JP2003171825A - 熱接着性複合繊維と、これを用いた不織布および合繊紙 - Google Patents

熱接着性複合繊維と、これを用いた不織布および合繊紙

Info

Publication number
JP2003171825A
JP2003171825A JP2001374930A JP2001374930A JP2003171825A JP 2003171825 A JP2003171825 A JP 2003171825A JP 2001374930 A JP2001374930 A JP 2001374930A JP 2001374930 A JP2001374930 A JP 2001374930A JP 2003171825 A JP2003171825 A JP 2003171825A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
fiber
heat
ethylene
propylene copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001374930A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3790459B2 (ja
Inventor
Hiroshi Okaya
洋志 岡屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiwa Boseki KK
Daiwabo Co Ltd
Original Assignee
Daiwa Boseki KK
Daiwabo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiwa Boseki KK, Daiwabo Co Ltd filed Critical Daiwa Boseki KK
Priority to JP2001374930A priority Critical patent/JP3790459B2/ja
Publication of JP2003171825A publication Critical patent/JP2003171825A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3790459B2 publication Critical patent/JP3790459B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Paper (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紡糸時の融着など繊維生産性、高速カード通
過性など不織布生産性に優れ、低温熱接着性に優れると
ともに、触感がべたつき感の少ない柔軟な不織布あるい
は合繊紙を得るのに好適な熱接着性複合繊維を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 エチレン含有量が5〜15wt%であり、
TREFにより測定される温度40℃における溶出成分
の溶出量が14wt%以上、前記溶出成分に占めるエチレ
ン成分の割合が10wt%以上、前記溶出成分の重量平均
分子量(Mw)が10万以上であるエチレン−プロピレ
ン共重合体を含む繊維形成性樹脂を一成分とし、前記成
分が繊維表面の少なくとも一部に露出するように複合紡
糸して熱接着性複合繊維を得、これを少なくとも10ma
ss%含有する繊維ウェブに熱処理を施すことにより、不
織布および合繊紙を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱接着性複合繊維と
これを用いた不織布および合繊紙に関する。更に詳しく
は、熱処理時の低温での熱接着性を有し、熱接着加工温
度の範囲が広く、熱接着強力やヒートシール強力に優
れ、また柔軟な触感を有する不織布、合繊紙を提供し得
る熱接着性複合繊維、並びに不織布および合繊紙に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、衛生材料、包装材、フィルター、
ウェットティッシュ、ワイパー、電池セパレーター、ヒ
ートシール合繊紙等の様々な用途において、低融点成分
の少なくとも一部が繊維表面に露出した熱接着性複合繊
維で繊維間を熱接着させた熱接着不織布が使用されてい
る。熱接着性複合繊維としては、低融点(鞘)成分/高
融点(芯)成分(以下この組合せで示す)の組合せがポ
リエチレン/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエス
テルが代表的であるが、両者の相溶性が必ずしも良好で
ないために、成分間剥離(鞘芯型複合繊維の場合は鞘芯
間剥離)が生じ接着強力が必ずしも十分でないという欠
点があり、また、エンボスロールによる熱圧着処理の場
合、生産速度を上げると接着強度が低く、高温高圧とす
ると風合いが硬くなるという欠点もあるため、エチレン
−プロピレン共重合体(以下EP、またはEP共重合体
と示すことがある)/ポリプロピレン(以下PPと示す
ことがある)、エチレン−ブテン−プロピレン三元共重
合体(以下EBP、またはEBP共重合体と示すことが
ある)/ポリプロピレンの組合せからなる複合繊維が種
々提案され、実用に供されている。この組み合わせの場
合、両成分の相溶性が良いため、成分間剥離の問題が生
じにくく優れた熱接着能を示す。また、上記共重合体は
若干のゴム的性質を有するため比較的柔軟な不織布が得
られる。
【0003】例えば、特開平4−73214号公報で
は、プロピレン系共重合体を鞘成分とし、結晶性ポリプ
ロピレンを芯成分とし、鞘成分/芯成分のメルトフロー
レート比を2〜10の範囲とした熱接着性繊維が提案さ
れている。特開平5−9810号公報では、プロピレン
系共重合体を鞘成分とし、結晶性ポリプロピレンを芯成
分とし、DSC曲線でダブルピークを示すように低融点
プロピレン系共重合体を選択することが提案されてい
る。特開平6−108310号公報および特表2001
−502388号公報では、鞘成分を低融点プロピレン
共重合体とし、芯成分を結晶性ポリプロピレンとし、延
伸倍率を低くして樹脂の配向結晶性を抑制した熱接着性
複合繊維が提案されている。
【0004】WO98/23799公報では、アイソタ
クチックペンタッド分率が0.950〜0.995、シ
ンジオタクチックペンタッド分率が0〜0.004であ
り、重量平均分子量(Mw)が5万〜100万、重量平
均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw
/Mn)が1.5〜3.8であるポリプロピレンを一成
分とした複合繊維が提案されている。特開平10−29
8824号公報では、エチレン含有量が0.01〜15
mol%であり、所望の範囲の共重合体主鎖中の3個のモ
ノマー連鎖単位の割合を有する重量平均分子量(Mw)
が5万〜100万、Mw/Mnが1.5〜3.8である
エチレン−プロピレン共重合体を一成分とした複合繊維
が提案されている。さらに、特開2001−25425
6号公報では、鞘成分をMw/Mnが4.5以下、融点
が130℃以下、平均溶出温度が60〜90℃、溶出分
散度が20以下であるエチレン−プロピレン共重合体と
し、芯成分をMw/Mnが1.5〜4.5のホモポリプ
ロピレンとした熱接着性複合繊維が提案されている。
【0005】また、鞘成分に2種類以上の樹脂を混合す
る提案がいくつかなされている。例えば、特開平6−1
84822号公報では、鞘成分に高密度ポリエチレンと
少量のエチレン−プロピレン共重合体とを混合した熱接
着性複合繊維を提案している。特開平6−116815
号公報では、鞘成分をプロピレン系2元または三元共重
合体と融点または軟化点が125〜60℃の少量の飽和
炭化水素ワックスとを混合した熱接着性複合繊維を提案
している。本出願人においても、特開2000−451
25号公報では、鞘成分にエチレン含有量が7.0重量
%以上のエチレン−プロピレン共重合体を20〜50重
量%と、エチレン含有量3.0〜5.0重量%のエチレ
ン−プロピレン共重合体を80〜50重量%との混合体
からなる複合繊維を提案している。特開2000−11
0024号公報では、MFR4〜100のエチレン-プ
