JPH0588292A - ハロゲン化銀写真感光材料及び画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及び画像形成方法

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JPH0588292A
JPH0588292A JP27179191A JP27179191A JPH0588292A JP H0588292 A JPH0588292 A JP H0588292A JP 27179191 A JP27179191 A JP 27179191A JP 27179191 A JP27179191 A JP 27179191A JP H0588292 A JPH0588292 A JP H0588292A
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JP
Japan
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silver halide
light
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color
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Application number
JP27179191A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Kawai
清 河合
Takanori Hioki
孝徳 日置
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】赤外半導体レーザー光源による走査露光での露
光温度依存性が改善され、簡易迅速処理に適し、保存時
の感度変動が小さい高塩化銀ハロゲン化銀カラー感光材
料を提供する。 【構成】塩化銀含有率95モル%以上の高塩化銀乳剤粒
子を含有する感光層を少なくとも一層、支持体上に有す
るハロゲン化銀写真感光材料の感光層に、塩基性核に、
チオエーテル基をもつ赤外分光増感メチン色素とカルコ
ゲナゾリウム塩を含有せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザーや発光ダイオ
ード等の高密度光を用いて走査露光することによりプリ
ント画像を得るのに適したハロゲン化銀写真感光材料お
よびその画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、画像情報を電気信号に換えて伝送
や保存したり、CRT上にて再生する技術が非常に発達
してきている。これに伴いこの画像情報からのハードコ
ピーに対する要求が高くなり、さまざまなハードコピー
手段が提案されている。しかしながらこれらの多くは画
質が低く、特にカラーハードコピーにおいては現在のカ
ラーペーパーを用いたプリントとは比較にならないもの
ばかりである。高画質なハードコピーを提供するものと
しては、ハロゲン化銀の熱現像染料拡散方式とLED走
査露光方式を用いた富士写真フイルム(株)製のピクト
ログラフィー(商品名)等がある。他方、ハロゲン化銀
感光材料とコンパクトな簡易迅速現像方式(例えば、ミ
ニラボシステムなど)の進歩により、きわめて高画質の
プリント写真が比較的容易に短時間に、かつ安価に供給
されている。そこで、画像情報のハードコピーとして、
このような安価で、処理が簡易迅速でありかつ安定した
性能が得られ、しかも高画質なハードコピー材料の要求
が非常に高い。電気信号からハードコピーを得る方式と
しては一般的には、画像情報を順次取出しながら露光す
る走査露光方式が一般的であり、これに適した感材が必
要となる。
【0003】走査露光により画像を形成する方法として
所謂スキャナー方式による画像形成法がある。スキャナ
ー方式を実用化した記録装置は種々あり、これらのスキ
ャナー方式記録装置の記録用光源には、従来グローラン
プ、キセノンランプ、水銀ランプ、タングステンラン
プ、発光ダイオード等が用いられてきた。しかし、これ
らの光源はいずれも出力が弱く寿命が短いという実用上
の欠点を有していた。これらの欠点を補うものとして、
He−Neレーザー、アルゴンレーザー、He−Cdレ
ーザー等のガスレーザー、半導体レーザーなどのコヒー
レントなレーザー光源をスキャナー方式の光源として用
いるスキャナーがある。ガスレーザーは高出力が得られ
るが装置が大型であること、高価であること、変調器が
必要であること等の欠点がある。これに対して半導体レ
ーザーは小型で安価、しかも変調が容易であり、ガスレ
ーザーよりも長寿命である等の長所をもっている。これ
らの半導体レーザーの発光波長は主に赤外域にあり、従
って赤外域に高い感光性を有する場所が必要になる。
【0004】しかしながら、従来の赤外感光性の感光材
料は、赤外増感色素の不安定性のために保存性が悪く、
冷蔵あるいは冷凍保存が必要であった。更に、赤外増感
色素による分光増感には活性化エネルギーが必要であ
り、これにより従来の赤外感光性の感光材料は露光時の
温度依存性(露光温度依存性)があり高温で感度が高く
なる現象が見られる。これは、感材の使用する温度によ
って特性が変動することであり取り扱い性が非常に悪い
のが現状である。ハードコピーの出力としてカラープリ
ントを考えた場合、処理の迅速化、簡易化が非常に重要
になる。従って米国特許4,840,878号や同4,
853,321号等に記載されているような、塩化銀含
有率の高いハロゲン化銀乳剤を使用することが必要とな
る。しかしながらこの塩化銀含有率の高いハロゲン化銀
乳剤を赤外分光増感して使用すると塩化銀含有率の低い
塩臭化銀乳剤あるいは臭化銀乳剤の赤外分光増感に比べ
上記の感材の保存性、露光温度依存性が更に大きくな
り、とても実用に耐え得るものではない。さらに、これ
らの高塩化銀感光材料を用いてハードコピーを迅速に得
ようとするためには、走査露光の時間と、現像処理工程
の時間を共に更に短くする必要がある。この走査露光の
時間を短くするためには出力の大きな光源を使用して一
画素あたりの露光時間をできるだけ短くしなくてはなら
ない。ところが、赤外分光増感された高塩化銀粒子は露
光が高照度短時間になればなるほど露光温度依存性は悪
化する。しかも現像処理工程の時間を短くすると、より
一層この影響は大きくなる。従って、感材の保存性にす
ぐれ、かつ高照度短時間露光の後で短時間現像したとき
の露光温度依存性の小さい赤外分光増感された塩化銀含
有率の高いハロゲン化銀感光材料が必要となる。
【0005】米国特許4,975,362号にはチオエ
ーテル基を塩基性核に有した赤外分光増感メチン色素を
使用することで赤外分光増感感度が高く、保存性が改良
されることが記載されている。しかしながら、これらの
増感色素を用いて塩化銀含有率の高いハロゲン化銀乳剤
を分光増感すると、半導体レーザーによる走査露光にお
いて露光温度依存性が大きいという問題が新たに見い出
された。従って上記特許に記載の増感色素の露光温度依
存性が改良できれば、保存性に優れ、感度が高く、しか
も露光温度依存性の小さなカラー写真感光材料が提供で
きる。しかしながら上記明細書には露光温度依存性の問
題を解決するための手段については何ら記載がない。米
国特許4,536,473号、同4,596,767号
には四級塩窒素を含むヘテロ環化合物を赤外増感色素と
共に使用することで感度及び保存性が改良されることが
示されている。しかしながら、発色カプラーを含有し、
更に迅速処理を目的とした塩化銀含有率の高い(95モ
ル%以上)ハロゲン化銀乳剤に適用した場合についての
記載もないし、また露光温度依存性についての記載もな
い。特開平3−109547号には750nm以上に分
光感度極大を有し塩化銀含有率95モル%以上のハロゲ
ン化銀粒子を含有した感光層を含む感光材料中にカルコ
ゲナゾリウム化合物を使用するカラー写真感光材料につ
いて開示されている。この公報には、カルコゲナゾリウ
ム塩をある領域の感材含水率で使用することで保存性が
改良されることが記載されている。しかしながらこれら
カルコゲナゾリウム塩類による露光温度依存性の改良効
果については何ら記載がなく、またここに開示されてい
る増感色素を使って実際測定しても改良効果はほとんど
なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、保存性、増感性に優れた赤外増感色素を使用し、か
つ露光温度依存性の小さい赤外感材を提供することであ
る。さらに詳しくは赤外半導体レーザー光源による走査
露光での露光温度依存性が改善され、簡易迅速処理に適
し、保存時の感度変動が小さい高塩化銀ハロゲン化銀カ
ラー感光材料を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る上記目的
は、塩化銀含有率95モル%以上の高塩化銀乳剤粒子を
含有する感光層を支持体上に有し、その少なくとも一つ
の感光層が下記一般式(A)で示される分光増感色素の
少なくとも1種により分光増感されかつ、下記一般式
(Ia)、(Ib)、(Ic)および(Id)で表わさ
れる化合物の少なくとも一つを含有していることを特徴
とするハロゲン化銀写真感光材料により達成される。
【0008】
【化3】
【0009】
【化4】
【0010】一般式(A)中、Eは助色団を表し、Lは
メチン結合を表す。前記のメチン結合とは複数のメチン
基(置換基をもっていてもよい)からなる。Z1 は5ま
たは6員の含窒素複素環を形成するのに必要な原子群を
表わす。但しZ1 は−SR2 によって置換されており、
更に他の置換基で置換されていてもよい。R1 はアルキ
ル基を表す。R2はアルキル基、アリール基または複素
環基を表わす。L1 およびL2 はメチン基を表わす。n
1 は0または1を表わす。n2 は1以上の整数を表す。
1 は電荷中和対イオンを表わし、m1 は分子中の電荷
を中和させるために必要な0以上の数である。
【0011】一般式(Ia)、(Ib)、(Ic)、お
よび(Id)中、Z11は5員環または6員環の含窒素複
素環を完成するに必要な非金属原子群を表す。Z12及び
13は芳香族環を完成するに必要な原子群を表す。R11
は水素原子、アルキル基、またはアルケニル基、アリー
ル基を表す。R12は水素原子、または低級アルキル基を
表す。R13はアルキル基またはアルケニル基を表す。R
15は置換もしくは無置換のアルキル基またはアルケニル
基を表す。R14及びR16は水素原子、アルキル基、また
はアリール基を表す。R17およびR18は同一でも異なっ
ていてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アリー
ル基、シアノ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル
基、カルボキシ基、置換されていてもよいアミノカルボ
ニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アリール
カルボニル基、またはアリールオキシカルボニル基を表
わす。X11およびX12は酸アニオン(例えば、Cl-
Br- 、I- 、ClO4 - など)を表す。Gは酸素原
子、硫黄原子、セレン原子またはテルル原子を表す。K
+nは、オニウムイオン、IA族またはIIA族元素のイオ
ンおよびIIB族、VII B族、IVA族または、VA族の金
属イオンから成る群から選択された原子価nの陽イオン
を表す。rは1または2を表し、化合物が分子内塩を形
成するときはrは1である。qは1または2を表わし、
+2/qは2/q価の陽イオンを表わす。また、本発明に
係る上記目的は、イエロー、マゼンタ、またはシアンに
発色するカプラーのいずれかをそれぞれ含有する少なく
とも三種の感色性の異なるハロゲン化銀感光層を支持体
上に有し、その少なくとも一種の感光層において該感光
層に含まれるハロゲン化銀乳剤粒子は塩化銀含有率が9
5モル%以上であり、かつ前記の一般式(A)で示され
る分光増感色素の少なくとも1種により分光増感され、
更に前記の一般式(Ia)、(Ib)、(Ic)、およ
び(Id)で表わされる化合物の少なくとも一つを含有
していることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光
材料により達成される。
【0012】また、本発明に係る上記目的は上記ハロゲ
ン化銀粒子が臭化銀局在相をもち、乳剤粒子中に、周期
律表の第VIII族金属イオン(金属錯体イオンも含む。以
下同じ)、第IIb族金属イオン、鉛イオン、タリウムイ
オンから選ばれる少なくとも一種をハロゲン化銀1モル
あたり10-9モル以上ドープされていることを特徴とす
るハロゲン化銀カラー写真感光材料により、いっそう効
果的に達成される。また、本発明に係る上記目的は、上
記の感光材料を、1画素当たりの露光時間が10-4秒よ
り短い走査露光方式で露光し、その後発色現像処理する
ことを特徴とするカラー画像形成方法により、効果的に
達成される。更に発色現像処理時間が20秒以下、該発
色現像処理から乾燥までを含めた全処理時間が90秒以
