JPH0599758A - ジルコニア基板を用いた白金温度センサの製造方法 - Google Patents
ジルコニア基板を用いた白金温度センサの製造方法Info
- Publication number
- JPH0599758A JPH0599758A JP25563991A JP25563991A JPH0599758A JP H0599758 A JPH0599758 A JP H0599758A JP 25563991 A JP25563991 A JP 25563991A JP 25563991 A JP25563991 A JP 25563991A JP H0599758 A JPH0599758 A JP H0599758A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- platinum
- temperature sensor
- base plate
- platinum film
- substrate
- Prior art date
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- Withdrawn
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ジルコニア基板を用いた白金温度センサにお
いて、ジルコニア基板と白金膜との間の密着強度を向上
させる。 【構成】 ジルコニア基板2上に白金膜3を形成した
後、白金の融点TM[K]の0.77〜0.87倍の温
度で熱処理する。
いて、ジルコニア基板と白金膜との間の密着強度を向上
させる。 【構成】 ジルコニア基板2上に白金膜3を形成した
後、白金の融点TM[K]の0.77〜0.87倍の温
度で熱処理する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、白金温度センサの製
造方法に関するもので、特に、ジルコニア(ZrO2 )
基板を用いた白金温度センサの製造方法に関するもので
ある。
造方法に関するもので、特に、ジルコニア(ZrO2 )
基板を用いた白金温度センサの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】白金温度センサは、一般的には、アルミ
ナ基板上に厚膜法またはスパッタ法により白金膜を形成
し、この白金膜にレーザまたはドライエッチング技法を
適用して回路を形成し、白金膜によって形成された回路
の両端部にAuまたはAg−Ptペーストにより端子電
極を形成することにより提供されている。しかしなが
ら、このようなアルミナ基板を用いた白金温度センサ
は、次のような問題を含んでいる。
ナ基板上に厚膜法またはスパッタ法により白金膜を形成
し、この白金膜にレーザまたはドライエッチング技法を
適用して回路を形成し、白金膜によって形成された回路
の両端部にAuまたはAg−Ptペーストにより端子電
極を形成することにより提供されている。しかしなが
ら、このようなアルミナ基板を用いた白金温度センサ
は、次のような問題を含んでいる。
【0003】すなわち、アルミナ基板は、抗折強度が比
較的低いため、白金温度センサを風速センサとして用い
る場合、曲げによる負荷に対する耐性を与えるため、基
板の厚みを比較的厚くしなければならない。ところが、
このように基板が厚くされると、熱容量が増し、白金温
度センサの熱応答性、特に低風速域高熱応答性が低下す
る。
較的低いため、白金温度センサを風速センサとして用い
る場合、曲げによる負荷に対する耐性を与えるため、基
板の厚みを比較的厚くしなければならない。ところが、
このように基板が厚くされると、熱容量が増し、白金温
度センサの熱応答性、特に低風速域高熱応答性が低下す
る。
【0004】この問題を解決するため、抗折強度の高い
ジルコニアを基板として用いることが、たとえば特開平
2−58304号公報に記載されている。ジルコニア
は、アルミナに比べて約2倍の抗折強度を有しているた
め、ジルコニアを用いた場合、基板を薄くすることがで
きる。
ジルコニアを基板として用いることが、たとえば特開平
2−58304号公報に記載されている。ジルコニア
は、アルミナに比べて約2倍の抗折強度を有しているた
め、ジルコニアを用いた場合、基板を薄くすることがで
きる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ジルコ
ニアを基板として用いると、基板とその表面に形成され
た白金膜との間での密着強度が低いため、経時変化とと
もにこれら両者が互いに剥離するという現象が認めら
れ、信頼性が低いという問題を有している。また、この
ような低い密着強度を補うためには、白金膜の厚みを厚
くする必要があるが、この場合には、高い抵抗温度係数
を得にくいという問題を招く。
ニアを基板として用いると、基板とその表面に形成され
た白金膜との間での密着強度が低いため、経時変化とと
もにこれら両者が互いに剥離するという現象が認めら
れ、信頼性が低いという問題を有している。また、この
ような低い密着強度を補うためには、白金膜の厚みを厚
くする必要があるが、この場合には、高い抵抗温度係数
を得にくいという問題を招く。
【0006】それゆえに、この発明の目的は、ジルコニ
ア基板を用いた白金温度センサにおいて、ジルコニア基
板と白金膜との間の密着強度を高めることができる、白
金温度センサの製造方法を提供しようとすることであ
る。
ア基板を用いた白金温度センサにおいて、ジルコニア基
板と白金膜との間の密着強度を高めることができる、白
金温度センサの製造方法を提供しようとすることであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる白金温
度センサの製造方法では、ジルコニア基板を用意し、こ
の基板上に白金膜を形成した後、上述した技術的課題を
解決するため、白金の融点PM[K]の0.77〜0.