ロピレン共重合体100重量部に対し、MFR4〜10
0のポリエチレンを0.5〜20重量部配合したポリプ
ロピレン繊維を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記複
合繊維には以下の問題点が挙げられる。例えば、特開平
4−73214号公報記載の複合繊維は、鞘成分/芯成
分のMFR比を2〜10と大きくすることにより欠点を
解消しようと試みているが、紡糸性、延伸性が悪く、製
造工程中、特に紡糸工程時に繊維間融着を引き起こした
りする。特開平5−9810号公報では、芯成分と鞘成
分の間に融点差を設けているため、145℃以上の熱風
処理など高温加工には適しているが、145℃未満の熱
処理において検討がなされておらず、選択されるプロピ
レン系共重合体は、エチレン含有量の比較的少ない樹脂
を用いており、しかも紡糸ドラフトや延伸ドラフトが加
わることで、結晶化が進み高結晶となり、低温接着性に
有利である低結晶成分が少なく、低温接着性は十分とは
いえない。特開平6−108310号公報および特表2
001−502388号公報では、融点の低い樹脂を採
用し、延伸倍率を低く抑えて芯成分と鞘成分に温度差を
設けようと試みているが、融点の低いプロピレン系共重
合体は繊維間融着を引き起こし易く、延伸倍率を低く抑
えるため、伸度が大きくなり繊維にコシがなく、カード
通過性に劣る。
【0007】WO98/23799公報、特開平10−
298824号公報、および特開2001−25425
6号公報で用いられているエチレン−プロピレン共重合
体は、いずれもメタロセン触媒を用いて重合されたもの
であり、紡糸安定性に優れ、低融点であるので、低温で
の熱接着性に優れるものの、低結晶成分が極端に少ない
ため、チーグラー−ナッタ触媒を用いて重合されたエチ
レン−プロピレン共重合体独特のゴム的性質が失われ、
得られる不織布の触感が柔軟とはいえない。
【0008】また、特開平6-184822号公報で
は、高密度ポリエチレンに少量のエチレン−プロピレン
共重合体を混合することにより、鞘の融点を上昇させ、
圧着時の樹脂の広がりを抑制して、熱ロール時の穴開き
現象の発生を抑制することができるが、高密度ポリエチ
レンが主体であるため、鞘成分と芯成分との相溶性は良
好とはいえず、鞘芯間剥離が生じて接着強力は十分とは
いえない。特開平6−116815号公報では、分子量
が8000以下の飽和炭化水素ワックスを混合するた
め、低温接着性に優れるものの、紡糸時の発煙し、作業
環境面で悪影響を及ぼすだけでなく、熱劣化によりノズ
ル口金へ分解物が付着し、長期生産性に劣るという問題
を含んでいる。さらに、繊維形成後も経時的にワックス
成分がブリードアウトする恐れがあり、最終製品に悪影
響を及ぼす恐れがある。特開2000−45125号公
報では、面反発性やクッション性には効果があるが、低
温での熱接着性、柔軟性においては十分とはいえなかっ
た。特開2000−110024号公報では、ポリエチ
レンを少量配合することにより低温でのヒートシール性
を向上させているが、エチレン−プロピレン共重合体と
ポリエチレンとは、相溶性が悪く、安定した紡糸性が得
られない。さらに、相溶性が悪いため、熱接着強力がば
らつき安定した不織布強力が得られない。
【0009】本発明の目的は、上記の観点から、紡糸時
の融着など繊維生産性、ならびにカード通過性など不織
布生産性に優れ、低温熱接着性に優れるとともに、触感
がべたつき感の少ない柔軟な不織布あるいは合繊紙を得
るのに好適な熱接着性複合繊維と、これを用いた不織布
および合繊紙を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
つき鋭意検討した結果、エチレン成分を多く含み、比較
的高分子量である低結晶成分を多く含有するエチレン−
プロピレン共重合体を少なくとも繊維表面の一部に露出
するように配置させることにより、上記課題を解決した
ものである。すなわち、本発明の熱接着性複合繊維は、
エチレン含有量が5wt%以上、15wt%以下であり、温
度上昇溶離分別(TREF)により測定される温度40
℃における溶出成分の溶出量が14wt%以上であり、前
記溶出成分に占めるエチレン成分の割合が10wt%以
上、前記溶出成分の重量平均分子量(Mw)が10万以
上であるエチレン−プロピレン共重合体を含む繊維形成
性樹脂を第一成分とし、融点が前記エチレン−プロピレ
ン共重合体の融点より10℃以上高いオレフィン系重合
体またはその共重合体を第二成分とし、第一成分が繊維
表面の少なくとも一部に露出してなる熱接着性複合繊維
である。
【0011】前記エチレン−プロピレン共重合体の融点
は、130℃を超え、140℃以下であることが好まし
い。また、前記エチレン−プロピレン共重合体における
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比
(Mw/Mn)は、3以下であることが好ましい。
【0012】前記第二成分のオレフィン系重合体は、結
晶性ポリプロピレンであると、第一成分と同質の樹脂で
構成され、鞘芯間剥離を抑えることができ、好ましい。
【0013】本発明の熱接着性複合繊維は、エチレン含
有量が5wt%以上、15wt%以下であり、温度上昇溶離
分別(TREF)により測定される温度40℃における
溶出成分の溶出量が14wt%以上であり、前記溶出成分
に占めるエチレン成分の割合が10wt%以上、前記溶出
成分の重量平均分子量(Mw)が10万以上であるエチ
レン−プロピレン共重合体を含む繊維形成性樹脂を第一
成分とし、融点が前記エチレン−プロピレン共重合体の
融点より10℃以上高いオレフィン系重合体またはその
共重合体を第二成分とし、第一成分が繊維表面の少なく
とも一部に露出するように複合紡糸されてなる。
【0014】本発明の不織布は、前記熱接着性複合繊維
を少なくとも10mass%含有し、熱接着性複合繊維の少
なくとも一部が溶融し、熱接着されており、熱接着強力
に優れるとともに、柔軟な触感を有する。
【0015】本発明の合繊紙は、前記熱接着性複合繊維
を少なくとも10mass%含有し、熱接着性複合繊維の少
なくとも一部が溶融し、熱接着されており、熱接着強力
および低温ヒートシール強力に優れる。
【0016】前記不織布あるいは前記合繊紙は、実用的
な強力および柔軟な触感を有するので、衛生材料、包装
材、フィルター、ウェットティッシュ、ワイパー、電池
セパレーター、ヒートシール紙等に好適である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の熱接着性複合繊維におい
て、第一成分に含まれるエチレン−プロピレン共重合体
は、エチレン含有量5wt%以上、15wt%以下の範囲の
ものを用いる。好ましいエチレン含有量の下限は6wt%
以上である。好ましいエチレン含有量の上限は10wt%
以下である。エチレン含有量が5wt%未満であると、融
点が高くなる傾向であり、低温での熱接着性に劣り、不
織布製造時の熱接着加工温度の範囲が狭くなる恐れがあ
る。エチレン含有量が15wt%を超えると、繊維製造時
に繊維間融着が生じる恐れがあり、また軟化点や融点が
低くなりすぎて、不織布製造時に繊維ウェブを集積する
ネットへ溶融した樹脂が付着したり、あるいは熱ロール
処理においては、ロールへの粘着が発生するなど工程性
が低下する傾向にある。
【0018】前記エチレン−プロピレン共重合体におい
て、温度上昇溶離分別(TREF)により測定される温
度40℃における溶出成分の溶出量は、14wt%以上と
する必要がある。好ましい溶出量の下限は、16wt%以
上である。好ましい溶出量の上限は、20wt%以下であ
る。TREFによる40℃での溶出成分は、エチレン−
プロピレン共重合体の結晶性を示すパラメーターであ
り、低結晶成分であるほど低温で溶出される。そして、
前記溶出量は、値が大きいほど低結晶成分がポリマーに
占める割合が多いことを示す。溶出量が14wt%未満で
あると、低結晶成分が少なく、紡糸ドラフトや延伸ドラ
フトが加わることで、結晶化が進み高結晶となり、低温
での熱接着性に劣る傾向にある。溶出量があまり大きす
ぎると、低結晶成分が多くなりすぎて、繊維自体のコシ
がなくなるため、不織布製造時のカード通過性などに劣
る傾向にある。