下であるカラー画像形成方法によっても効果的に達成さ
れる。以下、さらに詳細に説明する。本発明でいう「三
種の感色性の異なるハロゲン化銀乳剤層」とは、赤外波
長領域も含めて異った波長域の電磁波に感ずる三種のハ
ロゲン化銀乳剤層を意味する。
【0013】一般式(A)中助色団Eはメチン色素にお
いて見いだされる任意の一般的な形態をとることができ
る。典型的には助色団は窒素又はカルコゲン原子により
構成され、色素中において帯電した状態と帯電していな
い状態との間で共鳴している。例えばシアニン、メロシ
アニン、オキソノール、ロダシアニン、ヘミシアニン、
3核メロシアニン、ピリリウム、またはチアピリリウム
色素において見いだされる助色団のいずれの形態である
こともできる。しかしながら助色団を限定する必要はな
い。例えばリン又はホウ素により構成される助色団も用
いられる。メチン結合Lを形成するメチン基として好ま
しくは、無置換メチン基または置換メチン基{例えば置
換もしくは無置換のアルキル基(例えばメチル基、エチ
ル基、2−カルボキシエチル基)、置換もしくは無置換
のアリール基(例えば、フェニル基、o−カルボキシフ
ェニル基)、複素環基(例えばバルビツール酸)、ハロ
ゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子)、アルコキシ基
(例えば、メトキシ基、エトキシ基)、アミノ基(例え
ばN,N−ジフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェ
ニルアミノ基、N−メチルピペラジノ基)、アルキルチ
オ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基)、などで置
換されたものなど}が挙げられる。また、他のメチン基
と環を形成してもよく、あるいは助色団と環を形成する
こともできる。メチン結合Lを形成するメチン基の数と
しては、9以下が好ましい。
【0014】R1 として好ましくは炭素数18以下の無
置換アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、オクチル基、デシル基、ド
デシル基、オクタデシル基)または置換アルキル基{置
換基として例えば、カルボキシ基、スルホ基、シアノ
基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素
原子である。)、ヒドロキシ基、炭素数8以下のアルコ
キシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エト
キシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ベンジル
オキシカルボニル基)、炭素数8以下のアルコキシ基
(例えばメトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、
フェネチルオキシ基)、炭素数10以下の単環式のアリ
ールオキシ基(例えばフェノキシ基、p−トリルオキシ
基)、炭素数3以下のアシルオキシ基(例えばアセチル
オキシ基、プロピオニルオキシ基)、炭素数8以下のア
シル基(例えばアセチル基、プロピオニル基、ベンゾイ
ル基、メシル基)、カルバモイル基(例えばカルバモイ
ル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルホリノカ
ルボニル基、ピペリジノカルボニル基)、スルファモイ
ル基(例えばスルファモイル基、N,N−ジメチルスル
ファモイル基、モルホリノスルホニル基、ピペリジノス
ルホニル基)、炭素数10以下のアリール基(例えばフ
ェニル基、4−クロルフェニル基、4−メチルフェニル
基、α−ナフチル基)で置換された炭素数18以下のア
ルキル基)が挙げられる。また、これらの置換基は二つ
以上組合せてアルキル基に置換されていてもよい。特に
好ましくは、無置換アルキル基(例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基)、カルボキシアルキル基(例えば2−カルボキシエ
チル基、カルボキシメチル基)、スルホアルキル基(例
えば2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、4−
スルホブチル基、3−スルホブチル基)である。R2
して好ましくは炭素数18以下の無置換アルキル基(例
えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル
基、ドデシル基、オクタデシル基)、炭素数18以下の
アリール基(例えばフェニル基、2−ナフチル基、1−
ナフチル基)、炭素数18以下の複素環基(例えば、2
−ピリジル基、2−チアゾリル基、2−フリル基)があ
げられる。
【0015】これらの置換基は更に置換されてもよい。
置換基としては、例えば、カルボキシ基、スルホ基、シ
アノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、
塩素原子、臭素原子、沃素原子)、ヒドロキシ基、炭素
数8以下のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ
基、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基)、炭素数
15以下のアリールオキシ基(例えばフェノキシ基)、
炭素数8以下のアシルオキシ基(例えば、アセチルオキ
シ基)、炭素数8以下のアシル基(例えばアセチル基、
プロピオニル基、ベンゾイル基、メシル基)、スルファ
モイル基(例えばスルファモイル基、N,N−ジメチル
スルファモイル基、モルホリノスルホニル基、ピペリジ
ノスルホニル基)、カルバモイル基(例えばカルバモイ
ル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルホリノカ
ルボニル基、ピペリジノカルボニル基)、炭素数8以下
のアルカンスルホニルアミノカルボニル基(例えばメタ
ンスルホニルアミノカルボニル基)、炭素数15以下の
アリール基(例えばフェニル基、4−クロルフェニル
基、4−メチルフェニル基、α−ナフチル基)、炭素数
15以下の複素環基(例えば、ピロリジン−2−オン−
1−イル基、テトラヒドロフルフリル基、2−モルホニ
ノ基)であり、更にこれらの置換基によって置換されて
もよい。更に好ましくは、炭素数1〜4の置換または無
置換のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基及び
エチル基である。L1 及びL2 はLを形成するメチン基
と同義である。好ましくは無置換メチン基である。
【0016】Z1 によって形成される核としては、チア
ゾール核{チアゾール核(例えばチアゾール、4−メチ
ルチアゾール、4−フェニルチアゾール、4,5−ジメ
チルチアゾール、4,5−ジフェニルチアゾール)、ベ
ンゾチアゾール類(例えば、ベンゾチアゾール、4−ク
ロロベンゾチアゾール、5−クロロベンゾチアゾール、
6−クロロベンゾチアゾール、5−ニトロベンゾチアゾ
ール、4−メチルベンゾチアゾール、5−メチルベンゾ
チアゾール、5−メチルチオベンゾチアゾール、6−メ
チルベンゾチアゾール、5−ブロモベンゾチアゾール、
6−ブロモベンゾチアゾール、5−ヨードベンゾチアゾ
ール、5−フェニルベンゾチアゾール、5−メトキシベ
ンゾチアゾール、6−メトキシベンゾチアゾール、6−
メチルチオベンゾチアゾール、5−エトキシベンゾチア
ゾール、5−エトキシカルボニルベンゾチアゾール、5
−カルボキシベンゾチアゾール、5−フェネチルベンゾ
チアゾール、5−フルオロベンゾチアゾール、5−クロ
ロ−6−メチルベンゾチアゾール、5,6−ジメチルベ
ンゾチアゾール、5,6−ジメトキシベンゾチアゾー
ル、5,6−ジメチルチオベンゾチアゾール、5−ヒド
ロキシ−6−メチルベンゾチアゾール、テトラヒドロベ
ンゾチアゾール、4−フェニルベンゾチアゾール)、ナ
フトチアゾール核(例えば、ナフト〔2,1−d〕チア
ゾール、ナフト〔1,2−d〕チアゾール、ナフト
〔2,3−d〕チアゾール、5−メトキシナフト〔1,
2−d〕チアゾール、7−エトキシナフト〔2,1−
d〕チアゾール、8−メトキシナフト〔2,1−d〕チ
アゾール、5−メトキシナフト〔2,3−d〕チアゾー
ル)}、チアゾリン核(例えば、チアゾリン、4−メチ
ルチアゾリン、4−ニトロチアゾリン)、オキサゾール
核{オキサゾール核(例えば、オキサゾール、4−メチ
ルオキサゾール、4−ニトロオキサゾール、5−メチル
オキサゾール、4−フェニルオキサゾール、4,5−ジ
フェニルオキサゾール、4−エチルオキサゾール)、ベ
ンゾオキサゾール核(例えば、ベンゾオキサゾール、5
−クロロベンズオキサゾール、5−メチルベンゾオキサ
ゾール、5−ブロモベンゾオキサゾール、5−フルオロ
ベンゾオキサゾール、5−メチルチオベンゾオキサゾー
ル、5−フェニルベンゾオキサゾール、5−メトキシベ
ンゾオキサゾール、5−ニトロベンゾオキサゾール、5
−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール、5−ヒドロ
キシベンゾオキサゾール、5−カルボキシベンゾオキサ
ゾール、6−メチルベンゾオキサゾール、6−クロロベ
ンゾオキサゾール、6−ニトロベンゾオキサゾール、6
−メトキシベンゾオキサゾール、6−ヒドロキシベンゾ
オキサゾール、5,6−ジメチルベンゾオキサゾール、
4,6−ジメチルベンゾオキサゾール、5−エトキシベ
ンゾオキサゾール)、ナフトオキサゾール核(例えば、
ナフト〔2,1−d〕オキサゾール、ナフト〔1,2−
d〕オキサゾール、ナフト〔2,3−d〕オキサゾー
ル、5−ニトロナフト〔2,1−d〕オキサゾー
ル)}、オキサゾリン核(例えば、4,4−ジメチルオ
キサゾリン)、
【0017】セレナゾール核{セレナゾール核(例え
ば、4−メチルセレナゾール、4−ニトロセレナゾー
ル、4−フェニルセレナゾール)、ベンゾセレナゾール
核(例えば、ベンゾセレナゾール、5−クロロベンゾセ
レナゾール、5−ニトロベンゾセレナゾール、5−メト
キシベンゾセレナゾール、5−ヒドロキシベンゾセレナ
ゾール、5−メチルチオベンゾセレナゾール、6−ニト
ロベンゾセレナゾール、5−クロロ−6−ニトロベンゾ
セレナゾール、5,6−ジメチルベンゾセレナゾール、
5,6−ジメチルチオベンゾセレナゾール)、ナフトセ
レナゾール核(例えば、ナフト〔2,1−d〕セレナゾ
ール、ナフト〔1,2−d〕セレナゾール)}、セレナ
ゾリン核(例えば、セレナゾリン、4−メチルセレナゾ
リン)、テルラゾール核{テルラゾール核(例えば、テ
ルラゾール、4−メチルテルラゾール、4−フェニルテ
ルラゾール)、ベンゾテルラゾール核(例えば、ベンゾ
テルラゾール、5−クロロベンゾテルラゾール、5−メ
チルベンゾテルラゾール、5,6−ジメチルベンゾテル
ラゾール、6−メトキシベンゾテルラゾール)、ナフト
テルラゾール核(例えば、ナフト〔2,1−d〕テルラ
ゾール、ナフト〔1,2−d〕テルラゾール)}、テル
ラゾリン核(例えば、テルラゾリン、4−メチルテルラ
ゾリン)、3,3−ジアルキルインドレニン核(例え
ば、3,3−ジメチルインドレニン、3,3−ジエチル
インドレニン、3,3−ジメチル−5−シアノインドレ
ニン、3,3−ジメチル−6−ニトロインドレニン、3,
3 −ジメチル−5−ニトロインドレニン、3,3−ジメ
チル−5−メトキシインドレニン、3,3,5−トリメ
チルインドレニン、3,3 −ジメチル−5−クロロインド
レニン)、イミダゾール核{イミダゾール核(例えば、
1−アルキルイミダゾール、1−アルキル−4−フェニ
ルイミダゾール、1−アリールイミダゾール)、ベンゾ
イミダゾール核(例えば、1−アルキルベンゾイミダゾ
ール、1−アルキル−5−クロロベンゾイミダゾール、
1−アルキル−5,6−ジクロロベンゾイミダゾール、
1−アルキル−5−メトキシベンゾイミダゾール、1−
アルキル−5−シアノベンゾイミダゾール、1−アルキ
ル−5−フルオロベンゾイミダゾール、1−アルキル−
5−トリフルオロメチルベンゾイミダゾール、1−アル
キル−6−クロロ-5- シアノベンゾイミダゾール、1−
アルキル−5,6 ジメチルベンゾイミダゾール、1−アル
キル-6-クロロ-5- トリフルオロメチルベンゾイミダゾ
ール、
【0018】1−アリル−5,6−ジクロロベンゾイミ
ダゾール、1−アリル−5−クロロベンゾイミダゾー
ル、1−アリールベンゾイミダゾール、1−アリール−
5−クロロベンゾイミダゾール、1−アリール−5,6
−ジクロロベンゾイミダゾール、1−アリール−5,6
−ジメチルチオベンゾイミダゾール、1−アリール−5
−メトキシベンゾイミダゾール、1−アリール−5−シ
アノベンゾイミダゾール)、ナフトイミダゾール核(例
えば、アルキルナフト〔1,2−d〕イミダゾール、1
−アリールナフト〔1,2−d〕イミダゾール)、前述
のアルキル基は炭素原子1〜8個のもの、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル等の無置
