JP4670580B2 - 高強度熱融着性複合繊維 - Google Patents
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(1) 結晶性プロピレン系重合体を芯成分に配し、かつ芯成分よりも融点の低いエチレン系重合体を鞘成分に配する未延伸糸を、延伸して得られた熱融着性複合繊維であって、熱融着性複合繊維のクロス分別クロマトグラフによって測定される、芯成分の重量平均分子量と鞘成分の重量平均分子量の比(芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量)が2.5以下であり、かつ、繊維破断強度が6.0cN/dtex以上であることを特徴とする熱融着性複合繊維。
(3)上記鞘成分の樹脂原料の190℃におけるMFRが3〜18g/10minである前記(1)または(2)記載の熱融着性複合繊維。
(4)上記芯成分の樹脂原料の230℃におけるMFRが5〜60g/10minである前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の熱融着性複合繊維。
(5)145℃における乾熱収縮率が20%以下である前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の熱融着性複合繊維。
(6)上記芯成分がアイソタクチックポリプロピレンであり、上記鞘成分が高密度ポリエチレンである前記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の熱融着性複合繊維。
(7)上記芯成分のアイソタクチックポリプロピレンのQ値(分子量分布:重量平均分子量/数平均分子量)が4以下である前記(6)に記載の熱融着性複合繊維。
本発明の熱融着性複合繊維は、結晶性プロピレン系重合体を芯成分に配し、かつ芯成分よりも低融点のオレフィン系重合体を鞘成分に配し、溶融紡糸して得られた未延伸糸を延伸処理して得られるものであって、該熱融着性複合繊維のクロス分別クロマトグラフによって測定される、芯成分の重量平均分子量と鞘成分の重量平均分子量の比(芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量)が2.5以下である事を特徴とする。芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量が2.5以下であれば本発明の効果を十分に発揮するが、より好ましくは2.3以下であり、更に好ましくは2.1以下である。
未延伸糸、延伸糸について、JIS−L−1015に準じて測定した。
(2)MFR
ペレット、及び紡糸口金から吐出された鞘芯それぞれの繊維状物について、以下の条件で測定を行った。
ポリプロピレン樹脂原料の場合:試験温度230℃、試験荷重21.18Nで測定。
(JIS−K−7210「表1」の試験条件14)
ポリエチレン樹脂原料の場合:試験温度190℃、試験荷重21.18Nで測定。
(JIS−K−7210「表1」の試験条件4)
ノズル吐出後の繊維状物の場合:試験温度230℃、試験荷重21.18Nで測定。
(JIS−K−7210「表1」の試験条件14)
延伸処理の施された熱融着性複合繊維について、クロス分別クロマトグラフよって芯成分と鞘成分のそれぞれの重量平均分子量を測定した。本発明の熱融着性複合繊維をオルトジクロルベンゼンに完全に溶解させた高温の試料溶液を、ガラスビーズ等の不活性担体を充填したカラム内に注入し、カラム温度を降下させて試料を充填剤表面に付着させた後、該カラム内にオルトジクロルベンゼンを流しながら、カラムの温度を徐々に上昇させ、各温度で溶出してくる成分の濃度を検出し、同時に各温度で溶出した成分をフラクションごとにオンラインでGPC装置に送り込み、そこで得られたクロマトグラムから各成分の重量平均分子量が得られる。
未延伸糸繊度/延伸糸繊度の式より算出した。
(5)単糸強伸度
JIS−L−1015に準じて測定した。
(6)乾熱収縮率
JIS−L−1015に準じて測定した。なお、熱処理温度は145℃とし、熱処理時間は10分間とした。
(7)不織布突刺し強度
捲縮を付与していない繊維長5mmのショートカットチョップを用い、抄造法にてウェブを作製し、これを136℃にて熱融着して50目付の不織布を得た。これの突刺し強度を、JIS−Z−1707に記載の方法に準じて測定した。
芯成分としてアイソタクチックポリプロピレン「SA2D」(日本ポリプロ(株)製、樹脂原料MFR=14g/10min、Q値=3.1)を用い、鞘成分として高密度ポリエチレン「M6800」(京葉ポリエチ(株)製、樹脂原料MFR=8g/10min)を用い、鞘芯の断面複合比が50/50になるように、鞘芯型複合紡糸口金を用いて、芯成分の押出機シリンダー温度が300℃、鞘成分の押出機シリンダー温度が240℃、紡糸口金温度が250℃、巻き取り速度が920m/minの条件にて、未延伸糸繊度が4.2dtexの熱融着性複合繊維を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは54.1g/minであり、鞘成分のMFRは11.1g/10minであった。その後、ロール間に温水槽を有するロール延伸機にて、1段目ロール温度が室温、温水槽温度は102℃に設定する事で沸騰状態(100℃)、2段目ロール温度は110℃の条件にて、延伸処理を行った。工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は4.7倍であり、得られた延伸繊維の強度は6.4cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は16.9%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は12.8万であり、鞘成分の重量平均分子量は6.46万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、13.0Nであった。このように、実施例1の方法で得られた熱融着性複合繊維は、高い繊維強度を有し、かつ乾熱収縮率は低く抑えられていた。