87倍の温度で熱処理することが行なわれる。
度センサの製造方法では、ジルコニア基板を用意し、こ
の基板上に白金膜を形成した後、上述した技術的課題を
解決するため、白金の融点PM[K]の0.77〜0.
87倍の温度で熱処理することが行なわれる。
【0008】
【作用】この発明において、上述したような高温で熱処
理することにより、ジルコニア基板と白金膜との間の密
着強度が向上される。
理することにより、ジルコニア基板と白金膜との間の密
着強度が向上される。
【0009】
【発明の効果】したがって、この発明によれば、上述し
たようにジルコニア基板と白金膜との間の密着強度が高
められるので、白金膜が経時変化とともに剥離するとい
う現象が回避される。それゆえに、ジルコニア基板を用
いて、信頼性の高い白金温度センサを提供することがで
きる。
たようにジルコニア基板と白金膜との間の密着強度が高
められるので、白金膜が経時変化とともに剥離するとい
う現象が回避される。それゆえに、ジルコニア基板を用
いて、信頼性の高い白金温度センサを提供することがで
きる。
【0010】また、白金膜のジルコニア基板での密着強
度が高められるので、白金膜の厚みを薄くすることがで
きる。それゆえに、高い抵抗温度係数を得ることができ
るとともに、白金膜の厚みを変えることにより、希望の
抵抗温度係数を得ることが容易になる。
度が高められるので、白金膜の厚みを薄くすることがで
きる。それゆえに、高い抵抗温度係数を得ることができ
るとともに、白金膜の厚みを変えることにより、希望の
抵抗温度係数を得ることが容易になる。
【0011】また、この発明によれば、ジルコニア基板
の比較的高い抗折強度を有するという性質を効果的に引
出すことができる。すなわち、ジルコニア基板を用いた
白金温度センサによれば、曲げによる負荷への耐性が増
すので、そのような白金温度センサの適用範囲が広げら
れる。また、基板の厚みを薄くできるので、熱応答性、
特に低風速域高熱応答性に優れた白金温度センサを得る
ことができる。
の比較的高い抗折強度を有するという性質を効果的に引
出すことができる。すなわち、ジルコニア基板を用いた
白金温度センサによれば、曲げによる負荷への耐性が増
すので、そのような白金温度センサの適用範囲が広げら
れる。また、基板の厚みを薄くできるので、熱応答性、
特に低風速域高熱応答性に優れた白金温度センサを得る
ことができる。
【0012】
【実施例】図1は、この発明の一実施例により得られた
白金温度センサ1を示す断面図である。
白金温度センサ1を示す断面図である。
【0013】白金温度センサ1は、ジルコニア基板2を
備え、その上には、回路を形成するようにパターニング
された白金膜3が形成される。白金膜3上には、コーテ
ィングガラス4が付与される。また、白金膜3が形成す
る回路の各端部には、端子電極5が、たとえばAuまた
はAg−Ptによって形成される。各端子電極5には、
たとえば白金線または白金−ニッケルクラッド線からな
るリード線6が溶接される。さらに、リード線6が溶接
された部分を覆うように固定ガラス7が付与される。
備え、その上には、回路を形成するようにパターニング
された白金膜3が形成される。白金膜3上には、コーテ
ィングガラス4が付与される。また、白金膜3が形成す
る回路の各端部には、端子電極5が、たとえばAuまた
はAg−Ptによって形成される。各端子電極5には、
たとえば白金線または白金−ニッケルクラッド線からな
るリード線6が溶接される。さらに、リード線6が溶接
された部分を覆うように固定ガラス7が付与される。
【0014】このような白金温度センサ1は、たとえ
ば、次のように製造される。まず、ジルコニア基板2が
用意される。従来、アルミナ基板を用いる場合には、こ
の基板の厚みは0.15mm程度であったが、ジルコニ
ア基板2の場合には、所望により、その厚みを0.2〜
0.03mm程度にまで薄くすることができる。
ば、次のように製造される。まず、ジルコニア基板2が
用意される。従来、アルミナ基板を用いる場合には、こ
