JP3881875B2 - 天井施工用ユニット及びそれを用いた天井施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、集合住宅、オフィスビル等の各種建物において天井を簡単に施工できる天井施工用ユニット、特にその中の天井施工用ランナー受け金具、及びそれを用いた天井施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の天井下地の代表的な施工方法は図5に示すとおりであり、天井壁に所定の間隔で取り付けられた吊りボルト100の下端ねじ部に吊り用ハンガー101を二重ナット102で上下調節可能に取り付け、この吊り用ハンガー101のフック部に嵌め込んで野縁受け103を固定し、次いで、該野縁受け103にシングル野縁104をシングルフック105により、またダブル野縁106をダブルフック107により掛け止めて施工されている。その後、このようにして施工された天井下地に対して、石膏ボード、吸音板、仕上げボード等の天井パネルを施工することになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように、従来の天井施工方法においては、天井下地の部品点数が多く、材料費が嵩み、また個々の部品取付箇所も多いという難点があった。その結果、施工に長時間を要し、また施工費が嵩むという問題があった。また、吊り用ハンガーのフック部に野縁受けを固定し、これに野縁を掛止する構造のため、低懐(天井壁と天井パネルとの距離小)の天井施工には限度があった。
本発明は、このような従来の天井施工方法の問題点を解決すべくなされたものであり、その目的は、簡単に施工でき、しかも施工時間が短く、低施工費で施工できる天井施工用ユニット、特にその中の天井施工用ランナー受け金具、及びそれを用いた天井施工方法を提供することにある。さらに本発明は、特にリフォームの際に要求される低懐の天井施工に対して、従来の施工方法に比べてより低懐の天井を施工できる天井施工用ユニット及び天井施工方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の第一の側面によれば、天井壁から垂下する吊りボルトと螺合するための雌ねじ部が略中央部に形成された平板部と、該平板部の両側部に形成され、上記平板部に対して略垂直な突出部と該突出部の外側に上記平板部の延長線上に延在する案内部とからなる一対のランナー受け部とを備えたランナー受け金具;断面略コ字状のランナー;及び該ランナーに嵌挿できる断面大きさを有する角形スタッドを組み合わせて含んでなる天井施工用ユニットが提供される。
また、本発明によれば、その基本的な構成要素として、天井壁から垂下する吊りボルトと螺合するための雌ねじ部が略中央部に形成された平板部と、該平板部の両側部に形成され、上記平板部に対して略垂直な突出部と該突出部の外側に上記平板部の延長線上に延在する案内部とからなる一対のランナー受け部とを備えた天井施工用ランナー受け金具が提供される。
【0005】
さらに本発明の第二の側面によれば、側壁に所定高さに沿って断面略コ字状のランナーを取り付ける工程;天井壁に所定の間隔で取り付けられた吊りボルトに、略中央部に上記吊りボルトと螺合するための雌ねじ部が形成された平板部と、該平板部の両側部に形成され、上記平板部に対して略垂直な突出部と該突出部の外側に上記平板部の延長線上に延在する案内部とからなる一対のランナー受け部とを備えたランナー受け金具を取り付ける工程;上記ランナー受け金具の一対のランナー受け部にそれぞれ断面略コ字状のランナーを取り付ける工程;及び上記側壁に所定高さに沿って取り付けられたランナーと、上記ランナー受け金具のランナー受け部に取り付けられたランナーとの間に、これらのランナーに嵌挿できる断面大きさを有する角形スタッドを架け渡す工程を含むことを特徴とする天井施工方法が提供される。