鞘芯の断面複合比を40/60とした以外は実施例1と同様にして、熱融着性複合繊維の未延伸糸を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは55.0g/minであり、鞘成分のMFRは11.5g/10minであった。その後、ロール間に温水槽を有するロール延伸機にて、1段目ロール温度が室温、温水槽温度は95℃、2段目ロール温度は110℃の条件にて、延伸処理を行った。工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は4.2倍であり、得られた延伸繊維の強度は6.3cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は15.1%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は12.5万であり、鞘成分の重量平均分子量は6.30万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、12.2Nであった。このように、実施例2の方法で得られた熱融着性複合繊維は、高い繊維強度を有し、かつ乾熱収縮率は低く抑えられていた。
芯成分の押出機シリンダー温度を290℃、巻き取り速度を670m/minとした以外は実施例2と同様にして、未延伸糸繊度が5.8dtexの熱融着性複合繊維の未延伸糸を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは37.6g/minであり、鞘成分のMFRは10.8g/10minであった。その後、ロール間に加圧飽和水蒸気延伸槽を有するロール延伸機にて、1段目ロール温度が室温、温水槽温度は125℃、2段目ロール温度は110℃の条件にて、延伸処理を行った。なお、この加圧飽和水蒸気延伸槽は延伸槽の両端にラビリンス構造物を設け、これによって加圧水蒸気のリークを抑制している。工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は5.3倍であり、得られた延伸繊維の強度は6.8cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は14.1%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は14.6万であり、鞘成分の重量平均分子量は6.50万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、13.7Nであった。このように、実施例3の方法で得られた熱融着性複合繊維は、高い繊維強度を有し、かつ乾熱収縮率は低く抑えられていた。
芯成分としてアイソタクチックポリプロピレン「SA04D」(日本ポリプロ(株)製、樹脂原料MFR=40g/10min、Q値=3.0)を用い、鞘成分として高密度ポリエチレン「3S01A」(東ソー(株)製、樹脂原料MFR=13g/10min)を用い、鞘芯の断面複合比が60/40になるように、鞘芯型複合紡糸口金を用いて、芯成分の押出機シリンダー温度が260℃、鞘成分の押出機シリンダー温度が220℃、紡糸口金温度が240℃、巻き取り速度が720m/minの条件にて、未延伸糸繊度が7.8dtexの熱融着性複合繊維の未延伸糸を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは59.0g/minであり、鞘成分のMFRは24.3g/10minであった。その後、ロール間に温水槽を有するロール延伸機にて、1段目ロール温度が室温、温水槽温度は102℃に設定する事で沸騰状態(100℃)、2段目ロール温度は110℃の条件にて、延伸処理を行った。工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は5.2倍であり、得られた延伸繊維の強度は6.3cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は18.2%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は12.3万であり、鞘成分の重量平均分子量は5.21万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、繊度が大きいためか、7.8Nと低かった。このように、実施例4の方法で得られた熱融着性複合繊維は、高い繊維強度を有し、かつ乾熱収縮率は低く抑えられていた。
