JPH0594119A - ブレードクリーニング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光体の回転速度が変化する際、又は高速回
転の際に発生する急峻な振動の変動に対しても、クリー
ニングブレードの感光体への当接力が定常的に得られる
ようにし、また、感光体を画像形成装置において交換す
る際に、感光体の外周面に当接しているクリーニングブ
レードをその外周面から離脱し得るようにする。 【構成】 電子写真プロセスを利用した画像形成装置に
おいて、感光体ドラム１０の外周面に接するクリーニン
グブレード１１と、該ブレード１１を保持し所定個所１
６を支点として支持部材１５に対して回転自在に取り付
けられたアーム１３と、該アームに取り付けられ該ブレ
ード１１を感光体ドラムに当接せしめる方向へ該アーム
を付勢するカウンターウエイト１７と、該アームに一端
を係止されブレード１１を前記感光体ドラムに当接せし
める方向の復元力を付与するばね手段１８とを具備す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は画像形成装置において
使用される感光体ドラムのクリーニング装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等
の電子写真プロセスを利用した画像形成装置は、帯電器
によって一様に帯電せしめた感光体上に光学的な画像情
報を照射することによって形成した静電潜像上にトナー
を塗布して可視像化し、この可視像を記録紙上に転写、
定着することによって画像形成を行っている。転写を終
了した感光体面は次の画像形成工程に備えるために、付
着した残留トナーをクリニングブレード等によって除去
される。

【０００３】特開昭57-142672 号公報には、複写機の感
光体ドラムに接して残留トナーをかき落すクリーニング
ブレードの支持機構に感光体ドラムの回転速度の変化に
伴う振動を吸収する制動装置を設けることにより、クリ
ーニングブレードの感光体ドラムに対する追従性能を向
上させたクリーニングブレード装置が開示されている。

【０００４】この装置においては、感光体ドラムが回転
をはじめると、クリーニングブレードに抗力が作用し、
制動装置であるダッシュポットには吸引方向の力がかか
る。この時、クリーニングブレードが高速度で感光体ド
ラムから離脱しようとすれば、ダッシュポットを通って
流入しようとする空気は、粘性抵抗によりダッシュポッ
ト内に急速に移動することができない。したがって、ク
リーニングブレードには制動抵抗が生じ、この制動抵抗
はクリーニングブレードを感光体ドラムの表面から離脱
させないように作用する。

【０００５】感光体ドラムの回転が定常速度になった場
合には、感光体ドラムの偏心運動に起因した細かな振動
に対して、ダッシュポットはゆるやかに応答し、クリー
ニングブレードはカウンターウエイトの定常荷重によっ
て、感光体ドラムの表面に追従して、クリーニング作用
を行うというものである。

【０００６】しかしながら、上記従来のクリーニングブ
レードの追従方式においては、ダッシュポットで構成し
た制動手段を用いているので、この制動手段は、感光体
ドラムの回転速度が変化する際又は高速回転の際に発生
する急峻な振動に対してはクリーニングブレードが感光
体ドラムから離脱することを防止できるが、急峻な振動
に対する応答性を低下させるという欠点を有する。すな
わち、急峻な振動が発生した場合には、応答性の低下に
よる制動作用に起因するクリーニングブレードの感光体
ドラムに対する当接力が増減するが、クリーニングブレ
ードが感光体ドラムに当接した状態で急峻に弾性変形す
ることにより振動エルネギーが吸収されることになる。
したがって、感光体ドラムの回転速度が変化する際又は
高速回転する際に発生する急峻な振動に伴って、当該当
接力が増減変動し、急峻な振動に対して、クリーニング
ブレードの感光体ドラムへの当接力を定常状態に保つこ
とができなくなる。その結果、感光体ドラムの表面に未
転写状態で残留しているトナーを定常的に安定してクリ
ーニングできなくなるおそれがある。

【０００７】また、上記公報記載の装置にあっては、感
光体ドラムを交換する際に該ドラムに接するクリーニン
グブレードを離脱することが容易でないという欠点も有
している。

【０００８】

【発明の目的】本発明は上記に鑑みてなされたものであ
り、感光体の回転速度が変化する際又は高速回転の際に
発生する急峻な振動の変動に対しても、クリーニングブ
レードの感光体への当接力が定常的に得られるようにす
ることと、感光体を交換する際に、感光体の外周面に当
接しているクリーニングブレードをその外周面から離脱
し得るクリーニングブレード装置を提供することを目的
とする。

