JPH06347398A - ガス中の水分の定量方法 - Google Patents
ガス中の水分の定量方法Info
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- JPH06347398A JPH06347398A JP16025293A JP16025293A JPH06347398A JP H06347398 A JPH06347398 A JP H06347398A JP 16025293 A JP16025293 A JP 16025293A JP 16025293 A JP16025293 A JP 16025293A JP H06347398 A JPH06347398 A JP H06347398A
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Abstract
つ迅速に定量することができる方法を提供すること。 【構成】 ガス中に不純物として含まれる微量の水分を
定量する方法であって、水のOH基に大きな吸収を示す
近赤外線(例えば1.92μm)を例えば塩化水素等の
ガスを冷却して液化して得られた液化ガス試料に照射し
てその吸光度を測定し、この測定した吸光度と予め作成
した検量線とに基づいて液化ガス試料中の水分の濃度を
定量する。
Description
含まれる微量の水分を定量する方法に関するものであ
る。
造においては、化学薬品等の溶液中で処理を行う方法に
変えて、気体中で処理を行うドライプロセスが主流とな
っている。例えばシリコンウエハのドライエッチング工
程においては、ドライエッチング剤として塩化水素ガス
が使用されている。このドライエッチングにおいては塩
化水素ガスに水分が含まれているとシリコンウエハの表
面に不要な酸化皮膜が形成されてしまうので、不純物と
しての水分の含有量がきわめて少ない高純度の塩化水素
ガスを使用することが必要とされる。
る場合には、通常は図5に示すように、塩化水素ガスを
濃硫酸を用いて乾燥して水分を除去した後、圧縮して液
化塩化水素とし、これを貯槽に貯え、この貯槽から随時
例えばステンレス製のボンベに液化塩化水素を詰め込む
ようにしている。このボンベ中の液化塩化水素に水分が
含まれていない場合は塩化水素とステンレスとは反応し
ないことが知られており、従ってステンレス製のボンベ
の内部が腐食することはない。
いると、この水分が原因となって常温下においてステン
レス製のボンベの内部が湿蝕する問題が生ずる。この湿
蝕は下記化1で示される反応によって生ずる。
の表面上に水和して薄い皮膜を形成すると電子(e- )
を放出する。一方、塩化水素が水に吸収された場合はほ
ぼ完全に電離してプロトン(H+ )を生ずる。このプロ
トンが先に放出された電子と反応して水素ガスを生成す
る。一方、電離した塩化物イオン(Cl- )は皮膜と反
応して塩化第一鉄を不純物として生成する。
ると腐食反応が著しく進行し、不純物としての塩化第一
鉄の量が多くなり、かかる重金属からなる不純物を含む
塩化水素はその用途において種々の弊害を招く問題があ
る。特に不必要な不純物の混入を極度に嫌う半導体の製
造分野においては大きな問題となる。
ロセスにおいては水分の含有量を十分にチェックするこ
とが必須の条件となるが、従来においては、露点法と呼
ばれる方法により塩化水素中の水分の含有量を検出して
いた。この露点法について説明すると、図7は常温(0
〜40℃)付近の水の飽和蒸気圧pと温度tとの関係を
示す気化曲線を示し、今、Pなる状態にある不飽和蒸気
を圧力を一定に保って冷却すると、状態はシャルルの法
則に従ってPからDと移ってDで飽和する。このD点を
Pなる状態における不飽和蒸気の露点と称し、その温度
tDが露点温度となる。この露点温度が分かれば飽和蒸
気圧が分かるので試料ガス中の水分の濃度を定量するこ
とができる。
装置は、露点を観測窓67より肉眼で観測し、その温度
を電気的に測定して露点温度を直読するものである。具
体的に説明すると、試料ガスを入口aよりガスチャンバ
ー61に導入し、出口bより放出すると、試料ガスはガ
スチャンバー61の底に取付けてある鏡62の表面に接
触して流れる。この鏡62を断熱膨脹等の手段で冷却す
ると、鏡62の表面に接触している試料ガスが冷却さ
れ、試料ガス中の水蒸気は鏡62の表面で露となり曇り
を生ずる。この露が現れたときの温度が露点温度であ
り、この露点温度を鏡62の裏面に固着してある熱電対
63により電気的に測定する。即ち、鏡62の表面に露
が現れたとき、ポテンショメーター64の接点を移動し
て検流計65の指針を零位に合わせ、そのときの温度指
示計66の読みが鏡62の温度、即ち露点温度となる。
露点法では、鏡62の表面に露が現れるときを観測窓6