【0019】前記温度上昇溶離分別(TREF:Tem
perature RisingElution Fr
action)は、下記により測定することができる。
[温度上昇溶離分別(TREF)]カラムを装着したク
ロス分別装置に、ポリマーを下記の溶媒に完全に溶解さ
せて供給した後に、所定の冷却速度で0℃まで冷却し、
不活性坦体表面に薄いポリマー層を生成させる。次に、
所定の温度で連続的に40℃まで昇温し、40℃までに
溶出した成分(溶出成分)を回収し、溶出成分の重量を
測定し、溶出量とした。 (測定条件) (1)装置:三菱化学株式会社製 CFC T150A
型 (2)溶媒:O−ジクロロベンゼン (3)測定濃度:4mg/ml (4)カラム:昭和電工株式会社製 AD80M/S カラムサイズ 0.46mmφ×15cm 不活性坦体 ガラスビーズ(0.1mm径) (5)冷却速度:100℃/120分 なお、温度上昇溶離分別(TREF)の詳細について
は、Journal of Applied Poly
mer Science 第26巻、第4217〜42
31頁(1981年)に記載されている。
【0020】前記溶出成分に占めるエチレン成分の割合
(溶出エチレン含有量)は、10wt%以上とする必要が
ある。好ましい溶出エチレン含有量の下限は、11wt%
以上である。好ましい溶出エチレン含有量の上限は、1
6wt%以下である。溶出エチレン含有量は、値が大きい
ほど、低温での熱接着性に寄与するエチレン成分を多く
含み、ゴム的性質が強くなる傾向であり、柔軟性も高く
なる傾向である。溶出エチレン含有量が10wt%未満で
あると、低温での熱接着性に劣る傾向にある。溶出エチ
レン含有量があまり大きすぎると、ゴム的性質が強くな
りすぎて、紡糸時に融着を引き起こすなどの繊維生産性
や、繊維自体のコシがなくなりカード通過性など不織布
生産性にも影響を及ぼし、触感もべたつき感が強くなる
傾向にある。
【0021】前記エチレン含有量および前記溶出成分に
占めるエチレン成分の割合は、エチレン−プロピレン共
重合体および溶出成分のIRスペクトルにおける730
cm-1のエチレンピークから算出することができる。
【0022】前記溶出成分における重量平均分子量(M
w)は、10万以上とする必要がある。好ましいMwの
下限は、10.5万以上である。好ましいMwの上限
は、15万以下である。溶出成分における重量平均分子
量(Mw)は、値が大きいほど、低結晶成分の重合度が
大きいことを示し、エチレン−プロピレン共重合体特有
のゴム的性質や紡糸時の融着が抑制される傾向にある。
Mwが10万未満であると、紡糸時に融着を引き起こす
などの繊維生産性やカード通過性など不織布生産性に劣
り、触感もべたつき感が強くなる傾向にある。Mwがあ
まりに大きすぎると、低温での熱接着性や不織布の柔軟
性に劣る傾向にある。
【0023】前記溶出成分における重量平均分子量(M
w)は、溶出成分のゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)により求めることができる。
【0024】本発明の熱接着性複合繊維に用いられるエ
チレン−プロピレン共重合体は、TREFによる前記溶
出成分において溶出量、エチレン含有量、重量平均分子
量(Mw)をすべて満足するものが、紡糸時の融着など
繊維生産性、ならびにカード通過性など不織布生産性に
優れ、低温での熱接着性に優れるとともに、触感がべた
つき感の少ない柔軟な不織布あるいは合繊紙を得るのに
好適な熱接着性複合繊維となる。上記を満たすエチレン
−プロピレン共重合体としては、例えば、サンアロマ−
(株)製のPM940M(溶出量約18wt%、エチレン
含有量約14wt%、Mw約12万)等がある。
【0025】前記エチレン−プロピレン共重合体の融点
は、130℃を超え、140℃以下であることが好まし
い。より好ましい融点の下限は、132℃以上である。
なお、融点は、JIS−K−7122に準じてDSC法
により測定される。融点が130℃を下回ると、軟化点
が低くなりすぎて紡糸時に融着が生じる恐れがあり、ま
た得られる繊維自体もコシがなく、ゴム的性質が強くな
りすぎるため、不織布製造時のカード通過性に劣る傾向
にある。融点が140℃を超えると、低温での熱接着性
に劣り、第二成分をプロピレン系重合体としたとき、融
点差が小さく、不織布製造時の熱接着加工温度の範囲が
狭くなり、加工温度の管理が困難となるだけでなく、第
二成分も熱の影響を受けて風合いが硬くなる恐れがあ
る。
【0026】前記エチレン−プロピレン共重合体におけ
るASTM−D−1238に準ずるメルトフローレート
(MFR、温度230℃、荷重21.2N(2.16kg
f))は、1g/10min以上、100g/10min以下の範囲で
あることが好ましい。より好ましいMFRの下限は、1
0g/10min以上である。より好ましいMFRの上限は、
50g/10min以上である。MFRが1g/10min未満である
と、エチレン−プロピレン共重合体の分子量が大きすぎ
るため溶融粘度が低くなり、紡糸時の糸切れなどの問題
を発生しやすい。一方、MFRが100g/10minを超え
ると、エチレン−プロピレン共重合体の分子量が小さす
ぎるため、紡糸時の融着が生じる恐れがあり、また繊維
自体のコシのなくなり、不織布製造時のカード通過性が
劣る傾向にある。
【0027】前記エチレン−プロピレン共重合体におけ
る重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との
比(Mw/Mn)は、3以下であることが好ましい。M
w/Mnを3以下とすることにより、紡糸性が良好とな
る傾向にあり、好ましい。
【0028】本発明の熱接着性複合繊維において、第一
成分は前記エチレン−プロピレン共重合体主体で構成す
ることが好ましく、第一成分に少なくとも70wt%含有
することがより好ましい。さらに好ましくは、80wt%
以上含有することである。そして、前記エチレン−プロ
ピレン共重合体による低温での熱接着性や触感を阻害し
ない範囲で、他の樹脂、例えば、前記溶出成分を含有し
ないエチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン、
高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密
度ポリエチレンなどのオレフィン系重合体またはその共
重合体を混合することができる。
【0029】さらに、前記第一成分には、繊維生産性、
不織布生産性、および低温での熱接着性、触感を阻害し
ない範囲であれば、無機物(例えば、炭酸カルシウム、
タルク等)等の公知の結晶核剤を10mass%以下で混合
してもよい。結晶核剤を混合すると、繊維製造時の繊維
間融着を防止する効果をさらに向上させることができ、
また、触感の柔らかい不織布を得ることができるという
利点がもたらされる。また、第一成分には、必要に応じ
てその他の添加剤、例えば、帯電防止剤、顔料、艶消し
剤、熱安定剤、光安定剤、難燃材、抗菌剤、滑剤、可塑
剤、柔軟剤等を用途等に応じて混合することができる。
【0030】次に、本発明の熱接着性複合繊維における
第二成分は、第一成分における前記エチレン−プロピレ
ン共重合体の融点よりも10℃以上高い融点を有するオ
レフィン系重合体またはその共重合体が用いられる。好
ましくは、エチレン−プロピレン共重合体の融点よりも
20℃以上高い融点を有するオレフィン系重合体または
その共重合体である。第二成分が第一成分におけるエチ
レン−プロピレン共重合体の融点との差が10℃未満で
あると、不織布製造時の熱接着加工温度の範囲が狭くな
り、加工温度の管理が困難となるだけでなく、第二成分
も熱の影響を受けて風合いが硬くなる恐れがある。
【0031】上記範囲を満たすオレフィン系重合体また
はその共重合体としては、ポリプロピレン、ポリメチル
ペンテン、エチレン−ビニルアルコール共重合体などが
挙げられ、なかでも、結晶性ポリプロピレンは、第一成
分に含まれるエチレン−プロピレン共重合体と同質であ
り相溶性がよく、成分間で剥離が生じにくく、熱接着性
に優れ、好ましい。
【0032】前記第二成分もまた、必要に応じて各種の
添加剤を含んでよい。具体的には、帯電防止剤、顔料、
艶消し剤、熱安定剤、光安定剤、難燃材、抗菌剤、滑
剤、可塑剤、柔軟剤等を含んでよい。