【０００９】

【発明の構成】上記の目的を達成するために、本発明は
電子写真プロセスを利用した画像形成装置において、感
光ドラムの外周面に接して残留トナーをかき落すクリー
ニングブレードと、このクリーニングブレードを保持し
所定個所を支点として支持部材に対して回転自在に取り
付けられたアームと、該アームに取り付けられ該クリー
ニングブレードを感光体ドラムに当接せしめる方向へ該
アームを付勢するカウンターウエイトと、該アームに一
端を係止され前記クリーニングブレードを前記感光体ド
ラムに当接せしめる方向の復元力を付与するばね手段と
を具備すること、前記ばね手段は、前記感光体ドラムが
等速回転している時に前記カウンターウエイトが付与す
る前記クリ−ニングブレ−ドの感光体外周面に対する当
接力を、前記感光体ドラムの回転速度の急峻な変化又は
高速回転に伴って急峻に変化する前記ア−ムの振動の変
化に応答させるのに適したばね定数を有すること、前記
支持部材は前記感光体ドラムの外周面と同心円状の経路
に沿って円運動可能であり、該支持部材が当接解除位置
にある時に前記カウンターウエイトが前記ばね手段の復
元力に抗して前記クリーニングブレードを前記感光体ド
ラムの外周面から離隔せしめること、更には前記支持部
材が前記当接解除位置にある時に、前記カウンターウエ
イトは、前記感光体ドラムの回転速度の急峻な変化又は
高速回転に伴って急峻に変化する前記ア−ムの振動の変
化に応答し得るばね定数を有する前記ばね手段の前記当
接方向への復元力に抗して、前記クリーニングブレード
を前記感光体ドラムの外周面から離隔せしめることが可
能な重量を有することを特徴としている。

【００１０】

【作用】クリーニングブレードが感光体ドラムの外周面
に当接されて残留トナーをかき落す際に、感光体ドラム
の回転駆動過程における回転速度の急峻な増減に伴って
クリーニングブレードの感光体ドラムへの当接力を急峻
に増減させる力が発生する。この力はカウンターウエイ
トの自重と、ばねの柔軟な伸縮力との相互作用によって
高速に追従され吸収される。

【００１１】クリーニングブレードの感光体ドラム外周
面への当接力は、感光体ドラムの急峻な回転速度の変化
又は高速回転を含めた全回転駆動過程において定常化さ
れる。

【００１２】また、ブレードクリーニングのユニットを
感光体ドラムの円外周に沿ってセット位置を移動する
と、クリーニングブレードの支持体に付設されているカ
ウンターウエイトの自重が増加する。この増加自重はク
リーニングブレードを感光体ドラムの外周面に当接させ
ようとするばねの緊縮力に抗して、クリーニングブレー
ドを感光体ドラムの外周面から離隔せしめる。

【００１３】

【実施例】以下、添付図面に示した実施例に基づいて本
発明を詳細に説明する。

【００１４】図１にこの発明の第１の実施例を示す。符
号10は感光体ドラム、11は先端部で感光体ドラム10の外
周面10Ａに摺接して外周面に残留している残留トナーを
かき落すゴム板等から成るクリーニングブレードであ
る。感光体ドラム外周面と接するクリーニングブレード
11の当接端とは反対側の基端部はＬ字型のブレードホル
ダ12に固定されている。ブレードホルダ12は支持板（ア
ーム）13の適所にねじ14によって螺設されている。支持
板13の基端13Ａは、枠体（支持部材）15に枢着され枢軸
16を回動中心として回動可能となっている。17は支持板
13の回転中心である基端１３Ａから遠い位置にある他端
13Ｂの近傍の適所に固定したカウンターウエイトであ
る。18は一端が支持板13の他端13Ｂに、他端が枠体15に
それぞれ係止され、支持板13の他端13Ｂに矢印19に示す
方向の緊縮力を付与している緊縮性を有するばねであ
る。このばねのばね定数は、感光体ドラム10が等速回転
する際に、カウンターウエイト17の重量が付与する当接
点Ｐにおける当接力を、感光体ドラム10の回転速度の急
峻な変化又は高速回転に伴って急峻に変動する支持板13
の振動の変化に、十分に応答できるように設定される。

