JPH059597B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、複写機の原稿押え蓋等の開閉に用
いる蝶番装置において、上記原稿押え蓋の回転操
作力を任意に設定できるようにするとともに、複
数原稿の厚さが変わつてもそれに追従してスライ
ドさせ、回転操作力を変えることなく作動できる
ように構成した蝶番装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来、複写機において、原稿厚さの変化にとも
ない高さを調節する第１の蝶番は、原稿押え蓋の
開閉を行う蝶番にバーを固定し、複写機本体側に
このバーが挿入できる孔を設け、蝶番がバーに案
内されて上下スライドできるものがある。

また、第２の蝶番として実開昭56−38342号公
報に開示されたものがある。

この第２の蝶番は、複写機の本体の一部を構成
する上部カバーにリフター（上下動機構）のベー
スプレートを固着すると共に、蝶番のスプリング
ケースの取付部に前記リフターのブラケツトを固
着し、かつ前記蝶番のブラケツトの取付部に圧板
（原稿押え込み用板）の一側端部を固着して構成
されている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら第１の蝶番は、原稿押え蓋を閉じ
ようとする力がバーを回転させる力となるため、
そのわずかな上下方向の分力でスライドすること
になる。またバーと孔の間に摩擦力が加わるため
に円滑な上下スライドは期待できないという難点
があつた。すなわち、一般に原稿押え蓋用蝶番は
２個／セツトであるから上記した方式では左右の
蝶番が同時に均一にスライドすることは困難であ
り、作動が円滑に行われないものである。

また、第２の蝶番は、リフター及びヒンジがそ
れぞれ独立して設けられているので各要素はそれ
ぞれ本来のリフター機能及びヒンジ機能を奏する
だけであると共に、リフター及びヒンジの各設置
スペースが必要となるばかりではなく、重量も嵩
み、かつ組付に手間が掛かるのでコスト高となつ
ていた。

この発明は上述した従来の欠点を解決するため
になされたもので、円滑な操作が行えると共に、
構造が簡単で組み立て容易でかつコンパクトな蝶
番装置を提供するものである。

［課題を解決するための手段］ この発明は前記した目的を達成するため、本体
に閉付けられる本体取付用フレームと、蓋体に取
付けられる可動ヒンジと、前記可動ヒンジを回転
自在に軸支する固定ヒンジと、本体取付用フレー
ムに対して固定ヒンジを上下動可能に連結する平
行リンクとからなることを特徴としている。

［作用］ 固定ヒンジは本体取付用フレームに平行リンク
を介して取付けられているので、その上下動は前
記リンクにより円運動と略同一の動きとなる。こ
のための厚物の原稿の場合に原稿押え蓋の回転力
が固定ヒンジに伝達されたとき固定ヒンジはスム
ーズに上動することができる。

また、本発明の蝶番装置は、固定ヒンジを本体
取付フレームに平行リンクを介して連結すること
によつてリフター機構を一体的に組み込んでユニ
ツト化することができ、これにより１個の蝶番で
本来の開閉機能とリフター機能を併せて奏するこ
とができる。

［実施例］ 以下、この発明による一実施例を添付した図面
にもとづいて詳細に説明する。

第１図乃至第３図において１は原稿押え側に固
定される可動ヒンジ、２は複写機本体側に固定さ
れる固定ヒンジである。

上記可動ヒンジ１と固定ヒンジ２とはシヤフト
３にて連結され、可動ヒンジ１はシヤト３回りに
回転可能に固定ヒンジ２に連結されている。

また、上記固定ヒンジ２の下部には底付きと
し、その上にばね５が装着されている。このばね
５の上部には座金６がのこつており、座金６の上
部に偏心カム４が当接するようになつている。

この偏心カム４は第３図に示すように略Ｌ字形
の部材からなり、その座金６の当接面４ａがＬ字
形の一辺に沿う曲面に形成されており、かつその
可動ヒンジ１の当接面４ｂがＬ字形の他辺に沿う
平坦面に形成されている。さらに偏心カム４には
シヤフト３が透通する貫通孔４ｃが穿設されてい
る。そして偏心カム４はその貫通孔４ｃにシヤフ
ト３を回動自在に透通させると共に、その一方の
当接面４ｂを可動ヒンジ１の内側平坦面１ａに当
接させて可動ヒンジ１に対する回転を防止し、か
つその他方の当接面４ａを座金６に当接させるこ
とによつて可動ヒンジ１の枢支部位に取付けられ
る。このように取付けられた偏心カム４は可動ヒ
ンジ１と共にシヤフト３回りに回動することにな
る。

なお、偏心カム４はその当接面４ｂを可動ヒン
ジ１の内側平坦面１ａに単に当接するだけで可動
ヒンジ１に対する回転防止が図れるが、前記当接
箇所を接着あるいはビス止めしても良い。