【0033】次に、本発明の熱接着性複合繊維は、前記
第一成分および第二成分で構成され、第一成分が繊維表
面の少なくとも一部に露出するように配置される。ここ
で、「第一成分が繊維表面の少なくとも一部に露出す
る」とは、繊維断面の周の少なくとも一部を第一成分が
占めていることをいう。本発明の熱接着性複合繊維にお
いて、第一成分は、好ましくは繊維断面の周の20%以
上、100%以下、より好ましくは、50%以上、10
0%以下を占め、もっとも好ましくは、100%を占め
る。
【0034】前記構造を有する複合繊維としては、例え
ば、同心円状あるいは偏心状に配置された鞘芯型複合繊
維、並列型複合繊維、分割型複合繊維、海島型複合繊維
等がある。本発明の熱接着性複合繊維の繊維断面形状
は、円状、異形状、中空状のいずれであってもよい。特
に、同心円状に配置された鞘芯型複合繊維は、熱接着加
工したときの熱接着点が多く、熱接着能を十分に発揮す
ることができるので都合がよい。
【0035】前記第一成分/前記第二成分の複合比(容
積比)は、8/2〜2/8であることが好ましい。より
好ましくは7/3〜3/7である。複合比が8/2を超
えると、熱収縮が大きくなる恐れがある。複合比が2/
8未満であると、この繊維を用いて熱接着不織布を製造
した場合、十分な不織布強力を有する不織布を得ること
ができない恐れがある。
【0036】本発明の熱接着性複合繊維の繊度は、特に
限定されず、用途に応じて適宜選択すればよい。例え
ば、衛生材料、ウェットティッシュ等の低目付の不織布
(約10〜80g/m2)を製造する場合であれば、触感の
よい不織布が得られるよう熱接着性複合繊維の繊度は、
0.5dtex以上、4dtex以下の範囲であることが好まし
い。
【0037】次に、本発明の熱接着性複合繊維の製造方
法について説明する。まず、第一成分として、エチレン
含有量が5wt%以上、15wt%以下であり、温度上昇溶
離分別(TREF)により測定される温度40℃におけ
る溶出成分の溶出量が14wt%以上であり、前記溶出成
分に占めるエチレン成分の割合が10wt%以上、前記溶
出成分の重量平均分子量(Mw)が10万以上であるエ
チレン−プロピレン共重合体を一種または複数種用意
し、必要に応じて他の樹脂あるいは結晶核剤や添加剤を
混合して第一成分の原料樹脂とする。第二成分として、
融点が前記エチレン−プロピレン共重合体の融点より1
0℃以上高いオレフィン系重合体またはその共重合体を
用意する。
【0038】前記第一成分および第二成分を公知の溶融
紡糸機を用いて溶融紡糸し、繊度1dtex以上、75dtex
の範囲の紡糸フィラメントを作製する。例えば、紡糸温
度200℃以上、350℃以下の範囲で押し出し、引取
速度100m/min以上、1500m/min以下の範囲で溶融
紡糸するとよい。第一成分の紡糸温度が200℃未満で
あると、溶融した樹脂の溶融粘度が高いために糸切れが
発生しやすい。第一成分の紡糸温度が350℃を超える
と、溶融粘度が低いために紡糸フィラメント同士が融着
しやすく、また樹脂の熱分解により紡糸性が低下する。
第一成分の好ましい紡糸温度は、230℃以上、300
℃以下の範囲である。一方、第二成分として結晶性ポリ
プロピレンを用いた場合、好ましい紡糸温度は、230
℃以上、300℃以下の範囲である。
【0039】前記紡糸フィラメントにおける引取繊度
は、1dtex以上、75dtexの範囲であることが好まし
い。紡糸フィラメントの引取繊度が1dtex未満である
と、糸切れ等が生じて繊維生産性が低下する。紡糸フィ
ラメントの引取繊度が75dtexを超えると、繊度の小さ
い熱接着性複合繊維を得ることが困難となる。本発明の
熱接着性複合繊維で不織布を形成する場合、不織布の風
合いを良好なものとするためには、紡糸フィラメントの
引取繊度を3dtex以上、20dtex以下の範囲とすること
が好ましい。
【0040】次いで、紡糸フィラメントを公知の延伸処
理機を用いて延伸処理して、延伸フィラメントを得る。
延伸処理は、延伸温度を30℃以上、95℃以下の範囲
とし、延伸倍率を2.5倍以上、5倍以下の範囲で実施
することが好ましい。より好ましい延伸倍率の下限は、
3倍以上である。より好ましい延伸倍率の上限は、4.
5倍以下である。前記エチレン-プロピレン共重合体
は、重量平均分子量の比較的大きい低結晶成分を多く含
有するので、延伸倍率を2.5倍未満の低延伸処理によ
り結晶化を抑制させずとも、低温での熱接着性に寄与す
る低結晶成分を含有させることができる。延伸倍率が
2.5倍未満であると、得られる繊維自体にコシがな
く、低強度高伸度の繊維となる傾向であり、カード通過
性が不十分となる恐れがあるだけでなく、不織布強力が
低下することがある。延伸倍率が5倍を超えると、エチ
レン−プロピレン共重合体の結晶化が進み、低温での熱
接着性が低下する恐れがある。延伸方法は、温水または
熱水中で実施する湿式延伸法、または乾式延伸法のいず
れであってもよい。
【0041】本発明の熱接着性複合繊維の製造過程にお
いては、延伸処理の前、延伸処理の間、または延伸処理
の後のいずれかの段階で、60℃以上、120℃以下の
範囲の温度でアニーリング処理を施すことが好ましい。
アニーリング処理は、乾熱、湿熱、または蒸熱を用い
て、緊張状態あるいは弛緩状態で実施される。アニーリ
ング処理は、繊維の結晶性を高めて繊維にコシを付与
し、不織布製造時のカード通過性等の向上に寄与する。
ここでも前記エチレン−プロピレン共重合体であれば、
重量平均分子量の比較的大きい低結晶成分を多く含有す
るので、低温熱接着性が阻害されない程度の結晶化が可
能となる。また、アニーリング処理の条件によって、不
織布の風合いを調整することが可能である。
【0042】例えば、得られた延伸フィラメントを、ス
テープル繊維、あるいはエアレイ用短繊維の形態で得よ
うとする場合、得られた延伸フィラメントには、必要に
応じて、所定量の繊維処理剤を付着させ、クリンパー
(捲縮付与装置)で捲縮を与える。捲縮付与後のフィラ
メントに60℃以上、120℃以下の範囲の温度で数秒
から約30分間、アニーリング処理を施す。繊維処理剤
を付着させた後でアニーリング処理を実施する場合、ア
ニーリング処理温度を80℃以上、115℃以下の範囲
とし、処理時間を5分以上として、アニーリング処理を
実施すると同時に繊維処理剤を乾燥させることがより好
ましい。アニーリング処理の温度を低く設定することに
より、不織布強力の高い不織布を得ることができ、アニ
ーリング処理の温度を高く設定することにより、風合い
が柔軟な不織布を得ることができる。アニーリング処理
終了後、フィラメントは用途等に応じて所定の長さにカ
ットされる。ステープル繊維であれば、30mm以上、1
00mm以下の範囲であることが好ましい。エアレイ用短
繊維であれば、1mm以上、50mm以下の範囲であること
が好ましい。
【0043】本発明の熱接着性複合繊維を合繊紙用短繊
維として用いる場合、所定量の繊維処理剤を付着させ、
用途等に応じて2mm以上、20mm以下の長さにカット
し、水分率を0〜50mass%に調整するとよい。合繊紙
用短繊維は、合繊紙の紙強力およびヒートシール強力を
高くするために、延伸処理後にアニーリング処理を施さ
ずに製造することが好ましい。したがって、合繊紙用短
繊維の水分率を小さくするまたは0%とする場合には、
できるだけ低温で乾燥処理を実施することが好ましい。
このようにして得られる本発明の熱接着性複合繊維は、
例えば、本発明の不織布または合繊紙を製造するために
用いることができる。
【0044】続いて、本発明の不織布を、その製造方法
とともに説明する。本発明の不織布は、前記熱接着性複
合繊維を少なくとも10mass%含有するように繊維ウェ
ブを作製し、繊維ウェブを熱処理し、熱接着性複合繊維
の表面の少なくとも一部(すなわち第一成分)を溶融さ
せて繊維間を熱接着させることにより得ることができ
る。本発明の不織布は、前記熱接着性複合繊維を熱接着
成分として前記エチレン−プロピレン共重合体を使用し
ているので、低温での熱接着性に優れており、熱接着加
工温度の範囲が広く、低温で熱処理を行っても優れた熱
接着強力を有している。さらに、第二成分(芯成分)の
融点よりも十分に低い温度で繊維間を熱接着し得るか
ら、第二成分の溶融または軟化に起因する不織布の柔軟
