JPH0595493U - クリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラスチックなどのばね材自身の弾力を利用
して、洗濯物や書類などを固定し、従来の欠点を除去す
る点にある。 【構成】 クリップ本体の弾力を利用して、洗濯物や書
類を挟み込むようにし、この挟み込み状態をクリップ本
体または台板に形成した係止孔と、クリップ本体に保持
されている係止ロッドとの摩擦的な係り合いによって保
持する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、洗濯物を物干しさおなどに固定するとき、あるいは書類を束ねた状 態で台板に固定するときに使用されるクリップの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種のクリップは、例えばプラスチック製のクリップ本体と、これに 弾性を付与するばね材との組み合わせから構成されている。このため、それぞれ の部品の製造工程が異なっており、その製作の過程で、両者の組み合わせ工程が 不可欠となる。また、その組み合わせ過程で、ばね材を撓わませる必要があるた め、その組み合わせ作業に熟練が必要とされる。

【０００３】

【考案の目的】

本考案の目的は、プラスチックなどのばね材自身の弾力を利用して、洗濯物や 書類などを固定できるようにし、従来の欠点を除去する点にある。

【０００４】

【考案の解決手段】

上記目的のもとに、本考案は、クリップ本体の弾力を利用して、洗濯物や書類 を挟み込むようにし、この挟み込み状態をクリップ本体または台板に形成した孔 と、クリップ本体に保持されている係止ロッドとの摩擦的な係り合いによって保 持するようにしている。

【０００５】

【実施例１】 図１は、洗濯物用のクリップ１を示している。このクリップ１は、クリップ本 体２と係止ロッド３とで構成されている。クリップ本体２は、細幅で側面から見 てＵ字状の弾性材例えば強い弾性のプラスチック成形品から構成されており、各 端部で一対の把持片４、５を備えている。一方の把持片４は、クリップ本体２と 一体的に形成されており、また他方の把持片５は、ピン６によって回動可能な状 態でクリップ本体２に取り付けられている。ここで、クリップ本体２は、一端か ら他端にかけて厚みまたは太さを減少させることによって、薄い側の部分で湾曲 部半径を大きくする方向に変形しやすく形成されている。

【０００６】 そして、係止ロッド３は、剛体例えば金属棒で、クリップ本体２の薄い側の部 分内側にあって、一体成形ヒンジによってまたはヒンジピン７によって回動自在 に支持されており、その先端部分は、向き合うクリップ本体２の厚い側の部分に 形成された係止孔８の内部に挿入されている。係止孔８は、係止ロッド３の中心 線と一致しないように、係止ロッド３の傾き方向と逆または同じ方向に傾斜する 状態で形成されている。なお、この係止ロッド３の先端部分に、必要に応じひも ９によって、くさび１０が取り付けられている。

【０００７】 これの使用時に、クリップ本体２を開く方向に変形させ、把持片４、５の間隔 を拡げ、その内部に洗濯物などを挟み込む。洗濯物を挟み込んだ状態で、クリッ プ本体２の湾曲部分を小さな外径となる方向に変形させると、クリップ本体２の 先端部分は、弾性作用を表して、洗濯物などを強く挟み込む。

【０００８】 このとき、係止ロッド３の先端が係止孔８の内部に深く入り込み、係止ロッド ３の中心線の方向と、係止孔８の孔の形成方向との交差状態となり、クリップ本 体２の矢印方向の復元力によって、係止ロッド３と係止孔８との間に、てこの原 理によりこじる方向の大きな摩擦力が発生する。これによって、Ｕ字状のクリッ プ本体２は、円弧状の部分つまり湾曲部分で小さな半径方向に変形した状態で固 定される。なお、係止ロッド３の表面に柔軟なチューブなどを被覆すれば、係止 ロッド３と係止孔８との間の摩擦的な係止力が強化される。この状態で係止孔８ の内部にくさび１０が挿入されるならば、その係止力は、いっそう確実となる。