【００１５】符号111 は感光体ドラムの回転中心であ
る。クリーニングブレード11、ブレードホルダ12、支持
板13、ねじ14、枠体15、枢軸16、カウンターウエイト17
及びばね18でブレードクリーニングユニットを構成して
いる。

【００１６】以上の構成の下にこの実施例の動作を説明
する。感光体ドラム10が停止しているとき、クリーニン
グブレード11が当接点Ｐにおいて感光体ドラム10に付与
している当接力は、カウンターウエイト17の定常荷重と
緊縮性ばね18の矢印19方向への過渡緊縮力とに基づい
て、支持板13に付与される合成偶力と釣り合う反偶力を
生ずる当接点Ｐにおけるクリーニングブレード11に作用
する抗力として現われている。感光体ドラム10が矢印11
2 の方向に回転を開始し、定常回転速度に達する際の急
峻な増速過程において、クリーニングブレード11には当
接点Ｐにおける動摩擦力に重畳されて、感光体ドラム10
の周加速度に基づく感光体ドラム10の偏心運動等による
振動力が作用する。動摩擦力は支持板13に図１におい
て、時計方向の偶力を与え、振動力は支持板に振動性の
偶力を与える。これらの偶力に基づいて、クリーニング
ブレード11を変形させようとする作用エネルギーは応答
性の高いばね18の伸縮運動によって吸収され、クリーニ
ングブレード11は変形しないから感光体ドラム10の外周
面とクリーニングブレード11との当接状態は定常に保持
される。したがって、当接点Ｐにおける当接力は定常に
保持され、安定したクリーニング効果が期待される。

【００１７】感光体ドラム10が定常回転状態から回転停
止に達する際の急峻な減速過程においては、クリーニン
グブレード11には、感光体ドラム10の周減速度に基づく
感光体ドラム10の偏心運動等による振動力が作用する。
クリーニングブレード11を変形させようとする作用エネ
ルギーは前述と同様に、ばね18の伸縮運動によって吸収
される。

【００１８】感光体ドラム10が高速に定常回転している
際も、振動に基づく前述の作用エネルギーは、ばね18に
よって吸収される。

【００１９】尚、ブレードクリーニングユニット中に構
成するクリーニングブレード11と感光体ドラム10の外周
面との当接力を発生させるカウンターウエイト機能は、
この実施例の構成に限られず、例えば、支持板13、ねじ
14だけに担わせてもよい。

【００２０】図２及び図３はこの発明の第２の実施例の
構成を示す。第１の実施例と同じ構成要素は同じ符号を
付してある。

【００２１】符号20は感光体ドラム10の外径方向に同心
円状に配置した円筒であり、その内周面は案内面20Ａを
形成し、機体内に固定されたブレードユニット案内部材
（移動支持部材）21は一端21Ａに支持板（アーム）13の
基端13Ａを回動可能に枢着し、Ｌ字状に屈曲した中間端
21Ｂに案内ローラ22を転動自在に支持し、中間端21Ｂか
ら案内面20Ａに沿って延設された基部21Ｃの他端21Ｄに
ばね18の一端を係止し、さらに、当該他端21D の近傍に
回動自在な案内ローラ23を支持した移動支持体である。
案内ローラ22、23は面20Ａところがり接触している。ブ
レードユニット案内部材21、支持板13、案内ローラ22、
23はブレードクリーニングユニットを構成している。

【００２２】次に図２及び図３を用いてこの実施例の動
作を説明する。ブレードクリーニングユニットが感光体
ドラム10の外周において、図２に示す位置にあるとき
は、クリーニングブレード11が感光体ドラム10の外周面
10Ａに当接している。この状態で感光体ドラム10が回転
すればクリーニングが実行される。

【００２３】操作者において、ブレードクリーニングユ
ニット上の図示しない操作部を操作して、ブレードクリ
ーニングユニットを感光体ドラムの外周に沿って図２に
示す矢印24に示す方向に回動すると、案内面20Ａに移動
支持体21上の案内ローラ22、23がころがり接触しながら
案内される。ブレードクリーニングユニットを、感光体
ドラム10に対して図２に示す位置と反対側の図３に示す
位置（当接解除位置）まで移動して停止する。同図に示
すこの状態において、カウンターウエイト17の重力荷重
の方向に伸長されて釣合状態となる。支持板13は枢軸16
を回動中心として、反時計方向に回動し、クリーニング
ブレード11の先端当接部は感光体ドラム10の外周面10Ａ
から離隔する。この状態において、感光体ドラム10はそ
の軸方向に沿って機外へ引き出されて容易に交換するこ
とができる。