換アルキル基やヒドロキシアルキル基(例えば、2−ヒ
ドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル)が好まし
い。特に好ましくはメチル基、エチル基である。前述の
アリール基は、フェニル、ハロゲン(例えばクロロ)置
換フェニル、アルキル(例えばメチル)置換フェニル、
アルコキシ(例えばメトキシ)置換フェニルを表わ
す。}、ピリジン核(例えば、2−ピリジン、4−ピリ
ジン、5−メチル−2−ピリジン、3−メチル−4−ピ
リジン)、キノリン核{キノリン核(例えば、2−キノ
リン、3−メチル−2−キノリン、5−エチル−2−キ
ノリン、6−メチル−2−キノリン、6−ニトロ−2−
キノリン、8−フルオロ−2−キノリン、6−メトキシ
−2−キノリン、6−ヒドロキシ−2−キノリン、8−
クロロ−2−キノリン、4−キノリン、6−エトキシ−
4−キノリン、6−ニトロ−4−キノリン、8−クロロ
−4−キノリン、8−メチルチオ−4−キノリン、8−
フルオロ−4−キノリン、8−メチル−4−キノリン、
8−メトキシ−4−キノリン、6−メチル−4−キノリ
ン、6−メトキシ−4−キノリン、6−メチルチオ−4
−キノリン、6−クロロ−4−キノリン)、イソキノリ
ン核(例えば、6−ニトロ−1−イソキノリン、3,4
−ジヒドロ−1−イソキノリン、6−ニトロ−3−イソ
キノリン)}、イミダゾ〔4,5−b〕キノキザリン核
(例えば、1,3−ジエチルイミダゾ〔4,5−b〕キ
ノキザリン、6−クロロ−1,3−ジアリルイミダゾ
〔4,5−b〕キノキザリン)、オキサジアゾール核、
チアジアゾール核、テトラゾール核、ピリミジン核を挙
げることができる。好ましくは、ベンゾチアゾール核、
ナフトチアゾール核、ベンゾオキサゾール核、ナフトオ
キサゾール核、ベンゾセレナゾール核、ナフトセレナゾ
ール核、ベンゾイミダゾール核、2−キノリン核、4−
キノリン核である。
【0019】Z1 は−SR2 によって置換されており、
更にR1 で表わされる置換アルキル基の置換基について
例示されたような他の置換基で置換されていてもよい。
1 は0または1を表す。n2 として好ましくは1〜6
の整数であり、更に好ましくは1〜4の整数である。特
に好ましくは1または2である。(M1)m1は、色素のイ
オン電荷を中性にするために必要であるとき、陽イオン
または陰イオンの存在または不存在を示すために式の中
に含められている。ある色素が陽イオン、陰イオンであ
るか、あるいは正味のイオン電荷をもつかどうかは、そ
の助色団および置換基に依存する。典型的な陽イオンは
無機または有機のアンモニウムイオン(例えばトリメチ
ルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン)およびア
ルカリ金属イオン(例えばナトリウムイオン、カリウム
イオン)であり、一方陰イオンは具体的に無機陰イオン
あるいは有機陰イオンのいずれであってもよく、例えば
ハロゲン陰イオン(例えば弗素イオン、塩素イオン、臭
素イオン、ヨウ素イオン)、置換アリールスルホン酸イ
オン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロ
ルベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホン酸
イオン(例えば1,3−ベンゼンスルホン酸イオン、
1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフ
タレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例
えばメチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イ
オン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、
ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンス
ルホン酸イオンが挙げられる。好ましくは、アンモニウ
ムイオン(例えば、トリエチルアンモニウムイオン、ピ
リジニウムイオン)、アルカリ金属イオン(例えばナト
リウムイオン、カリウムイオン)、沃素イオン、p−ト
ルエンスルホン酸イオンである。一般式(A)によって
表される化合物において好ましいものは下記一般式
(B)および(C)で表されるものである。
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】一般式(B)と(C)中R3 、R4 及びR
7 はR1 と同義である。R6 及びR8 はR2 と同義であ
る。R5 はアルキル基、アリール基または複素環基を表
わす。L3 〜L13はメチン基を表わす。Z2 、Z3 及び
4 はZ1 と同義である。但しZ3 は−SR9 で置換さ
れてなくてもよい。R9 はR2 と同義である。Qは5員
または6員の含窒素ケトメチレン環形成原子群を表わ
す。Dは酸性核を形成するのに必要な原子群を表わす。
3 、n4 、n8 及びn9 は0または1を表わす。n7
およびn11はn2 と同義である。n5 は0以上の整数
(好ましくは3以下)、n6 は1以上の奇数(好ましく
は3以下)を表わす。n10は0以上の整数を表わし、好
ましくは2以上の整数である。(M2)m2および(M3)m3
は(M1)m1と同義である。一般式(B)と(C)につい
て更に詳細に説明する。一般式(B)と(C)の中で一
般式(A)と同義なものの好ましい例も、一般式(A)
の場合と同でである。
【0023】Dは酸性核を形成するために必要な原子群
を表わし、いかなる一般のメロシアニン色素の酸性核の
形をとることもできる。ここで言う酸性核は、例えばテ
ィー・エッチ・ジェームズ(T.H.James)編「ザ・セオリ
ー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス(The The
ory of the Photographic Process)」第4版、第8章、
198〜200頁、マクミラン(Macmillan)社1977
年刊に記載されている。好ましい形において、Dの酸性
核の共鳴に関与する置換基としては、例えば、カルボキ
シ基、シアノ基、スルホニル基、スルフィニル基であ
る。酸性核が非環式であるとき、メチン結合の末端はマ
ロノニトリル、アルカンスルホニルアセトニトリル、シ
アノメチルベンゾフラニルケトン、またシアノメチルフ
ェニルケトンのような基である。Dが環式であるとき、
炭素、窒素およびカルコゲン(典型的には酸素、硫黄、
セレン、およびテルル)原子からなる5員または6員の
複素環を形成する。好ましくはつぎの核が挙げられる。
2−ピラゾリン−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジ
オン、イミダゾリン−5−オン、ヒダントイン、2また
は4−チオヒダントイン、2−イミノオキサゾリジン−
4−オン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキ
サゾリジン−2,4−ジオン、イソオキサゾリン−5−
オン、2−チアゾリン−4−オン、チアゾリジン−4−
オン、チアゾリジン−2,4−ジオン、ローダニン、チ
アゾリジン−2,4−ジチオン、イソローダニン、イン
ダン−1,3−ジオン、チオフェン−3−オン、チオフ
ェン−3−オン−1,1−ジオキシド、インドリン−2
−オン、インドリン−3−オン、インダゾリン−3−オ
ン、2−オキソインダゾリニウム、3−オキソインダゾ
リニウム、5,7−ジオキソ−6,7−ジヒドロチアゾ
ロ〔3,2−a〕ピリミジン、シクロヘキサン−1,3
−ジオン、3,4−ジヒドロイソキノリン−4−オン、
1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、バルビツール
酸、2−チオバルビツール酸、クロマン−2,4−ジオ
ン、インダゾリン−2−オン、またはピリド〔1,2−
a〕ピリミジン−1,3−ジオンの核。更に好ましく
は、ローダニン、2−チオオキサゾリジン−2,4−ジ
オン、2−チオヒダントインである。
【0024】核に含まれる窒素原子に結合している置換
基は水素原子及びR2 の好ましい例として挙げたもので
ある。更に好ましくは、無置換のアルキル基(例えば、
メチル基、エチル基)、スルホアルキル基(例えば、4
−スルホブチル基、3−スルホプロピル基、3−スルホ
ブチル基、2−スルホエチル基)、カルボキシアルキル
基(例えばカルボキシメチル基)である。Qとして好ま
しくはDの詳細な説明で述べた環式酸性核から適切な位
置にあるオキソ基またはチオキソ基を除いたものであ
る。酸性核として、好ましくは、ローダニン、2−チオ
オキサゾリジン−2,4−ジオン、2−チオヒダントイ
ンである。R5 として好ましくはR2 の詳細で述べた置
換基であり、更に好ましくは、無置換アルキル基(例え
ば、メチル基、エチル基)、スルホアルキル基(例え
ば、4−スルホブチル基、3−スルホプロピル基、3−
スルホブチル基、2−スルホエチル基)、カルボキシア
ルキル基(例えばカルボキシメチル基)である。L3
13として好ましいものは、Lを形成するメチン基とし
て挙げたものである。L7 、L8 、L9 、L12およびL
13は色素のメチン鎖を形成するものであり、n5
6 、n10が2以上のとき同一である必要はない。次に
8 =0のときのL7 、L8 、L9 の好ましい例をあげ
る。
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】次にL12およびL13の好ましい例を挙げ
る。
【0028】
【化9】
【0029】以下に一般式(A)で表されるメチン化合
物の具体例を示すが、本発明の範囲はこれらのみに限定
されるものではない。
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】
【化15】
【0036】本発明の一般式(A)で表わされるメチン
化合物は、エフ・エム・ハーマー(F.M.Hamer)著「ヘテ
ロサイクリック・コンパウンズ−シアニン・ダイ・アン
ド・リレイテッド・コンパウンズ(Heterocyclic Compo
unds-Cyanine dyes and releted compounds)(ジョン・
ウィリー・アンド・サンズ John Wiley & Sons社−ニュ
ーヨーク、ロンドン、1964年刊)、ティー・アイ・
トルマチェフ(T.I.Tolmachev)ら Dokl.Akad.Nauk SSS
R, 第177号、第869〜872頁(1967年)、
(ウクラインスキー・ヒミチェスキー・ジュルナール
(Ukr.Khim.Zh.) 第40巻第6号第625〜629頁
(1974年)ジュルナール・オルガニチェスコイ・ヒ
ミー(Zh.Org.Khim,) 第15巻第2号第400〜407
頁(1979年)、米国特許第3,582,344号、
第2,734,900号、第4,975,362号に記
載の方法に基づいて合成することができる。
【0037】一般式〔Ia〕〔Ib〕〔Ic〕および
〔Id〕について以下に詳述する。式中、Z11は5員環
または6員環の含窒素複素環を完成するに必要な非金属
原子群を表す。Z12およびZ13は芳香族環を完成するに
必要な原子を表す。R11は水素原子、アルキル基、また
はアルケニル基を表す。R12は水素原子、または低級ア
ルキル基を表す。R13はアルキル基またはアルケニル基
を表す。R15は置換アルキル基、または置換アルケニル
基を表す。R14及びR16は水素原子、アルキル基、また
はアリール基を表す。R17及びR18は同一でも異なって
いてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アリール
基、シアノ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル
基、カルボキシ基、置換されていてもよいアミノカルボ
ニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アリール
カルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表わ
す。X11およびX12は酸アニオンを表す。Gは酸素原
子、硫黄原子、セレン原子またはテルル原子を表す。K
+nは、オニウムイオン、IA族またはIIA族元素のイオ
ンおよびIIB族、VII B族、IVA族またはVA族の金属
イオンから成る群から選択された原子価nの陽イオンを
表す。rは1または2を表し化合物が分子内塩を形成す
るときはrは1である。qは1または2を表し、M+2/q
は2/q価の陽イオンを表す。更に詳細に説明すると、
11は5員又は6員の含窒素複素環を完成するに必要な
非金属原子群を表わす。この環はベンゼン環もしくはナ
フタレン環と縮合してもよく、例えばチアゾリウム核、
オキサゾリウム核、イミダゾリウム核、セレナゾリウム
核、が挙げられる。これらの具体例は分光増感色素に関
して先に例示されたチアゾール核、オキサゾール核、イ