の基板の厚みは0.15mm程度であったが、ジルコニ
ア基板2の場合には、所望により、その厚みを0.2〜
0.03mm程度にまで薄くすることができる。
【0015】次に、ジルコニア基板2上に、白金膜3
が、厚膜法またはスパッタ法により、1〜2μmの厚み
で形成される。
が、厚膜法またはスパッタ法により、1〜2μmの厚み
で形成される。
【0016】次いで、この白金膜3がジルコニア基板2
とともに高温熱処理される。この熱処理時の温度は、1
300〜1500℃に選ばれる。この温度範囲は、絶対
温度で表わすと、1573〜1773Kであり、白金の
融点TMが1770℃(2043K)であるので、0.
77〜0.87TM[K]となる。
とともに高温熱処理される。この熱処理時の温度は、1
300〜1500℃に選ばれる。この温度範囲は、絶対
温度で表わすと、1573〜1773Kであり、白金の
融点TMが1770℃(2043K)であるので、0.
77〜0.87TM[K]となる。
【0017】次いで、白金膜3は、所定の抵抗値を与え
るようにするため、レーザまたはドライエッチング法に
より、パターニングされる。
るようにするため、レーザまたはドライエッチング法に
より、パターニングされる。
【0018】その後、コーティングガラス4の付与、端
子電極5の形成、リード線6の溶接および固定ガラス7
の付与が実施され、所望の白金温度センサ1が得られ
る。
子電極5の形成、リード線6の溶接および固定ガラス7
の付与が実施され、所望の白金温度センサ1が得られ
る。
【0019】次に、この発明に従って得られたジルコニ
ア基板を用いた白金温度センサおよび従来のアルミナ基
板を用いた白金温度センサについて、いくつかの比較実
験を行なった。
ア基板を用いた白金温度センサおよび従来のアルミナ基
板を用いた白金温度センサについて、いくつかの比較実
験を行なった。
【0020】まず、基板の厚みを双方とも0.15mm
とし、白金膜の厚みを1.8μmとしたこの発明の実施
例および比較例の各試料を作製し、0〜100℃におけ
る抵抗温度係数および抗折強度を測定した。その結果
が、以下の表1に示されている。
とし、白金膜の厚みを1.8μmとしたこの発明の実施
例および比較例の各試料を作製し、0〜100℃におけ
る抵抗温度係数および抗折強度を測定した。その結果
が、以下の表1に示されている。
【0021】
【表1】 表1から、実施例によれば、比較例に比べて、2倍以上
の抗折強度が得られていることがわかる。また、抵抗温
度係数に注目すると、白金膜が同じ厚みであるにもかか
わらず、実施例の方が、比較例より高い値が得られてい
る。
の抗折強度が得られていることがわかる。また、抵抗温
度係数に注目すると、白金膜が同じ厚みであるにもかか
わらず、実施例の方が、比較例より高い値が得られてい
る。
【0022】上述した実験例から、同じ抗折強度を得よ
うとする場合、ジルコニア基板は、アルミナ基板に比べ
て、その厚みを薄くすることができることがわかる。
うとする場合、ジルコニア基板は、アルミナ基板に比べ
て、その厚みを薄くすることができることがわかる。
【0023】次に、それぞれ同じ厚みを有するジルコニ
ア基板を用いた白金温度センサとアルミナ基板を用いた
白金温度センサとによって、熱応答性の比較を行なっ
た。すなわち、各試料について、100mAの電流を通
電した状態で、0m/秒の風速から所定の風速まで風速
を急変させ、熱応答時間[秒]を測定した。その結果
が、図2に示されている。
ア基板を用いた白金温度センサとアルミナ基板を用いた
白金温度センサとによって、熱応答性の比較を行なっ
た。すなわち、各試料について、100mAの電流を通
電した状態で、0m/秒の風速から所定の風速まで風速
を急変させ、熱応答時間[秒]を測定した。その結果
が、図2に示されている。
【0024】図2から、ジルコニア基板を用いた試料
が、アルミナ基板を用いた試料より、熱応答性に優れて
いることがわかる。特に、3m/秒未満の低風速域での
応答性に関して、ジルコニア基板を用いたものが優れて
