JPH059809A - 熱接着性複合繊維およびその繊維集合体 - Google Patents

熱接着性複合繊維およびその繊維集合体

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JPH059809A JP16191791A JP16191791A JPH059809A JP H059809 A JPH059809 A JP H059809A JP 16191791 A JP16191791 A JP 16191791A JP 16191791 A JP16191791 A JP 16191791A JP H059809 A JPH059809 A JP H059809A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分子量分布が広くかつ高結晶性で低分子量成
分の少ない高結晶性ポリプロピレンからなる第1成分を
芯成分とし、融点が前記第1成分より低い温度の樹脂か
らなる第2成分を鞘成分とする熱接着性複合繊維を用い
ることにより、収縮率が低く、皺の入りにくい不織布成
分とする。 【構成】 芯成分として、融点が160℃を越え、重量
平均分子/数平均分子量の比(Q値)が7〜11、沸騰
n−ヘプタン不溶分(HI、単位;重量%)が97〜1
00、アイソタクチックペンタッド分率(IPF、単
位;モル%)が94〜100である高結晶性ポリプロピ
レンを用い、鞘成分として融点が70〜145℃、熱変
質温度が200℃を越えるポリオレフィン系ランダムも
しくはブロック共重合体、ポリエステル共重合体または
ポリエチレンを用いてコンジュゲートファイバーとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は軟質で熱収縮性の鞘成分
を用いても熱溶融接着加工時の熱収縮が極めて小さく、
良好な地合の不織布もしくは紙などに容易に加工できる
熱接着性複合繊維およびその繊維集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱接着性バインダー成分を用いた
不織布は一般的に広く使われている。例えば、パルプ、
レーヨンなどのセルロース系繊維状物およびポリエステ
ル繊維、アクリル繊維などの非ポリオレフィン系合成繊
維を熱溶融接着させて繊維集合体に加工するため、比較
的低融点のポリオレフィン系共重合体もしくはポリエス
テル系共重合体を鞘成分とする熱接着性複合繊維が用い
られている。これらの熱接着性複合繊維は熱溶融接着加
工時に著しく熱収縮を起こすため、単位面積当たりの重
量の小さいいわゆる低目付の不織布には用いにくく、目
付の大きいクッション材や敷き布団などの固綿(かたわ
た)などに用いられている。
【0003】従ってこれらの熱接着性複合繊維のみでな
る不織布は、市場にはほとんどなく、一般にはたとえば
120℃以上の高い融点を有し、芯成分の熱セットが可
能なため熱収縮性が小さいポリエチレンもしくはポリプ
ロピレンを鞘成分とする熱接着性複合繊維からなるか、
またはこれらの繊維が混用されている不織布が用いられ
ている(特公昭50−4767号および特公昭55−1
7807号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ポリオレフィン系の熱接着性繊維は接着性が良好でない
という課題があった。すなわち、非ポリオレフィン系の
ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維および
ビニロン繊維等の汎用合成繊維およびパルプ、木綿、麻
およびレーヨン繊維等のセルロース繊維状物および羊毛
などの天然繊維には接着性が悪く、疎水性のため親水性
を必要とする用途には十分適用できないという問題があ
った。これを改善するため、鞘成分にアクリル酸エステ
ルあるいはアクリル酸などのエチレンカルボン酸系モノ
マーまたは酢酸ビニルなどのビニルモノマーとエチレン
の共重合体を用い、芯成分にポリプロピレンもしくはポ
リエチレンテレフタレートを用いた熱接着性複合繊維が
提案されている。しかしこの方法も、鞘成分はいずれも
融点が110℃〜80℃と低く、芯成分に十分な熱セッ
トをかけることができないため、熱収縮率が大きく、特