7より肉眼により観測するため、観測者の熱練を要し、
露点温度の測定の信頼性が低い問題がある。また、肉眼
による観測では迅速な測定が困難である問題がある。ま
た、その他の水分の定量方法としては、液体の電導度を
測定する方法、拡散電位を測定する方法等があるが、い
ずれも水分を直接検出するものではないため測定の信頼
性が低い問題がある。
れたものであって、その目的は、高い精度でかつ迅速に
ガス中の水分を定量することができる方法を提供するこ
とにある。
物として含まれる微量の水分を定量する方法であって、
ガスを冷却して液化された液化ガス試料に水のOH基に
大きな吸収を示す近赤外線を液化ガス試料に照射してそ
の吸光度を測定し、この測定した吸光度に基づいて液化
ガス試料中の水分の濃度を定量することを特徴とする。
ングし、又は液化ガスをボンベ等に詰め込んだ後このボ
ンベ等から液化ガスを抽出し、これらを冷却して液化し
て液化ガス試料とし、水分の吸収の大きな特性吸収帯の
波長域で、水分を全く含まない液化ガス試料を対照液と
して水分をわずかに含む液化ガス試料の吸収の強さを測
定して水分を定量する場合、水分を全く含まない液化ガ
ス試料のみでの透過光の強さをI0 (W)、水分の濃度
がc(mol/リットル)である液化ガス試料の透過光
の強さをI(W)、吸光度をA(−)、モル吸光係数
(cm・リットル/mol)をε、照射光の液化ガス試
料における光路長(cm)をLとすると、ランバート・
ベールの法則より下記数1の関係式が成立する。
め検量線で表しておけば、液化ガス試料中の水分の濃度
を迅速かつ正確に定量することができる。
1は、水分の測定装置の概略を示し、1は断熱槽であ
り、例えばステンレスバットに発砲スチロールを巻いて
構成されている。2は試料容器であり、水の吸収スペク
トルに悪影響を及ぼさない例えば石英管よりなり、断熱
槽1の内部に配置されている。3は冷却装置であり、例
えば空気からなる冷却ガスが例えば液体窒素(N2 )か
らなる冷媒が入れられた冷却ポット31に送られて冷却
され、この冷却ガスが断熱槽1の一方から内部に供給さ
れ、他方から外部に排出される。4は温度計、5は吸光
度の測定装置である。
し、51は例えばタングステンランプからなる光源、5
2は水のOH基に大きな吸収を示す近赤外線を取り出す
ためのフィルター、53、54はレンズ、55は例えば
硫化鉛光電導セルからなる検知器、56は吸光度を演算
してこれと検量線の関係から水分の濃度を表示する演算
表示部である。試料容器2はレンズ53と54との間に
配置される。
明の実施例に係る水分の定量方法を説明する。冷却装置
5からの冷却ガスを断熱槽1内を通過させることによ
り、断熱槽1内の温度を塩化水素の沸点(−84.9
℃)よりも若干低い温度例えば−87℃程度に維持す
る。この温度が高すぎると塩化水素ガスが液化しなくな
り、逆に低すぎると塩化水素ガスが固化するので、塩化
水素の液化状態が安定に維持される温度に十分コントロ
ールすることが必要である。
器2に充填し、これを冷却して液化塩化水素とし、測定
装置5からの近赤外線を試料容器2中の液化塩化水素試
料に照射すると、その透過光が検知器55によって検知
される。この検知器55における透過光の強さIと予め
作成された検量線との関係から、演算表示部56によっ
て例えばデジタルで水分の濃度が表示される。水分と吸
光度の検量線は、例えば従来の露点法によって塩化水素
ガスや他のガス中の水分を定量することにより作成する
ことができる。この場合、吸光度と水分の濃度とが比例
するような水分の少ない系で検量線を作成することが必
要である。
mで体積が例えば20cm3 (2×2×5cm)であ
る。また試料容器2内に導入する際の塩化水素の圧力は
高いほど液化温度が上昇するため冷却条件としては有利
となるが、試料容器2を構成する石英管の耐圧を考慮す
ると例えば3Kg/cm2 とされる。即ち、冷却条件が
多少厳しくても試料容器2の構造を耐圧の観点から簡単
にできる方が装置の構成や安全性等の面から実際上は有
利である。
は、図3に示すように1.92μmと2.7μmとが有
効であるが、検知器55として硫化鉛光電導セルを用い
る場合は、図4に示すように3μmを超える付近から検
知能が著しく低下するので、1.92μmの波長を使用
するのが好ましい。
めには、検知器55の検知能と測定試料における近赤外
線の光路長L即ち試料容器2の厚さがきわめて重要であ
る。例えば試料容器2の厚さが10cmもあれば、V/
Vで10ppmまで水分の濃度を測定することが可能で
ある。また検知器55としての硫化鉛光電導セルの検知
能が例えば3.5×10-12 (W)まで得られれば水分
の濃度を1ppmまで検出することも可能である。しか
し、検知能は検知器55により制約されるため飛躍的な
