JPH05311872A - プレキャストコンクリート製造用型枠の補強方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 型枠の解体・移動作業を簡易かつ容易なもの
とするとともに、現場施工が可能なプレキャストコンク
リートの製造用型枠の補強方法を提供する。 【構成】 木製の枠材２と堰板４とを組み上げてプレキ
ャストコンクリート製造用型枠１を形成し、該型枠１の
枠材２に枠材補強部材３を挟持状に、かつ取り外し可能
に取り付けることにより、簡易な方法で木製枠材２の剛
性を向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はプレキャストコンクリー
トの製造用型枠に関し、さらに詳細には、該プレキャス
トコンクリートの製造型枠の補強方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、プレキャストコンクリートの製造
は、図３に示すように、内部に鉄筋ａが配設されてなる
型枠ｂ内にコンクリートｃを打設して行われており、こ
の型枠ｂには、コンクリートｃの打設時の側圧による型
枠ｂの変形を防止するため、鋼製または木製の枠材ｄを
組み立てた型枠の骨組み内に堰板ｅを配設して行われて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな型枠を用いたプレキャストコンクリートの製造方法
において、枠材に木材を使用する場合には、打設したコ
ンクリートの側圧による枠材の変形のおそれから、あま
り大きなプレキャストコンクリートを製造することは困
難であった。

【０００４】一方、枠材に鋼材を使用する場合には、該
枠材が非常に重くなり、型枠の解体・移動等に重機が必
要となる。したがって、この場合には型枠の解体作業等
が煩雑になるとともに、プレキャストコンクリートの現
場製造ができず、輸送にかかる費用や手間が多大となっ
ていた。

【０００５】そこで、本発明はかかる従来の問題点に鑑
みてなされたものであって、その目的とするところは、
型枠の解体・移動作業を簡易かつ容易なものとするとと
もに、現場施工が可能なプレキャストコンクリートの製
造用型枠の補強方法を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明にかかるプレキャ
ストコンクリートの製造用型枠の補強方法は、木製の枠
材と堰板とを組み上げて型枠を形成し、枠材補強部材を
前記枠材に挟持状に、かつ取り外し可能に取り付けるこ
とを特徴とする。

【０００７】

【作用】本発明にかかるプレキャストコンクリートの製
造用型枠の補強方法においては、枠材として木材を用い
ることにより型枠全体の重量を軽減でき、また、該枠材
に枠材製補強部材を挟持状に取り付けることにより、簡
易に枠材の剛性を向上することができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【０００９】本発明に係るプレキャストコンクリートの
製造用型枠の補強方法を用いたプレキャストコンクリー
トの製造用型枠を図１に示す。

【００１０】該プレキャストコンクリートの製造用型枠
１は、プレキャストコンクリートを製造する際のコンク
リートの打設に用いられる型枠であり、枠材２と枠材補
強部材３と堰板４とを主要部として備えてなる。

【００１１】該枠材２は、水平方向に複数配設される水
平枠材５，５…と垂直方向に複数配設される垂直枠材
６，６…とからなり、該水平枠材５，５…と垂直枠材
６，６…とを、製造するプレキャストコンクリートの形
状に合わせて略直方体状に組み立てて構成されている。
該水平枠材５および垂直枠材６には、それぞれ木製の角
材が使用される。

【００１２】そして、該枠材２は、その下端部分に配設
された水平枠材６，６…が固定ボルト７によりプレキャ
ストコンクリートの製造用ベッドＡに取り外し可能に締
めつけ固定されている。

【００１３】枠材補強部材３は、木製の枠材２に取り付
けられて該枠材２の剛性を高めるために使用するもの
で、枠材２とほぼ同一幅を有する金属製の板材からな
る。また、該枠材補強部材３には、複数のボルト挿通孔
（図示せず）が形成されている。そして、枠材補強部材
３が該ボルト挿通孔を貫通する締めつけボルト８ａ，８
ａ…とナット８ｂ，８ｂ…により、水平枠材５に上下方
向から挟持状に締めつけ固定されている（図２参照）。

【００１４】次に、上記のように構成されてなるプレキ
ャストコンクリートの製造用型枠１の組み立て手順につ
いて説明する。

【００１５】 まず、製造ベッドＡ上に水平枠材５，
５…を製造するプレキャストコンクリートの形状に合わ
せ固定ボルト７，７…により締めつけ固定する。ここ
で、枠材２の長手方向に配設される水平枠材５，５を製
造ベッドＡに固定する際、枠材補強部材３，３を水平枠
材５，５の上面にそれぞれ共締め固定する。

【００１６】 次に、略矩形状に組まれた水平枠材
５，５の四隅に垂直枠材６，６…を固定し、その上に更
に水平枠材５，５…を固定して型枠２の骨組みを組み上
げる。

【００１７】 そして、該垂直枠材６，６…上に固定
された水平枠材５，５…に、枠材補強部材３，３を締め
つけボルト・ナット８，８…により挟持状に締めつけ固
定して、プレキャストコンクリートの製造用型枠１の骨
組みを完成させる。

【００１８】 最後に、該骨組みの内周面に堰板４を
挿入して製造用型枠１の組み立て作業を完了する。

【００１９】なお、本発明にかかるプレキャストコンク
リート製造用型枠の補強方法は、上記実施例に限定され
ることなく適宜設計変更可能である。

【００２０】すなわち、枠材補強部材３の長さは水平枠
材５と同一でなくてもよく、また、枠材補強部材３を垂
直枠材６や水平，垂直枠材５，６の接合部分にＬ字状に
折り曲げて取り付けることも可能である。

【００２１】さらに、図３に示すような補強構造とする
ことも可能である。すなわち、枠材補強部材１３の形状
寸法が、図２の実施例のものよりも肉厚でかつ幅狭に設
定されるとともに、これに対応して、水平枠材５の上下
両面に、この枠材補強部材１３を受ける受け溝５ａが水
平枠材５の長手方向へ延びて設けられている。そして、
枠材補強部材１３，１３が締めつけボルト・ナット８
ａ，８ｂにより締めつけ固定された状態において、両枠
材補強部材１３，１３の表面が水平枠材５の上下両面と
面一になるように構成されている。

【００２２】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
木製の枠材の剛性を簡単な方法で高めることができ、そ
の結果木製の枠材を使用して大型のプレキャストコンク
リートを製造することが可能となる。

【００２３】また、型枠に木材を使用することから、型
枠全体が軽量となり重機等を用いずに型枠の移動が行え
る他、型枠の製造コストを安価に抑えることもできる。

【００２４】さらに、解体した状態での型枠の運搬が容
易であり、しかも型枠の組み立てが簡易に行えることか
ら、プレキャストコンクリートの現場施工が可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるプレキャストコンクリートの製
造用型枠の補強方法を用いて組み立てた型枠の状態を示
す斜視図である。

【図２】図１のII-II 線に沿った断面図である。

【図３】枠材補強部の変形例を示す断面図である。

【図４】従来の型枠の状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 製造用型枠 ２ 枠材 ３ 枠材補強部材 ４ 堰板 ５ 水平枠材 ６ 垂直枠材 ７ 固定ボルト ８ａ 締めつけボルト ８ｂ ナット Ａ プレキャストコンクリート用製造ベッド

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 木製の枠材と堰板とを組み上げて型枠を
   形成し、枠材補強部材を前記枠材に挟持状に、かつ取り
   外し可能に取り付けることを特徴とするプレキャストコ
   ンクリート製造用型枠の補強方法。