JP4670580B2 - 高強度熱融着性複合繊維 - Google Patents

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Description

本発明は、熱融着性複合繊維に関する。さらに詳しくは、鞘芯構造の熱融着性複合繊維であって、高強度を有し、かつ工業的に安価に高生産性で製造する事ができ、乾式不織布や電池用セパレータ等の湿式不織布などの用途に適した熱融着性複合繊維に関するものである。
合成繊維やフィルムなど、延伸処理が施される高分子製品の物性は、その高次構造(分子鎖集合体が形成する構造:分子配向度や結晶化度など)の影響を強く受け、また、その高次構造は延伸処理や熱処理の方法、程度などに依存する。一般的に、延伸処理を施すことで分子鎖は延伸方向に一軸配向して、延伸方向の強度、ヤング率などの力学特性が向上する。よって、力学特性に優れた高分子製品を得ようとするならば、より高倍率で延伸処理を行う事が好適であり、また延伸工程の後に必要に応じて熱処理が行われている。
力学特性に優れた高分子製品を得るためには、延伸工程は特に重要であり、高倍率で延伸を行うために、種々の方策が採られている。大きくは、高倍率で延伸できる未延伸糸を得る事、高倍率で延伸できる延伸方法の採用である。
一般的に、高倍率で延伸できる未延伸糸を得るためには、紡糸過程での紡糸線に働く応力を低減する事で、高分子鎖の分子配向を抑制した未延伸糸を得る事が有効である。紡糸線応力を低減する方法としては、例えば、吐出樹脂温度を高くする、吐出樹脂の分子量を小さくするなどの方法が挙げられる。しかし、これら方法は、ノズル直下における張力の低下を招いて糸揺れを引き起こし、紡糸性の悪化につながる事もある。また、分子量を極端に小さくした場合には、最終繊維製品の物性低下を招く事もある。
他に、紡糸口金からの引き取り速度をなるべく低速としたり、紡糸口金の孔径をなるべく小さくしたりする事も、高倍率で延伸できる未延伸糸を得るためには有効である。しかし、引き取り速度を低速にする事は、生産性の低下を招く。また、孔径を小さくしすぎた場合には、樹脂の詰まりなどを引き起こし、生産性の低下を招く事もある。
これら未延伸糸の延伸方法としては、金属加熱ロールや金属加熱板を用いた接触加熱延伸、あるいは温水、沸水、加圧飽和水蒸気、熱風、遠赤外線、炭酸ガスレーザーを用いた非接触加熱延伸などが挙げられる。一般的に、高倍率で延伸処理を行って、より繊維強度の高い延伸合成繊維を得るためには、非接触加熱延伸が有効である。なかでも、被延伸物の温度を高倍率で延伸できる温度まで瞬時に昇温できるという観点から、加圧飽和水蒸気(特許文献1参照)や炭酸ガスレーザー(特許文献2参照)による延伸が好適である。しかし、これら延伸方法は、設備投資に多額の費用が必要であったり、ランニングコストが高額になったり、また操業性に難があったりするといった問題もある。
一方、熱融着不織布などには、高融点成分を芯成分に配し、それよりも低融点の成分を鞘成分に配した、鞘芯型熱融着性複合繊維が使用されている(特許文献1参照)。例えば、芯成分にポリプロピレンを配し、鞘成分にポリエチレンを配した鞘芯型熱融着性複合繊維は、その熱融着特性の優良性、コスト、安全性、環境負荷の小ささなどの点から、広く使用されている。そして、この熱融着性複合繊維は、繊維強度を高めるために延伸処理が施されている。
特開2002−180330号公報 特開2002−115117号公報
近年、より高い繊維強度を有する熱融着性複合繊維への要望が高まっており、強度特性の向上が常に求められている。そして、高強度の熱融着性複合繊維を得るために、高倍率延伸できる未延伸糸を得る方策が採られ、高倍率延伸できる延伸方法が採用されている。一般的に、繊維強度は延伸倍率に強く依存し、ほぼ比例関係にある。よって、いかに高倍率で延伸できるかが、高強度の熱融着性複合繊維を得るためには重要になる。しかし、無理に延伸しようとすると延伸切れ等の不具合を生じるわけであり、工業レベルの操業性と生産性を維持しての延伸倍率には、おのずと限界がある。即ち、繊維強度にも上限があるのである。
本発明が解決しようとする課題は、このような事情のもとで、鞘芯構造の熱融着性複合繊維であって、高強度を有し、かつ工業的に安価に高生産性で製造する事ができ、乾式不織布や電池用セパレータ等の湿式不織布などの用途に適した熱融着性複合繊維を提供する事を目的としたものである。
本発明者らは、上記した課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、結晶性プロピレン系重合体を芯成分に配し、かつ芯成分よりも融点の低いオレフィン系重合体を鞘成分に配し、溶融紡糸して得られた未延伸糸を延伸して得られた熱融着性複合繊維の、クロス分別クロマトグラフによって測定される芯成分の重量平均分子量と鞘成分の重量平均分子量の比(芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量)を特定の範囲に制御する事によって、高強度の熱融着性複合繊維が得られる事を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の構成を有する。
(1) 結晶性プロピレン系重合体を芯成分に配し、かつ芯成分よりも融点の低いエチレン系重合体を鞘成分に配する未延伸糸を、延伸して得られた熱融着性複合繊維であって、熱融着性複合繊維のクロス分別クロマトグラフによって測定される、芯成分の重量平均分子量と鞘成分の重量平均分子量の比(芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量)が2.5以下であり、かつ、繊維破断強度が6.0cN/dtex以上であることを特徴とする熱融着性複合繊維。
(2)上記延伸が、接触加熱延伸または非接触加熱延伸である、前記(1)に記載の熱融着性複合繊維。
(3)上記鞘成分の樹脂原料の190℃におけるMFRが3〜18g/10minである前記(1)または(2)記載の熱融着性複合繊維。
(4)上記芯成分の樹脂原料の230℃におけるMFRが5〜60g/10minである前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の熱融着性複合繊維。