に熱溶融接着加工時熱風貫通型熱加工機など繊維の自由
度が大きい加工機を用いる場合は地合不良が著しく、混
用率を上げる事ができないという問題があった。混用率
が上げられないと得られる繊維集合体の物理的強度が低
い問題につながる。
【0005】またポリエステル共重合体である非晶質ポ
リエステルを熱接着成分とし、芯成分をポリエチレンテ
レフタレートとする複合繊維も試みられているが(特公
昭63−47806号公報)、熱溶融接着時の熱収縮が
大きく、目付の小さい不織布には外観上実用的でなく、
たとえこの種の繊維で不織布を作成しても従来のポリオ
レフィン系熱接着繊維からなる不織布より柔軟性に欠け
るため風合がよくないという問題があった。
【0006】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、繊維の熱収縮性を抑制するための芯成分の熱セッ
トが困難であるような低融点のポリマーを鞘成分に用い
ても熱溶融加工時熱収縮が十分小さく、熱接着繊維とし
て低い割合の混用率から100%使用までの混用率の範
囲で用いても、それによって得られる不織布、紙などの
繊維集合体は外観が良好である熱接着性複合繊維および
その繊維集合体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の熱接着性複合繊維は、融点が150℃を越
える高結晶性ポリプロピレンからなる第1成分を芯成分
とし、融点が前記第1成分より低い温度の樹脂からなる
第2成分を鞘成分とする少なくとも2成分系の複合繊維
であって、前記第1成分の重量平均分子量/数平均分子
量の比(Q値)が7<Q<11、沸騰nーヘプタン不溶
分(HI、単位;重量%)が97<HI<100、アイ
ソタクチックペンタッド分率(IPF、単位;モル%)
が94<IPF<100である高結晶性ポリプロピレン
であり、前記第2成分が融点が70〜145℃、熱変質
温度が200℃を越えるポリオレフィン系ランダムもし
くはブロック共重合体、ポリエステル共重合体またはポ
リエチレンであることを特徴とする。
【0008】前記構成においては、第1成分のQ値が7
〜10、190℃でのメルトフローレート(MFR、g
/10分、JISK7210に準ず、荷加重2.169
Kg)が1<MFR<100の高結晶性ポリプロピレン
であり、第2成分がアクリル酸エステルおよび/または
メタクリル酸エステルが5〜30重量%アクリル酸、メ
タクリル酸およびマレイン酸等のエチレンカルボン酸が
0〜10重量%、これらエチレンカルボン酸系モノマー
5〜30重量%とエチレンモノマー95〜70重量%か
らなる共重合体、またはエチレン−酢酸ビニル共重合体
で融点(Tm℃)が70<Tm≦120のエチレン共重
合体または融点(Tm℃)が120<Tm<145のエ
チレン−プロピレン共重合体であることが好ましい。
【0009】また前記本発明の熱接着性複合繊維を用い
た繊維集合体は、前記本発明の鞘芯型熱接着性複合繊維
が少なくとも10重量%、ほかの繊維に混合され、少な
くとも鞘成分によって熱溶融接着されて一体化している
という構成を備えたものである。
【0010】
【作用】前記本発明でいう第1成分が重量平均分子/数
平均分子量の比(Q値)が7<Q<11であるというこ
とは、分子量分布が広くかつ高結晶性で低分子量成分の
少ない高分子であることを意味する。すなわちQ値が7
〜11、沸騰n−ヘプタン不溶分が98前後、アイソタ
クチックペンタッド分率が95〜98であるポリプロピ
レンを芯成分とし、溶融するとゴム質的挙動をし、熱収
縮を生じやすい種々の共重合高分子を鞘成分型複合繊維
であって、該繊維を熱セット処理しなくても、熱溶融接
着時芯成分であるポリプロピレンの熱変形抵抗性が大き
いため熱収縮が生じにくくなる。
【0011】本発明の芯成分に用いるポリプロピレンは
そのQ値を、抗熱収縮性を大きくするため7を超す事が
好ましく、また延伸性の劣悪化防止のため11未満が好
ましく8〜9がより好ましい。また高結晶、高配向性と
するため沸騰n−ヘプタン不溶分(HI%)は97%を
超えることが好ましく、実用上容易に入手可能な98%
前後が最も好ましく、アイソタクチックペンタッド分率
(n−ヘプタン不溶分について「マクロモレキュラー
