JPH0599845A - 半導体レーザーを用いた水分分析装置 - Google Patents

半導体レーザーを用いた水分分析装置

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JPH0599845A
JPH0599845A JP26085991A JP26085991A JPH0599845A JP H0599845 A JPH0599845 A JP H0599845A JP 26085991 A JP26085991 A JP 26085991A JP 26085991 A JP26085991 A JP 26085991A JP H0599845 A JPH0599845 A JP H0599845A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 測定ガスを導入した多重光路ガスセル1およ
び純水分に調整したリファレンス用セル15に、室温で
波長1.3〜1.55μm帯で発振するInGaAsP
系のDFB半導体レーザ4を用いてレーザ光をそれぞれ
透過させ、水分の吸収ピーク強度を室温で1.3〜1.
55μm帯に感度を有するGe光検出器M、Rを用いて
検出する。二波長差分吸収法を用いて水分を測定する。 【効果】 ガス中の水分を室温で、高精度に測定でき
る。装置を小型化でき、簡便かつ迅速に測定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガス中の水分を分析する
装置に関し、室温で波長1.3〜1.55μm帯で発振
する波長可変半導体レーザーおよび室温で1.3〜1.
55μm帯に感度を有する光検出器を用いることによっ
て、室温下で迅速かつ簡便に精度よく計測できるように
した半導体レーザーを用いた水分分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体産業等では、超高純度のガスが用
いられるが、近年、IC、LSI、VLSIと急速な高
集積化が進むにつれて、これら半導体の製造工程で使用
されるガスの超高純度化に対する要求がますます厳しく
なってきている。水分は大気中にも数%まで含まれうる
ものであって、これらのガスの不純物としてはきわめて
一般的なものである。そして、集積度の高い半導体の製
造プロセスでは、極く微量の水分でも有害であるとされ
ているので、水分の管理は工程管理項目のなかでも重要
なものである。
【0003】ガス中の微量水分の分析には従来、水の相
転移や化学反応を用いた間接的な分析方法が行われてい
る。例えば試料を露点以下に冷却して、固体表面に液
滴化した水分の光錯乱を計測する露点法、水晶振動子
上の薄膜に吸収された水の重量を、振動子の振動数の変
化として計測する水晶振動子法、アルミナ・コンデン
サーなどに水分を吸着させてその電気容量の変化を計測
する静電容量法、五酸化リンに吸収された水分による
電解電流を計測する五酸化リン電解法、電界でイオン
化した水分子を磁場中で質量を計測する質量分析法など
があげられる。
【0004】しかしながら、これらの方法には以下のよ
うな種々の問題点があった。露点法においては、一般
に1ppm以下の水分を分析することは難しい。例え
ば、ppbオーダーに対応するために−120℃の低温
で露結させる方法を使用すると、高感度ではあるが応答
速度が遅く、またこのような低温状態での露点と水分濃
度の関係が必ずしも明確ではなく、分析値の信頼性に欠
ける。水晶振動子法においては、分析値が0.1pp
m以下となると、分析精度の信頼性に問題がある。また
測定に際しては、毎回、標準ガスで零点校正をする必要
があるので手間と時間を要し、簡便性が劣る。静電容
量法は、装置は簡単であるが、1ppm以下の低濃度に
おいては検量線が非線形となり精度が悪くなる。五酸
化リン電解法は、ファラデーの法則に基づいた絶対的な
測定法とも言えるが、電極を取り付ける母材の電気抵抗
が最終的な性能を左右するので、高感度な分析は期待し
難い。これらの方法はいずれも、水分を露結あるいは吸
収させるという物理化学的な操作を必要とするものであ
って、そのための手間と時間を要するものであった。ま
た、いずれも低濃度の領域においてそれぞれ欠点があっ
た。さらにいずれの方法も、センサー部分を直接、被測
定ガスに接触させて測定する方法であるので、装置に腐
食等が起こる恐れがあり、測定できるガスが制限されて
いた。
【0005】また、これらの方法に対して、最近開発さ
れた大気圧イオン化質量分析法は、感度、精度ともに優