性の低下が生じないので、柔軟性を維持しつつ、べたつ
き感が低減された触感を有し、実用的な強力と柔軟な触
感を両立するさせることができる。
【0045】本発明の不織布には、前記熱接着性複合繊
維以外に他の繊維を混綿、積層してもよく、例えば、コ
ットン、シルク、ウール、麻、パルプなどの天然繊維、
レーヨン、キュプラなどの再生繊維、アクリル系、ポリ
エステル系、ポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリウ
レタン系などの合成繊維から1種または複数種の繊維を
用途などに応じて選択するとよい。なかでも、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、あるいはエチレン−ブテン−プロピレン三元共重合
体等からなるポリオレフィン系繊維と組み合わせて不織
布を製造するのに適しており、特に、ポリプロピレン、
エチレン−プロピレン共重合体、あるいはエチレン−ブ
テン−プロピレン三元共重合体等からなるポリプロピレ
ン系繊維と良好に接着する。本発明の不織布を前記熱接
着性複合繊維のみで構成してもよいことはいうまでもな
い。
【0046】本発明の不織布を製造するに際して、繊維
ウェブの形態は特に限定されず、ステープル繊維からな
るパラレルウェブ、セミランダムウェブ、ランダムウェ
ブ、クロスウェブ、クリスクロスウェブなどのカードウ
ェブ、短繊維を湿式抄紙した湿式ウェブ、短繊維からな
るエアレイウェブ、長繊維からなるスパンボンドウェ
ブ、あるいはメルトブローウェブなどから目的に応じて
任意に選択することができる。繊維ウェブは、異なる種
類の繊維ウェブを2種類以上積層してもよい。不織布の
柔軟性をより重視する場合には、ステープル繊維からな
るカードウェブを用いて不織布を製造することが好まし
い。また、繊維間を絡合させるために、繊維ウェブに
は、必要に応じて熱処理前および/または熱処理後にニ
ードルパンチ処理や水流交絡処理等の二次加工を施して
もよい。
【0047】繊維ウェブを形成した後、繊維ウェブに公
知の熱処理手段により熱処理を施し、熱接着性複合繊維
の少なくとも一部を溶融させて熱接着する。熱処理手段
としては、熱風吹き付け法および熱圧着法から選ばれた
少なくとも1種の熱処理方法を用いることが好ましい。
特に、エンボスロールを用いた熱圧着法は、より低温で
熱接着でき、また圧接面積が小さいので、不織布の柔軟
性を重視する場合には好ましい熱処理手段である。
【0048】前記熱処理方法における熱処理温度等の熱
処理条件は、採用する熱処理方法に応じて適宜設定され
る。例えば、熱風吹き付け法(エアースルー法)を採用
する場合、熱処理温度は、第一成分におけるエチレン−
プロピレン共重合体の融点以上であり、第二成分の融点
未満、好ましくは第二成分の融点より10℃低い温度以
下の範囲に設定するとよい。熱処理温度は、エチレン−
プロピレン共重合体の融点未満であると、十分な熱接着
強力が得られず、第二成分の融点を超えると、不織布の
柔軟性を損なうからである。
【0049】エンボスロールを用いた熱圧着法(エンボ
ス法)を採用する場合、ロール間の圧力(線圧)は、1
50N/cm以上、1500N/cm以下の範囲であることが好
ましい。線圧が150N/cm未満であると、熱接着が不十
分となり、不織布強力が低下する恐れがある。線圧が1
500N/cmを超えると、エンボス部分において穴開き
(ピンホール)が発生し、不織布の外観を損なう恐れが
ある。
【0050】前記エンボスロールを用いた熱圧着法にお
けるロール温度(T℃)は、第一成分におけるエチレン
−プロピレン共重合体の融点−20(℃)≦T(℃)<
第二成分の融点−15(℃)であることが好ましい。よ
り好ましくは、エチレン−プロピレン共重合体の融点−
15(℃)≦T(℃)<第二成分の融点−25(℃)の
範囲である。ロール温度がエチレン−プロピレン共重合
体の融点−20(℃)未満であると、十分な熱接着強力
が得られず、第二成分の融点−15(℃)を超えると、
不織布の柔軟性を損なうからである。
【0051】本発明の合繊紙は、前記熱接着性複合繊維
を少なくとも10mass%含有する湿式ウェブを熱処理
し、熱接着性複合繊維の表面の少なくとも一部(すなわ
ち第一成分)を溶融させて繊維間を熱接着させることに
より得ることができる。熱処理は、第一成分におけるエ
チレン−プロピレン共重合体の融点以上、第二成分の融
点−10(℃)未満の範囲で実施される。
【0052】本発明の合繊紙には、前記熱接着性複合繊
維以外に他の繊維を混綿、積層してもよく、例えば、
麻、パルプなどの天然繊維、レーヨン、キュプラなどの
再生繊維、アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド
系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系などの合成繊維
から1種または複数種の繊維を用途などに応じて選択す
るとよい。本発明の合繊紙は、前記熱接着性複合繊維の
みからなるものであってもよい。
【0053】本発明の合繊紙は、優れたヒートシール性
を有するから、ヒートシール紙として用いることができ
る。ヒートシール紙を用いれば、接合部を有する製品
(例えば、ティーバッグや水切りパックなど)をヒート
シール処理によって接合部を形成することにより製造で
きる。そのような製品(例えばティーバッグ)は、上記
の方法で得た合繊紙を所望の形状(例えば袋状)に整え
た後、ヒートシール機でヒートシール処理を施して接合
部を形成することにより製造される。ヒートシール機
は、公知のものであってよく、例えば熱ロールタイプ、
スタンプタイプなどが使用される。ヒートシール温度
は、第一成分におけるエチレン−プロピレン共重合体の
融点−20(℃)以上、第二成分の融点+40(℃)未
満の範囲とすることが好ましい。
【0054】本発明の不織布および合繊紙は、実用的な
強力及び柔軟でべたつき感の少ない触感を有するから、
衛生材料、包装材、フィルター、ウェットティッシュ、
ワイパー、電池セパレーター、ヒートシール紙等の用途
に好適である。
【0055】
【実施例】以下、本発明の内容について実施例を挙げて
具体的に説明する。なお、単繊維強伸度、不織布の比容
積、引張強力、破断伸度、ドレープ係数は、以下のよう
に測定した。
【0056】[単繊維強伸度]JIS−L−1015に
準じ、引張試験機を用いて、試料のつかみ間隔を20mm
としたときの繊維切断時の荷重値および伸びを測定し、
それぞれ単繊維強力、単繊維伸度とした。
【0057】[不織布の比容積]厚み測定機((株)大
栄科学精機製作所製、THICKNESS GAUGE
モデルCR−60A)を用い、試料1cm2あたり29.
4mNの荷重を加えた状態で、不織布の厚みを測定し、不
織布の厚みと不織布の目付から比容積を算出した。
【0058】[不織布の引張強力、破断伸度]JIS−
L−1096に準じ、幅5cm、長さ15cmの試料片をつ
かみ間隔10cmで把持し、定速伸長型引張試験機を用い
て引張速度30cm/minで伸長し、切断時の荷重値および
伸長率をそれぞれ引張強力、破断伸度とした。なお、試
料片は不織布の幅方向(CD方向)が試料片の長さ方向
になるよう作製した。
【0059】[不織布のドレープ係数]JIS−L−1
096−6.19.7法(ドレープ係数)に準じて測定
した。
【0060】[実施例1]同心円状芯鞘型複合ノズルを
用いて、鞘成分(第1成分)として融点が138℃、エ
チレン含有量が7wt%、温度上昇溶離分別(TREF)
により測定される温度40℃における溶出成分の溶出量
が17.8wt%、前記溶出成分に占めるエチレン成分の
割合が14wt%、前記溶出成分における重量平均分子量
(Mw)が118000、MFRが35g/10min、Mw
/Mnが2.8のエチレン−プロピレン共重合体(サン
アロマ−(株)製、PM940M)を用い、芯成分(第
2成分)として融点165℃の結晶性ポリプロピレン
(日本ポリケム(株)製、SA03A)を用い、第1成
分/第2成分の複合比(容積比)を5/5として、鞘成
分の紡糸温度を250℃、芯成分の紡糸温度を270℃
で溶融押出し、5.6dtexの紡糸フィラメントを得た。
これを90℃の温水中で3.3倍に延伸し、2dtexの延
伸フィラメントとし、繊維処理剤を付与した。次いで、