芯成分としてアイソタクチックポリプロピレン「SA03D」(日本ポリプロ(株)製、樹脂原料MFR=30g/10min、Q値=2.8)を用い、鞘成分として高密度ポリエチレン「S6900」(京葉ポリエチ(株)製、樹脂原料MFR=16.5g/10min)を用い、鞘芯の断面複合比が50/50になるように、鞘芯型複合紡糸口金を用いて、芯成分の押出機シリンダー温度が310℃、鞘成分の押出機シリンダー温度が220℃、紡糸口金温度が260℃、巻き取り速度が940m/minの条件にて、未延伸糸繊度が3.6dtexの熱融着性複合繊維の未延伸糸を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは62.6g/minであり、鞘成分のMFRは27.6g/10minであった。その後、3組のロールと、それぞれのロール間に温水槽を有するロール延伸機にて、1段目ロール温度が室温、第1温水槽温度は90℃、2段目ロール温度は90℃、第2温水槽温度は95℃、3段目ロール温度は120℃の条件にて、2段の延伸処理を行った。工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は5.1倍であり、得られた延伸繊維の強度は6.1cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は15.2%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は12.2万であり、鞘成分の重量平均分子量は5.10万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、16.0Nであった。このように、実施例5の方法で得られた熱融着性複合繊維は、高い繊維強度を有し、かつ乾熱収縮率は低く抑えられていた。
芯成分としてポリプロピレン「SA2E」(日本ポリプロ(株)製、樹脂原料MFR=16.0g/10min、Q値=5.3)を用い、芯成分の押出機シリンダー温度を330℃とした以外は実施例1と同様にして、未延伸糸を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは38.4g/minであり、鞘成分のMFRは11.1g/10minであった。延伸工程も実施例1と同様としたところ、工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は4.2倍であり、得られた延伸繊維の強度は6.0cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は14.5%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は14.3万であり、鞘成分の重量平均分子量は6.44万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、12.6Nであった。このように、実施例6の方法で得られた熱融着性複合繊維は、高い繊維強度を有し、かつ乾熱収縮率は低く抑えられていた。
鞘成分として直鎖状低密度ポリエチレン「M60」(東ソー(株)製:樹脂原料MFR=8.0g/10min)を用い、鞘成成分の押出機シリンダー温度を200℃とした以外は実施例1と同様にして、未延伸糸を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは54.6g/minであり、鞘成分のMFRは13.2g/10minであった。延伸工程も実施例1と同様としたところ、工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は4.2倍であり、得られた延伸繊維の強度は6.1cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は16.1%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は12.8万であり、鞘成分の重量平均分子量は6.39万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、9.9Nであった。実施例1と比べると突刺し強度が低いが、これは鞘成分が直鎖状低密度ポリエチレンであるがゆえに、不織布の繊維交絡点における熱融着力が低いためであろう。このように、実施例6の方法で得られた熱融着性複合繊維は、高い繊維強度を有し、かつ乾熱収縮率は低く抑えられていた。
鞘成分として高密度ポリエチレン「S6920」(京葉ポリエチ(株)製、ペレットMFR=26g/10min)を用いた以外は実施例1と同様にして、未延伸糸繊度が4.2dtexの熱融着性複合繊維を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは54.9g/minであり、鞘成分のMFRは42.2g/10minであった。その後、実施例1と同様の方法で延伸処理を行った。工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は4.7倍であり、得られた延伸繊維の強度は5.0cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は16.5%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は12.9万であり、鞘成分の重量平均分子量は4.46万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、実施例1と同じ繊度であるにも関わらず、9.4Nと低かった。このように、比較例1の方法で得られた熱融着性複合繊維は、実施例1と同じ実効延伸倍率で延伸されているにも関わらず、繊維強度が低かった。
鞘成分として高密度ポリエチレン「J302」(東ソー(株)製、ペレットMFR=41.5g/10min)を用いた以外は実施例1と同様にして、未延伸糸繊度が4.2dtexの熱融着性複合繊維を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは54.1g/minであり、鞘成分のMFRは72.6g/10minであった。その後、実施例1と同様の方法で延伸処理を行った。工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は4.7倍であり、得られた延伸繊維の強度は5.0cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は16.0%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は12.9万であり、鞘成分の重量平均分子量は3.91万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、実施例1と同じ繊度であるにも関わらず、8.0Nと低かった。このように、比較例1の方法で得られた熱融着性複合繊維は、実施例1と同じ実効延伸倍率で延伸されているにも関わらず、繊維強度が低かった。