(5)145℃における乾熱収縮率が20%以下である前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の熱融着性複合繊維。
(6)上記芯成分がアイソタクチックポリプロピレンであり、上記鞘成分が高密度ポリエチレンである前記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の熱融着性複合繊維。
(7)上記芯成分のアイソタクチックポリプロピレンのQ値(分子量分布:重量平均分子量/数平均分子量)が4以下である前記(6)に記載の熱融着性複合繊維。
本発明の熱融着性複合繊維は、結晶性プロピレン系重合体を芯成分に配し、芯成分よりも融点の低いオレフィン系重合体を鞘成分に配して、溶融紡糸して得られた未延伸糸を延伸して得られる延伸繊維である。該熱融着複合繊維のクロス分別クロマトグラフによって測定される、芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量が2.5以下となるように、紡糸口金吐出後の芯成分のMFRと鞘成分のMFR等を適宜選択する事で、延伸性を確保しつつも、延伸倍率に対する強度発現性を高める事ができるので、工業的に高生産性で高強度の熱融着性複合繊維が得られる。この高強度を有する熱融着性複合繊維は、乾式不織布においては生産性向上や不織布嵩高化などを目的に、また電池用セパレータ等の湿式不織布においては突刺し強度向上などを目的に、好適に用いられる。
以下、本発明を発明の実施の形態に則して詳細に説明する。
本発明の熱融着性複合繊維は、結晶性プロピレン系重合体を芯成分に配し、かつ芯成分よりも低融点のオレフィン系重合体を鞘成分に配し、溶融紡糸して得られた未延伸糸を延伸処理して得られるものであって、該熱融着性複合繊維のクロス分別クロマトグラフによって測定される、芯成分の重量平均分子量と鞘成分の重量平均分子量の比(芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量)が2.5以下である事を特徴とする。芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量が2.5以下であれば本発明の効果を十分に発揮するが、より好ましくは2.3以下であり、更に好ましくは2.1以下である。
ここで、クロス分別クロマトグラフとは、温度上昇溶離分別法(TREF)とゲル透過クロマトグラフィー(GPC)法を組み合わせたものであり、ポリマーの結晶性分布と分子量分布を同時に知る事ができる方法である。本発明の熱融着性複合繊維は、芯に高融点成分を、鞘に低融点成分を配しているが、しかるにこの融点差に起因した溶出温度の差によって、芯成分と鞘成分を分別し、それぞれの重量平均分子量を測定する事ができる。紡糸口金から吐出された樹脂は溶融紡糸過程を経て未延伸糸となり、延伸過程、熱処理過程を経て熱融着性複合繊維となるが、この溶融紡糸過程、延伸過程、熱処理過程では分子量の変化はほとんどないと見なすことができる。よって、熱融着性複合繊維の芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量を特定の範囲に制御する事は、言い換えると、紡糸口金吐出後の芯成分樹脂のMFRと鞘成分樹脂のMFRの比を特定の範囲に制御する事を意味する。
本発明の熱融着性複合繊維の、クロス分別クロマトグラフで測定される芯成分の重量平均分子量と鞘成分の重量平均分子量の比(芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量)を、前述の範囲とするためには、芯成分の重量平均分子量を小さくし、鞘成分の重量平均分子量を大きくする事が好ましい。また、芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量が2.5以下であるという条件のもとで、芯成分の重量平均分子量が10万〜16万、鞘成分の重量平均分子量が4万〜8万の範囲である事が好ましく、更に好ましいのは、芯成分の重量平均分子量が12万〜15万、鞘成分の重量平均分子量が5万〜7万の範囲である。
本発明の熱融着性複合繊維の、クロス分別クロマトグラフで測定される芯成分の重量平均分子量と鞘成分の重量平均分子量の比(芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量)を前述の範囲とする方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。これらの方法を適宜組み合わせることにより、上記重量平均分子量比を本発明の特定の範囲に調整することができる。
本発明の複合繊維のクロス分別クロマトグラフによって測定される、鞘芯両成分の重量平均分子量は、例えば、紡糸口金から吐出された芯成分樹脂および鞘成分樹脂のメルトフローレート(MFR)の値と相関する数値であり、重量平均分子量が大きい場合にはMFRは小さく、重量平均分子量が小さい場合にはMFRは大きい。従って、芯成分の重量平均分子量を小さく、鞘成分の重量平均分子量を大きくする事が好ましい。言い換えると、芯成分のMFRを大きく、鞘成分のMFRを小さくする事が好ましい。
また、MFRが比較的小さい樹脂原料を用いた場合でも、紡糸時の押出温度を変更する事によって分子量降下の程度を調整し、ノズルから吐出される樹脂のMFRを大きくする事が可能である。従って、鞘芯両成分の樹脂原料のMFRと紡糸押出条件を適宜選択する事などによって、本発明の上記重量平均分子量の比(芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量)を2.5以下とする事ができる。
用いる樹脂原料のMFRは特に制限されるものではないが、芯成分の樹脂原料の230℃におけるMFRは5〜60g/10minである事が好ましく、より好ましくは8〜40g/10minである。また、紡糸時の押出温度は特に制限されるものではないが、200〜350℃の範囲が好ましく、より好ましくは260〜330℃である。同様に、鞘成分の樹脂原料の190℃におけるMFRは3〜30g/10minである事が好ましく、より好ましくは8〜18g/10minである。また、紡糸時の押出温度は特に制限されるものではないが、180〜300℃の範囲が好ましく、より好ましくは220〜260℃である。