おり、低風速検知用として優れた白金温度センサを提供
することができる。
が、アルミナ基板を用いた試料より、熱応答性に優れて
いることがわかる。特に、3m/秒未満の低風速域での
応答性に関して、ジルコニア基板を用いたものが優れて
おり、低風速検知用として優れた白金温度センサを提供
することができる。
【図1】この発明の一実施例により得られた白金温度セ
ンサ1を示す断面図である。
ンサ1を示す断面図である。
【図2】この発明の実施例(ZrO2 )と比較例(Al
2 O3 )との風速急変試験による熱応答性を示す図であ
る。
2 O3 )との風速急変試験による熱応答性を示す図であ
る。
1 白金温度センサ 2 ジルコニア基板 3 白金膜
Claims (1)
- 【請求項1】 ジルコニア基板を用意し、 前記基板上に白金膜を形成し、次いで、 白金の融点TM[K]の0.77〜0.87倍の温度で
熱処理する、 各ステップを備える、ジルコニア基板を用いた白金温度
センサの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25563991A JPH0599758A (ja) | 1991-10-03 | 1991-10-03 | ジルコニア基板を用いた白金温度センサの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25563991A JPH0599758A (ja) | 1991-10-03 | 1991-10-03 | ジルコニア基板を用いた白金温度センサの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0599758A true JPH0599758A (ja) | 1993-04-23 |
Family
ID=17281541
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25563991A Withdrawn JPH0599758A (ja) | 1991-10-03 | 1991-10-03 | ジルコニア基板を用いた白金温度センサの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0599758A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999049285A1 (de) * | 1998-03-26 | 1999-09-30 | Sensotherm Temperatursensorik Gmbh | Sensorbauelement |
JP2011117971A (ja) * | 2011-02-07 | 2011-06-16 | Res Inst Electric Magnetic Alloys | 感温感歪複合センサ |
CN102607732A (zh) * | 2012-03-20 | 2012-07-25 | 哈尔滨工程大学 | 液浮陀螺仪用薄膜温度传感器的制备方法 |
-
1991
- 1991-10-03 JP JP25563991A patent/JPH0599758A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999049285A1 (de) * | 1998-03-26 | 1999-09-30 | Sensotherm Temperatursensorik Gmbh | Sensorbauelement |
JP2011117971A (ja) * | 2011-02-07 | 2011-06-16 | Res Inst Electric Magnetic Alloys | 感温感歪複合センサ |
CN102607732A (zh) * | 2012-03-20 | 2012-07-25 | 哈尔滨工程大学 | 液浮陀螺仪用薄膜温度传感器的制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990107 |