JPH0591203U - 歩行形移動農機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウエイトなどを用いることなく、機体全体を
軽量小型となし、しかも、ロータリー爪５２を正回転さ
せることで耕耘跡を美しく仕上げることができがら、ダ
ッシュ現象の発生を確実に防止して作業走行時の安全性
を確保する。 【構成】 ロータリー５の爪軸５１上に、ロータリー爪
５２に対し逆方向に駆動回転される複数の逆転ディスク
７を支持して、ロータリー爪５２による反力と逆転ディ
スク７よる反力とを互いに相殺して、駆動車輪４を上方
側に浮き上がらせるダッシュ現象を防止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は管理機などの歩行形移動農機、詳しくは、前部にエンジンを搭載した 機体の後部側にロータリーを設けるようにした歩行形移動農機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、管理機などの歩行形移動農機は、機体の前方上部にエンジンを搭載する と共に、前記機体の後部側にミッションケ−スを設けて、このミッションケ−ス の下部両側に前記エンジンに連動する駆動車輪を支持する一方、前記ミッション ケースの後方部に前記エンジンに連動するロータリーを支持している。そして、 以上の歩行形移動農機で圃場などの耕耘作業を行うときには、前記エンジンの駆 動に伴い前記駆動車輪を正回転させて前記機体を前進走行させながら、前記ロー タリーを前記駆動車輪と同一方向に正回転させ、つまり、前記ロータリーのロー タリー爪を機体進行方向前方側から後方側に向けて正回転させることにより、圃 場の土壌を耕起するようにしている。尚、前記ロータリーのロータリー爪を、前 述した場合とは逆に、前記駆動車輪の回転方向に対し逆回転つまり機体進行方向 後方側から前方側に向けて回転させる場合には、前記ロータリー爪で耕起された 土壌が機体進行方向前方側に跳ね上げられて耕耘跡が汚くなるのであり、このた め、通常の耕耘作業時には、前述したように、前記ロータリー爪を前記駆動車輪 と同一方向に正回転させて耕耘跡を美しく仕上げるようにしている。

【０００３】 所で、以上のように、圃場などの耕耘作業を行うとき、前記ロータリーを駆動 車輪と同一方向に正回転させる場合には、特に、硬い圃場などで耕耘作業を行う とき、前記ロータリー爪にその回転方向とは逆方向の反力が作用し、この反力に より前記駆動車輪が上方側に浮き上がる所謂ダッシュ現象が発生して危険であっ た。尚、前記ロータリーのロータリー爪を前記駆動車輪の回転方向に対し逆方向 に回転させる場合には、前記ロータリー爪による土壌耕起時に前記駆動車輪を下 方側に押し下げる反力が作用することから、該駆動車輪が上方側に浮き上がる前 記ダッシュ現象の発生は防止できるが、斯くするときには、前述したように、前 記ロータリー爪による耕耘跡が汚くなるのである。

【０００４】 そこで、従来では、圃場などの耕耘跡を美しく仕上げながら、前記ダッシュ現 象の発生を防止して作業走行時の安全性を確保するため、前記エンジンを前記機 体の前部側に張出状に搭載したり、又は、前記ロータリー爪の反力に対応するウ エイトを前記機体の前方側に装着するようにしている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

所が、以上のように、ダッシュ現象の発生を防止するため、前記エンジンを前 記機体の前端側に張出状に搭載したり、又は、前記ロータリー爪の反力に対応す るウエイトを前記機体の前方側に装着するときには、歩行形移動農機の全体が大 型化したり、重量大となるなどの問題があった。

【０００６】 本考案は以上のような問題に鑑みてなしたもので、その目的は、ウエイトなど を用いることなく、機体全体を軽量で小型として、耕耘跡を美しく仕上げること ができながら、ダッシュ現象の発生を確実に防止できる歩行形移動農機を提供す ることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

