JPH0593736U - 工具ポット分離型チェン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 工具マガジンの案内レール上を転動するベア
リングをリンクプレートに設けて、チェン駆動力の低減
と摩耗対策の簡素化を計る。 【構成】 マガジンフレーム１６側面のチェン１０循環
経路の両側に案内レール６と、リンクプレート１の工具
ポット格納部内に収納する工具ポット７の飛び出し防止
用レール８Ａ，８Ｂとを設け、リンクプレートに設けた
ベアリング５の外輪が案内レール上と転がり接触して、
チェン，工具ポット及び収納工具の重量を負担し、小さ
な駆動力で円滑かつ静かにチェン駆動を行う。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はマシニングセンタ等工作機械の工具マガジン用工具ポット分離型チェ ンに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、マシニングセンタ等工作機械の工具マガジン用の工具ポット分離型チェ ンとして、実開平２−２７８３４号で公知の技術がある。このものは図８，図９ に示すように開口部を有するリンクプレート１０１を、ローラ１０２を装架した 連結ピン１０３でエンドレスに連結し、個々のリンクプレート１０１には開口部 に連なる工具ポット格納部１０４が、その中心を結ぶ線即ち工具ポット格納部セ ンタライン１０５がチェンピッチラインと一致するように形成されており、工具 ポット１０６は矢印の方向に取出される。 そしてチェンは限られた面積内でできるだけ多くの工具を貯蔵するため図１０ に示すような複雑な経路１０７を循環させる形式が多く、経路の両側には一部を 除いて案内レール１０８と、工具ポット飛び出し防止用レール１０９を設けるの が普通である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術の工具ポット分離型チェンは、案内レールとの間が滑り接触のため 、貯蔵工具の数が多い大型マガジン等になると滑り接触部の摺動抵抗が無視でき なくなり、チェン駆動部の強化や、給油等を含む大掛かりな摩耗対策が必要にな るという問題点を有していた。 本考案は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、そ の目的とするところは、チェンにベアリングを取付けてチェンと案内レール間を 転がり接触とした工具ポット分離型チェンを提供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために本考案の工具ポット分離型チェンは、工具ポットを 着脱可能に収納する工具ポット格納部の中心を結ぶ格納部センタラインと、チェ ンピッチラインとが一致するように構成された工具マガジン用チェンにおいて、 前記チェンの各リンクプレートに前記工具マガジンの案内レール上に外輪が転動 可能に当接するベアリングを設けたものである。

【０００５】

【作用】

工具マガジンのチェンの循環経路に設けられた案内レール上を、チェンの各リ ンクプレートに設けられたベアリングの外輪が転動可能に当接して、チェン，工 具ポット及び収納工具の重量を負担してチェン駆動抵抗を少なくし、小さな駆動 力で円滑かつ静かにチェンの駆動が行われる。

【０００６】

【実施例】

実施例について図１〜図７を参照して説明する。 開口するポット格納部１ａを有するリンクプレート１を、ローラ２を挟んで連 結ピン３により連結してチェン１０を形成し、ポット格納部１ａはその中心を結 ぶ格納部センタラインａ−ａがチェンピッチラインａ−ａと一致するように形成 されている。 各リンクプレート１にはポット格納部１ａの真下にピン４が連結ピン３と平行 かつ両端がリンクプレート１より突出するように嵌着されており、ピン４の突出 部にベアリング５が挿着されている。そしてベアリング５の外輪が後述の案内レ ール上を転動してチェン１０の重量を支えるようになっている。

【０００７】 マガジンフレーム１６の側面にはチェン１０の循環経路１５の両側に案内レー ル６と、ポット格納部１ａ内に収納される工具ポット７の飛び出し防止用レール ８Ａ，８Ｂが平行に設けられており、レール８Ａ，８Ｂは図示しない工具交換位 置と図５に示すチェン歯車９の円周部のみ干渉を避けるために切欠かれている。 案内レール６及びレール８Ａ，８Ｂは、図３に示すように直線部は支え板１１， １２を介して固着されており、図５に示すように曲線部には支えと一体化された 形状の案内レール６が取付けられている。チェン歯車９はマガジンフレーム１６ に二つ取付けられており、一方はマガジンフレーム１６に固着の支軸１３に軸受 １４を介して回転可能に支持され、他方は図示しない駆動機構の出力軸を嵌着さ れている。

【０００８】 続いて本実施例の作用について説明する。 ＮＣ装置の指令で図示しない駆動機構により、それぞれの工具ポット格納部１ ａに工具Ｔを有する工具ポット７を収納したチェン１０が循環経路に沿って移動 される。このときチェン１０の各リンクプレート１に取つけられているベアリン グ５の外輪が、案内レール６上を転がってチェン１０，工具ポット７及び工具Ｔ の重量を支えて駆動抵抗を軽減する。しかし、図６に示す循環経路１５は、案内 レール６に重量が作用する方向ばかりでなく、反対方向ではレール８Ａ，８Ｂ上 に重量が作用する。従って工具ポット７のレールとの当接面にテフロン等摩耗抵 抗の少ない材料を貼着することにより摺動抵抗を小さくすることも可能である。 また図７のような循環経路１５とすることによりレール８Ａ，８Ｂ上に重量が 作用する範囲を少なくすることもできる。

【０００９】

【考案の効果】

本考案は上述のとおり構成されているので次に記載する効果を奏する。 チェンのリンクプレートに工具マガジンに設けられた案内レール上を転動して チェンの及び工具の重量を支えるベアリングを設けたので、小さな駆動力で円滑 かつ騒音の少ないチェン駆動が可能となり、複雑な摩耗対策が不要となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の工具ポット分離型チェンの側面図で
ある。

【図２】図１の平面図である。

【図３】循環経路直線部のレールとチェンの断面図であ
る。

【図４】循環経路のレールとチェンの平面図である。

【図５】循環経路曲線部のレールとチェン歯車の断面図
である。

【図６】チェン循環経路を表す工具マガジンの側面図で
ある。

【図７】図６と異なるチェン循環経路を表す工具マガジ
ンの側面図である。

【図８】従来の工具ポット分離型チェンの側面図であ
る。

【図９】図８の平面図である。

【図１０】従来の技術の説明に利用したチェン循環経路
を示す図である。

【符号の説明】

１ リンクプレート ２ ロー
ラ ５ ベアリング ６ 案内
レール ７ 工具ポット ８Ａ，８
Ｂ レール １０ チェン １５ 循
環経路 １６ マガジンフレーム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 工具ポットを着脱可能に収納する工具ポ
   ット格納部の中心を結ぶ格納部センタラインとチェンピ
   ッチラインとが一致するように構成された工具マガジン
   用チェンにおいて、前記チェンの各リンクプレートに前
   記工具マガジンの案内レール上に外輪が転動可能に当接
   するベアリングを設けたことを特徴とする工具ポット分
   離型チェン。