一般的に、溶融紡糸によって得られた未延伸糸の延伸性は、それが紡糸過程において受けた応力の影響を強く受ける。これは紡糸線に作用する応力によって、分子鎖が繊維軸に沿って配向するからであり、高い紡糸線応力によって分子鎖が高度に配向した未延伸糸は、伸度が低く、高倍率で延伸する事ができない。ここで、複合繊維の場合には両成分の固化温度について考慮する必要がある。例えば、鞘芯型複合繊維の場合、紡糸過程においてどちらか1成分が固化温度まで冷却された時点で、複合繊維としての変形能を失い、よってもう一方の成分も変形できなくなる。つまり、より低温で固化する成分は、複合繊維としての細化が生じない状態で固化する事となり、この場合には大きな応力が働かず、よって該成分の分子鎖の配向は低く抑えられる。
高分子材料の固化はガラス転移、もしくは結晶化によって生じるが、ポリレフィン系樹脂の場合には、そのガラス転移温度は一般的に室温以下であり、よって結晶化によって固化が生じる。そして、結晶化温度は融点の大小と相関する傾向にあり、高融点のポリオレフィン系樹脂の方が、結晶化温度も高いと言える。即ち、本発明の鞘芯型熱融着性繊維の場合には、芯に高融点の成分を配し、鞘にそれよりも低融点の成分を配している事から、高融点である芯成分の固化によって複合繊維の細化は完了し、その後に低融点である鞘成分の固化が生じる。つまり、芯成分は高配向、鞘成分は低配向の未延伸糸構造となる。
こうして得られた未延伸糸を延伸処理した場合、高配向である芯成分の延伸性が律速となり、延伸倍率が制限される。つまり、低配向である鞘成分の延伸性には、まだ余裕のある状態の延伸倍率でしか延伸できず、即ち、鞘成分の強度発現は十分でないと言える。
ここで、熱融着性複合繊維の芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量を2.5以下とする事が重要になってくる。この事は、芯成分の重量平均分子量を小さく、鞘成分の重量平均分子量を大きくする事、つまり紡糸工程におけるノズル吐出後の芯成分のMFRを大きく、鞘成分のMFRを小さくする事を意味する。これによって、紡糸工程で得られる未延伸糸の芯成分の配向と鞘成分の配向の度合いを、延伸工程において繊維強度を発現しやすいように制御する事ができる。こういった樹脂構成、および押出条件にて溶融紡糸を行った場合、芯成分には大きな紡糸線応力が作用しなくなるので分子配向が抑制され、逆に、鞘成分には大きな紡糸線応力が作用するようになるので分子配向が促進される。
熱融着性複合繊維の芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量が2.5以下となるように、紡糸工程におけるノズル吐出後の芯成分のMFRを大きく、鞘成分のMFRを小さくする事は、紡糸安定性の向上にも繋がる。前述したように、高倍率で延伸可能な未延伸糸を得るためには、一般的には吐出樹脂温度を高くする、吐出樹脂の分子量を小さくする(MFRを大きくする)といった方法が採られるが、著しく吐出樹脂温度を高くしたり、著しく吐出樹脂の分子量を小さくした場合には、ノズル直下における張力の低下を招いて糸揺れを引き起こし、紡糸性の悪化につながる事もある。しかし本発明の、熱融着性複合繊維の芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量が2.5以下となるように、紡糸工程におけるノズル吐出後の芯成分のMFRを大きく、鞘成分のMFRを小さくした樹脂構成、および押出条件を採用する事で、芯成分の請け負う紡糸線張力は小さいが、鞘成分が請け負う紡糸線張力は大きくなる。この鞘成分に作用する大きな張力は複合繊維全体の張力を高める事に繋がり、これによって雰囲気の乱れ、冷却風の風速変動などによる糸揺れが抑制され、紡糸性の悪化を最小限に留める事ができ、かつ延伸性に優れる未延伸糸を得る事ができる。
この、芯成分の配向抑制、鞘成分の配向促進を意図した樹脂構成、および押出条件は、高強度の延伸繊維を得るための未延伸糸として好適である。なぜなら、延伸性を支配する芯成分の配向を抑制する事で高倍率延伸を可能とし、更には未延伸糸における鞘成分の配向を促進することで、延伸処理による強度発現性を高める事ができるからである。
芯成分と鞘成分の断面複合比は特に限定されるものではないが、芯/鞘=40/60〜70/30vol%の範囲である事が好ましい。芯成分の比率が高くなった場合には、延伸性が僅かに低下する傾向にあるが、延伸倍率に対する強度発現性は逆に高くなるので、最終的に得られる延伸繊維の強度は同程度となる。また、延伸繊維の熱収縮抑制を重視するのであれば、芯成分の比率を高める事が有効である。また、繊維断面形状は円及び楕円の丸型、三角及び四角の角型、鍵型及び八葉型などの異型、または中空型のいずれをも用いることができる。
芯成分の結晶性プロピレン系重合体としては、アイソタクチックポリプロピレン系樹脂が望ましく、中でもQ値(重量平均分子量/数平均分子量)が4以下である事が好ましく、より好ましくは3.5以下、更に好ましくは3.0以下である。ここでQ値が4以下のアイソタクチックポリプロピレン系樹脂を選択する事は、延伸性を著しく阻害する高分子量成分が少ない樹脂を選択するという事であり、高い延伸性が得られるので好ましい。また、アイソタクチックペンタッドフラクション(IPF:mol%)は特に限定されるものではないが、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である事が好適である。ここで、IPFとは立体規則性の高さであり、IPFが高い樹脂ほど結晶性が高いと言える。延伸繊維の結晶性は該繊維の熱収縮特性と密接な関係にあり、延伸繊維の結晶性が高い方が熱収縮を抑制できる傾向にある。
この、芯成分として用いられる結晶性プロピレン系重合体は、プロピレンの単独重合体であってもよいし、プロピレンとα−オレフィン(エチレン、ブテン−1など)の共重合体であってもよい。中でも、延伸繊維の熱収縮を抑制できる点から、ホモのアイソタクチックポリプロピレン重合体が好ましい。