【００２４】また、ブレードクリーニングユニットが図
３に示す位置にあるときに、感光体ドラム10を機内に引
入れて装着した後、ブレードクリーニングユニットを図
３に示す矢印25に示す方向に回動して図２に示す位置ま
で移動して停止すると、図２に示すこの状態において、
カウンターウエイト17の重力荷重の方向はばね18の緊縮
力の方向と同方向になり、ばね18は当該重力荷重の方向
に緊縮されて、クリーニングブレードの先端は感光体ド
ラム10の外周面10Ａに当接して、クリーニング可能な状
態となる。

【００２５】尚、感光体ドラム10とブレードクリーニン
グユニットが一体化されていて、画像形成装置本体か
ら、同時に着脱される方式においては、画像形成装置本
体外に一体化された装置を引き出した後に、クリーニン
グユニットを感光体ドラム10の外周に沿って前述と同様
な移動を行って、クリーニングブレード11の当接を解除
することができる。

【００２６】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、感光体ド
ラムの回転の起動又は停止に伴う回転速度の変化過程及
び定常の高速回転中において、クリーニングブレードの
感光体ドラムの外周面への当接力を定常に保持すること
ができるので、未転写状態で残留しているトナーを感光
体ドラムが回転中、常に良好にクリーニングすることが
できる。

【００２７】また、クリーニングブレードを感光体ドラ
ムドラムに圧接するカウンターウエイトに重力荷重が作
成する方向を変化させて、その重力荷重の方向とばねの
緊縮力が作用する方向との相互作用でクリーニングブレ
ードの感光体ドラムの外周面への当接を解除しているか
ら、解除動作が確実に実行される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の構成図を示す図であ
る。

【図２】本発明の第２の実施例の構成図を示す図であ
る。

【図３】図２に示す第２の実施例のブレードクリーニン
グユニットが移動した状態を示す図である。

【符号の説明】

10…感光体ドラム、11…クリーニングブレード、12…ブ
レードホルダ、13…支持板（アーム）、15…枠体、17…
カウンターウエイト、18…ばね、20…ブレードユニット
案内筒、21…ブレードユニット案内部材（移動支持
体）、22、23…案内ローラ。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子写真プロセスを利用した画像形成装
   置において、感光ドラムの外周面に接して残留トナーを
   かき落すクリーニングブレードと、このクリーニングブ
   レードを保持し所定個所を支点として支持部材に対して
   回転自在に取り付けられたアームと、該アームに取り付
   けられ該クリーニングブレードを感光体ドラムに当接せ
   しめる方向へ該アームを付勢するカウンターウエイト
   と、該アームに一端を係止され前記クリーニングブレー
   ドを前記感光体ドラムに当接せしめる方向の復元力を付
   与するばね手段とを具備することを特徴とするブレード
   クリーニング装置。
2. 【請求項２】 前記ばね手段は、前記感光体ドラムが等
   速回転している時に前記カウンターウエイトが付与する
   前記クリ−ニングブレ−ドの感光体外周面に対する当接
   力を、前記感光体ドラムの回転速度の急峻な変化又は高
   速回転に伴って急峻に変化する前記ア−ムの振動の変化
   に応答させるのに適したばね定数を有することを特徴と
   する請求項１記載のブレードクリーニング装置。
3. 【請求項３】 前記支持部材は前記感光体ドラムの外周
   面と同心円状の経路に沿って円運動可能であり、該支持
   部材が当接解除位置にある時に前記カウンターウエイト
   が前記ばね手段の復元力に抗して前記クリーニングブレ
   ードを前記感光体ドラムの外周面から離隔せしめること
   を特徴とする請求項１又は２記載のブレードクリーニン
   グ装置。
4. 【請求項４】 前記支持部材が前記当接解除位置にある
   時に、前記カウンターウエイトは、前記感光体ドラムの
   回転速度の急峻な変化又は高速回転に伴って急峻に変化
   する前記ア−ムの振動の変化に応答し得るばね定数を有
   する前記ばね手段の前記当接方向への復元力に抗して、
   前記クリーニングブレードを前記感光体ドラムの外周面
   から離隔せしめることが可能な重量を有することを特徴
   とする請求項３記載のブレードクリーニング装置。