このフィラメントにスタッフィングボックス型クリンパ
ーにて機械的捲縮を施した後、100℃に設定した熱風
貫通型乾燥機にて約15分間、弛緩した状態でアニーリ
ング処理と乾燥処理を同時に施し、それからフィラメン
トを38mmの繊維長に切断して本発明の熱接着性複合ス
テープル繊維を得た。
【0061】得られたステープル繊維を用い、パラレル
カードにて目付約25g/m2の繊維ウェブを作製した。次
いで、このウェブに熱圧着処理を施して不織布を得た。
熱圧着処理は、エンボスパターンを円形、エンボス面積
を20%、エンボスロール/フラットロール間の線圧を
500N/cmに設定して実施した。本実施例では、加工温
度を、126℃、128℃、130℃、および引張強力
が7.8N/5cmである不織布を得るのに必要な温度(1
33℃)に設定して、4種類の本発明の不織布を得た。
【0062】[実施例2]第1成分/第2成分の複合比
(容積比)=4/6とした以外は、実施例1と同様の方
法で本発明の熱接着性複合ステープル繊維および不織布
を得た。引張強力が7.8N/5cmである不織布を得るの
に必要な加工温度は131℃であった。
【0063】[比較例1]鞘成分として融点が140
℃、エチレン含有量が4.4wt%、温度上昇溶離分別
(TREF)により測定される温度40℃における溶出
成分の溶出量が11.9wt%、前記溶出成分に占めるエ
チレン成分の割合が11.1wt%、前記溶出成分におけ
る重量平均分子量(Mw)が97000、MFRが25
g/10min、Mw/Mnが3.9のエチレン−プロピレン
共重合体(出光石油化学(株)製、Y2045GP)を
用いた以外は、実施例1と同様の方法で熱接着性複合繊
維および不織布を得た。引張強力が7.8N/5cmである
不織布を得るのに必要な加工温度は139℃であった。
【0064】[比較例2]鞘成分として融点が143
℃、エチレン含有量が4.3wt%、温度上昇溶離分別
(TREF)により測定される温度40℃における溶出
成分の溶出量が14.5wt%、前記溶出成分に占めるエ
チレン成分の割合が9.1wt%、前記溶出成分における
重量平均分子量(Mw)が126000、MFRが18
g/10min、Mw/Mnが3.5のエチレン−プロピレン
共重合体(日本ポリケム(株)製、SX02R)を用い
た以外は、実施例1と同様の方法で熱接着性複合繊維お
よび不織布を得た。引張強力が7.8N/5cmである不織
布を得るのに必要な加工温度は141℃であった。
【0065】実施例1〜2、および比較例1〜2の熱接
着性複合繊維、ならびこれを用いた不織布の性能を表1
に示す。なお、不織布のドレープ係数は、引張強力が
7.8N/5cmである不織布について測定した。
【0066】
【表1】
【0067】本発明の熱接着性複合繊維に相当する実施
例1および2のステープル繊維は、繊維製造時に紡糸で
の融着や糸切れなどもなく生産性に優れていた。本発明
の不織布に相当する実施例1および2の不織布は、不織
布製造時のカード通過性も問題なく、生産性に優れてい
た。また、実施例1および2の不織布は、いずれも同じ
加工温度で得た比較例1および2の不織布に比べ、高い
引張強力を有していた。引張強力が同一となるように不
織布を作製したところ、各実施例は、各比較例に比べ低
い加工温度で所定の引張強力を有する不織布を得ること
ができた。さらに、上記低温で接着できたことと、適度
なゴム的性質を有するため、比較例の不織布よりも柔軟
(すなわち、ドレープ係数が小さい)なものであった。
【0068】[実施例3]実施例1と同様にして紡糸フ
ィラメントを作製し、延伸した後、繊維処理剤を付着さ
せて5mmにカットして本発明の熱接着性複合短繊維を得
た。この短繊維とNBKP(パルプ)とを質量比5:5
で混抄して湿式ウェブを作製し、シリンダードライヤー
で145℃で30秒間熱処理を施して、目付30g/m2
本発明の合繊紙を得た。
【0069】[比較例3]比較例1と同様にして紡糸フ
ィラメントを作製し、延伸した後、繊維処理剤を付着さ
せて5mmにカットして熱接着性複合短繊維を得た。この
短繊維を用いた以外は、実施例3と同様の方法で目付3
0g/m2の合繊紙を得た。
【0070】[比較例4]比較例2と同様にして紡糸フ
ィラメントを作製し、延伸した後、繊維処理剤を付着さ
せて5mmにカットして熱接着性複合短繊維を得た。この
短繊維を用いた以外は、実施例3と同様の方法で目付3
0g/m2の合繊紙を得た。
【0071】実施例3、比較例3〜4の合繊紙における
ヒートシール性を以下の方法で評価した。 [ヒートシール条件]幅30mm、長さ70mmの合繊紙を
2枚準備し、2枚の合繊紙を重ね合わせ、幅5mmのスタ
ンプタイプのヒートシール機(テスター産業(株)製、
TP701−13 ヒートシールテスター)を用いて、
合繊紙の一端から50mmの位置を温度130℃、圧力1
kg/cm2、1秒間処理して、ヒートシール処理を施し、ヒ
ートシール部を形成した。
【0072】[剥離強力]2枚の合繊紙のヒートシール
部から50mm離れた側の端部を開き、幅30mm、つかみ
間隔100mmで把持し、定速伸長型引張試験機を用い、
引張速度100mm/minで伸長し、切断時の荷重値を剥離
強力とした。
【0073】
【表2】
【0074】表2に示すように、本発明の合繊紙に相当
する実施例3は、ヒートシール部の剥離強力が大きく、
優れたヒートシール性を有していた。
【0075】さらに、本発明の合繊紙に形成したヒート
シール部の強度を調べるために、以下の試験を行った。
まず、実施例3および比較例3で得た合繊紙をたて50
mm、よこ50mmの正方形に切断した。正方形に切断した
合繊紙を2枚重ね合わせ、3辺を前記ヒートシール機を
用いて、温度130℃、圧力1kg/cm2、1秒間処理し
て、ヒートシール処理を施し、袋状とした。次いで、茶
葉を約3gをこの袋に投入した後、残りの1辺を前記条
件でヒートシール処理を施して、ティーバッグを作製し
た。
【0076】得られたティーバッグを沸騰したやかんに
投入し、約10分間煮詰めた。その結果、実施例3で得
た合繊紙で作製したティーバッグは何ら変化が認められ
なかったものの、比較例3で得た合繊紙で作製したティ
ーバッグは、ヒートシール部が破れて袋から茶葉が漏出
した。
【0077】
【発明の効果】本発明の熱接着性複合繊維は、特定のエ
チレン−プロピレン共重合体を少なくとも繊維表面の一
部に露出するように配置することにより、広い温度範囲
で熱接着能を発揮し、従来の熱接着性複合繊維を使用す
る場合よりも低い熱接着加工温度で不織布を製造するこ
とができる。また、前記エチレン−プロピレン共重合体
の持つべたつき感が少なく柔軟な触感と、低温での熱接
着性とが相俟って、従来の熱接着不織布と比較して、同
程度の強力であってもより柔軟な触感を有する不織布が
得られる。また、この性質を利用すれば、低温ヒートシ
ール性に優れた合繊紙を得ることができる。
【0078】本発明の不織布は、前記熱接着性複合繊維
を少なくとも10mass%含有し、熱接着性複合繊維の少
なくとも一部が溶融し、熱接着されており、熱接着強力
に優れるとともに、柔軟な触感を有する。本発明の合繊
紙は、前記熱接着性複合繊維を少なくとも10mass%含
有し、熱接着性複合繊維の少なくとも一部が溶融し、熱
接着されており、熱接着強力および低温ヒートシール強
力に優れる。前記不織布および合繊紙は、衛生材料、包
装材、フィルター、ウェットティッシュ、ワイパー、電
池セパレーター、ヒートシール紙等に好適である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4L041 AA07 AA20 AA25 BA02 BA05 BA21 BA49 BA59 BD03 BD11 CA38 CA42 DD01 DD05 4L047 AA08 AA09 AA10 AA12 AA14 AA17 AA21 AA23 AA28 AB02 BA03 BA04 BA09 BA21 BB02 BB09 CB09 CC03 CC12 CC14 4L055 AA02 AC06 AF15 AF16 AF17 AF39 AF47 AJ07 BD07 BE15 BE20 FA04 FA16 FA22 FA30 GA01 GA26 GA29 GA30 GA31 GA37 GA39 GA50