一方、鞘成分として配される、上記結晶性プロピレン系重合体よりも低融点のオレフィン系重合体としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのエチレン系重合体、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体である低結晶性プロピレン系重合体を挙げる事ができる。これらのオレフィン系重合体は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いても何ら問題ないが、中でも、繊維強度特性や熱融着特性の観点からは高密度ポリエチレンが望ましい。
また、本発明に関わる芯成分に使用される結晶性プロピレン系重合体、及び鞘成分に使用されるオレフィン系重合体には、本発明の効果を妨げない範囲内で、必要に応じて種々の性能を発揮させるための添加剤、例えば酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、造核剤、エポキシ安定剤、滑剤、抗菌剤、消臭剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料、可塑剤などを適宜添加してもよい。
本発明で用いる未延伸糸は、前述の芯成分と鞘成分から構成され、かつ本発明の熱融着性複合繊維の、クロス分別クロマトグラフで測定される芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量が2.5以下となるように、樹脂原料のMFRを選択し、押出条件を選択して得られるものであり、その溶融紡糸方法については特に制限されるものではなく、公知の方法を用いる事ができる。
紡糸温度(吐出樹脂温度)については200〜350℃の範囲で紡糸する事が好ましく、更に好ましくは260〜300℃である。紡糸温度が200℃以上において、樹脂粘度が適度に低い状態で紡糸口金から吐出することができ、複合繊維が細化する過程で大きな紡糸線応力が作用しにくく、芯成分の分子配向が抑制され易いため好ましい。また、紡糸温度が350℃以下において、樹脂の劣化や熱分解を起こすことなく、紡糸工程が著しく不安定化する事なく、後の延伸処理によって高強度の延伸繊維を得ることができ、好ましい。紡糸温度が260〜300℃の範囲であれば、芯成分の配向抑制の効果と、紡糸工程の安定性、延伸処理による強度発現性のバランスがとれるので、特に好ましい。
紡糸口金から吐出された繊維状の樹脂を冷却する場合、従来の方法、例えば空気、水、グリセリン等の媒体中で固化温度以下まで冷却し、引き取る事ができるが、未延伸糸の、特に芯成分の分子配向を抑制するためには、急冷却するのではなく、空気によって徐冷却する事が望ましい。空気の温度、風速は任意に設定できるが、より分子配向を抑制するためには風速は低く、温度はあまり低すぎない事が望ましい。紡糸口金から吐出された樹脂温度が高く、かつ適切な冷却速度である場合には、未延伸糸の芯成分である結晶性プロピレン系重合体の結晶高次構造を延伸性に優れる擬似六方晶に制御する事が可能である。
未延伸糸の引き取り速度は、任意の速度を設定する事ができる。引き取り速度が溶融未延伸糸の自由落下速度よりも低速の場合には、均一な未延伸糸が得られなくなり、延伸性の低下を招く。更には、引き取り速度の低速化は、生産性の低下につながる。また、引き取り速度が著しく高速の場合には、複合繊維の細化が完了する位置における変形速度が大きくなり、芯成分の分子配向が進んだ未延伸糸となる。これは延伸性の低下を招く。従って、生産性や紡糸安定性、後の延伸過程での延伸性を考慮すると、引き取り速度は200〜1500m/minの範囲が好ましく、300〜1000m/minの範囲がより好ましい。
次に、本発明の鞘芯型熱融着性複合繊維の延伸方法について説明する。延伸方法についても特に制限されるものではなく、公知のいずれの延伸方法を採用しても、本発明の効果、即ち、熱融着性複合繊維の芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量が2.5以下となるように、鞘芯両成分の樹脂原料のMFRを選択し、押出条件を選択する事によって、高倍率延伸可能で、かつ延伸倍率に対する強度発現性が高い未延伸糸が得られ、結果として高強度の熱融着性複合繊維が得られるという効果が得られる。
中でも、金属加熱ロールや金属加熱板を用いた接触加熱延伸よりは、温水、沸水、加圧飽和水蒸気、熱風、遠赤外線、炭酸ガスレーザーを用いた非接触加熱延伸の方が高倍率延伸できる傾向にあり、好ましい。特に簡便性及び操作性の観点から、温水、沸水、熱風、遠赤外線を用いた非接触加熱延伸が好ましい。また、延伸温度については、用いる鞘成分の融点以下で、できるだけ高温である事が望ましい。この場合、高倍率延伸が可能となり、よって高強度の熱融着性複合繊維が得られる。よって、被延伸物の温度を高温まで昇温でき、またその温度まで瞬時に昇温できるという観点から、沸水や加圧飽和水蒸気による延伸が更に好適である。この場合には、延伸速度を高速化する事が可能となり、生産性向上の効果も得られる。なお、加圧飽和水蒸気を加熱媒体に用いる方法としては、ラビリンス式加圧飽和水蒸気延伸機であってもよく、両端を加圧水槽部でシールした加圧飽和水蒸気延伸機(特許文献1参照)であってもよい。
本発明の未延伸糸は、延伸倍率に対する強度発現性が高い事を特徴とするが、延伸倍率をなるべく大きくする事で、より熱融着性複合繊維の強度を高める事ができる。延伸倍率は未延伸糸の繊度や鞘芯比、樹脂構成に応じて適宜選定可能であるが、実効延伸倍率を4.0倍〜8.0倍とする事が好ましく、より好ましくは5.0倍〜7.0倍である。延伸速度についても特に制限されるものではないが、生産性を考慮すると、50m/min以上である事が好ましく、より好ましくは100m/min以上である。
延伸工程は1段延伸、多段延伸のいずれであってもよく、多段延伸を行う場合には、前述の延伸方法を組み合わせて行う事も可能で、例えば、1段目は熱ロール延伸、2段目は加圧飽和水蒸気延伸といった延伸方法を採用することもできる。
前述の延伸工程の後に、必要に応じて熱処理工程を設ける事ができる。熱処理方法については特に制限されるものではなく、公知のいずれの延伸方法をも採用する事ができる。一般的に、高倍率で延伸された延伸繊維は高い熱収縮率を示す事が多いが、熱処理工程を経ることで、熱収縮を低減する事ができる。熱処理温度は鞘成分の融点以下で、できるだけ高温である事が、より熱収縮を抑制できるので好ましい。