れ、ppbオーダーの測定にも対応できるものである。
しかしながら、この方法にも、被測定ガスの種類によっ
ては妨害や腐食の問題があり、測定できるガスが制限さ
れるものであった。また装置においては、高電圧コロナ
放電装置や磁場発生装置など、大がかりなものを必要と
し、測定の簡便性が劣るものであった。
【0006】以上のような間接的な方法に対して、特公
昭63−42865号公報などにPbSnTeやPbS
Snなどの鉛塩半導体レーザーを光源とした吸収分光法
が提案されている。この方法は、分子の基本振動モード
を直接計測するもので、本質的には検出感度が高いもの
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鉛塩半
導体レーザーは発振波長が3〜30μmと長いので、室
温では熱雑音の影響でエネルギーレベルの揺らぎが大き
い。そのため、正常に作動させるためには通常−200
℃以下という低温にする必要があり、光源と検出器を液
体ヘリウムによる冷却装置に収容するなどしなければな
らない。そのためヘリウムコンプレッサや真空断熱など
の設備を必要とし、装置が大型で複雑なものとなる。さ
らに、ヘリウムコンプレッサを用いるので数ヘルツの振
動ノイズの発生が避けられず、これによる悪影響を排除
するための措置が必要である。また、鉛塩半導体レーザ
ーの発振は、一般に多モードであるため、モノクロメー
ターなどで波長を選択させる必要があり、出力の低下と
光学系の複雑化を招く。このように付帯設備が多く、大
がかりで複雑な装置になるので、この方法を用いて分析
を行う場合には、その場で計測することができず、被分
析試料をサンプリングして、得られたサンプルを搬送す
る必要がある。このため測定を行うのに手間と時間がか
かるという不都合があった。このように、微量の水分を
迅速かつ簡便に分析して工程にフィードバックできる精
度のよい分析方法が確立されていなかった。
【0008】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、超高濃度ガス中の極微量の水分を簡便かつ迅速に測
定できるようにした、高感度の水分分析装置を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザー
を用いた水分分析装置は室温で波長1.3〜1.55μ
m帯で発振する波長可変半導体レーザーと、ここから発
振されたレーザー光を分岐して測定用ガスセルに導き、
しかるのち測定用光検出器に送り込む測定ラインと、上
記レーザー光を分岐してリファレンス用セルに導き、し
かるのちリファレンス用光検出器に送り込むリファレン
スラインと、上記レーザー光を分岐してパワーモニター
用光検出器に送り込むパワーモニターラインを具備し、
上記各検出器として室温で1.3〜1.55μm帯に感
度を有する光検出器を用いたことを前記課題の解決手段
とした。
【0010】
【作用】水の光吸収特性として1.38μm帯に強い吸
収があることが認められおり、室温で波長1.3〜1.
55μm帯で発振する波長可変半導体レーザーと、室温
で1.3〜1.55μm帯に感度を有する光検出器を用
いることによって、室温でガス中の水分を分析すること
ができる。また、測定方法としては二波長差分法、ある
いは周波数変調法などの吸収分光法を用いることがで
き、高感度および高精度に微量の水分を検出することが
できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を詳しく説明する。図1に本発
明の水分分析装置の一実施例を示す。この水分分析装置
は測定部(I)、光学系部(II)および制御演算部(I
II)から概略構成されている。図1中、実線は電気信
号、破線はレーザー光を示す。
【0012】測定部(I)は、測定ガスを導入する測定
用ガスセル1からなり、この測定用ガスセル1としては
多重光路セルが好適に用いられ、電解研磨を施したステ
ンレス鋼や極高真空用アルミニウムならびにその合金な
ど、その表面における水分の吸着が少ない材料で好まし
く形成される。また、この測定用ガスセル1の外部には
ヒーター2が設けられ、ガスセル1は水分の吸着を防ぐ
ために120℃以上で連続的に加熱されている。また、
この測定用ガスセル1には、レーザー光を入射および出
射するための窓3,3がそれぞれ設けられている。この
窓材としては一般の可視域用光学ガラスが好適に用いら
れる。一般にレーザー光を用いた測定に用いられる測定
用ガスセルの窓材としては、赤外線透過性に優れたKB