上記ランナーとこれらの間に架け渡された角形スタッドから形成される天井下地には、石膏ボード、吸音板仕上げボード等の天井パネルが取り付けられる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の天井施工方法は、天井壁から垂下する吊りボルトと螺合するための雌ねじ部が略中央部に形成された平板部と、該平板部の両側部に形成され、上記平板部に対して略垂直な突出部と該突出部の外側に上記平板部の延長線上に延在する案内部とからなる一対のランナー受け部とを備えたランナー受け金具;断面略コ字状のランナー;及び該ランナーに嵌挿できる断面大きさを有する角形スタッドを組み合わせて含んでなる天井施工用ユニットを用い、側壁に所定高さに沿って断面略コ字状のランナーを取り付けると共に、天井壁に所定の間隔で取り付けられた吊りボルトに上記ランナー受け金具を取り付け、上記ランナー受け金具の一対のランナー受け部にそれぞれ断面略コ字状のランナーを取り付け、上記側壁に所定高さに沿って取り付けられたランナーと上記ランナー受け金具のランナー受け部に取り付けられたランナーとの間に、これらのランナーに嵌挿できる断面大きさを有する角形スタッドを架け渡すことによって天井下地を形成するものである。従って、従来の天井施工方法のように野縁受けや野縁の取付作業が不要となり、簡単にしかも短時間に天井施工を行なうことができる。
【0007】
【実施例】
以下、添付図面に示す実施例を説明しつつ、本発明について具体的に説明する。
図1乃至図3は、本発明に係る天井施工方法の一実施例を示している。天井壁Aには、天井用インサート1を介して所定の間隔で吊りボルト2を取り付け、その下端部のねじ部3に、ランナー受け金具4の雌ねじ部7を嵌め込み、反対側のナット8で設定した天井高さに合わせて上下調節しながら取り付ける。
【0008】
ランナー受け金具4は、図4に示すように、天井壁から垂下する吊りボルト2との係合部である雌ねじ部7を略中央部に形成した平板部5と、該平板部5の両側部に形成され、上記平板部に対して略垂直な突出部6aと該突出部の外側に上記平板部の延長線上に延在する案内部6bとからなる左右一対のランナー受け部6とを有する。平板部5とランナー受け部6は、図4により明瞭に示されているように、1枚の板状部材から折り曲げ成形により、上記平板部5に対して略垂直な突出部6aと上記平板部5の延長線上に案内部6bが突出するように成形されている。なお、二重ナット7,8のいずれか一方がランナー受け金具4の平板部5に予め溶接等により固着しておけばよく(即ち、雌ねじ部7とナット8が上下逆でもよい)、それによってランナー受け金具4の取り付け作業性が向上する。このようにして吊りボルト2に取り付けられたランナー受け金具4の左右一対のランナー受け部6に、それぞれ断面略コ字状の長尺のランナー9を当て、ビス10等でランナー受け部6の突出部6aに取り付け、固定する。この際、ランナー受け受け部6の案内部6bは、ランナー9を取り付けるための案内として機能し、ランナー取付けの作業性が向上する。
【0009】
一方、側壁Bには、天井高さに合わせて所定高さに沿って前記ランナー9と同様なサイズの断面略コ字状の長尺のランナー11を釘12等で固定する(図1、図3参照)。
次いで、上記側壁Bに所定高さに沿って取り付けられたランナー11と、上記ランナー受け金具4のランナー受け部6に取り付けられたランナー9との間に、これらのランナー9,11に嵌挿できる断面大きさを有する所定長さの角形スタッド13を図3に示すように架け渡す。なお、角形スタッド13の間隔を狭くしたい場合(又はランナー受け金具4の間隔が広い場合)には、それらの間に、図3に2点鎖線で示すようにさらに1本(又は複数本)の角形スタッド13を架け渡すこともでき、また、所望に応じてランナーにビス止めすることもできる。角形スタッド13は、断面略コ字状のランナー9,11に嵌挿できる断面大きさを有するものであればよく、その形状は矩形パイプ状、断面コ字状など任意の断面形状とすることができる。
その後、石膏ボード、吸音板仕上げボード等の天井パネル14の取り付けを行なう。
【0010】
図4は、本発明のランナー受け金具の好適な実施例を示している。このランナー受け金具4は、前記したように、1枚の板状部材から折り曲げ成形により、平板部5と、これに対して略垂直な突出部6aと、上記平板部5の延長線上に案内部6bが突出するように成形され、略中央部の吊りボルトとの係合部(図示しない孔部)に雌ねじ部7が固定されている。このように予め雌ねじ部7を固定しておくことによって、ランナー受け金具4の取り付け作業性が向上する。さらに、一方の端部から他方の端部にかけて平行に2本の湾曲状断面の補強リブ部15が形成されており、それによってランナー受け金具4の強度が向上し、ランナー受け金具4の間隔を広くすることが可能になる。
【0011】
また、ランナー受け金具4の取り付け作業性を向上させるために、突出部6aには、図4に2点鎖線で示すように所定間隔で予めビス取付用の孔16を形成しておくことが好ましい(ランナーについても同様)。なお、雌ねじ部7は予め成形されたものを平板部5の略中央部に形成された孔部に嵌挿し、加締め、溶接等によって固定することもでき、あるいは平板部5と一体成形することもできる。また、ランナー受け金具全体を折り曲げ成形によらず鋳造等により一体成形することもできる。