本発明の鞘芯型熱融着性複合繊維には、加工適正や製品物性を満たすために、その繊維表面に界面活性剤を付着させる事が望ましい。界面活性剤の種類は特に限定されるものではなく、また付着方法も公知の方法、例えば、ローラー法、浸漬法、噴霧法、パットドライ法などを採用する事ができる。
本発明の熱融着性複合繊維は、前述した鞘芯の樹脂構成、紡糸方法、延伸方法、熱処理方法を採用し、熱融着性複合繊維の芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量を2.5以下とする事で、高い繊維強度と優れた耐熱収縮性を併せ持った延伸繊維となる。繊維破断強度は6.0cN/dtex以上であり、より好ましくは6.3cN/dtex、更に好ましくは6.5cN/dtexである。また、145℃における乾熱収縮率は20%以下であり、好ましくは18%以下、更に好ましくは15%以下である。
本発明の鞘芯型熱融着性複合繊維は、様々な用途に使用する事ができ、その用途に合わせて種々の繊維形態とする事ができる。例えば、カード不織布用繊維の場合には、捲縮を付与したステープルの繊維形態が好ましい。本発明の鞘芯型熱融着性複合繊維は、高い繊維強度と熱融着力を有しており、不織布の嵩高化や高強力化、カード生産性の向上を図る事ができるので、特に好適であると考えられる。繊度、捲縮数、繊維長は特に制限されるものではなく、適宜選択する事ができる。織布フィルター用繊維やワインディングフィルター用繊維、織布シート用繊維、編み加工ネット用繊維などの場合には、フィラメントの繊維形態が好ましい。繊度は特に限定されるものではなく、適宜選択する事ができる。エアレイド不織布用繊維の場合には、ショートカットチョップの形態が好ましい。繊度は特に限定されるものではなく、更には、捲縮を付与したものであってもよく、捲縮を付与していないものでもよい。また繊維長については加工機のタイプ、要求物性、生産性などを考慮して、適宜選択する事ができる。コンクリート補強用繊維や抄紙不織布用繊維の場合には、ショートカットチョップの繊維形態が好ましい。捲縮を付与したものであってもよく、捲縮を付与していないものでもよく、また繊維長については加工方法、要求物性、生産性などを考慮して、適宜選択する事ができる。繊度についても特に限定されるものではないが、例えば電池用セパレータ等の湿式不織布の場合には、繊度は小さい方が好適であり、好ましくは2.2dtex以下であり、より好ましくは1.5dtex以下であり、更に好ましくは1.0dtex以下である。本発明の鞘芯型熱融着性複合繊維を用いて電池用セパレータ湿式不織布を作製した場合、高い繊維強度を有しており、また熱処理によって不織布化した際の熱融着力も高い事から、金属などの鋭利な硬質物が不織布を貫通する事を抑止する効果が高く、特に好適である。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はそれらによって限定されるものではない。なお、実施例中に示した物性値の測定方法又は定義を以下に示す。
(1)単糸繊度
未延伸糸、延伸糸について、JIS−L−1015に準じて測定した。
(2)MFR
ペレット、及び紡糸口金から吐出された鞘芯それぞれの繊維状物について、以下の条件で測定を行った。
ポリプロピレン樹脂原料の場合:試験温度230℃、試験荷重21.18Nで測定。
(JIS−K−7210「表1」の試験条件14)
ポリエチレン樹脂原料の場合:試験温度190℃、試験荷重21.18Nで測定。
(JIS−K−7210「表1」の試験条件4)
ノズル吐出後の繊維状物の場合:試験温度230℃、試験荷重21.18Nで測定。
(JIS−K−7210「表1」の試験条件14)
(3)重量平均分子量
延伸処理の施された熱融着性複合繊維について、クロス分別クロマトグラフよって芯成分と鞘成分のそれぞれの重量平均分子量を測定した。本発明の熱融着性複合繊維をオルトジクロルベンゼンに完全に溶解させた高温の試料溶液を、ガラスビーズ等の不活性担体を充填したカラム内に注入し、カラム温度を降下させて試料を充填剤表面に付着させた後、該カラム内にオルトジクロルベンゼンを流しながら、カラムの温度を徐々に上昇させ、各温度で溶出してくる成分の濃度を検出し、同時に各温度で溶出した成分をフラクションごとにオンラインでGPC装置に送り込み、そこで得られたクロマトグラムから各成分の重量平均分子量が得られる。
測定装置は、三菱化学(株)製のCFC装置(T150A型、充填剤:ガラスビーズ(昭和電工製Shodex GPC AD−806MS))を用い、次の条件で測定した。140℃に加熱したカラムに試料溶液(溶媒:オルトジクロルベンゼン、試料濃度:40mg/10mL)4mLを注入した後、1℃/minの速度で0℃まで冷却して、試料ポリマーを充填剤表面に吸着(析出)させた。次いで、オルトジクロルベンゼンを60mL/hの流速で流しながら、カラムを140℃まで徐々にステップ昇温させ、各温度で充填剤表面から溶出してくるポリマーを逐次オンラインでGPCカラムに送った。そこで得られたクロマトグラムから鞘芯両成分それぞれの重量平均分子量を得た。
(4)実効延伸倍率
未延伸糸繊度/延伸糸繊度の式より算出した。
(5)単糸強伸度
JIS−L−1015に準じて測定した。
(6)乾熱収縮率
JIS−L−1015に準じて測定した。なお、熱処理温度は145℃とし、熱処理時間は10分間とした。
(7)不織布突刺し強度
捲縮を付与していない繊維長5mmのショートカットチョップを用い、抄造法にてウェブを作製し、これを136℃にて熱融着して50目付の不織布を得た。これの突刺し強度を、JIS−Z−1707に記載の方法に準じて測定した。
実施例1