以上の目的を達成するため、本考案は、前部にエンジン２を搭載した機体１の 後部に、複数のロータリー爪５２をもち、前記エンジン２に連動して駆動回転す るロータリー５を設けた歩行形移動農機において、前記ロータリー５の爪軸５１ 上に、前記ロータリー爪５２に対し逆方向に駆動回転する複数の逆転ディスク７ を支持したのである。

【０００８】

【作用】

以上の歩行形移動農機で圃場などの耕耘作業を行うとき、前記ロータリー５に よる耕耘跡を美しく仕上げるため、例えば前記ロータリー爪５２を機体進行方向 前方側から後方側へと正回転させる場合には、このロータリー爪５２による土壌 耕起時に前記機体１の前部側を上方側に浮き上がらせようとする反力が発生する が、前記ロータリー５には前記ロータリー爪５２に対し逆方向に回転される前記 逆転ディスク７が設けられ、該逆転ディスク７の土壌内での逆回転に伴い前記ロ ータリー爪５２による反力を打ち消すような逆方向の反力が発生することから、 このロータリー爪５２による反力と前記逆転ディスク７による反力とが互いに相 殺されて、前記機体１の前部側を浮き上がらせるダッシュ現象の発生が確実に防 止される。従って、従来のように、ウエイトなどを用いることなく、機体全体を 軽量小型とし、しかも、前記ロータリー爪５２を正回転させることで耕耘跡を美 しく仕上げることができながら、ダッシュ現象の発生を確実に防止できて作業走 行時の安全性を確保できるのである。

【０００９】

【実施例】

図３に示した歩行形移動農機は、機体１の前方上部にエンジン２を搭載すると 共に、前記機体１の後部側にミッションケ−ス３を設けて、該ミッションケ−ス ３の下部両側にそれぞれ前記エンジン２に連動する駆動車輪４を支持する一方、 前記ミッションケース３の後方部には伝動ケース３１及びロータリーケース３２ を介してロータリー５を支持している。このロータリー５は、前記ロータリーケ ース３２の下部両側から水平方向に突設された爪軸５１と、該爪軸５１上に径方 向外方に向けて突出された複数のロータリー爪５２とから構成されている。尚、 同図中、６は前記ミッションケース３の上部側に後上方に向けて取付けられた走 行用操作ハンドルである。

【００１０】 しかして図１に示した実施例は、以上のような歩行形移動農機において、前記 ロータリー５の爪軸５１上に、前記ロータリー爪５２に対し逆方向に駆動回転さ れる複数の逆転ディスク７を支持し、この逆転ディスク７を、前記ロータリー５ の爪軸５１上で前記各ロータリー爪５２の側部に回転可能に並列状に支持すると 共に、これら各ロータリー爪５２と各逆転ディスク７との間にそれぞれ逆転機構 ８を介装させて、この逆転機構８により前記各逆転ディスク７を前記各ロータリ ー爪５２に連動して逆方向に駆動回転させるようにしたのである。前記ロータリ ー５のロータリー爪５２は、前記爪軸５１上に突設した支持筒５３に挿通固定し 、また、前記逆転ディスク７は、前記爪軸５１上に遊挿された円板状の支持体７ １に固定支持して、この支持体７１と前記支持筒５３との間に前記逆転機構８を 介装させるのである。

【００１１】 前記逆転機構８、図１及び図２で明らかにしたように、前記逆転ディスク７を 固定支持する支持体７１の内周部位に前記ロータリー爪５２の支持筒５３側に向 けて前記爪軸５１に対し遊挿状に設けられたサンギヤ８１と、前記支持筒５３の 外周部位に前記サンギヤ８１と対向状に設けられたリングギヤ８２と、これらサ ンギヤ８１とリングギヤ８２とにそれぞれ噛合する遊星ギヤ８３とから成り、こ の遊星ギヤ８３は、前記伝動ケース３１の上方側部に前記爪軸５１と平行状に突 設された支持杆８４から下方側に分岐状に垂設される分岐杆８５に回転可能に支 持している。

