JPS6116901Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、加工機械のダイ交換用搬送装置に関
し、構造の簡単化及び小形・軽量化を図り、耐久
性に優れた装置とし、容易かつ安価に実施し得る
ようにすることを目的とする。

加工機械（プレス機械・鍜造械など）では、動
力による金型交換の為のダイ交換用搬送装置が必
要である。従来、このダイ交換用搬送装置は金型
搬送手段と金型搬送駆動手段と連動連結手段とか
らなつていた。例えば、プレス機械の場合、金型
搬送手段としてローラ式搬送装置を付設し、金型
搬送駆動手段として駆動機及び出力輪等を有する
駆動装置をボルスタ前側に付設し、連動輪結手段
として駆動装置と金型とを連動連結するチエーン
等の駆動帯をボルスタ上面の案内用Ｔ溝内に配設
して、駆動装置で駆動帯を進退させることによ
り、金型の搬送を行なつていた。

しかし、上記ダイ交換用搬送装置は金型搬送手
段と金型搬送駆動手段と連動連結手段とを有する
ために、構造が複雑化するうえ、部品点数が多
く、高価になつた。しかも、駆動帯は相当長く、
Ｔ溝内を摺動するため抵抗も大きくなること又巻
取られた駆動帯を格納する必要があることなどの
理由から駆動装置が大形化・複雑化し高価になる
ばかりでなく、駆動装置がボルスタ前側に突出す
るので、加工作業の邪魔になるがこの駆動装置を
自由に着脱することも出来ないという欠点があ
る。

本考案は、上記の諸欠点を解消する為に、金型
に付設したダイ搬送駆動装置のスプロケツトをロ
ーラ式搬送装置の搬送ローラに噛み合せることに
より、金型を搬送するものである。

以下、本考案の実施例を図面に基き説明する。

第１図乃至第５図に示すように、ダイ交換用搬
送装置は、加工機械Ｍの１種であるプレス機械Ｐ
のボルスタ１上へ金型Ｄを搬出入する為のもので
あり、左右２条のダイ交換用のローラ式搬送装置
２とダイ搬送駆動装置３とからなる。

ローラ式搬送装置２はボルスタ部搬送装置２ａ
とボルスタ外搬送装置２ｂとからなる。前者は１
対の側枠４間に搬送ローラ５を一定ピツチで枢支
した構造であり、油圧シリンダにより昇降可能で
あり、その浮上姿勢では搬送ローラ５の頂部がボ
ルスタ１上面外へ突出し、そこに載置した金型Ｄ
を搬送自在である。

また、このボルスタ部搬送装置２ａを下降姿勢
にして金型Ｄの固定及びプレス作業を行なう。

ボルスタ外搬送装置２ｂは１対の側板７間に搬
送ローラ５を一定ピツチで枢支したものであり、
その基部がボルスタの前側面の固定部８に着脱自
在に固定される。

第４図・第５図に示すように、ダイ搬送駆動装
置３はスプロケツト９とこれを駆動する駆動機１
０をケーシング１１内にユニツト状に内装した構
造であり、金型Ｄとケーシング１１との連結機構
１２の固定ボルト１２ａで金型Ｄの前側面に固定
される。上記駆動機１０は減速機付き電動機又は
エアーモータ又は油圧モータなどの各種動力発生
装置で形成する。

この駆動機１０で伝動ギヤ１０Ａ，１０Ｂを介
して低速回転駆動される支軸１３の両端が軸受１
４で枢支され、その内側の位置で左右１対のスプ
ロケツト９が支軸１３に付設される。このスプロ
ケツト９は各々上記２条のローラ式搬送装置２に
上方から臨んで、その搬送ローラ５に噛み合うよ
うになつている。

図示の場合、スプロケツト９を矢印の方向に回
転させると金型Ｄが後方移動し、逆方向に回転さ
せると、金型Ｄが前方移動するようになつてい
る。

尚、スプロケツト９の谷半径Ｒを極力小さくし
てボルスタ部搬送装置２ａを下降姿勢にした場合
にスプロケツト９を搬送ローラ５との干渉が起ら
ないように形成する必要がある。

更に、ダイ搬送駆動装置３は金型Ｄに固定して
もよく、下記の変形例で述べるように、着脱式に
連結してもよい。

上記実施例の変形例として、第６図に示すよう
に、連結機構１２は金型Ｄの前側面の水平溝１５
にダイ搬送駆動装置３のフツク１６を係合させる
構造でもよく、第７図・第８図に示すように、ダ
イ搬送駆動装置３の後側面に付設したブラケツト
１７にピン１８を介して揺動式フツク１９を揺動
自在に枢支し、この揺動式フツク１９を金型Ｄの
前側面の係止具２０に着脱自在に係合させる構造
としてもよい。

また、第９図に示すように、金型Ｄを載せて搬
送する金型搬送枠２１をローラ式搬送装置上に載
せ、この金型搬送枠２１の前側面に付設したダイ
搬送駆動装置３で金型Ｄを搬送する。

本考案は、上記のように構成し作用することか
ら、次の効果を奏する。

即ち、加工機械上で金型を駆動するダイ搬送駆
動装置は、スプロケツトがローラ式搬送装置の搬
送ローラに噛合つて走行するものであり、その搬
送ローラは本来の転動搬送機能に加えてスプロケ
ツトの咬合い走行用のレール機能をも兼ねるか
ら、本考案のダイ交換用搬送装置は金型搬送手段
としてのローラ式搬送装置及び金型搬送駆動手段
として駆動機とスプロケツトとからなるダイ搬送
駆動装置で構成でき、連動連結手段としての、ス
プロケツト咬合い走行専用のレールまたはチエー
ン等が不要となり、その構造が簡素化する。

これにより、装置全体を小形化・軽量化できる
うえ、故障が少く耐久性に優れ、安価に容易に実
施できる。

なお、ダイ搬送駆動装置を金型に簡単に着脱し
得る構造とする場合には、金型を搬出入しない加
工作業中は、装置を金型から取外しておくことが
でき、加工機械の作業性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はプレス
機械の部分側面図、第２図は第１図の−線断
面図、第３図は要部縦断側面図、第４図は要部横
断平面図、第５図はローラ式搬送装置の縦断正面
図、第６図は変形例の連結機構の縦断側面図、第
７図・第８図は各々他の変形例の連結機構の側面
図と平面図、第９図は別実施例に関し金型搬送枠
にダイ搬送駆動装置を付設した状態を示す要部部
分側面図である。 Ｍ……加工機械、Ｄ……金型、２……ローラ式
搬送装置、３……ダイ搬送駆動装置、５……２の
搬送ローラ、９……３のスプロケツト、１０……
３の駆動機。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 加工機械Ｍにダイ交換用のローラ式搬送装置
   ２を付設し、このローラ式搬送装置２の搬送ロ
   ーラ５上に金型Ｄを載せて搬送可能に構成し、
   金型Ｄにダイ搬送駆動装置３を付設し、ダイ搬
   送駆動装置は３はスプロケツト９とこれを回転
   駆動する駆動機１０とから構成し、ダイ搬送駆
   動装置３のスプロケツト９を搬送ローラ５に噛
   み合せた事を特徴とする加工機械のダイ交換用
   搬送装置。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項に記載した加
   工機械のダイ交換用搬送装置において、ダイ搬
   送駆動装置３を金型Ｄに固定したもの。 ３ 実用新案登録請求の範囲第１項に記載した加
   工機械のダイ交換用搬送装置において、ダイ搬
   送駆動装置３を金型Ｄに着脱自在に連結したも
   の。