rやNaClなどを用いることができるが、これらは潮
解性が強いためガスセルの設置場所が制約される。本発
明の水分分析装置に用いられる波長帯は近赤外線であ
り、測定は大気中の湿度と室温という環境下で行われる
ので、これらの条件下で取り扱いが容易で安価な可視域
用光学ガラスを窓材に好適に用いることにより、測定用
ガスセル1の設置場所の制約を緩和することができる。
場合によっては、赤外吸収がない無水石英ガラスやサフ
ァイヤなどを、適宜使用することもできる。
【0013】光学系部(II)はチャンバー18内に収
容される半導体レーザー4(LD)、パワーモニター用
光検出器P、リファレンス用セル15、リファレンス用
光検出器R、および測定用光検出器Mから概略構成され
ている。そしてこのチャンバー18内は乾燥窒素などの
ガスでパージされている。半導体レーザー4は室温で発
振波長1.3〜1.55μmで作動する波長可変半導体
レーザーであり、InGaAsP系のDFB(Dist
ributedFeedback)半導体レーザーを好
適に用いることができる。DFB半導体レーザーは回折
格子が電流注入領域内にあり、また単一モード発振であ
るためモノクロメーターなどの分光器を必要としないの
で光量の損失も小さく、これを用いることにより装置も
小型化できる。あるいは、同様に単一発振モードであ
り、回折格子が電流注入域外にあるDBR(Distr
ibuted BraggReflection)半導
体レーザーを用いることもできる。さらに、DFB半導
体レーザーとDBR半導体レーザーを組み合わせたDR
半導体レーザーの使用も可能である。この半導体レーザ
ー4は、測温用のサーミスターを埋め込んだ銅ブロック
にマウントされ、ペルチエ素子5で安定度0.01℃に
温度制御されている。パワーモニター用光検出器P、リ
ファレンス用光検出器R、および測定用光検出器Mはい
ずれも室温で作動し、1.3〜1.55μmに感度を有
する光検出器であって、例えばGeやInGaAsなど
で構成される固体素子光検出器を好適に用いることがで
きる。リファレンス用セル15は石英セルが好適に用い
られ、これを純水分に調整することによって、水分分析
の参照とされる。
【0014】半導体レーザー4から発振されたレーザー
光は、平面ミラー(図示せず)で一度折り返されて近軸
光源に近づけられ、続いてコリメーター6で平行光とさ
れる。このコリメーター6としては、戻り雑音を避ける
ために、凹面鏡、放物面鏡、楕円鏡などを用いることが
でき、収差を考慮に入れると放物面鏡、楕円鏡が好まし
い。平行光とされたレーザー光は焦点レンズが異なるレ
ンズ7,7でビーム径が調整されるとともに、絞り8が
焦点位置に設けられて、これにより戻り光や迷光が除去
される。径が調整されたレーザー光は、ビームスプリッ
ター9によって分岐され、一方は波長計10に導かれ、
ここで半導体レーザー4の発振波長が常時モニターされ
る。また他方はチョッパー11で振幅変調を受けた後、
表側が誘電体多層膜で裏側に反射防止膜が施されたウエ
ッジ付きビームスプリッタ12,12によって、パワー
モニターライン13、リファレンスライン14および測
定ライン16の3ラインに分岐される。パワーモニター
ライン13に分岐されたレーザー光はレンズで集光され
てパワーモニター用光検出器Pへ導かれて電気信号とな
る。リファレンスライン14に分岐されたレーザー光は
リファレンス用セル15を通り、レンズで集光されてリ
ファレンス用光検出器Rへ導かれて電気信号となる。測
定ライン16に分岐されたレーザー光はミラー17を用
いるなどして測定用ガスセル1に入射され、これを通っ
て測定用光検出器Mへ導かれて電気信号となる。これら
の光学系部(II)は、光ファイバを用いて構成すること
もでき、単一の基板上に構成するなど、さらに装置を小
型化することもできる。
【0015】制御演算部(III)は、パワーモニター用
光検出器P、リファレンス用光検出器R、および測定用
光検出器Mからの電気信号をロックイン増幅器19で増
幅し、これらの増幅信号および波長計からの信号をコン
ピューターシステム20で演算処理し、LD電流調整器
21に波長設定信号を送ることによってこれを制御する
とともに、ペルチエ温度調整器22を制御するように構
成されている。また、コンピューターシステム20には
ディスプレー23、およびキーボード24が接続されて
いる。
【0016】この水分分析装置を用いてガス中の水分を
分析する際には、まずサンプルガスを測定用ガスセル1
に導入し、半導体レーザー4からレーザー光を発振させ
