JPS6141521Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はトラクターや耕耘機等の作業機として
装置する耕耘装置の耕耘爪軸を正転逆転どちらで
も利用できるようにしようとしたものである。

従来の耕耘装置はなた爪による前方下方への打
ち込み式が殆んどであつた。

しかし最近ではなた爪による前方下方への打ち
込み耕耘のみでは満足できず、場合によつては後
方下方に打ち込み、前方に向かつて跳ね上げるア
ツプカツト耕耘が要望されるようになつたのであ
る。

稲作から畑作への転換が増えるに伴ない、野菜
栽培時の土かけや土盛り作業が増加し、又休耕田
としたために土壌が固結し耕耘爪を受けつけず、
耕耘爪の回転が機体の推進力として作用し、ダツ
シユする事故が増え、これらの点からも耕耘爪の
逆転による耕耘が可能であることが要求されるよ
うになつたものである。

本考案はこれらの要望に対し、ミツシヨンケー
スの内部を変更することなく、耕耘ケースを改造
することにより、耕耘爪軸を正転スプライン軸と
逆転スプライン軸との間で付換えて耕耘爪の正
転・逆転を得ようとするものである。

本考案の目的は以上の如くであり、添付の図面
に示した実施例の構成に基づいて本考案の構成を
説明すると。

第１図は本件考案の耕耘装置を装着した耕耘機
の全体側面図である。

耕耘機はミツシヨンケース１を中心に構成され
ており、ハンドル５をミツシヨンケース１の頂部
より突出している。又ミツシヨンケース１の下方
より前方へエンジンフレーム２を突設し、該エン
ジンフレーム２上にエンジン３を載置している。
エンジン３とミツシヨンケース１との間にＶベル
トが巻回され動力が伝えられている。該Ｖベルト
にベルトカバー４が被せられている。ミツシヨン
ケース１の下部より両側方へ車軸６，６を突設
し、該車軸６，６に車輪７，７を支架させてい
る。

ミツシヨンケース１の後面に設けたヒツチ１１
に耕耘装置を装着し、ミツシヨンケース１の出力
軸と耕耘ケース８の入力軸との間に変速ケース２
３を架設し耕耘装置を駆動している。１２は耕耘
カバー、１４は尾輪、１３は耕耘クラツチレバー
である。このような耕耘装置において、耕耘ケー
スの下方に耕耘爪軸１９の付け換えにより正転、
逆転を得るべく２本のスプライン筒を構成してい
る。

その際に耕耘爪軸１９の位置が変わることによ
り耕耘爪９の高さが変わり、圃場面に深く喰込み
すぎたりあるいは浅すぎたりすることを防ぐため
に、常に耕耘爪軸１９の位置を変えることのない
ように耕耘ケース８を回動させることにより、適
正な位置にて正転、逆転をすることが必要であ
る。このために耕耘ケース８は入力軸８ａを中心
として回動し、２段階の位置にて固定される構造
となつている。

本考案の要部は耕耘ケース８の下部に耕耘爪軸
１９を嵌入する正転、逆転方向をもつたスプライ
ン筒２０，２２を設け、かつ各スプライン筒２
０，２２の位置が一定となるように耕耘ケース８
の位置を変え、固定した構造にある。

第２図は耕耘ケース８部分の拡大側面図、第３
図はセンタードライブ型の耕耘ケース８の側面断
面図、第４図は同じく耕耘ケース８の平面断面図
である。

ミツシヨンケース１から伝達された動力は入力
軸８ａによりスプロケツト１５を回転させる。さ
らにスプロケツト１５、スプロケツト１７間にお
いて架設させたチエーン１６により耕耘ケース８
の下部に取付られていて、耕耘爪軸１９を嵌入す
るスプライン筒２２を回転させる構造となつてい
る。センタードライブ型の耕耘ケースにおいては
スプライン筒２０，２２の嵌入口に両端から耕耘
軸１９を嵌入する構造となつたものである。

スプライン筒２０の外周に設けた歯車２１は歯
車１８に連動されており、スプライン筒２２の外
周に設けられた歯車１８の回転方向とは逆の方向
に回転するので、両スプライン筒２２，２０のい
ずれかに耕耘爪軸１９を嵌入することにより正方
向、逆方向の回転を得られるように構造したもの
である。

第５図はサイドドライブ型の耕耘ケース８の側
断面図である。

サイドドライブ型の耕耘装置においては耕耘爪
軸１９の一端をサイドボードに嵌入し、他端を耕
耘ケース８内のスプライン筒２０，２２に嵌入
し、正回転、逆回転することが出来るようにした
構造となつている。

このために耕耘爪軸１９の取りはずし作業を容
易にするため、サイドボードの耕耘爪軸１９が嵌
入する部分が取りはずし可能となる構造にするこ
とが必要である。

以上の如く、本考案は、ロータリー耕耘装置の
耕耘ケース下部に耕耘爪軸を嵌入可能としたスプ
ライン筒を耕耘ケース８の入力軸８ａを中心とし
た円周状に２本設け、該スプライン筒の外周に固
設した歯車を互いに噛合させ両スプライン筒が常
に逆転すべく構成し、耕耘ケース８は入力軸８ａ
を中心として前後２段階の位置にて回動固定可能
としたので、次のような効果を奏するものであ
る。

第１に、ミツシヨンケースの内部のベベルギア
の噛合を切換えたり、耕耘ケース８の内部に他の
スパーギアを介装したり、交換したりする必要が
なく、耕耘爪軸の差し換えと耕耘ケース８の前後
動により、正逆転を可能とすることができ、部品
点数の増加が少なく、取り外したり取りつけたり
する予備部品を無くすことが出来たものである。

第２に、耕耘爪軸の装置位置が前後２箇所にあ
る為に、耕耘爪軸の位置を変更すると、耕耘カバ
ーやリアカバー等に対し、耕耘爪の相対位置が変
化する可能性があるが、本考案においては、耕耘
ケース８を入力軸８ａを中心に前後動することに
より、耕耘爪軸の中心を同一位置にすることが出
来たものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は耕耘装置を装着した耕耘機の全体側面
図、第２図は耕耘ケース部分の拡大側面図、第３
図はセンタードライブ型の耕耘ケースの側面断面
図、第４図は同じくセンタードライブ型の耕耘ケ
ースの平面断面図、第５図はサイドドライブ型の
耕耘ケースの側面断面図である。 ８……耕耘ケース、８ａ……入力軸、１９……
耕耘爪軸、２０……逆転スプライン筒、２２……
正転スプライン筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロータリー耕耘装置の耕耘ケース下部に、耕耘
   爪軸を嵌入可能そしたスプライン筒を耕耘ケース
   ８の入力軸８ａを中心とした円筒状に２本設け、
   該スプライン筒の外周に固設した歯車を互いに噛
   合させ両スプライン筒が常に逆転すべく構成し、
   耕耘ケース８は入力軸８ａを中心として前後２段
   階の位置にて回動固定可能そしたことを特微とす
   る耕耘装置。