JPH0598735A - 鉄骨とプレキヤストコンクリート板との合成方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 少ない作業工数で、品質が高く、しかも、鉄
骨フレームとコンクリート板が一体的な構造体となるよ
うな合成方法を提供する。 【構成】 鉄骨フレーム（17）に予めボルト（４）を取
付けた状態でコンクリート板（17）成型用の型枠（15）
に設置する。そして、この型枠（15）にコンクリートを
流し込んでその成型と同時に一体に結合する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、軽量コンクリート板
などのプレキャストコンクリートと鉄骨フレームとの合
成方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】軽量コンクリート板等のプレキャストコ
ンクリートを用いた外壁パネルにおいて、そのパネルの
梁への取付けおよび補強を行なうため、内側面に鉄骨フ
レームを取付けることが行なわれている。その際、コン
クリート板の成型時に予めボルトを埋設しておき、別に
製作した鉄骨フレームをそのボルトを介して固定するこ
とが考えられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来に
おいては、鉄骨フレームとコンクリート板とが、別々に
製作されるとともに、これらを、ボルトで結合するよう
にしているが、かかる方法では、コンクリートの成型と
その後のボルトでの固定という工程が必要であり、作業
工数が増加するのみならず、鉄骨フレームの製作時の誤
差とコンクリート成型時の誤差が相乗して、品質の高い
ものを安定して供給できない欠点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明では、鉄骨フレームに予めボルトを取付け
た状態でコンクリート板成型用の型枠に設置する。そし
て、この型枠にコンクリートを流し込んでその成型と同
時に一体に結合するものである。

【０００５】

【作用】鉄骨フレームとボルトは、従来通りボルト・ナ
ットによる接合であるが、ボルトとコンクリートとは、
そのボルトをアンカーとした一体結合である。

【０００６】

【実施例】この発明の構成を、製造課程にしたがって説
明すると、図３及び図４において、（１）は、縦筋
（２）と横筋（３）を一体に連結したメッシュ状の鉄筋
であり、その外周部に、Ｌ型に形成した多数のボルト
（４）が、その一方の水平片（５）において予め前記外
周方向に間隔をおいて熔接されている。また、雄螺子を
形成した他方の垂直片（６）が、この鉄筋（１）に対し
て上方に突出している。

【０００７】他方、（７）は、４本の溝型鋼（８）
（８）…を、その溝が内向きとなるようにして長方形の
枠状に接合した鉄骨フレームであり、下側の水平フラン
ジ（９）には、前記ボルト（４）の位置に合致するよう
にして、多数のボルト穴（10）が形成してある。

【０００８】上記において、ボルト（４）の雄螺子部に
は、上下２個のナット(11) (12) を螺合するようにして
おり、まず下側のナット（11）を螺合した状態で、その
先端を前記鉄骨フレーム（７）のボルト穴（10）に挿入
して、その上部に螺合するもう一つのナット（12）で締
め付けて、鉄骨フレーム（７）と一体化させる。なお、
図において、（13）は、鉄骨フレーム（７）の上部のフ
ランジ（14）に熔接した取付けプレートで、この取付け
プレート（13）を介して、梁などの軸組に取付けるもの
である。

【０００９】上記のようにして、鉄筋（１）と鉄骨フレ
ーム（７）を一体化させた後、図１で示すように、コン
クリート成型用の型枠（15）内に設置し、この状態でコ
ンクリート（16）を流し込んで養生・脱型することによ
り、図２のように、コンクリート板（17）と鉄骨フレー
ム（７）を一体化させた外壁パネル（18）を得るもので
ある。このとき、図１で示すように、鉄骨フレーム
（７）を固定する上下のナット（11）（12）のうち、下
側のナット（12）の上面までコンクリート板（17）内に
埋設されている。

【００１０】図５は、上記鉄骨フレーム（７）を合成し
たコンクリート板（17）が外力Ｆに対して抵抗する状況
を示したもので、外力Ｆによって鉄骨フレーム（７）と
コンクリート板（17）が互いにズレようとするが、ボル
ト（４）がそのズレを阻止しようと抗じ、鉄骨フレーム
（７）とコンクリート板（17）が一体的な抵抗力を発揮
する。実験によればそのように鉄骨フレーム（７）とコ
ンクリート板（17）が一体的な合成構造体として機能す
ることが確かめられている。

【００１１】

【発明の効果】以上のように、この発明では、鉄骨フレ
ームに予めボルトを取付けて型枠に設置し、この型枠に
流し込むコンクリートの成型と同時に両者を一体化させ
るので、作業工数が減少し、低コストに製作でき、ま
た、コンクリートの成型時に鉄骨フレームとボルトとの
誤差を吸収できるので、品質の安定したものを提供でき
る効果がある。また、コンクリート板に埋設して一体に
付着させたボルトで鉄骨フレームを固定しているので、
鉄骨フレームとコンクリート板がアンカーとなるボルト
を介してコンクリート成型時に確実に一体化され、鉄骨
フレームとコンクリート板を合成した一体の構造体とし
て、構造計算できる。そのため、パネル全体の断面算定
に当たって小断面にすることが可能となり、部材の軽量
化及び原価の低減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例においてコンクリート板の成
型方法を示す要部の断面図である。

【図２】同じく外壁パネルの要部の断面図である。

【図３】鉄骨フレームと鉄筋を一体化させた状態の全体
斜視図である。

【図４】同じく要部の拡大斜視図である。

【図５】鉄骨を合成したコンクリート板の外力に対する
抵抗状態を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１ 鉄筋 ４ ボルト ７ 鉄骨フレーム １７ コンクリート板 １８ 外壁パネル

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】鉄骨フレームに予めボルトを取付けた状態
   でコンクリート板成型用の型枠に設置し、この型枠に流
   し込むコンクリートの成型と同時に、そのコンクリート
   内に埋設される前記ボルトを介して鉄骨フレームとコン
   クリート板を一体に結合することを特徴とする鉄骨とプ
   レキャストコンクリートとの合成方法。
2. 【請求項２】コンクリート板内に埋設する鉄筋を前記ボ
   ルトに予め溶接することを特徴とする請求項１記載の鉄
   骨とプレキャストコンクリート板との合成方法。