒11がＡＬＣパネル４から脱落しない
で、ＡＬＣパネル４の下端から支持棒11の下端の突起部
13のみが外に出ている状態になる。

この状態で、第２図に一点鎖線で示した如く、ＡＬＣパ
ネル４内に挿入固定された状態の支持棒11の下部の突出
部13を第３図に示す如く、支持金物７の中央部９の孔８
に差し込み、これによってＡＬＣパネル４を支持金物７
を介して床６に取り付けて間仕切壁を構成することが出
来る。

＜考案の効果＞ 本考案に係る取付構造は、上述の如く、間仕切壁の厚み
内に収まる大きさである支持金物を使用すると共に、間
仕切壁の中に入る支持棒を使用しているので、従来のク
ツ金物を使用した場合の如き仕上げ上の制約がなく、体
裁が悪くなることもない。

かつ支持棒と支持金物が単なる差し込み方式で組み立て
られているので、組立作業が極めて簡単であると共に、
溶接作業等が一切不要である。また間仕切壁は支持棒を
介して支持金物に取り付けられているので、横ずれする
ことがなく、確実に取り付けることが出来る。

更に、間仕切壁内に挿入固定された状態の支持棒の下部
の突出部と支持金物の中央の孔の間は、単に差し込みに
よる固定であるので、間仕切壁は充分にロッキングする
ことが出来る。

しかも、そのロッキングの際は、支持金物は、支持棒の
鍔部と接触し、該孔の部分では間仕切壁と接触しないの
で、この部分で間仕切壁を損傷する恐れがない等の多く
の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に使用される金物の斜視図、第２図は本
考案の取付状態を示す斜視図、第３図は本考案の取付構
造の断面図、第４図はロッキング状態を示す説明図、第
５図(A),(B)は従来例を示す説明図である。 ４はＡＬＣパネル、５は固定金具、６は床、７は支持金
物、８，10は孔、９は中央部、11は支持棒、12は鍔部、
13は突起部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】両端より隆起した中央部に孔が穿設されか
   つ間仕切壁の厚み内に収まる大きさを有する支持金物が
   床に固定され、下端よりに鍔部を有し前記支持金物の孔
   に差し込み嵌入し得る突出部がその下端に突設された支
   持棒が、前記間仕切壁の下面側に垂直に穿設された孔に
   挿入され、更に該間仕切壁の下面から突出している前記
   突出部が前記支持金物の孔に嵌入されて前記間仕切壁が
   床にロッキング可能に取り付けられていることを特徴と
   する間仕切壁の下部取付構造。