ズ」(Macromolecules, 6,925(1973) および8,687(197
5) に準じ測定した)は94%を超え、実用上、技術
上、容易に入手可能な95%〜98%が最も好ましい。
さらに好ましくは、鞘成分に用いる共重合高分子は、一
般に熱変質しやすく、比較的低温で紡糸することが好ま
しいため、MFRは大きい方が望ましいが分子量が低下
すると抗熱収縮性も低下する事、およびあまり低MFR
であると紡糸性が低下するため、1<MFR<100の
範囲の溶融粘度のものが好ましい。
【0012】本発明の鞘成分に用いる熱可塑性樹脂は、
熱接着性を発揮するため融点を145℃未満とし、繊維
製造上の点で70℃を超えることが好ましく、また繊維
製造上の点で少なくとも200℃では熱分解、熱架橋、
熱酸化劣化および熱化学反応などの熱変質を生じない樹
脂であればよい。特に軟質で熱収縮しやすいポリオレフ
ィン系ランダムもしくはブロック共重合体および熱収縮
しやすいポリエステル共重合体が好ましい。またローラ
ーカードの高速化に対応できる低温乾燥によって機械捲
縮形状変化を防止する手法を適用する場合には、低密度
もしくは中、高密度ポリエチレンが好ましい。前記ポリ
オレフィン系共重合体とは融点(Tm℃)が70<Tm
≦120のアクリル酸エステルおよび/またはメタリル
酸エステルが5〜30重合%、アクリル酸、メタクリル
酸およびマレイン酸等のエチレンカルボン酸が0〜10
重量%これらエチレンカルボン酸系モノマー5〜30重
量%とエチレンモノマー95〜70重量%からなる共重
合体、融点(Tm℃)が70<Tm≦120℃のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、または融点(Tm℃)が12
0<Tm<1℃45のエチレン−プロピレン共重合体な
どがあげられるが、他のエチレンまたはプロピレンなど
のα−オレフィンの共重合体であってもよい。また前記
ポリエステル共重合体は流動開始温度(Tm℃)が70
<Tm<145のいわゆる非晶質ポリエステルもしくは
脂肪族ポリエステルなどがあげられる。本発明の繊維は
200℃〜310℃の範囲の紡糸温度で紡糸されるが2
30℃〜270℃が特に好ましく、鞘成分の融点を下ま
わる温度で延伸してより配向させ機械捲縮を付与したス
テープルが特に好ましいがマルチフィラメント、および
延伸されないスパンボンドあるいはメルトブローなどの
繊維形体であってもよく、繊度は特に限定はないが0.
1〜1000デニール、ステープ(短繊維)にあっては
0.5〜20デニールが好ましく、繊維断面における鞘
成分の占める面積率は20〜70%が好ましく、繊維表
面を鞘成分のみで占めている鞘芯型複合繊維の形態が最
も好ましいが、三次元スパイラル形状を必要とする場合
にあっては芯成分が鞘成分と分離しない範囲で繊維表面
に露出していてもよい。
【0013】本発明の繊維は、これのみでも熱接着され
た地合の良い不織布、紙に加工できるが、用いる鞘成分
によっては特異的な熱接着特性を持つためアクリル繊
維、レーヨン、パルプなどの熱接着繊維として用いられ
るが、接着強力の点で少なくとも10重量%混用するこ
とが好ましい。
【0014】本発明にいう繊維集合体は、紙、不織布、
フェルト、固綿、カートリッジフィルターなどの熱成形
体、紡績糸、およびマルチフィラメントとその織編物な
ど熱接着されたものおよび/または熱接着されていない
繊維集合物をいう。
【0015】前記した本発明の構成によれば、抗熱収縮
性のポリプロピレンを芯成分とする鞘芯型複合繊維であ
り、一般に溶融時熱収縮性を示す共重合体を鞘成分とし
て用いても熱溶融接着加工時芯成分の抗熱収縮性のため
繊維の熱収縮が極めて小さく地合の良い紙および不織布
になすことができる。
【0016】また本発明の芯成分はQ値が異常に広くか
つ高結晶性のポリプロピレンを用いているため、常温で
は剛直性に優れ、機械的折りたたみ方式で捲縮を繊維に
付与すると、熱セットが不十分でも捲縮形状の固定に優
れているため、従来の芯成分をポリプロピレン、鞘成分
をポリエチレンとするカード通過性を大幅に向上でき
る。また、熱接着複合繊維に適用すると、捲縮数が小さ
くても鋭角に折れ曲った捲縮形状によりカード通過性を
大幅に向上できカーディングマシンの高速化に対応でき