る。パワーモニター用光検出器Pからの出力を基準と
し、これとリファレンス用光検出器Rあるいは測定用光
検出器Mで得られる出力との比較により、リファレンス
用セル15および測定用ガスセル1を透過したレーザー
光の相対強度が得られる。そして水分の測定方法として
は、共鳴波長と、非共鳴波長の透過率の差より、ガス中
の水分濃度を求める二波長差分吸収法を用いることがで
きる。このとき、リファレンス用光検出器Rから得られ
る値により水の吸収ピーク位置の確認や最大吸収波長と
無吸収波長の固定を行うことができる。
【0017】あるいは、チョッパー11の位置をウエッ
ジ付きビームスプリッタ12で分岐された後のパワーモ
ニターライン13上に変えることにより、波長設定信号
にサイン波を重畳させる周波数変調法を用いて水分を測
定することができる。周波数変調法は、周波数ν’をν
=ν’+a・sin(ωt)によりνに変調して、濃度
(N)、吸収係数(σ)、光路長(l)の積(N・σ・
l)に比例する量を直接検出することができる。この方
法は感度に優れ、ppbレベルの低濃度の水分も測定可
能である。このとき、リファレンス用光検出器Rから得
られる値により水の吸収ピーク位置を確認するととも
に、吸収ピークに波長を一致させることができる。
【0018】(参考例)図1の装置を用いて水の吸収ス
ペクトルおよび水分含有窒素ガスの吸収スペクトルを測
定した。測定用ガスセル1としては、鏡間距離 80c
m、最大光路長100mの多重光路セルを用い、この中
には水分を約30ppm含む全圧1気圧の窒素ガスを導
入した。また、リファレンス用セル15としては、光路
長 10cm、全圧5Torrの純水分に調整されてい
る石英セルを用いた。半導体レーザー4への注入電流を
変化させることによってレーザー発振波長をスキャンさ
せ、水の吸収スペクトルおよび水分含有窒素ガスの吸収
スペクトルを測定した。その結果を図2(a)および
(b)に示す。図2中縦軸は、(a)はリファレンス用
光検出器Rの出力をパワーモニター用光検出器Pの出力
で除した値を示し、(b)は測定用光検出器Mの出力を
パワーモニター用光検出器Pの出力で除した値を示す。
また、横軸はいずれも、上横軸が半導体レーザー4への
注入電流を示し、下横軸がその注入電流に対応する発振
波長を示す。図2より、図2(a)で得られた水分の吸
収スペクトルに比較して、(b)で得られた測定ガスの
吸収スペクトルは全圧が1気圧と高いために吸収ピーク
の形がブロードになっているが、吸収ピークの最低値が
得られる波長はよく一致していることが認められた。こ
の結果より、この装置を用いてガス中の水分を検出でき
ることが認められた。
【0019】(実施例)図1の装置を用いて濃度既知の
サンプルガスについて、水分分析を行った。まず、水晶
発振式水分計を用いて、水分をそれぞれ20ppm、お
よび40ppm含有する1気圧の窒素ガスを調製し、上
記参考例と同様にしてサンプルガスの吸収スペクトルを
測定した。その結果を図3に示す。図3中、実線は20
ppm水分含有窒素ガス、破線は40ppm水分含有窒
素ガスの吸収スペクトルをそれぞれ示す。尚、座標軸は
上記参考例と同様である。また、図3で得られた水分濃
度と吸収ピーク強度との関係より、図4に示すような検
量線が得られた。この検量線を用いて、二波長差分吸収
法により濃度未知のサンプル中の水分を測定することが
できることが認められた。
【0020】以上、本発明の一実施例として窒素ガス中
の水分分析について述べてきたが、本発明の水分分析装
置は測定ガスの主成分が窒素ガスである場合に限らず、
種々のガス成分が混合されていても同様に測定すること
ができる。一般に、アルゴン(Ar)のような元素ガス
や、窒素(N2)のような二原子ガスなどは、赤外線の
吸収そのものが実質的にないので、本発明の装置におけ
る水の光吸収を妨げない。さらに、炭酸ガスのような化
合物であっても、本発明の装置で使用される波長の近傍
には吸収波長がない。あるいは近傍に吸収波長のあるガ
スであっても、レーザー光を使用するためそのスペクト
ルの幅が狭く、分離が容易である。また、赤外線の吸収
スペクトルはバンド状に拡らず吸収ピークが極めて鋭
く、このピークが本発明の装置で得られるピークと重な
ることはない。したがって、本発明の装置は実質的にあ
らゆる種類のガス成分中の水分分析に適用することがで
きる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明の半導体レー
ザーを用いた水分分析装置は、室温で波長1.3〜1.