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記に示すエチレン−プロピレン共重合
    体を含む繊維形成性樹脂を第一成分とし、融点が前記エ
    チレン−プロピレン共重合体の融点より10℃以上高い
    オレフィン系重合体またはその共重合体を第二成分と
    し、第一成分が繊維表面の少なくとも一部に露出してな
    る熱接着性複合繊維。 (1)エチレン含有量が5wt%以上、15wt%以下。 (2)温度上昇溶離分別(TREF)により測定される
    温度40℃における溶出成分の溶出量が14wt%以上。 (3)前記溶出成分に占めるエチレン成分の割合が10
    wt%以上。 (4)前記溶出成分の重量平均分子量(Mw)が10万
    以上。
  2. 【請求項2】 エチレン−プロピレン共重合体の融点が
    130℃を超え、140℃以下である請求項1記載の熱
    接着性複合繊維。
  3. 【請求項3】 エチレン−プロピレン共重合体における
    重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比
    (Mw/Mn)が3以下である請求項1または2に記載
    の熱接着性複合繊維。
  4. 【請求項4】 第二成分のオレフィン系重合体が結晶性
    ポリプロピレンである請求項1〜3のいずれかに記載の
    熱接着性複合繊維。
  5. 【請求項5】 下記に示すエチレン−プロピレン共重合
    体を含む繊維形成性樹脂を第一成分とし、融点が前記エ
    チレン−プロピレン共重合体の融点より10℃以上高い
    オレフィン系重合体またはその共重合体を第二成分と
    し、第一成分が繊維表面の少なくとも一部に露出するよ
    うに複合紡糸されてなる熱接着性複合繊維。 (1)エチレン含有量が5wt%以上、15wt%以下。 (2)温度上昇溶離分別(TREF)により測定される
    温度40℃における溶出成分の溶出量が14wt%以上。 (3)前記溶出成分に占めるエチレン成分の割合が10
    wt%以上。 (4)前記溶出成分の重量平均分子量(Mw)が10万
    以上。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の熱接着
    性複合繊維を少なくとも10mass%含有し、熱接着性複
    合繊維の少なくとも一部が溶融し、熱接着されてなる不
    織布。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載の熱接着
    性複合繊維を少なくとも10mass%含有し、熱接着性複
    合繊維の少なくとも一部が溶融し、熱接着されてなる合
    繊紙。
JP2001374930A 2001-12-07 2001-12-07 熱接着性複合繊維とその製造方法、及びこれを用いた不織布および合繊紙 Expired - Lifetime JP3790459B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001374930A JP3790459B2 (ja) 2001-12-07 2001-12-07 熱接着性複合繊維とその製造方法、及びこれを用いた不織布および合繊紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001374930A JP3790459B2 (ja) 2001-12-07 2001-12-07 熱接着性複合繊維とその製造方法、及びこれを用いた不織布および合繊紙