る。
【0017】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。まず本発明で定義する各ファクターについ
て、その測定例を説明する。 (1) 重量平均分子量は、例えば光散乱法、粘度法、超遠
心法を用いて次の数式1によって求める。
【0018】
【数1】
【0019】(2) 数平均分子量は、例えば末端基定量
法、氷点降下法、沸点上昇法、浸透圧法を用いて次の数
式2によって求める。
【0020】
【数2】
【0021】一般的に重量平均分子量/数平均分子量
は、多分散度の尺度として用いられ、この値が1(単分
散)より大きくなるほど分子量分布曲線が幅広く(ブロ
ード)になることを意味する。 (3) 沸騰n−ヘプタン不溶分(HI)は、5gのポリプ
ロピレン試料を500mlの沸騰キシレン中に全溶解さ
せ、これらを5リットルのメタノール中に投入して析出
させたものを回収して乾燥した後、沸騰n−ヘプタンで
6時間ソックスレー抽出した抽出残部をいう。不溶分を
重量%で示す。 (4) アイソタクチックペンタッド分率は、n−ヘプタン
不溶分について「マクロモレキュラーズ」(Macromolec
ules, 6,925(1973) および8,687(1975) に準じ測定し
た。 (5) メルトフローレート(MFR)は、温度190℃で
ノズル通過量(単位:g/10分、JISK7210に
準ず、荷加重2.169Kg)で測定した。
【0022】以下具体的実施例を説明する。 実施例1〜5,比較例1〜4 表1に示すポリプロピレンと共重合体およびポリエチレ
ンを用い、芯成分と鞘成分の繊維断面での面積比(複合
比)が1:1の鞘芯型(S/c)複合繊維を溶融複合紡
糸し、熱水中で延伸して延伸糸となし、次いでこれを二
つに分けその一つに繊維処理剤を付与した後にスタッフ
ァボックスで機械捲縮を付与し、ネットコンベアー式熱
風貫通型乾燥機で乾燥し、切断して繊維長51mmのス
テープル繊維とした。また他の一つを60℃の温水中で
延伸し、親水性処理剤を付与した後に直ちに切断して繊
維長5mmの短カット繊維とした。
【0023】次に上記繊維を用いて不織布および紙を得
た。不織布は上記繊維100重量%からなるものとし、
ローラーカードでウエッブとした後140℃、熱風貫通
型熱加工機でウエッブをネットに挟んで処理し、複合繊
維の鞘成分を溶融させ繊維間を接着し目付40g/m2
の不織布となした。
【0024】なお比較例として、ポリエチレンテレフタ
レートを芯とし、ポリエステル共重合体を鞘とした繊維
も同様にして作成し、ステープル繊維とし不織布化し
た。同種の繊維として固綿接着用の日本エステル(株)
製「メルテイ」4080および(株)クラレ製「ソフィ
ット」720がある。
【0025】また紙は上記熱接着性繊維を5mmに切断
し、この短カット繊維30重量%と2デニール長さ5mm
のレーヨンとを混合して抄造し、120℃でプレス乾燥
して坪量20g/m2 の紙となした。上記実施例、比較
例の各繊維、不織布の諸性能を表1に示し、不織布およ
び紙の諸性能を表1に示す。140℃熱収縮率はJI
S、L10137、16、2に基づき加重を1mg/デニ
ールとして測定算定した。不織布地合は実用上優れてい
るものを◎、実用できるものを○、実用上問題のあるも
のを×とした。不織布紙の強力は、幅50cmの材料を試
験長100mm引張速度300mm/分で破断強伸度を
測定した。140℃のフリー収縮率は60g/m2 目付
のウエッブを15cm口に切り140℃熱風乾燥機に10
分間入れ面積収縮率を算出した。
【0026】以上の実施例、比較例の結果を表1に示
す。
【0027】
【表1】
【0028】表1から明らかな通り、本発明の実施例は
低目付の熱接着性不織布であっても、収縮が少なく皺が
入りにくく、不織布地合にも優れていた。また熱セット
性も良好であった。その他強力、伸度、風合にも優れて
いた。なおここで不織布地合について説明する。地合と
は通常地合むらをいい、地合むらとは、0.5cm2
度の微少面積で目付を見たときの目付(単位面積当たり
の繊維重量)むらを生じている現象をいう。熱収縮性の
大きな繊維のみで不織布をつくり熱接着すると、最初に
熱接着した点の部分に繊維が縮もうとし、薄目付不織布