55μm帯で発振する波長可変半導体レーザーと、ここ
から発振されたレーザー光を分岐して測定用ガスセルに
導き、しかるのち測定用光検出器に送り込む測定ライン
と、上記レーザー光を分岐してリファレンス用セルに導
き、しかるのちリファレンス用光検出器に送り込むリフ
ァレンスラインと、上記レーザー光を分岐してパワーモ
ニター用光検出器に送り込むパワーモニターラインを具
備し、上記各検出器として室温で1.3〜1.55μm
帯に感度を有する光検出器を用いたものである。
【0022】したがって、二波長差分吸収法、あるいは
周波数変調法などの吸収分光法を用いて、室温で、高感
度および高精度に水分を測定することができる。また、
サンプルの物理化学的操作を必要としないので迅速かつ
簡便に測定でき、装置も小型のもので済むので、現場で
測定を行い、直ちに工程にフィードバックすることがで
きる。
【0023】本発明の水分分析装置を半導体などの製造
工程で用いる際には、測定用ガスセルを配管に直接取り
付けることによって、サンプリング用に配管を分岐した
り、ガスをサンプリングして測定器へ搬送するなどの手
間を省き、簡便に高感度の測定を行うことができる。ま
た、感度を調整することによって、ppbオーダーから
%オーダーの水分まで精度よく測定することができる。
【0024】また、半導体産業その他の分野で使用され
る超高純度ガスから一般のガス中の水分の現場計測を含
む分析を行うことできるだけでなく、気象観測用のバル
ーンや衛星などに搭載可能な水分分析手段として利用可
能である。さらにその場で測定できるという利点から、
例えば、加熱過程における固体表面の温度と脱離水量を
連続的に測定することができ、固体表面の水分子の、物
理吸着水、化学吸着水、構造水の分類などの研究にも寄
与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水分分析装置の一実施例を示す概略構
成図である。
【図2】図1の装置を用いて測定した(a)水の吸収ス
ペクトル、および(b)水分含有窒素ガスの吸収スペク
トルの例である。
【図3】図1の装置を用いて測定した水分含有窒素ガス
の吸収スペクトルの例である。
【図4】水分濃度と吸収ピーク強度との関係を示す検量
線の例である。
【符号の説明】
1 測定用ガスセル 4 半導体レーザー 13 パワーモニターライン 14 リファレンスライン 15 リファレンス用セル 16 測定ライン P パワーモニター用光検出器 R リファレンス用光検出器 M 測定用光検出器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室温で波長1.3〜1.55μm帯で発
    振する波長可変半導体レーザーと、ここから発振された
    レーザー光を分岐して測定用ガスセルに導き、しかるの
    ち測定用光検出器に送り込む測定ラインと、上記レーザ
    ー光を分岐してリファレンス用セルに導き、しかるのち
    リファレンス用光検出器に送り込むリファレンスライン
    と、上記レーザー光を分岐してパワーモニター用光検出
    器に送り込むパワーモニターラインを具備し、上記各検
    出器として室温で1.3〜1.55μm帯に感度を有す
    る光検出器を用いたことを特徴とする半導体レーザーを
    用いた水分分析装置。
  2. 【請求項2】 上記波長可変半導体レーザーとしてDF
    B半導体レーザーもしくはDBR半導体レーザー、また
    はこれらを組み合わせた半導体レーザーのいずれかを用
    いたことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザーを
    用いた水分分析装置。
  3. 【請求項3】 上記光検出器としてGeまたはInGa
    Asのいずれかで構成される固体素子光検出器を用いた
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザーを用い
    た水分分析装置。
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