芯成分としてアイソタクチックポリプロピレン「SA2D」(日本ポリプロ(株)製、樹脂原料MFR=14g/10min、Q値=3.1)を用い、鞘成分として高密度ポリエチレン「M6800」(京葉ポリエチ(株)製、樹脂原料MFR=8g/10min)を用い、鞘芯の断面複合比が50/50になるように、鞘芯型複合紡糸口金を用いて、芯成分の押出機シリンダー温度が300℃、鞘成分の押出機シリンダー温度が240℃、紡糸口金温度が250℃、巻き取り速度が920m/minの条件にて、未延伸糸繊度が4.2dtexの熱融着性複合繊維を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは54.1g/minであり、鞘成分のMFRは11.1g/10minであった。その後、ロール間に温水槽を有するロール延伸機にて、1段目ロール温度が室温、温水槽温度は102℃に設定する事で沸騰状態(100℃)、2段目ロール温度は110℃の条件にて、延伸処理を行った。工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は4.7倍であり、得られた延伸繊維の強度は6.4cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は16.9%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は12.8万であり、鞘成分の重量平均分子量は6.46万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、13.0Nであった。このように、実施例1の方法で得られた熱融着性複合繊維は、高い繊維強度を有し、かつ乾熱収縮率は低く抑えられていた。
実施例2
鞘芯の断面複合比を40/60とした以外は実施例1と同様にして、熱融着性複合繊維の未延伸糸を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは55.0g/minであり、鞘成分のMFRは11.5g/10minであった。その後、ロール間に温水槽を有するロール延伸機にて、1段目ロール温度が室温、温水槽温度は95℃、2段目ロール温度は110℃の条件にて、延伸処理を行った。工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は4.2倍であり、得られた延伸繊維の強度は6.3cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は15.1%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は12.5万であり、鞘成分の重量平均分子量は6.30万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、12.2Nであった。このように、実施例2の方法で得られた熱融着性複合繊維は、高い繊維強度を有し、かつ乾熱収縮率は低く抑えられていた。
実施例3
芯成分の押出機シリンダー温度を290℃、巻き取り速度を670m/minとした以外は実施例2と同様にして、未延伸糸繊度が5.8dtexの熱融着性複合繊維の未延伸糸を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは37.6g/minであり、鞘成分のMFRは10.8g/10minであった。その後、ロール間に加圧飽和水蒸気延伸槽を有するロール延伸機にて、1段目ロール温度が室温、温水槽温度は125℃、2段目ロール温度は110℃の条件にて、延伸処理を行った。なお、この加圧飽和水蒸気延伸槽は延伸槽の両端にラビリンス構造物を設け、これによって加圧水蒸気のリークを抑制している。工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は5.3倍であり、得られた延伸繊維の強度は6.8cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は14.1%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は14.6万であり、鞘成分の重量平均分子量は6.50万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、13.7Nであった。このように、実施例3の方法で得られた熱融着性複合繊維は、高い繊維強度を有し、かつ乾熱収縮率は低く抑えられていた。
実施例4
芯成分としてアイソタクチックポリプロピレン「SA04D」(日本ポリプロ(株)製、樹脂原料MFR=40g/10min、Q値=3.0)を用い、鞘成分として高密度ポリエチレン「3S01A」(東ソー(株)製、樹脂原料MFR=13g/10min)を用い、鞘芯の断面複合比が60/40になるように、鞘芯型複合紡糸口金を用いて、芯成分の押出機シリンダー温度が260℃、鞘成分の押出機シリンダー温度が220℃、紡糸口金温度が240℃、巻き取り速度が720m/minの条件にて、未延伸糸繊度が7.8dtexの熱融着性複合繊維の未延伸糸を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは59.0g/minであり、鞘成分のMFRは24.3g/10minであった。その後、ロール間に温水槽を有するロール延伸機にて、1段目ロール温度が室温、温水槽温度は102℃に設定する事で沸騰状態(100℃)、2段目ロール温度は110℃の条件にて、延伸処理を行った。工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は5.2倍であり、得られた延伸繊維の強度は6.3cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は18.2%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は12.3万であり、鞘成分の重量平均分子量は5.21万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、繊度が大きいためか、7.8Nと低かった。このように、実施例4の方法で得られた熱融着性複合繊維は、高い繊維強度を有し、かつ乾熱収縮率は低く抑えられていた。
実施例5