増大は望めない。従って、近赤外線の光路長Lを長くす
ることが実用的である。
光度Aが同一であれば光路長Lを10倍にすると、εは
物質固有の定数であるから水分を1/10の濃度まで測
定できることになる。逆に光路長Lが短いと、液化塩化
水素試料中の水分の濃度cは小さいので必然的に吸光度
Aはゼロに近くなり、I0 /IはIに近くなる。これで
は検量線を作成できたとしてもシグナルがベースライン
に近すぎて検出が困難になる。従って、光路長Lを長く
することにより吸光度Aを大きくすることが有利とな
る。尚、光路長Lをいくら長くしても透過度A-1はゼロ
にならないことは注目される。光路長Lを長くするため
には単純に試料容器2の厚さを長くすればよいのである
が、それでは装置が大型化する。そこで、例えば照射光
が試料容器2を何回も往復できる多重バス形式にするの
が好ましい。
セスの遂行中に塩化水素中の水分の濃度を定量する場合
には、例えば乾燥工程を経た後の塩化水素ガスの一部を
サンプリングし、これを冷却して液化塩化水素とし、こ
の液化塩化水素試料を試料容器2に導入して測定するの
が好ましい。この場合は液化塩化水素試料中の水分の濃
度を連続的に定量することができる。
の吸光度を測定して予め作成した検量線から液化塩化水
素試料中の水分の濃度を直接定量するので水分の濃度を
高い精度で、かつ迅速に知ることができる。また液体の
状態で定量するのでガス状態で定量する場合に比較して
測定試料中における単位体積当たりの水分のモル数が格
段に多く、吸光度の測定感度が格段に高くなる。さらに
露点法のように測定者の熱練を必要とすることもないの
で操作性が簡単で容易に定量することができる。また、
冷却して液化塩化水素とするので試料容器2内の圧力を
低くすることができ、試料容器2や配管の構造が簡単と
なる。尚、冷却は試料容器2の雰囲気のみでよいので、
外部の配管を冷却する必要はない。
クライオスタットを用いて試料容器2を測定装置に組み
込むようにしてもよい。この装置では、寒剤注入口71
から寒剤を寒剤溜め72に注入し、試料容器2の配置雰
囲気を真空にして試料容器2を冷却している。一方の窓
板73から試料容器2に対して近赤外線が照射されると
その透過光が他方の窓板74から検知器に至る。このク
ライオスタットでは、冷媒として液体ヘリウム(He)
や液体窒素(N2 )を使用している。液体ヘリウムでは
3K(約−270℃)まで到達可能であり、所望の塩化
水素の液体ゾーン(160〜185K)でも装置への組
み込みが可能である。
定量はバッチ式でサンプリングして行ってもよく、また
連続的にサンプリングして行ってもよい。また、冷媒と
しては、例えばドライアイスとアセトンからなる寒剤、
例えばエタノールを液体窒素にて冷却した冷却液体等を
用いてもよい。さらに、本発明においては、水分の濃度
を測定する対象は液化塩化水素に限られず、その他の種
々の液化ガス試料をも対象とすることができる。また空
気や不活性ガスについても液化してその水分の濃度を定
量することもできる。また液化ガスの製造ラインから直
接サンプリングしてもよいし、又は液化ガスをボンベ等
に詰め込んだ後このボンベから液化ガスを抽出して水分
の定量を行ってもよい。
含まれる微量の水分の濃度を高い精度でかつ迅速に定量
することができる。
る。
置の概略図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ガス中に不純物として含まれる微量の水
分を定量する方法であって、ガスを冷却して液化された
液化ガス試料に水のOH基に大きな吸収を示す近赤外線
を照射してその吸光度を測定し、この測定した吸光度に
基づいて液化ガス試料中の水分の濃度を定量することを
特徴とするガス中の水分の定量方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16025293A JP3242209B2 (ja) | 1993-06-04 | 1993-06-04 | ガス中の水分の定量方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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JP3242209B2 JP3242209B2 (ja) | 2001-12-25 |
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1993
- 1993-06-04 JP JP16025293A patent/JP3242209B2/ja not_active Expired - Fee Related
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