ミダゾール核、およびセレナゾール核をそれぞれ四級化
したものに相当する。
【0038】R11は水素原子、アルキル基(好ましくは
炭素原子数8以下、例えばメチル、エチル、プロピル、
ブチル、ペンチル)、アルケニル基(例えばアリル)を
表わす。R12は水素原子、低級アルキル基(例えばメチ
ル、エチル)を表わす。X11は酸アニオン(例えばCl
- 、Br- 、I- 、ClO4 -) 、Z11の中でチアゾリ
ウム類が好ましい。更に好ましくは置換又は無置換のベ
ンゾチアゾリウム又はナフトチアゾリウムである。R13
はアルキル基またはアルケニル基を表わす。R15は置換
アルキル基または置換アルケニル基を表わす。R14及び
16は水素原子、アルキル基、アリール基を表わす。G
は酸素原子、硫黄原子、セレン原子またはテルル原子を
表わす。Z12及びZ13は芳香族環を完成するに必要な原
子を表わす。K+nはオニウムイオン、IA族またはIIA
族元素のイオンおよびIIB族、VIIB族、IVA族または
VA族の金属イオンから成る群から選択された原子価n
の陽イオンを表す。X12は一般式(Ia)のX11と同意
義である。rは1又は2を表わし、化合物が分子内塩を
形成するときはrは1である。R13のアルキル基は置換
アルキル基も含む。無置換アルキル基としては、好まし
くは炭素原子数1〜8の例えばメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ペンチル、ヘプチルやオクチルが挙げられ
る。置換アルキル基の具体例としては、分光増感色素に
おいてR1 で表わされる置換アルキル基として例示した
ものと同様である。
【0039】R13のアルケニル基は置換アルケニル基も
含む。無置換アルケニル基としては好ましくは炭素原子
数3〜8で、例えば、アリル、3−ブテニル、2−ブテ
ニル、4−ペンテニル、3−ペンテニル、5−ヘキセニ
ルが挙げられる。置換アルケニル基の置換基としてはR
1 のアルキル基の置換基として記載したものが挙げられ
る。R15の置換アルキル基または置換アルケニル基の置
換基としてはR1 において説明した置換基を挙げること
ができ、これらの置換基により置換されたアルキル基部
の炭素原子数は好ましくは1〜8であり、アルケニル基
部の炭素原子数は好ましくは3〜8である。例えばメト
キシエチル、フェニルエチル、エトキシプロピル、カル
ボキシプロピル、クロロプロピル、ベンジルアリル、ク
ロロエチル、フェニルプロピル、フルオロエチル、メチ
ルスルホナミドエチルが挙げられる。R14およびR16
水素原子、アルキル基(置換アルキル基を含む。無置換
アルキル基としては好ましくは炭素原子数1〜8のも
の、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチ
ル、ヘプチル、オクチルであり、その置換基としてはR
1 において説明した置換基を挙げることができる。これ
らの置換基により置換されたアルキル基部の炭素原子数
は好ましくは1〜8である)、アリール基(置換アリー
ル基を含む。無置換アリール基としては好ましくは炭素
原子数6〜12のもの、例えばフェニルやナフチルであ
り、その置換基としてはR1 において説明した置換基を
挙げることができる。これらの置換基により置換された
アリール部の炭素原子数は好ましくは6〜12であ
る。)を表わす。
【0040】Z12およびZ13により完成された芳香族環
は6〜10個の環炭素原子を含むのが好ましい(例えば
フェニル、ナフチルである)。Z12およびZ13の有用な
置換基はR1 において述べた置換基が包含される。陽イ
オンKは無機および有機陽イオンを表わし、その具体例
としては分光増感色素のM1 に関して例示したものと同
様である。X11とX12の酸アニオンとしては、例えばC
- 、Br- 、I- 、ClO4 - である。R17及びR18
が表すアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルキル
カルボニル基のアルキル部分はそれぞれ炭素数10以下
がより好ましく(例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル
基、2−エチルヘキシル基、デシル基等)、無置換及び
置換された基を含む。有用な置換基としては、ハロゲン
原子、シアノ基、アリール基、カルボキシル基、アルキ
ルカルボニル基、アリールカルボニル基、炭素数6以下
のアルキルアミノ基等が挙げられる。
【0041】R17及びR18が表すアリール基、アリール
カルボニル基及びアリールオキシカルボニル基のアリー
ル部分はそれぞれ炭素数16以下がより好ましく、無置
換及び置換された基を含む。好ましい置換基としては、
ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、
それぞれ炭素数6以下のアルキル基、アルコキシ基、ア
ルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、パーフ
ルオロアルキル基、アルキルアミノカルボニル基、アル
キルカルボニルアミノ基、炭素数10以下のアリール
基、アリールカルボニル基、アリールオキシ基等が挙げ
られる。M+2/qが表す陽イオンには有機及び無機のイオ
ンが含まれ、より好ましい例としては、プロトン、アン
モニウム類(例えばアンモニウム、ベンジルアンモニウ
ム、トリエチルアンモニウム、ベンジルメチルアンモニ
ウム等)、ピリジニウム、アルカリ金属イオン(例えば
Na+ 、K+ ) 、アルカリ土類金属イオン(例えばCa
2+) 、Zn2+、Ag+ 等が挙げられる。次に一般式(I
a)、(Ib)、(Ic)および(Id)で示される化
合物の具体例を以下に示す。しかし本発明はこれらのみ
に限定されるものではない。
【0042】
【化16】
【0043】
【化17】
【0044】
【化18】
【0045】
【化19】
【0046】
【化20】
【0047】
【化21】
【0048】
【化22】
【0049】
【化23】
【0050】
【化24】
【0051】
【化25】
【0052】
【化26】
【0053】
【化27】
【0054】本発明に用いられる一般式(Ia)、(I
b)、(Ic)、または(Id)で表わされる化合物
は、乳剤中のハロゲン化銀1モル当り約0.01グラム
から5グラムの量で有利に用いられる。本発明の感光材
料は、イエローカプラー含有乳剤層、マゼンタカプラー
含有乳剤層およびシアンカプラー含有乳剤層から成る、
互いに分光増感波長域の異なる少なくとも三種のハロゲ
ン化銀写真感光層を支持体上に有し、そのうちの少なく
とも一種の層が730nm以上に分光感度極大を有する
が、より好ましくは少なくとも二種の感光層が670n
m以上に分光感度極大を有する。本発明で用いられる一
般式(Ia)、(Ib)、(Ic)、または(Id)で
表わされる化合物は、少なくとも1層の塩化銀含有率が
95モル%以上のハロゲン化銀乳剤層中に含有されるこ
とが必要である。本発明で使用される赤外増感色素と、
一般式(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)で
表わされる化合物との比率(モル比)は色素/一般式
(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)で表わさ
れる化合物=1/1〜1/10000の範囲で有利に用
いられ、とくに1/2〜1/5000の範囲が有利に用
いられる。
【0055】本発明で用いられる一般式(Ia)、(I
b)、(Ic)、または(Id)で表わされる化合物
は、直接乳剤中へ分散することができるし、また適当な
溶媒(例えば水、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロパノール、メチルセロソルブ、アセトンなど)
あるいはこれらの溶媒を複数用いた混合溶媒中に溶解
し、乳剤中へ添加することもできる。その他増感色素の
添加方法に準じて溶液あるいはコロイド中への分散物の
形で乳剤中へ添加することができる。一般式(Ia)、
(Ib)、(Ic)または(Id)で表わされる化合物
は、本発明で使用される増感色素の添加よりも先に乳剤
中へ添加されてもよいし、あとに添加されてもよい。ま
た一般式(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)
の化合物と増感色素と別々に溶解し、これらを別々に同
時に乳剤中へ添加してもよいし、混合したのちに乳剤中
へ添加してもよい。また他層に添加しておき塗布後の拡
散によって乳剤層へ移動させてもよい。
【0056】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤として
は、赤外分光感度を高めるためには特開平−84545
号5頁左上欄〜6頁右下欄に記載されるように0.01
〜3モル%の沃化銀を含有する高塩化銀を使用すること
も好ましく、更に迅速処理のためには実質的に沃化銀を
含まない塩臭化銀もしくは塩化銀よりなるものを好まし
く用いることができる。ここで実質的に沃化銀を含まな
いとは、沃化銀含有率が1モル%以下、好ましくは0.
2モル%以下のことを言う。乳剤のハロゲン組成は粒子
間で異なっていても等しくても良いが、粒子間で等しい
ハロゲン組成を有する乳剤を用いると、各粒子の性質を
均質にすることが容易である。また、ハロゲン化銀乳剤
粒子内部のハロゲン組成分布については、ハロゲン化銀
粒子のどの部分をとっても組成の等しい所謂均一型構造
の粒子や、ハロゲン化銀粒子内部のコア(芯)とそれを
取り囲むシェル(殻)〔一層または複数層〕とでハロゲ
ン組成の異なる所謂積層型構造の粒子あるいは、粒子内
部もしくは表面に非層状にハロゲン組成の異なる部分を
有する構造(粒子表面にある場合は粒子のエッジ、コー
ナーあるいは面上に異組成の部分が接合した構造)の粒
子などを適宜選択して用いることができる。高感度を得
るには、均一型構造の粒子よりも後二者のいずれかを用
いることが有利であり、耐圧力性の面からも好ましい。
ハロゲン化銀粒子が上記のような構造を有する場合に
は、ハロゲン組成において異なる部分の境界部は、明確
な境界であっても、組成差により混晶を形成して不明確
な境界であっても良く、また積極的に連続的な構造変化
を持たせたものであっても良い。
【0057】また、迅速処理に適した感光材料には塩化
銀含有率の高い所謂高塩化銀乳剤が好ましく用いられ
る。本発明においては高塩化銀乳剤の塩化銀含有率は9
5モル%以上が好ましく、97モル%以上が更に好まし
い。こうした高塩化銀乳剤においては臭化銀局在相を先
に述べたような層状もしくは非層状にハロゲン化銀粒子
内部および/または表面に有する構造のものが好まし
い。上記局在相のハロゲン組成は、臭化銀含有率におい
て少なくとも10モル%のものが好ましく、20モル%
を越えるものがより好ましい。そして、これらの局在相
は、粒子内部、粒子表面のエッジ、コーナーあるいは面
上にあることができるが、一つの好ましい例として、粒
子のコーナー部にエピタキシャル成長したものを挙げる
ことができる。また、現像処理液の補充量を低減する目
的でハロゲン化銀乳剤の塩化銀含有率を更に高めること
も有効である。この様な場合にはその塩化銀含有率が9
8モル%〜100モル%であるような、ほぼ純塩化銀の
乳剤も好ましく用いられる。本発明に用いるハロゲン化
銀乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ
(粒子の投影面積と等価な円の直径を以て粒子サイズと
し、その数平均をとったもの)は、0.1μ〜2μが好
ましい。
【0058】また、それらの粒子サイズ分布は変動係数
(粒子サイズ分布の標準偏差を平均粒子サイズで除した
もの)20%以下、望ましくは15%以下の所謂単分散
なものが好ましい。このとき、広いラチチュードを得る
目的で上記の単分散乳剤を同一層にブレンドして使用す
ることや、重層塗布することも好ましく行われる。写真
乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子の形状は、立方体、十
四面体あるいは八面体のような規則的な(regular)結晶
形を有するもの、球状、板状などのような変則的な(ir
regular)結晶形を有するもの、あるいはこれらの複合形
を有するものを用いることができる。また、種々の結晶
形を有するものの混合したものからなっていても良い。
本発明においてはこれらの中でも上記規則的な結晶形を
有する粒子を50%以上、好ましくは70%以上、より
好ましくは90%以上含有するのが良い。また、これら
以外にも平均アスペクト比(円換算直径/厚み)が5以
上、好ましくは8以上の平板状粒子が投影面積として全
粒子の50%を越えるような乳剤も好ましく用いるこが
できる。
【0059】本発明に用いる塩臭化銀乳剤は、P.Glafki
des 著 Chimie et Phisique Photographique(Paul Mont
el社刊、1967年)、G.F.Duffin著Photographic Emu
lsion Chemistry(Focal Press社刊、1966年)、V.