【０００９】

【実施例２】 図２のクリップ１１は、書類などを固定するためのものである。クリップ１１ はクリップ本体１２、係止ロッド１３および台板１４によって構成されている。 クリップ本体１２は、前記実施例と同様に、強い弾性材で、半円弧状のものとし て形成されており、一端の部分で押え片１５を形成し、また他端の固定部１９で 台板１４に適切な取り付け手段により固定されている。

【００１０】 そして台板１４は、紙などを保持するための大きさで、例えば下向きの皿状と して形成されており、クリップ本体１２の取り付け位置近くで、係止ロッド１３ とはまり合う係止孔１８を形成している。係止ロッド１３は、クリップ本体１２ に形成された挿入孔１６から係止孔１８の内部に挿入されており、傘状のストッ パ１７によって、必要以上に入って挿入孔１６から抜けないようになっている。

【００１１】 クリップ本体１２がそれ自体の弾性力によって、押え片１５を浮き上がらせる 方向に移動しているとき、係止ロッド１３は、係止孔１８によって係止されてい ない。しかし、台板１４の上に紙などを置き、クリップ本体１２および係止ロッ ド１３を台板１４の方向に変形させて、押え片１５で紙などを押え込むと、係止 ロッド１３は、係止孔１８の内部に入り込み、係止ロッド１３の軸線方向と係止 孔１８の孔の中心方向を異にしながら、係止孔１８の内部に入り込む。 この状態で、クリップ本体１２および係止ロッド１３を押える方向の力を開放 すると、クリップ本体１２の矢印方向の復元力によって、係止ロッド１３が元の 方向に浮き上がろうとする。このとき、係止ロッド１３が係止孔１８に対し交差 し、係止孔１８の上下の内壁面に対し摩擦力を作用させて、クリップ本体１２の 変形を阻止する方向に働き、この状態で安定する。

【００１２】 このとき、押え片１５は、クリップ本体１２の弾力を受けて、紙や書類などを 台板１４の上面に強く押し付ける。このようにして、紙や書類などが束ねた状態 で台板１４の上面に係止される。なお、この係止状態を開放するとき、係止ロッ ド１３を例えば下方から手で押して、係止ロッド１３の中心線と係止孔１８の方 向とを一致させる方向に押すことによって、クリップ本体１２の弾性復元力に応 じて係止ロッド１３が係止孔１８から抜ける方向に変形する。これによって、紙 や書類などが台板１４から開放される。

【００１３】

【考案の効果】

本考案では、クリップ本体の弾性力によって、対象物を挟むための力が得られ るため、金属ばねなどが不要となり、製品が簡略化できる。また、クリップ本体 の弾力作用が係止ロッドとこれに係り合う係止孔との摩擦的係止力によって得ら れるため、安定な保持状態が長期間にわたって維持できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】洗濯物などのクリップの一部破断側面図であ
る。

【図２】紙や書類などを挟むためのクリップの一部破断
側面図である。

【符号の説明】

１ クリップ ２ クリップ本体 ３ 係止ロッド ４ 把持片 ５ 把持片 ８ 係止孔

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｕ字状の弾性材によりクリップ本体を構
   成し、このクリップ本体の各端部に一対の把持片を対向
   状態で設けるとともに、クリップ本体の一方の内側に係
   止ロッドを回動自在に取り付け、この係止ロッドの先端
   をクリップ本体の他方に形成した係止孔の内部にゆるく
   挿入してなることを特徴とするクリップ。
2. 【請求項２】 台板の上面に半円弧状弾性材のクリップ
   本体の一端を取り付けるとともに、このクリップ本体に
   孔を形成し、この孔内に係止ロッドを抜け止め状態で挿
   入するとともに、この係止ロッドの先端を台板に形成し
   た係止孔の内部にゆるく挿入してなることを特徴とする
   クリップ。