芯成分としてアイソタクチックポリプロピレン「SA03D」(日本ポリプロ(株)製、樹脂原料MFR=30g/10min、Q値=2.8)を用い、鞘成分として高密度ポリエチレン「S6900」(京葉ポリエチ(株)製、樹脂原料MFR=16.5g/10min)を用い、鞘芯の断面複合比が50/50になるように、鞘芯型複合紡糸口金を用いて、芯成分の押出機シリンダー温度が310℃、鞘成分の押出機シリンダー温度が220℃、紡糸口金温度が260℃、巻き取り速度が940m/minの条件にて、未延伸糸繊度が3.6dtexの熱融着性複合繊維の未延伸糸を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは62.6g/minであり、鞘成分のMFRは27.6g/10minであった。その後、3組のロールと、それぞれのロール間に温水槽を有するロール延伸機にて、1段目ロール温度が室温、第1温水槽温度は90℃、2段目ロール温度は90℃、第2温水槽温度は95℃、3段目ロール温度は120℃の条件にて、2段の延伸処理を行った。工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は5.1倍であり、得られた延伸繊維の強度は6.1cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は15.2%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は12.2万であり、鞘成分の重量平均分子量は5.10万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、16.0Nであった。このように、実施例5の方法で得られた熱融着性複合繊維は、高い繊維強度を有し、かつ乾熱収縮率は低く抑えられていた。
実施例6
芯成分としてポリプロピレン「SA2E」(日本ポリプロ(株)製、樹脂原料MFR=16.0g/10min、Q値=5.3)を用い、芯成分の押出機シリンダー温度を330℃とした以外は実施例1と同様にして、未延伸糸を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは38.4g/minであり、鞘成分のMFRは11.1g/10minであった。延伸工程も実施例1と同様としたところ、工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は4.2倍であり、得られた延伸繊維の強度は6.0cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は14.5%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は14.3万であり、鞘成分の重量平均分子量は6.44万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、12.6Nであった。このように、実施例6の方法で得られた熱融着性複合繊維は、高い繊維強度を有し、かつ乾熱収縮率は低く抑えられていた。
実施例7
鞘成分として直鎖状低密度ポリエチレン「M60」(東ソー(株)製:樹脂原料MFR=8.0g/10min)を用い、鞘成成分の押出機シリンダー温度を200℃とした以外は実施例1と同様にして、未延伸糸を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは54.6g/minであり、鞘成分のMFRは13.2g/10minであった。延伸工程も実施例1と同様としたところ、工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は4.2倍であり、得られた延伸繊維の強度は6.1cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は16.1%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は12.8万であり、鞘成分の重量平均分子量は6.39万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、9.9Nであった。実施例1と比べると突刺し強度が低いが、これは鞘成分が直鎖状低密度ポリエチレンであるがゆえに、不織布の繊維交絡点における熱融着力が低いためであろう。このように、実施例6の方法で得られた熱融着性複合繊維は、高い繊維強度を有し、かつ乾熱収縮率は低く抑えられていた。
比較例1
鞘成分として高密度ポリエチレン「S6920」(京葉ポリエチ(株)製、ペレットMFR=26g/10min)を用いた以外は実施例1と同様にして、未延伸糸繊度が4.2dtexの熱融着性複合繊維を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは54.9g/minであり、鞘成分のMFRは42.2g/10minであった。その後、実施例1と同様の方法で延伸処理を行った。工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は4.7倍であり、得られた延伸繊維の強度は5.0cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は16.5%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は12.9万であり、鞘成分の重量平均分子量は4.46万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、実施例1と同じ繊度であるにも関わらず、9.4Nと低かった。このように、比較例1の方法で得られた熱融着性複合繊維は、実施例1と同じ実効延伸倍率で延伸されているにも関わらず、繊維強度が低かった。
比較例2
鞘成分として高密度ポリエチレン「J302」(東ソー(株)製、ペレットMFR=41.5g/10min)を用いた以外は実施例1と同様にして、未延伸糸繊度が4.2dtexの熱融着性複合繊維を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは54.1g/minであり、鞘成分のMFRは72.6g/10minであった。その後、実施例1と同様の方法で延伸処理を行った。工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は4.7倍であり、得られた延伸繊維の強度は5.0cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は16.0%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は12.9万であり、鞘成分の重量平均分子量は3.91万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、実施例1と同じ繊度であるにも関わらず、8.0Nと低かった。このように、比較例1の方法で得られた熱融着性複合繊維は、実施例1と同じ実効延伸倍率で延伸されているにも関わらず、繊維強度が低かった。