ではくもの巣状に繊維が変形し、繊維の多い部分と少な
い部分とが目で見て判別できる。実際には不織布に光を
透過させその濃淡で判断する。
【0029】実施例6 実施例1のステープル繊維30重量%と2デニールのレ
ーヨン繊維70重量%を混綿し、実施例1と同様にして
目付40g/m2 の不織布を製造した。得られた不織布
は、強力が4000g、伸度は65%であり、風合は良
好で地合もなく優れていた。
【0030】以上本発明の実施例によれば、本発明の熱
接着性複合繊維を用いると、本発明の繊維のみでなる不
織布は、その加工時熱収縮がほとんどなく良好な地合の
不織布となり、従来鞘成分の熱収縮性のため、不織布向
原綿となりえなかった各種共重合体を含む繊維を不織布
向原綿として用いることができる様になった。その結
果、極めて大きいスベリマサツ抵抗を持つエチレン−メ
チルアクリレート系共重合体を鞘成分とするスベリ防止
繊維および不織布などの加工品熱収縮性が極めて大きい
がポリプロピレンと化学特性が近く、融点のみ低いエチ
レンを若干共重合させたポリプロピレン共重合体を鞘成
分として用い熱収縮性を抑制した、芯、鞘成分のハクリ
がない従来のポリエチレンを鞘成分とする繊維からなる
不織布より高強力なポリプロピレン熱接着繊維およびそ
の加工品、および、従来の複合繊維より機械捲縮固定が
しっかりなされていてカーディングマシンの高速化に対
応できるポリエチレンを鞘成分とする熱接着性複合繊維
を容易に製造することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、繊
維の熱収縮性を抑制するための芯成分の熱セットが困難
であるような低融点のポリマーを鞘成分に用いても熱溶
融加工時熱収縮が十分小さく、熱接着繊維として低い割
合の混用率から100%使用までの混用率の範囲で用い
ても、それによって得られる不織布、紙などの繊維集合
体は外観が良好である熱接着性複合繊維およびその繊維
集合体を提供することができた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が160℃を越える高結晶性ポリプ
    ロピレンからなる第1成分を芯成分とし、融点が前記第
    1成分より低い温度の樹脂からなる第2成分を鞘成分と
    する少なくとも2成分系の複合繊維であって、前記第1
    成分の重量平均分子量/数平均分子量の比(Q値)が7
    <Q<11、沸騰n−ヘプタン不溶分(HI、単位;重
    量%)が97<HI<100、アイソタクチックペンタ
    ッド分率(IPF、単位;モル%)が94<IPF<1
    00である高結晶性ポリプロピレンであり、前記第2成
    分が融点が70〜145℃、熱変質温度が200℃を越
    えるポリオレフィン系ランダムもしくはブロック共重合
    体、ポリエステル共重合体またはポリエチレンであるこ
    とを特徴とする熱接着性複合繊維。
  2. 【請求項2】 第1成分のQ値が7〜10、190℃で
    のメルトフローレート(MFR、g/10分、JISK
    7210に準ず、荷加重2.169Kg)が1<MFR
    <100の高結晶性ポリプロピレンであり、第2成分が
    アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステ
    ルが5〜30重量%アクリル酸、メタクリル酸およびマ
    レイン酸等のエチレンカルボン酸が0〜10重量%、こ
    れらエチレンカルボン酸系モノマー5〜30重量%とエ
    チレンモノマー95〜70重量%からなる共重合体、ま
    たはエチレン−酢酸ビニル共重合体で融点(Tm℃)が
    70<Tm≦120のエチレン共重合体、または融点
    (Tm℃)が120<Tm<145のエチレン−プロピ
    レン共重合体である請求項1に記載の熱接着性複合繊
    維。
  3. 【請求項3】 請求項1の鞘芯型熱接着性複合繊維が少
    なくとも10重量%、ほかの繊維に混合され、少なくと
    も鞘成分によって熱溶融接着されて一体化している繊維
    集合体。
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