鞘成分として「S6920」(京葉ポリエチ(株)製、ペレットMFR=26g/10min)を用いた以外は実施例3と同様にして、未延伸糸繊度が5.8dtexの熱融着性複合繊維を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは37.6g/minであり、鞘成分のMFRは43.0g/10minであった。その後、実施例3と同様の方法で延伸処理を行った。工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は4.8倍であり、得られた延伸繊維の強度は5.8cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は14.2%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は14.2万であり、鞘成分の重量平均分子量は4.47万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、8.8Nであった。このように、比較例1の方法で得られた熱融着性複合繊維は、実施例3とほぼ同じ実効延伸倍率で延伸されているにもかかわらず、繊維強度が低かった。
鞘成分として「J302」(東ソー(株)製、ペレットMFR=41.5g/10min)を用いた以外は実施例4と同様にして、未延伸糸繊度が7.8dtexの熱融着性複合繊維を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは59.0g/minであり、鞘成分のMFRは74.1g/10minであった。その後、実施例4と同様の方法で延伸処理を行った。工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は5.2倍であり、得られた延伸繊維の強度は5.2cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は20.6%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は12.4万であり、鞘成分の重量平均分子量は3.88万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、6.1Nであった。このように、比較例4の方法で得られた熱融着性複合繊維は、実施例4と同じ実効延伸倍率で延伸されているにもかかわらず、繊維強度が低かった。
芯成分の押出機シリンダー温度を260℃とした以外は実施例1と同様にして、未延伸糸繊度が4.2dtexの熱融着性複合繊維を紡糸した。紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRは20.9g/minであり、鞘成分のMFRは10.1g/10minであった。その後、実施例1と同様の方法で延伸処理を行った。工業的に安定して延伸できる最大実効延伸倍率は3.2倍であり、得られた延伸繊維の強度は3.4cN/dtex、145℃における乾熱収縮率は12.1%であった。この延伸繊維についてクロス分別クロマトグラフにて分子量測定を実施したところ、芯成分の重量平均分子量は17.4万であり、鞘成分の重量平均分子量は6.56万であった。また、これを5mmにカットし、抄造ウェブを熱融着させて作製した50目付の不織布の突刺し強度を測定したところ、実施例1と比べて繊度が大きく、また繊維強度も低いためか、9.0Nと低かった。このように、比較例5の方法で得られた熱融着性複合繊維は、実施例1と比べて低い延伸倍率でしか延伸できず、繊維強度が低かった。これは、紡糸口金から吐出された、芯成分のMFRが低すぎたためと考えられる。
Claims (7)
- 結晶性プロピレン系重合体を芯成分に配し、かつ芯成分よりも融点の低いエチレン系重合体を鞘成分に配する未延伸糸を、延伸して得られた熱融着性複合繊維であって、該熱融着性複合繊維のクロス分別クロマトグラフによって測定される、芯成分の重量平均分子量と鞘成分の重量平均分子量の比(芯成分重量平均分子量/鞘成分重量平均分子量)が2.5以下であり、かつ、繊維破断強度が6.0cN/dtex以上であることを特徴とする熱融着性複合繊維。
- 上記延伸が、接触加熱延伸または非接触加熱延伸である、請求項1に記載の熱融着性複合繊維。
- 上記鞘成分の樹脂原料の190℃におけるMFRが3〜18g/10minである請求項1または2記載の熱融着性複合繊維。
- 上記芯成分の樹脂原料の230℃におけるMFRが5〜60g/10minである請求項1〜3のいずれか1つに記載の熱融着性複合繊維。
- 145℃における乾熱収縮率が20%以下である請求項1〜4のいずれか1つに記載の熱融着性複合繊維。
- 上記芯成分がアイソタクチックポリプロピレンであり、上記鞘成分が高密度ポリエチレンである請求項1〜5のいずれか1つに記載の熱融着性複合繊維。
- 上記芯成分のアイソタクチックポリプロピレンのQ値(分子量分布:重量平均分子量/数平均分子量)が4以下である請求項6に記載の熱融着性複合繊維。
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