L.Zelikman et al著 Makingand Coating Photographic
Emulsion(Focal Press 社刊、1964年)などに記載
された方法を用いて調整することができる。すなわち、
酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれでもよく、ま
た可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形式とし
ては、片側混合法、同時混合法、及びそれらの組合せな
どのいずれの方法を用いても良い。粒子を銀イオン過剰
の雰囲気の下において形成させる方法(いわゆる逆混合
法)を用いることもできる。同時混合法の一つの形式と
してハロゲン化銀の生成する液相中のpAgを一定に保
つ方法、すなわちいわゆるコントロールド・ダブルジェ
ット法を用いることもできる。この方法によると、結晶
形が規則的で粒子サイズが均一に近いハロゲン化銀乳剤
を得ることができる。
【0060】本発明のハロゲン化銀粒子の局在相または
その基質には、先に述べたように異種金属イオンまたは
その錯イオンを含有させることが本発明の目的を達成す
る上でより好ましい。主として局在相にはイリジウム、
ロジウム、鉄などから選ばれる第VIII族金属イオンまた
はその錯イオン、また主として基質にはオスミウム、イ
リジウム、ロジウム、白金、ルテニウム、パラジウム、
コバルト、ニッケル、鉄などから選ばれた第VIII族金属
イオンまたはその錯イオンを組合せて用いることができ
る。また局在相と基質とで金属イオンの種類と濃度をか
えて用いることができる。これらの金属は複数種用いて
も良い。また、カドミウム、亜鉛、鉛、水銀、タリウム
等の金属イオンを用いることもできる。これらの金属イ
オンについて更に詳細に説明する。イリジウムイオン含
有化合物は、3価または4価の塩または錯塩で特に錯塩
が好ましい。例えば、塩化第1イリジウム(III)、臭化
第1イリジウム(III)、塩化第2イリジウム(IV) 、ヘ
キサクロロイリジウム(III)酸ナトリウム、ヘキサクロ
ロイリジウム(IV) 酸カリウム、ヘキサアンミンイリジ
ウム(IV)塩、トリオキザラトイリジウム(III)塩、ト
リオキザラトイリジウム(IV)塩、などのハロゲン、ア
ミン類、オキザラト錯塩類が好ましい。その使用量は、
銀1モル当たり5×10-9モル〜1×10-4モル、好ま
しくは5×10-8〜5×10-5モルである。白金イオン
含有化合物は、2価または4価の塩または錯塩で、錯塩
が好ましい。例えば、塩化白金(IV)、ヘキサクロロプ
ラチナム(IV)酸カリウム、テトラクロロプラチナム
(II)酸、テトラブロモプラチナム(II)酸、テトラキ
ス(チオシアナト)プラチナム(IV)酸ナトリウム、ヘ
キサアンミンプラチナム(IV)クロライド等が用いられ
る。その使用量は、銀1モル当たり1×10-8モル〜1
×10-5モル程度である。パラジウムイオン含有化合物
は、通常2価または4価の塩または錯塩で、特に錯塩が
好ましい。例えばテトラクロロパラジウム(II)酸ナト
リウム、テトラクロロパラジウム(IV)酸ナトリウム、
ヘキサクロロパラジウム(IV)酸カリウム、テトラアン
ミンパラジウム(II)クロライド、テトラシアノパラジ
ウム(II)酸カリウム等が用いられる。
【0061】ニッケルイオン含有化合物は、例えば塩化
ニッケル、臭化ニッケル、テトラクロロニッケル(II)
酸カリウム、ヘキサアンアミニッケル(II)クロライ
ド、テトラシアノニッケル(II)酸ナトリウム等が用い
られる。ロジウムイオン含有化合物は通常3価の塩また
は錯塩が好ましい。例えばヘキサクロロロジウム酸カリ
ウム、ヘキサブロモロジウム酸ナトリウム、ヘキサクロ
ロロジウム酸アンモニウムなどが用いられる。その使用
量は、銀1モル当たり10-9〜10-6モル程度である。
鉄イオン含有化合物は、2価または3価の鉄イオン含有
化合物で、好ましくは用いられる濃度範囲で水溶性をも
つ鉄塩や鉄錯塩である。特に好ましくは、ハロゲン化銀
粒子に含有させやすい鉄錯塩である。具体的には、ヘキ
サシアノ鉄(II)酸塩、ヘキサシアノ鉄(III)錯塩、チ
オシアン酸第1鉄塩やチオシアン酸第2鉄塩などがあ
る。その使用量は、ハロゲン化銀の銀1モルに対し5×
10-8モル〜1×10-2モルであり、好ましくは1×1
-7モル〜5×10-3モルである。上記の金属イオン提
供化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時に、分散媒になる
ゼラチン水溶液中、ハロゲン化物水溶液中、銀塩水溶液
中またはその他の水溶液中、あるいはあらかじめ金属イ
オンを含有せしめたハロゲン化銀微粒子の形で添加しこ
の微粒子を溶解させる、等の手段によって本発明のハロ
ゲン化銀粒子の局在相および/またはその他の粒子部分
(基質)に含有せしめる。本発明で用いられる金属イオ
ンをハロゲン化銀乳剤粒子中に含有させるには、粒子形
成前、粒子形成中、粒子形成直後のいずれかでおこなう
ことができる。これは金属イオンを粒子のどの位置に含
有させるかによって変えることができる。
【0062】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
通常化学増感及び分光増感を施される。化学増感法につ
いては、カルコゲン増感剤を使用した化学増感(具体的
には不安定硫黄化合物の添加に代表される硫黄増感ある
いはセレン化合物によるセレン増感、テルル化合物によ
るテルル増感があげられる。)、金増感に代表される貴
金属増感、あるいは還元増感などを単独もしくは併用し
て用いることができる。化学増感に用いられる化合物に
ついては、特開昭62−215272号公報の第18頁
右下欄〜第22頁右上欄に記載のものが好ましく用いら
れる。本発明に用いる乳剤は、潜像が主として粒子表面
に形成される所謂表面潜像型乳剤である。本発明に用い
るハロゲン化銀乳剤には、感光材料の製造工程、保存中
あるいは写真処理中のかぶりを防止する、あるいは写真
性能を安定化させる目的で種々の化合物あるいはそれ等
の前駆体を添加することができる。これらの化合物の具
体例は前出の特開昭62−215272号公報明細書の
第39頁〜第72頁に記載のものが好ましく用いられ
る。
【0063】分光増感は、本発明の感光材料における各
層の乳剤に対して所望の光波長域に分光感度を付与する
目的で行われる。本発明においては、本発明の増感色素
を使用する感光層以外の感光層においても、目的とする
分光感度に対応する波長域の光を吸収する色素(分光増
感色素)を添加することで行うことが好ましい。このと
き用いられる分光増感色素としては例えば、F.M.Harmer
著 Heterocyclic compounds-Cyanine dyes and relared
compounds (John wiley & Sons 〔New York,London 〕
社刊1964年)に記載されているものを挙げることが
できる。具体的な化合物の例ならびに分光増感法は、前
出の特開昭62−215272号公報の第22頁右上欄
〜第38頁に記載のものが好ましく用いられる。本発明
においてディジタル露光用光源として半導体レーザーを
使用する場合、赤外増感は、増感色素のMバンドによる
増感を用いるので一般的には分光感度分布が、Jバンド
による増感に比してブロードである。このため、所定の
感光層より感光面側のコロイド層に、染料を含有させた
着色層を設けて、分光感度分布を修正することが好まし
い。この着色層はフィルター効果により混色を防止する
のに有効である。本発明に用いる赤外増感用増感色素と
しては、とくに還元電位が−1.05(VvsSCE)
またはそれより卑の値を有する化合物が好ましく、なか
でも還元電位が−1.10またはそれより卑の値の化合
物が好ましい。この特性をもつ増感色素は、高感化、と
くに感度の安定化や潜像の安定化に有利である。還元電
位の測定は位相弁別式第二高調波交流ポーラログラフィ
ーで行える。作用電極に水銀滴下極を、参照極には飽和
カロメル電極を、更に対極に白金を用いて行なう。また
作用電極に白金を用いた位相弁別第二高調波交流ボルタ
ンメトリーによる還元電位の測定は「ジャーナル・オブ
・イメージング・サンエンス」(Journalof Imaging Sc
ience)、第30巻、27〜35頁(1986年)に記
載されている。
【0064】これら分光増感色素をハロゲン化銀乳剤中
に含有せしめるには、それらを直接乳剤中に分散しても
よいし、あるいは水、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、メチルセルソルブ、2,2,3,3−テトラフ
ルオロプロパノール等の溶媒の単独もしくは混合溶媒に
溶解して乳剤へ添加してもよい。また、特公昭44−2
3389号、特公昭44−27555号、特公昭57−
22089号等に記載のように酸または塩基を共存させ
て水溶液としたり、米国特許3822135号、米国特
許4006025号等に記載のように界面活性剤を共存
させて水溶液あるいはコロイド分散物としたものを乳剤
へ添加してもよい。また、フェノキシエタノール等の実
質上水と非混和性の溶媒に溶解したのち、水または親水
性コロイドに分散したものを乳剤に添加してもよい。特
開昭53−102733号、特開昭58−105141
号に記載のように親水性コロイド中に直接分散させ、そ
の分散物を乳剤に添加してもよい。乳剤中に添加する時
期としては、これまで有用であると知られている乳剤調
製のいかなる段階であってもよい。つまりハロゲン化銀
乳剤の粒子形成前、粒子形成中、粒子形成直後から水洗
工程に入る前、化学増感前、化学増感中、化学増感直後
から乳剤を冷却固化するまで、塗布液調製時、のいずれ
から選ぶことができる。もっとも普通には化学増感の完
了後、塗布前までの時期に行なわれるが、米国特許第3
628969号、および同第4225666号に記載さ
れているように化学増感剤と同時期に添加し分光増感を
化学増感と同時に行なうことも、特開昭58−1139
28号に記載されているように化学増感に先立って行な
うこともでき、またハロゲン化銀粒子沈殿生成の完了前
に添加し分光増感を開始することもできる。更にまた米
国特許第4225666号に教示されているように分光
増感色素を分けて添加すること、すなわち一部を化学増
感に先立って添加し、残部を化学増感の後で添加するこ
とも可能であり、米国特許第4183756号に教示さ
れている方法を始めとしてハロゲン化銀粒子形成中のど
の時期であってもよい。この中で特に乳剤の水洗工程
前、或いは化学増前に増感色素を添加することが好まし
い。前記の式(A)の分光増感色素を含めてこれらの分
光増感色素の添加量は場合に応じて広範囲にわたり、ハ
ロゲン化銀1モルあたり0.5×10-6モル〜1.0×
10-2モルの範囲が好ましい。更に好ましくは、1.0
×10-6モル〜5.0×10-3モルの範囲である。本発
明においては特開平3−15049号22頁第2項〜2
4頁第1項記載のスチルベン系化合物、ビフェニル系化
合物やビベンジル系化合物等の有機化合物を併用するこ
とで、特異的に感材の保存性及び強色増感効果を増大さ
せることができる。
【0065】この好ましい例としては以下の化合物があ
げられる。但し本発明はこれらの化合物にのみ限定され
るものではない。 (XI−1) 4,4’−ビス〔2,6−ジ(2−ナフ
トキシ)ピリミジン−4−イルアミノ〕スチルベン−
2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (XI−2) 4,4’−ビス〔2,6−ジ(2−ナフ
トチルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ〕スチルベ
ン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (XI−3) 4,4’−ビス(2,6−ジアニリノピ
リミジン−4−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジ
スルホン酸ジナトリウム塩 (XI−4) 4,4’−ビス〔2−(2−ナフチルア
ミノ)−6−アニリノピリミジン−4−イルアミノ〕ス
チルベン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (XI−5) 4,4’−ビス(2,6−ジフェノキシ
ピリミジン−4−イルアミノ)スチルベン−2,2’−
ジスルホン酸トリエチルアンモニウム塩 (XI−6) 4,4’−ビス〔2,6−ジ(ベンゾイ
ミダゾリル−2−チオ)ピリミジン−4−イルアミノ〕
スチルベン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (XI−7) 4,4’−ビス〔4,6−ジ(ベンゾチ
アゾリル−2−チオ)ピリミジン−2−イルアミノ〕ス