【００１２】 そして、前記ロータリー５のロータリー爪５２を、爪軸５１の駆動で図２の矢 印イで示したように、機体進行方向前方側から後方側へと正回転させることによ り、このロータリー爪５２に追従して前記リングギヤ８２が同一方向に正回転さ れ、また、該リングギヤ８２によって前記遊星ギヤ８３も同一の矢印イ方向に回 転されて、この遊星ギヤ８３の回転に伴い前記サンギヤ８１が、前記遊星ギヤ８ ３の回転方向とは逆方向の矢印ロ方向に逆転駆動され、前記サンギヤ８１を介し て前記逆転ディスク７が、前記サンギヤ８１の回転方向と同一の矢印ロ方向に、 前記ロータリー爪５２に対し逆方向に駆動回転されるのである。

【００１３】 次に、以上の構成とした歩行形移動農機の作用について説明する。先ず、前記 耕耘機で圃場などの耕耘作業を行う場合に、図２の矢印イで示したように、前記 ロータリー爪５２を機体進行方向前方側から後方側へと正回転させることにより 、前記ロータリー５による耕耘跡を美しく仕上げることができるのであるが、前 記ロータリー爪５２を前記矢印イ方向に正回転させるときには、このロータリー 爪５２による土壌耕起時に前記駆動車輪４を上方側に浮き上がらせようとする反 力が発生する。ところが、前記ロータリー５には、前記ロータリー爪５２と並列 状に前記逆転ディスク７が設けられ、この逆転ディスク７は前記逆転機構８を介 して前記ロータリー爪５２に対し同図の矢印ロ方向に逆転駆動されることから、 前記逆転ディスク７の土壌内での逆転駆動に伴い前記ロータリー爪５２による反 力を打ち消すような逆方向の反力が発生することになり、このため、前記ロータ リー爪５２による反力と前記逆転ディスク７による反力とが互いに相殺されて、 前記駆動車輪４を上方側に浮き上がらせる所謂ダッシュ現象の発生が確実に防止 される。従って、従来のように、ウエイトなどを用いることなく、機体全体を軽 量小型とし、しかも、前記ロータリー爪５２を正回転させることで耕耘跡を美し く仕上げることができながら、ダッシュ現象の発生を確実に防止できて作業走行 時の安全性を確保できるのである。

【００１４】 以上の実施例では、前記逆転機構８を構成する遊星ギヤ８３として、図の実施 例では、該遊星ギヤ８３の１個だけを使用したが、この遊星ギヤ８３は、その複 数個をギヤ枠を介して前記サンギヤ８１とリングギヤ８２との間に介装させるよ うにしてもよい。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案では、前部にエンジン２を搭載した機体１の後部 側に、複数のロータリー爪５２をもち、前記エンジン２に連動して駆動回転する ロータリー５を設けた歩行形移動農機において、前記ロータリー５の爪軸５１上 に、前記ロータリー爪５２に対し逆方向に駆動回転する複数の逆転ディスク７を 支持したから、前記ロータリー爪５２による反力と前記逆転ディスク７による反 力とが互いに相殺されて、駆動車輪を上方側に浮き上がらせるダッシュ現象の発 生が確実に防止されるのであり、従って、従来のように、ウエイトなどを用いる ことなく、機体全体を軽量小型とし、しかも、前記ロータリー爪５２を正回転さ せることで耕耘跡を美しく仕上げることができながら、ダッシュ現象の発生を確 実に防止できて作業走行時の安全性を確保できるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる歩行形移動農機の要部を示す一
部省略正面図である。

【図２】同要部の側断面図である。

【図３】歩行形移動農機の全体構造を示す側面図であ
る。

【符号の説明】

１ 機体 ２ エンジン ５ ロータリー ５１ 爪軸 ５２ ロータリー爪 ７ 逆転ディスク

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 前部にエンジン２を搭載した機体１の後
   部に、複数のロータリー爪５２をもち、前記エンジン２
   に連動して駆動回転するロータリー５を設けた歩行形移
   動農機において、前記ロータリー５の爪軸５１上に、前
   記ロータリー爪５２に対し逆方向に駆動回転する複数の
   逆転ディスク７を支持していることを特徴とする歩行形
   移動農機。