比較例3
鞘成分として「S6920」(京葉ポリエチ(株)製、ペレットMFR=26g/10min)を用いた以外は実施例3と同様にして、未延伸糸繊度が5.8dtexの熱融着性複合繊維を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは37.6g/minであり、鞘成分のMFRは43.0g/10minであった。その後、実施例3と同様の方法で延伸処理を行った。工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は4.8倍であり、得られた延伸繊維の強度は5.8cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は14.2%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は14.2万であり、鞘成分の重量平均分子量は4.47万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、8.8Nであった。このように、比較例1の方法で得られた熱融着性複合繊維は、実施例3とほぼ同じ実効延伸倍率で延伸されているにもかかわらず、繊維強度が低かった。
比較例4
鞘成分として「J302」(東ソー(株)製、ペレットMFR=41.5g/10min)を用いた以外は実施例4と同様にして、未延伸糸繊度が7.8dtexの熱融着性複合繊維を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは59.0g/minであり、鞘成分のMFRは74.1g/10minであった。その後、実施例4と同様の方法で延伸処理を行った。工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は5.2倍であり、得られた延伸繊維の強度は5.2cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は20.6%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は12.4万であり、鞘成分の重量平均分子量は3.88万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、6.1Nであった。このように、比較例4の方法で得られた熱融着性複合繊維は、実施例4と同じ実効延伸倍率で延伸されているにもかかわらず、繊維強度が低かった。
比較例5
芯成分の押出機シリンダー温度を260℃とした以外は実施例1と同様にして、未延伸糸繊度が4.2dtexの熱融着性複合繊維を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは20.9g/minであり、鞘成分のMFRは10.1g/10minであった。その後、実施例1と同様の方法で延伸処理を行った。工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は3.2倍であり、得られた延伸繊維の強度は3.4cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は12.1%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は17.4万であり、鞘成分の重量平均分子量は6.56万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、実施例1と比べて繊度が大きく、また繊維強度も低いためか、9.0Nと低かった。このように、比較例5の方法で得られた熱融着性複合繊維は、実施例1と比べて低い延伸倍率でしか延伸できず、繊維強度が低かった。これは、紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRが低すぎたためと考えられる。
Figure 0004670580
Figure 0004670580

Claims (7)

  1. 結晶性プロピレン系重合体を芯成分に配し、かつ芯成分よりも融点の低いエチレン系重合体を鞘成分に配する未延伸糸を、延伸して得られた熱融着性複合繊維であって、該熱融着性複合繊維のクロス分別クロマトグラフによって測定される、芯成分の重量平均分子量と鞘成分の重量平均分子量の比(芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量)が2.5以下であり、かつ、繊維破断強度が6.0cN/dtex以上であることを特徴とする熱融着性複合繊維。
  2. 上記延伸が、接触加熱延伸または非接触加熱延伸である、請求項1に記載の熱融着性複合繊維。
  3. 上記鞘成分の樹脂原料の190℃におけるMFRが3〜18g/10minである請求項1または2記載の熱融着性複合繊維。
  4. 上記芯成分の樹脂原料の230℃におけるMFRが5〜60g/10minである請求項1〜3のいずれか1つに記載の熱融着性複合繊維。
  5. 145℃における乾熱収縮率が20%以下である請求項1〜4のいずれか1つに記載の熱融着性複合繊維。
  6. 上記芯成分がアイソタクチックポリプロピレンであり、上記鞘成分が高密度ポリエチレンである請求項1〜5のいずれか1つに記載の熱融着性複合繊維。
  7. 上記芯成分のアイソタクチックポリプロピレンのQ値(分子量分布:重量平均分子量/数平均分子量)が4以下である請求項6に記載の熱融着性複合繊維。
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