【0012】
【発明の効果】
以上のように、本発明の天井施工用ユニット及びそれを用いた天井施工方法は、従来の方法に比べて天井施工の施工性が格段に向上し、施工時間の短縮、施工費の低減を達成できる。また、従来の方法に比べて部品点数が少ないため、その分コストが低減するという利点も得られる。さらに、従来の方法よりも低懐の天井の施工が可能である。
また、ビス止め作業によって天井施工を行えるため、熟練を要さず極めて簡単に行なうことができ、特に前記したようなランナー受け金具を用いる場合には、天井施工を極めて簡単にしかも短時間に行なうことができる。
さらに、角形スタッドを任意の間隔で架け渡すことができるため、施工に融通性があり、また一旦施工した後も比較的簡単に天井を外すことができ、移動壁、システム壁等と組み合わせることによって所望の空間スペースのレイアウトを再構築することもでき、使用者のニーズに充分に対応できるという利点も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の天井施工方法の一実施例を示す部分断面側面図である。
【図2】 図1に示す実施例のランナー受け金具とランナーの取付状態を示す部分断面側面図である。
【図3】 図1に示す実施例の角形スタッドの配置状態を示す部分平面図である。
【図4】 本発明のランナー受け金具の実施例を示す斜視図である。
【図5】 従来の天井下地の施工例を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
1 天井用インサート
2 吊りボルト
4 ランナー受け金具
5 平板部
6 ランナー受け部
6a 突出部
6b 案内部
7、8 二重ナット
7a 雌ねじ部
9、11 ランナー
10 ビス
12 釘
13 角形スタッド
14 天井パネル
Claims (4)
- 天井壁から垂下する吊りボルトと螺合するための雌ねじ部が略中央部に形成された平板部と、該平板部の両側部に形成され、上記平板部に対して略垂直な突出部と該突出部の外側に上記平板部の延長線上に延在する案内部とからなる一対のランナー受け部とを備えたランナー受け金具;断面略コ字状のランナー;及び該ランナーに嵌挿できる断面大きさを有する角形スタッドを組み合わせて含んでなる天井施工用ユニット。
- 天井壁から垂下する吊りボルトと螺合するための雌ねじ部が略中央部に形成された平板部と、該平板部の両側部に形成され、上記平板部に対して略垂直な突出部と該突出部の外側に上記平板部の延長線上に延在する案内部とからなる一対のランナー受け部とを備えた天井施工用ランナー受け金具。
- 側壁に所定高さに沿って断面略コ字状のランナーを取り付ける工程;天井壁に所定の間隔で取り付けられた吊りボルトに、略中央部に上記吊りボルトと螺合するための雌ねじ部が形成された平板部と、該平板部の両側部に形成され、上記平板部に対して略垂直な突出部と該突出部の外側に上記平板部の延長線上に延在する案内部とからなる一対のランナー受け部とを備えたランナー受け金具を取り付ける工程;上記ランナー受け金具の一対のランナー受け部にそれぞれ断面略コ字状のランナーを取り付ける工程;及び上記側壁に所定高さに沿って取り付けられたランナーと、上記ランナー受け金具のランナー受け部に取り付けられたランナーとの間に、これらのランナーに嵌挿できる断面大きさを有する角形スタッドを架け渡す工程を含むことを特徴とする天井施工方法。
- 前記ランナーとこれらの間に架け渡された角形スタッドから形成される天井下地に天井パネルを取り付けることを特徴とする請求項3に記載の天井施工方法。
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JP2001362771A JP3881875B2 (ja) | 2001-11-28 | 2001-11-28 | 天井施工用ユニット及びそれを用いた天井施工方法 |
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2001
- 2001-11-28 JP JP2001362771A patent/JP3881875B2/ja not_active Expired - Lifetime
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