チルベン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (XI−8) 4,4’−ビス〔4,6−ジ(ベンゾチ
アゾリル−2−アミノ)ピリミジン−2−イルアミノ〕
スチルベン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (XI−9) 4,4’−ビス〔4,6−ジ(ナフチル
−2−オキシ)ピリミジン−2−イルアミノ〕スチルベ
ン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩
【0066】(XI−10) 4,4’−ビス(4,6−
ジフェノキシピリミジン−4−イルアミノ)スチルベン
−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (XI−11) 4,4’−ビス(4,6−ジフェニルチ
オピリミジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’
−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (XI−12) 4,4’−ビス(4,6−ジメチルカプ
トピリミジン−2−イルアミノ)ビフェニル−2,2’
−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (XI−13) 4,4’−ビス(4,6−ジアニリノ−
トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’−
ジスルホン酸ジナトリウム塩 (XI−14) 4,4’−ビス(4−アニリノ−6−ヒ
ドロキシ−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−
2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (XI−15) 4,4’−ビス〔4,6−ジ(ナフチル
−2−オキシ)ピリミジン−2−イルアミノ〕ビベンジ
ル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (XI−16) 4,4’−ビス(4,6−ジアニリノピ
リミジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジ
スルホン酸ジナトリウム塩 (XI−17) 4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(2
−ナフチルオキシ)ピリミジン−2−イルアミノ〕ビフ
ェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (XI−18) 4,4’−ビス〔4,6−ジ(1−フェ
ニルテトラゾリル−5チオ)ピリミジン−2−イルアミ
ノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸ジナトリウム
塩 (XI−19) 4,4’−ビス〔4,6−ジ(ベンゾイ
ミダゾリル−2−チオ)ピリミジン−2−イルアミノ〕
スチルベン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (XI−20) 4,4’−ビス(4−ナフチルアミノ−
6−アニリノ−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベ
ン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩 これらの具体例の中では(XI−1)〜(XI−6)、(XI
−9)、(XI−15)〜(XI−20)が好ましく、特に
(XI−1)、(XI−2)、(XI−4)、(XI−5)、
(XI−9)、(XI−15)、(XI−20)が好ましい。
【0067】上記のスチルベン系化合物等の有機化合物
はハロゲン化銀1モル当り0.01ないし10gの量が
用いられ、増感色素1モルあたり1倍〜10,000
倍、好ましくは2倍〜5,000倍の範囲に有利な使用
量がある。本発明の感光材料の構成について説明する。
本発明の感光材料は支持体上に感色性の異なる少なくと
も3層のハロゲン化銀乳剤層を有し、この3種の異なる
分光感度は、ディジタル露光に用いる光源の波長によっ
て任意に選択することが可能であるが、色分離の観点か
ら最近接の分光感度極大が少なくとも30nm以上離れ
ていることが好ましい。この少なくとも3種の異なる分
光感度極大をもつ感光層(λ1、λ2、λ3)に含有さ
れる発色カプラー(イエロー、マゼンタ、シアン)との
対応関係は特に制約はない。つまり3×2=6通りの組
合せが可能である。またこの少なくとも3種の異なる分
光感度極大を持つ感光層の支持体側からの塗布順番につ
いても特に制約はないが、迅速処理の観点から平均サイ
ズが最も大きいハロゲン化銀粒子を含み最長波分光感度
を有する感光層が、最上層にくることが好ましい場合も
ある。従って、この3種の異なる分光感度と、3種の発
色カプラー、層順との可能な組合せは、36通りある。
本発明はこの36通りの感光材料すべてに有効に用いる
ことができる。本発明では、ディジタル露光用光源とし
て半導体レーザーを用いることが特に好ましく、この場
合少なくとも3種の感色性の異なるハロゲン化銀感光層
のうち、少なくとも1種の感光層は730nm以上に分
光感度極大を有し、更に少なくとも2種の層が670n
m以上の長波長域に分光感度極大を有することが好まし
い。この場合も、分光感度極大、発色カプラー、層順に
は制約はない。表1にディジタル露光光源と、分光感度
極大、発色カプラーの具体的な例を示すがこれに限定さ
れるものではない。
【0068】
【表1】
【0069】本発明における露光について説明する。本
発明における感光材料はレーザーやLEDのような高密
度ビーム光を感光材料に対して相対的に移動させること
で画像を露光する走査式のディジタル露光に用いられる
ことを目的としている。したがって、感光材料中のハロ
ゲン化銀が露光される時間とは、ある微小面積を露光す
るのに要する時間となる。この微小面積としてはそれぞ
れのディジタルデータから光量を制御する最小単位を一
般的に使用し、画素と称している。したがって、この画
素の大きさで画素当たりの露光時間は変わってくる。こ
の画素の大きさは、画素密度に依存し現実的な範囲とし
ては、50〜2000dpiである。露光時間はこの画
素密度を400dpiとした場合の画素サイズを露光す
る時間として定義すると好ましい露光時間としては10
-4秒以下、更に好ましくは10-6秒以下の場合である。
本発明に係わる感光材料には、画像のシャープネス等を
向上させる目的で親水性コロイド層に、欧州特許EP0
337490A2号明細書の第27〜76頁に記載の、
処理により脱色可能な染料(なかでもオキソノール系染
料)を該感材のレーザー波長に於ける光学反射濃度が
0.70以上になるように添加したり、支持体の耐水性
樹脂層中に2〜4価のアルコール類(例えばトリメチロ
ールエタン)等で表面処理された酸化チタンを12重量
%以上(より好ましくは14重量%以上)含有させるこ
とが好ましい。更に、特開平1−239544号に記載
されているようにアンチハレーション層にコロイド銀を
使用することも好ましい。また、本発明に係わる感光材
料には、カプラーと共に欧州特許EP0277589A
2号明細書に記載のような色像保存性改良化合物を使用
することが好ましい。特にピラゾロアゾールカプラーと
の併用が好ましい。
【0070】即ち、発色現像処理後に残存する芳香族ア
ミン系現像主薬と化学結合して、化学的に不活性でかつ
実質的に無色の化合物を生成する化合物(F)および/
または発色現像処理後に残存する芳香族アミン系発色現
像主薬の酸化体と化学結合して、化学的に不活性でかつ
実質的に無色の化合物を生成する化合物(G)を同時ま
たは単独に用いることが、例えば処理後の保存における
膜中残存発色現像主薬ないしその酸化体とカプラーの反
応による発色色素生成によるステイン発生その他の副作
用を防止する上で好ましい。また、本発明に係わる感光
材料には、親水性コロイド層中に繁殖して画像を劣化さ
せる各種の黴や細菌を防ぐために、特開昭63−271
247号公報に記載のような防黴剤を添加するのが好ま
しい。また、本発明に係わる感光材料に用いられる支持
体としては、ディスプレイ用に白色ポリエステル系支持
体または白色顔料を含む層がハロゲン化銀乳剤層を有す
る側の支持体上に設けられた支持体を用いてもよい。更
に鮮鋭性を改良するために、アンチハレーション層を支
持体のハロゲン化銀乳剤層塗布側または裏面に塗設する
のが好ましい。特に反射光でも透過光でもディスプレイ
が観賞できるように、支持体の透過濃度を0.35〜
0.8の範囲に設定するのが好ましい。更に本発明に係
わる感光材料に用いられる支持体としては、透明支持体
も好ましく用いられる。この際アンチハレーション層を
支持体のハロゲン化銀乳剤層塗布側または表面に塗設す
ることが好ましい。露光済みの感光材料は慣用の白黒ま
たはカラー現像処理が施されうるが、カラー感光材料の
場合には迅速処理の目的からカラー現像の後、漂白定着
処理するのが好ましい。特に前記高塩化銀乳剤が用いら
れる場合には、漂白定着液のpHは脱銀促進等の目的か
ら約6.5以下が好ましく、更に約6以下が好ましい。
本発明に係わる感光材料に適用されるハロゲン化銀乳剤
やその他の素材(添加剤など)および写真構成層(層配
置など)、並びにこの感材を処理するために適用される
処理法や処理用添加剤としては、下記の特許公報、特に
欧州特許EP0,355,660A2号(特開平2−1
39544号)明細書に記載されているものが好ましく
用いられる。
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【0075】
【表6】
【0076】また、シアンカプラーとしては、特開平2
−33144号公報に記載のジフェニルイミダゾール系
シアンカプラーの他に、欧州特許EP0333185A
2号明細書に記載の3−ヒドロキシピリジン系シアンカ
プラー(なかでも具体例として列挙されたカプラー(4
2)の4当量カプラーに塩素離脱基をもたせて2当量化
したものや、カプラー(6)や(9)が特に好ましい)
や特開昭64−32260号公報に記載された環状活性
メチレン系シアンカプラー(なかでも具体例として列挙
されたカプラー例3、8、34が特に好ましい)の使用
も好ましい。本発明のカラー感材の処理方法としては、
特開平2−207250号に記載の方法が好ましい。本
発明に適用されうるカラー現像液の処理温度は20〜5
0℃、好ましくは30〜45℃である。処理時間は実質
的に20秒以内であるのが好ましい。補充量は少ない方
が好ましいが、感光材料1m2当たり20〜600mlが適
当であり、好ましくは50〜300mlである。更に好ま
しくは60〜200ml、最も好ましくは60〜150ml
である。本発明では現像時間は実質的に20秒以内であ
ることが好ましいが、ここでいう「実質的に20秒」と
は、現像液槽に感光材料が入った時から、次の槽に感光
材料が入るまでの時間を指し、現像液槽から次槽への空
中の渡り時間も含んでいるものとする。
【0077】水洗工程又は安定化工程の好ましいpHは
4〜10であり、更に好ましくは5〜8である。温度は
感光材料の用途・特性等で種々設定し得るが、一般には
30〜45℃、好ましくは35〜42℃である。時間は
任意に設定できるが、短い方が処理時間の低減の見地か
ら望ましい。好ましくは10〜45秒、更に好ましくは
10〜40秒である。補充量は、少ない方がランニング
コスト、排出量低減、取扱い性等の観点で好ましい。具
体的な好ましい補充量は、感光材料の単位面積当たり前
浴からの持込み量の0.5〜50倍、好ましくは2〜1
5倍である。又は感光材料1m2当たり300ml以下、好
ましくは150ml以下である。また補充は連続的に行っ
ても、間欠的に行ってもよい。水洗及び/又は安定化工
程に用いた液は、更に前工程に用いることもできる。こ
の例として多段向流方式によって削減した水洗水のオー
バーフローを、その前浴の漂白定着浴に流入させ、漂白
定着浴には濃縮液を補充して、廃液量を減らすことが挙
げられる。次に、本発明に使用可能な乾燥工程について
説明する。本発明の超迅速処理で画像を完成させるため
に乾燥時間も20秒から40秒が望まれる。この乾燥時
間を短くする手段として、感光材料側の手段としては、
ゼラチンなどの親水性バインダーを減量することで膜へ
の水分の持込み量を減じることでの改善が可能である。
また持込み量を減量する観点から水洗浴から出た後すぐ
にスクイズローラや布などで水を吸収することで乾燥を
早めることも可能である。乾燥機からの改善手段として
は、当然のことではあるが、温度を高くすることや乾燥
風を強くすることなどで乾燥を早めることが可能であ
る。更に、乾燥風の感光材料への送風角度の調整や、排
出風の除去方法によっても乾燥を早めることができる。
【0078】以下、添付図面を参照して本発明の一実施