また、座金６は第３図に示すように上、下面が
平坦面に形成された立方体部材からなり、その下
面に円柱状突起６ａが形成されている。この突起
６ａは組付けの際はばね５内に挿入され作動時に
おけるばね５の位置ずれ及び座屈を防止するよう
に機能する。

また固定ヒンジ２の側面には左右に各２本のピ
ン７が固定されている。

一方本体取付用フレーム８には本体へのビス止
め用の孔９が２ケ所設けられ、これと直角に曲げ
られた位置に蝶番ジヨイント用の孔１０が４ケ所
設けられている。

そこで上記固定ヒンジ２に設けられたピン７と
本体取付用フレーム８に設けられた孔１０の間を
平行リンク１１，１１で回転自在に接続する。

また、上記固定ヒンジ２の下端には折り曲げ部
１２にて支えられたプレート１３があり、その中
央部にメネジ１４を設け、押板１５を介して押し
ネジ２０にて荷重調整が可能となつている。

つぎに上述したように構成された蝶番装置の作
動について第４図乃至第７図に基づいて説明す
る。まず、蝶番の可動ヒンジ１が原稿押え蓋１０
０に、また複写機本体１０１には本体取付用フレ
ーム８がそれぞれ取付孔１６及び９を介してビス
止めされている。ここで原稿押え蓋１００の可動
範囲の操作力はばね５の付勢力及び偏心カム４の
形状で任意に設定できるものであり、厚物の原稿
を押えるときは孔１０を回転中心にしてリンク１
１が回転するので、円滑に蝶番は上下スライド
し、スライドと無関係に開閉操作が独立して行わ
れるものである。

すなわち、第４図は原稿１０２が薄物の場合を
示す。この場合固定ヒンジ２は平行リンク１１，
１１を介して最下位に支持されており、この状態
で原稿押え蓋１００はシヤフト３回りに回動して
原稿１０２を押圧し複写を行うことができる。第
５図乃至第７図は原稿１０２が厚物の場合を示
す。第５図は原稿押え蓋１００の全開状態を示
し、固定ヒンジ２は平行リンク１１，１１を介し
て最下位に支持されている。この状態から原稿押
え蓋１００をシヤフト３回りに回動させると、原
稿押え蓋１００は原稿１０２の上部エツジ部Ｐに
当接して一旦停止する（第６図参照）。この状態
で原稿押え蓋１００の先端部を下方向へ負荷する
と固定ヒンジ２はそのときの梃子作用（原稿のエ
ツジ部Ｐが支点となる）で上動し、第７図に示す
押圧状態となる。このときの固定ヒンジ２の上動
は本体取付用フレーム８の孔１０を中心として回
動する平行リンク１１，１１に誘導されるので円
滑に行われると共に、このときの原稿押え蓋１０
０の押圧力は薄物のときと同等のものとなる。

［発明の効果］ 以上説明したように、この発明による蝶番装置
によれば、固定ヒンジを平行リンクを介して本体
側に上下動可能に取付け、この固定ヒンジに蓋体
側に固定される可動ヒンジを回動可能に軸支して
構成したので、本来の開閉機構にリフター機構
（リンク）を一体的に組み込んでユニツト化する
ことができ、１個の装置で本来の開閉機能にリフ
ター機能を備えることができる。

また、本発明はリフター機構と一体的な構造に
も拘らずリフター作用が開閉作用になんら影響を
及ぼすことなく発揮できるので、上下動により任
意の位置で的確な開閉作用が得られる。

本発明は、上記した二つの機能を兼ね備えるに
も拘らず構造が簡単で組立て容易で、かつ全体が
コンパクトに設計できるので、省スペース、低コ
スト、かつ軽量化が図れる、 さらに、本発明は固定ヒンジが本体側に固定さ
れるので剛性が高く作動が安定すると共に、１台
につき左右２個使用されても、左右が同期して円
滑に作動するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による一実施例を示す蝶番の
正面図、第２図は第１図の側面図、第３図はその
分解斜視図、第４図乃至第７図はその作動説明図
である。 １……可動ヒンジ、２……固定ヒンジ、３……
シヤフト、４……偏心カム、５……ばね、６……
座金、７……ピン、８……本体取付用フレーム、
９……孔、１０……孔、１１……リンク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 本体に取付けられる本体取付用フレームと、 蓋体に取付けられる可動ヒンジと、 前記可動ヒンジを回転自在に軸支する固定ヒン
   ジと、 前記本体取付用フレームに対して固定ヒンジを
   上下動可能に連結する平行リンクとからなること
   を特徴とする蝶番装置。