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003171825A true JP2003171825A (ja) 2003-06-20
JP3790459B2 JP3790459B2 (ja) 2006-06-28

Family

ID=19183400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001374930A Expired - Lifetime JP3790459B2 (ja) 2001-12-07 2001-12-07 熱接着性複合繊維とその製造方法、及びこれを用いた不織布および合繊紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3790459B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006045690A (ja) * 2004-07-30 2006-02-16 Daio Paper Corp 衛生薄葉紙の製造方法
JP2007107143A (ja) * 2005-10-14 2007-04-26 Chisso Corp 高強度熱融着性複合繊維
JP2008196077A (ja) * 2007-02-13 2008-08-28 Es Fibervisions Co Ltd 湿式不織布用繊維
JP2016102286A (ja) * 2014-11-13 2016-06-02 ダイワボウホールディングス株式会社 不織布およびその製造方法、ならびに吸収性物品用シート

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006045690A (ja) * 2004-07-30 2006-02-16 Daio Paper Corp 衛生薄葉紙の製造方法
JP2007107143A (ja) * 2005-10-14 2007-04-26 Chisso Corp 高強度熱融着性複合繊維
JP4670580B2 (ja) * 2005-10-14 2011-04-13 チッソ株式会社 高強度熱融着性複合繊維
JP2008196077A (ja) * 2007-02-13 2008-08-28 Es Fibervisions Co Ltd 湿式不織布用繊維
US10161064B2 (en) 2007-02-13 2018-12-25 Es Fibervisions Co., Ltd. Fiber for wetlaid non-woven fabric
JP2016102286A (ja) * 2014-11-13 2016-06-02 ダイワボウホールディングス株式会社 不織布およびその製造方法、ならびに吸収性物品用シート
JP2020076195A (ja) * 2014-11-13 2020-05-21 ダイワボウホールディングス株式会社 不織布およびその製造方法、ならびに吸収性物品用シート
JP7021418B2 (ja) 2014-11-13 2022-02-17 大和紡績株式会社 不織布およびその製造方法、ならびに吸収性物品用シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP3790459B2 (ja) 2006-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3819440B2 (ja) 熱接着性複合繊維およびそれを用いた不織布
JP3877784B2 (ja) 柔軟性不織布積層体
JPS6269822A (ja) 熱接着性複合繊維
JP3734277B2 (ja) 柔軟性不織布積層体
JP2003528226A (ja) 多成分の孔開き不織物
JP4104299B2 (ja) 捲縮性複合繊維とその製造方法およびこれを用いた不織布
CN110914359A (zh) 聚丙烯系树脂组合物以及使用了其的纤维和非织造织物
JPH06116815A (ja) ポリオレフィン系芯鞘型複合繊維及びこれを用いた不 織布
JP4211556B2 (ja) 長繊維不織布及びこれを用いた繊維製品
JP2001049533A (ja) ポリ乳酸系複合短繊維、その短繊維からなる不織布及びそれらの製造方法
JP2002105833A (ja) 柔軟性不織布積層体
JP3852644B2 (ja) 分割型複合繊維、これを用いた不織布及び吸収性物品
JP3790459B2 (ja) 熱接着性複合繊維とその製造方法、及びこれを用いた不織布および合繊紙
JP2002348737A (ja) 熱融着性複合繊維及びこれを用いた繊維成形体
JP3790460B2 (ja) 熱接着性複合繊維とその製造方法、及びこれを用いた不織布
JP2001329432A (ja) 熱接着性複合繊維、繊維集合体およびそれを用いた不織布
JP2004124351A (ja) 潜在捲縮性複合短繊維とその製造方法、および繊維集合物、ならびに不織布
JP2001040531A (ja) 潜在捲縮性複合繊維及びそれを用いた不織布
JPH10331063A (ja) 複合不織布およびその製造方法
JP3725716B2 (ja) 極細繊維発生可能繊維、これから発生した極細繊維及びこの極細繊維を用いた繊維シート
JP4694204B2 (ja) スパンボンド不織布およびこれを用いた積層体、ならびにこれらの製造方法
JP2001336033A (ja) ポリエチレン系複合繊維およびこれを用いた不織布
JP2005015990A (ja) 熱接着性複合繊維及びそれを用いた不織布
JP4058247B2 (ja) 熱接着性複合繊維およびその製造方法、ならびにこれを用いた不織布および合繊紙
JP4555599B2 (ja) プロピレン系短繊維およびこれを用いた繊維集合物並びに熱融着不織布

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040916

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060104

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060302

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060331

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 3790459

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090407

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090407

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100407

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110407

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110407

Year of fee payment: 5

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110407

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110407

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120407

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130407

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130407

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140407

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term