態様を説明する。ただし本発明は本実施態様のみに限定
されない。図1は本発明の実施態様である銀塩写真式カ
ラーぺーパーを用いた画像形成装置の概略構成図であ
る。本画像形成装置はカラーぺーパーを露光した後、現
像、漂白定着、水洗した後に乾燥して、カラーぺーパー
上に画像を形成するものである。本画像形成装置に用い
るカラーぺーパー(以下、感光材料という)は、95モ
ル%以上の塩化銀を含有するハロゲン化銀乳剤を支持体
上に少なくとも1層有するカラー写真感光材料であり、
芳香族第1級アミン発色現像主薬を含有する発色現像液
により発色現像される。画像形成装置本体10には露光
装置300、現像槽12、漂白定着槽14、水洗槽1
6、水切り部17、乾燥部18が連続して設けられ、露
光後の感光材料20は現像、漂白定着、水洗後に乾燥さ
れて本体10から搬出される。現像槽12、漂白定着槽
14、水洗槽16、水切り部17、乾燥部18には、感
光材料20を挟持して各処理部を搬送する搬送ローラ対
24が設けられている。また、水切り部17における搬
送ローラ対24は、感光材料20上の水滴をスクイズ、
吸収等により除去する機能を有する除水ローラを兼ねて
いる。感光材料20は搬送ローラ対24により乳剤面を
下にして挟持搬送されながら処理液に所定時間浸漬され
ることにより発色現像処理される。現像槽12、漂白定
着槽14及び水洗槽16には、処理液を強い勢いで噴出
して処理槽内に高速噴流を生じさせる処理液噴出部材3
0が、所定箇所に設けられている。現像槽12、漂白定
着槽14及び水洗槽16に対応してそれぞれポンプ32
が設けられ、各処理液は、ポンプ32により循環されな
がら処理液噴出部材30により感光材料20に向けて噴
出される。
【0079】図2は露光装置300の構成図である。露
光装置300は3色の光を一組として発色し、感光材料
20を露光する。露光装置300は、コンピュータ等に
接続される画像処理装置240により処理される画像デ
ータに基づいて、駆動回路242,244,246が各
半導体レーザ251,252,253を駆動することに
より感光材料20を露光する。露光装置300におい
て、マゼンタを発色させるための光は、波長750nm
のレーザ光を射出する半導体レーザ251によって形成
される。半導体レーザ251は、例えばシャープ(株)
LTO30MFである。半導体レーザー251から射出
された波長750nmのレーザ光はコリメータレンズ2
58を通って整形され、全反射ミラー261によってポ
リゴンミラー270に向けて反射される。シアンを発色
させるための光は、波長830nmのレーザ光を射出す
る半導体レーザ252によって形成される。半導体レー
ザ252から射出された波長830nmのレーザ光は、
コリメータレンズ259を通って整形され、マゼンタを
発色させるための光を通過させシアンを発色させるため
の光を反射するダイクロイックミラー262によってポ
リゴンミラー270に向けて反射される。半導体レーザ
252は、例えば(株)東芝製TOLD152R、シャ
ープ(株)製LTO10MFである。イエローを発色さ
せるための光は、波長670nmのレーザ光を射出する
半導体レーザ253によって形成される。半導体レーザ
253は、例えば(株)東芝製TOLD9200、日本
電気(株)製NDL3200、ソニー(株)製SLD1
51Uである。半導体レーザ253が射出した波長67
0nmのレーザ光は、コリメータレンズ260を通って
整形され、マゼンタを発色させるための光及びシアンを
発色させるための光を通過させイエローを発色させるた
めの光を反射するダイクロイックミラー263によって
ポリゴンミラー270に向けて反射される。上述のシア
ン、マゼンタ、イエローを発色させるための光は同一の
光路264を経てポリゴンミラー270によって反射さ
れ、fθレンズ280を通ってさらにミラー290に反
射されて感光材料20に達する。そしてポリゴンミラー
270が軸271を中心に回転することにより、画像光
は感光材料20を走査露光する。そして、感光材料20
がレーザ光の走査方向と直交する方向(矢印Aで示す)
に移動することにより副走査されて画像が形成される。
ここで、露光中の感光材料20の移動速度は現像工程中
の移動速度と等しく、感光材料20の露光部分は等しい
時間経過後に現像処理が開始される。また、上記露光装
置300はコンピュータ等により処理された画像情報に
基づいて感光材料20を露光する構成であるが、原稿を
読み取って得た画像情報に基づいて感光材料20を露光
することもできる。
【0080】
【実施例】
実施例1 (乳剤aの調製)石灰処理ゼラチンの3%水溶液に塩化
ナトリウム3.3gを加え、N,N′−ジメチルイミダ
ゾリジン−2−チオン(2%水溶液)を3.2ml添加し
た。この水溶液に硝酸銀を0.2モル含む水溶液と、塩
化ナトリウム0.2モルおよび三塩化ロジウム15μg
を含む水溶液とを激しく拌しながら56℃で添加混合し
た。続いて、硝酸銀を0.78モル含む水溶液と、塩化
ナトリウム0.78モル及びフェロシアン化カリウム
4.2mgを含む水溶液とを激しく攪拌しながら56℃で
添加、混合した。硝酸銀水溶液とハロゲン化アルカリ水
溶液の添加が終了した5分後にさらに硝酸銀を0.02
モル含む水溶液と、臭化カリウム0.015モル、塩化
ナトリウム0.005モルおよびヘキサクロロイリジウ
ム(IV)酸カリウム0.8mgを含む水溶液とを激しく攪
拌しながら40℃で添加、混合した。その後、イソブテ
ンマレイン酸1−ナトリウム塩の共重合体を添加して沈
降水洗を行ない脱塩を施した。さらに、石灰処理ゼラチ
ン90.0gを加え、乳剤のpH、pAg をそれぞれ6.
2、6.5に調製した。更に硫黄増感剤(トリエチルチ
オ尿素)1×10-5 mol/molAg と塩化金酸1×10-5
mol/molAg と核酸0.2g/molAg を加え、50℃に
て最適に化学増感を行なった。 (乳剤bの調製)乳剤aの2回目に添加するハロゲン溶
液を塩化ナトリウム0.78モルのみを含む水溶液に変
更する(フェロシアン化カリウム4.2mgを含まない)
以外は乳剤aと同様にして乳剤bを調製した。
【0081】得られた塩臭化銀a、bについて、電子顕
微鏡写真から粒子の形状、粒子サイズおよび粒子サイズ
分布を求めた。これらのハロゲン化銀粒子はいずれも立
方体であり、粒子サイズは0.52μm変動係数は0.
08であった。粒子サイズは粒子の投影面積と等価な円
の直径の平均値を以て表し、粒子サイズ分布は粒子サイ
ズの標準偏差を平均粒子サイズで割った値を用いた。次
いで、ハロゲン化銀結晶からのX線回折を測定すること
により、乳剤粒子のハロゲン組成を決定した。単色化さ
れたCukα線を線源とし(200)面からの回折角度
を詳細に測定した。ハロゲン組成が均一な結晶からの回
折線は単一なピークを与えるのに対し、組成の異なる局
在相を有する結晶からの回折線はそれらの組成に対応し
た複数のピークを与える。測定されたピークの回折角度
から格子定数を算出することで、結晶を構成するハロゲ
ン化銀のハロゲン組成を決定することができる。この塩
臭化銀乳剤a、bの測定結果は、塩化銀100%の主ピ
ークの他に塩化銀70%(臭化銀30%)に中心を持ち
塩化銀60%(臭化銀40%)の辺りまで裾をひいたブ
ロードな回折パターンを観察することができた。 (感材アの作成)ポリエチレンで両面ラミネートした紙
支持体表面にコロナ放電処理を施したのち、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗り層を
設け、さらに種々の写真構成層を塗布して以下に示す層
構成の多層カラー印画紙を作製した。塗布液は下記のよ
うにして調製した。
【0082】第一層塗布液調製 イエローカプラー(ExY)19.1gおよび色像安定
剤(Cpd−1)4.4g及び色像安定剤(Cpd−
7)0.7gに酢酸エチル27.2ccおよび溶媒(So
lv−3)および(Solv−7)をそれぞれ4.1g
加え溶解し、この溶液を10%ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム8ccを含む10%ゼラチン水溶液185
ccに乳化分散させて乳化分散物を調製した。一方、塩臭
化銀乳剤(a)に下記に示す赤感性増感色素(Dye−
1)を添加した乳剤を調製した。前記の乳化分散物とこ
の乳剤とを混合溶解し、以下に示す組成となるように第
一塗布液を調製した。第二層から第七層用の塗布液も第
一層塗布液と同様の方法で調製した。各層のゼラチン硬
化剤としては、1−オキシ−3,5−ジクロロ−s−ト
リアジンナトリウム塩を用いた。また、各層にCpd−
10とCpd−11をそれぞれ全量が25.0mg/m2
50.0mg/m2となるように添加した。各層の分光増感
色素として下記の(Dye−1)(Dye−2)(Dy
e−3)を用いた。
【0083】
【化28】
【0084】
【化29】
【0085】またイエロー発色乳剤層、マゼンタ発色乳
剤層、シアン発色乳剤層に対し、1−(5−メチルウレ
イドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールをそれぞ
れハロゲン化銀1モル当たり8.0×10-4モル添加し
た。イラジエーション防止の為に乳剤層に下記の染料を
添加した。
【0086】
【化30】
【0087】
【化31】
【0088】(層構成)以下に各層の組成を示す。数字
は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤は銀換算
塗布量を表す。 支持体 ポリエチレンラミネート紙 〔第一層側のポリエチレンに白色顔料(TiO2)と青
味染料(群青)を含む〕 第一層(赤感性イエロー発色層) 前記塩臭化銀乳剤(a) 0.30 ゼラチン 1.22 イエローカプラー(ExY) 0.82 色像安定剤(Cpd−1) 0.19 溶媒(Solv−3) 0.18 溶媒(Solv−7) 0.18 色像安定剤(Cpd−7) 0.06 第二層(混色防止層) ゼラチン 0.64 混色防止剤(Cpd−5) 0.10 溶媒(Solv−1) 0.16 溶媒(Solv−4) 0.08 第三層(赤外感光性マゼンタ発色層) 塩臭化銀乳剤(a) 0.12 ゼラチン 1.28 マゼンタカプラー(ExM) 0.23 色像安定剤(Cpd−2) 0.03 色像安定剤(Cpd−3) 0.16 色像安定剤(Cpd−4) 0.02 色像安定剤(Cpd−9) 0.02 溶媒(Solv−2) 0.40
【0089】 第四層(紫外線吸収層) ゼラチン 1.41 紫外線吸収剤(UV−1) 0.47 混色防止剤(Cpd−5) 0.05 溶媒(Solv−5) 0.24 第五層(赤外感光性シアン発色層) 塩臭化銀乳剤(a) 0.23 ゼラチン 1.04 シアンカプラー(ExC) 0.32 色像安定剤(Cpd−2) 0.03 色像安定剤(Cpd−4) 0.02 色像安定剤(Cpd−6) 0.18 色像安定剤(Cpd−7) 0.40 色像安定剤(Cpd−8) 0.05 溶媒(Solv−6) 0.14 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.48 紫外線吸収剤(UV−1) 0.16 混色防止剤(Cpd−5) 0.02 溶媒(Solv−5) 0.08 第七層(保護層) ゼラチン 1.10 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度17%) 0.17 流動パラフィン 0.03
【0090】
【化32】
【0091】
【化33】
【0092】
【化34】
【0093】
【化35】
【0094】
【化36】
【0095】
【化37】
【0096】
【化38】
【0097】
【化39】
【0098】
【化40】
【0099】マゼンタ感光層、シアン感光層には、下記
の化合物をハロゲン化銀1モル当りそれぞれ1.8×1
-3モル添加した。
【0100】
【化41】
【0101】感光材料アの第3層(マゼンタ発色層)、
第5層(シアン発色層)に使用の分光増感色素を表7に
示すように変更し、添加剤の種類(1a−6、1b−
3、及び1c−1)を変更した以外は感光材料アと同様
な構成の感光材料イ〜ロを作成した。
【0102】
【表7】
【0103】
【化42】
【0104】作成した感材を50℃80%R.H.、及
び冷蔵で2日間保存したのち以下の露光(1)、(2)
を行なった。 (1)感光計(富士写真フイルム株式会社製、FWH
型、光源の色温度3200K)を使用しこの光源に67
0nm、750nm、830nmの蒸着干渉フィルター
を介して10秒間センシトメトリー用の階調露光を与え
た。 (2)半導体レーザーAlGaInP (発振波長、約670n
m)、半導体レーザーGaAlAs(発振波長、約750n
m)、GaAlAs(発振波長、約830nm)を用いた。レ
ーザー光はそれぞれ回転多面体により、走査方向に対し
て垂直方向に移動するカラー印画紙上に、順次走査露光
できるような装置である。この装置を用いて、光量を変
化させて感光材料の濃度(D)と光量(E)との関係D
−logEを求めた。半導体レーザーの光量は、半導体
レーザーへの通電時間を変えることで光量を変調するパ
ルス幅変調方式と通電量を変えることで光量を変調する
強度変調方式とを組合せて露光量を制御した。この走査
露光は400dpiで行いこの時の画素当たりの平均露
光時間は約10-7秒である。
【0105】また冷蔵保存サンプルについては、上記2
種類の露光において、露光時の温湿度を15℃、55%
R.H.及び35℃、55%R.H.に変化させそれぞ
れの条件下で露光を行なった。この際、感材はそれぞれ
の温湿度下で30分間置いたのち露光を行なった。露光
(2)の走査露光装置では半導体レーザーの温度依存性
の影響がでないよう半導体レーザーは25℃に保った。
露光後以下に示す現像処理を行なった。 (現像処理)露光の終了した試料は、ぺーパー処理機を
用いて、次の処理工程でカラー現像のタンク容量の2倍
補充するまで、連続処理(ランニング)を実施したのち
使用した。 処理工程 温 度 時間 補充液* タンク容量 カラー現像 35℃ 45秒 161ml 17リットル 漂白定着 30〜35℃ 45秒 215ml 17リットル リンス 30〜35℃ 20秒 − 10リットル リンス 30〜35℃ 20秒 − 10リットル リンス 30〜35℃ 20秒 350ml 10リットル 乾 燥 70〜80℃ 60秒 *補充量は感光材料1m2あたり (リンス→への3タンク向流方式とした。) 各処理液の組成は以下の通りである。 カラー現像液 タンク液 補充液 水 800ml 800ml エチレンジアミン−N,N,N′,N′− テトラメチレンホスホン酸 1.5g 2.0g 臭化カリウム 0.015g − トリエタノールアミン 8.0g 12.0g 塩化ナトリム 1.4g − 炭酸カリウム 25g 25g N−エチル−N−(β−メタンスルホンア ミドエチル)−3−メチル−4−アミノ アニリン硫酸塩 5.0g 7.0g N,N−ビス(カルボキシメチル)ヒドラ ジン 4.0g 5.0g N,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキシル アミン・1Na 4.0g 5.0g 蛍光増白剤(WHITEX 4B、住友化学製) 1.0g 2.0g 水を加えて 1000ml 1000ml pH(25℃) 10.05 10.45
【0106】 漂白定着液(タンク液と補充液は同じ) 水 400ml チオ硫酸アンモニウム(700g/リットル) 100ml 亜硫酸ナトリウム 17g エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム 55g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 5g 臭化アンモニウム 40g 水を加えて 1000ml pH(25℃) 6.0 リンス液(タンク液と補充液は同じ) イオン交換水(カルシウム、マグネシウムは各々3ppm
以下) 得られたサンプルについて、50℃80%R.H.及び
冷蔵保存のそれぞれについて濃度1.0を与えるのに必
要な光量の逆数の対数を求めこれを感度S(50℃80
%R.H.)、S(冷蔵)とした。この感度の差:ΔS
(50℃80%R.H)=S(50℃80%R.H)−
S(冷蔵)を求め感材の経時保存による感度変動の尺度
とした(正の値は経時増感、負の値は経時減感を意味す
る。)。また15℃55%R.H.での濃度1.0を与
える露光量において35℃55%R.H.における濃度
(D(35℃55%R.H.))を測定した。そしてこ
の濃度の差;ΔD=D(35℃55%R.H.)−1.
0(ΔDが正の値で大きい場合高温で増感している。)
を露光温度依存性の評価尺度とした。以上の結果につい
て表8に示す。
【0107】
【表8】
【0108】以上の結果から、本発明で使用するタイプ
の架橋型増感色素は本発明外の色素に比べ保存性が優れ
ているが、露光温度依存性が大きい(高温増感)ことが
わかる。(感材シおよびフ〜ロの第3層や感材シ〜テと
ネ〜ヒの第5層の値参照)この高温増感は、本発明の添
加剤により著しく改善される(感材ケ〜サの第5層、感
材ス〜ソ、チ〜テ、ノ〜ヒの第3層、感材チ〜モ、ル〜
ロの第5層の値参照)が、本発明外の増感色素において
はその改善効果は小さいことがわかる。従って本発明の
構成によって保存性に優れ、さらに露光温度依存性の小
さな感光材料が提供できることがわかる。
【0109】実施例2 実施例1で作成した感材(ア〜ソ)について第3層及び
第5層の使用している乳剤aの代わりに乳剤bに変更し
たサンプル(あ〜そ)を作成した。このサンプルについ
て実施例1と同様の保存、露光、現像処理を行ない、実
施例1と同様の評価を行なった。その結果を表9に示す
(実施例1で使用した感材ア〜ソの結果も同時に示
す)。
【0110】
【表9】
【0111】得られた結果から、フェロシアン化カリウ
ムを含む乳剤aに比べ、含まない乳剤bを使用する場合
には、本発明の増感色素の場合も、それ以外の増感色素
においても、保存性と露光温度依存性が相対的に悪くな
ることがわかる。従って、フェロシアン化カリウムを含
む乳剤aを使用した場合において本発明の効果がより顕
著であり、本発明の目的により適していることがわか
る。
【0112】実施例3 実施例1、2で使用した感材を同様の評価を下記処理工
程を使用して行なったところ、結果は同様であった。 処理工程 温 度 時間 補充液* タンク容量 カラー現像 35℃ 20秒 60ml 2リットル 漂白定着 30〜35℃ 20秒 60ml 2リットル リンス 30〜35℃ 10秒 − 1リットル リンス 30〜35℃ 10秒 − 1リットル リンス 30〜35℃ 10秒 120ml 1リットル 乾 燥 70〜80℃ 20秒 *補充量は感光材料1m2あたり (リンス→への3タンク向流方式とした。) 各処理液の組成は以下の通りである。 カラー現像液 タンク液 補充液 水 800ml 800ml エチレンジアミン−N,N,N′,N′− テトラメチレンホスホン酸 1.5g 2.0g 臭化カリウム 0.015g − トリエタノールアミン 8.0g 12.0g 塩化ナトリム 4.9g − 炭酸カリウム 25g 37g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N −(3−ヒドロキシプロピル)アニリン ・2・p−トルエンスルホン酸 12.8g 19.8g N,N−ビス(カルボキシメチル)ヒドラジン 5.5g 7.0g 蛍光増白剤(WHITEX 4B,住友化学製) 1.0g 2.0g 水を加えて 1000ml 1000ml pH(25℃) 10.05 10.45 漂白定着液のタンク液と補充液ならびにリンス液のタン
ク液と補充液は実施例1で使用したものと同じである。
この処理には2図に示した露光装置を使用した。
【0113】
【発明の効果】本発明によって、保存による感度変動が
小さく、かつ露光温度依存性の小さい赤外感光材料を提
供することができ、また、これを用いた画像形成方法に
よって簡易迅速に高感度で安定した画像を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様である銀塩写真式カラーぺー
パーを用いた画像形成装置の概略構成図である。
【図2】露光装置の構成図である。
【符号の説明】
10 画像形成装置本体 12 現像槽 14 漂白定着槽 16 水洗槽 17 水切り部 18 乾燥部18 20 感光材料 30 処理液噴出部材 32 ポンプ 240 画像信号処理装置 242,244,246 駆動回路 251,252,253 半導体レーザ 258,259,260 コリメータレンズ 261 全反射ミラー 262,263 ダイクロイックミラー 270 ポリゴンミラー 280 fθレンズ 300 露光装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 7/392 B 8910−2H

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化銀含有率95モル%以上の高塩化銀
    乳剤粒子を含有する感光層を少なくとも一層支持体上に
    有し、その少なくとも一つの感光層が下記一般式(A)
    で示される分光増感色素の少なくとも1種により分光増
    感され、かつ下記一般式(Ia)、(Ib)、(Ic)
    および(Id)で表わされる化合物の少なくとも一つを
    含有していることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
    料。 【化1】 【化2】 一般式(A)中、Eは助色団を表し、Lは複数のメチン
    基(置換基をもっていてもよい)からなるメチン結合を
    表す。Z1 は5または6員の含窒素複素環を形成するの
    に必要な原子群を表わす。但しZ1 は−SR2によって
    置換されており、更に他の置換基で置換されていてもよ
    い。R1 はアルキル基を表す。R2 はアルキル基、アリ
    ール基または複素環基を表わす。L1 およびL2 はメチ
    ン基を表わす。n1 は0または1を表わす。n2 は1以
    上の整数を表す。M1 は電荷中和対イオンを表わし、m
    1 は分子中の電荷を中和させるために必要な0以上の数
    である。一般式(Ia)、(Ib)、(Ic)、および
    (Id)中、Z11は5員環または6員環の含窒素複素環
    を完成するに必要な非金属原子群を表す。Z12及びZ13
    は芳香族環を完成するに必要な原子群を表す。R11は水
    素原子、アルキル基、またはアルケニル基を表す。R12
    は水素原子、または低級アルキル基を表す。R13はアル
    キル基またはアルケニル基を表す。R15は置換もしくは
    無置換のアルキル基またはアルケニル基を表す。R14
    びR16は水素原子、アルキル基、またはアリール基を表
    す。R17およびR18は同一でも異なっていてもよく、そ
    れぞれ水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、
    ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、カルボキシ
    基、置換されていてもよいアミノカルボニル基、ホルミ
    ル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、
    またはアリールオキシカルボニル基を表わす。X11およ
    びX12は酸アニオンを表す。Gは酸素原子、硫黄原子、
    セレン原子またはテルル原子を表す。K+nは、オニウム
    イオン、IA族またはIIA族元素のイオンおよびIIB
    族、VII B族、IVA族または、VA族の金属イオンから
    成る群から選択された原子価nの陽イオンを表す。rは
    1または2を表し、化合物が分子内塩を形成するときは
    rは1である。qは1または2を表わし、M+2/qは2/
    q価の陽イオンを表わす。
  2. 【請求項2】 イエロー、マゼンタ、またはシアンに発
    色するカプラーのいずれかをそれぞれ含有する少なくと
    も三種の感色性の異なるハロゲン化銀感光層を支持体上
    に有し、その少なくとも一種の感光層において該感光層
    に含まれるハロゲン化銀乳剤粒子は塩化銀含有率が95
    モル%以上であり、かつ前記の一般式(A)で示される
    分光増感色素の少なくとも1種により分光増感され、更
    に前記の一般式(Ia)、(Ib)、(Ic)、および
    (Id)で表わされる化合物の少なくとも一つを含有し
    ていることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材
    料。
  3. 【請求項3】 該ハロゲン化銀粒子が臭化銀局在相をも
    ち、更に該粒子中に、周期律表の第VIII族金属イオン、
    第IIb族金属イオン、鉛イオンおよびタリウムイオンか
    ら選ばれる少なくとも一種をハロゲン化銀1モルあたり
    10-9モル以上ドープされていることを特徴とする請求
    項2記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の感光材料
    を、1画素当たりの露光時間が10-4秒より短い走査露
    光方式で露光し、その後発色現像処理することを特徴と
    するカラー画像形成方法。
  5. 【請求項5】 発色現像処理時間が20秒以下、該発色
    現像処理から乾燥までを含めた全処理時間が90秒以下
    である請求項4記載のカラー画像形成方法。
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