JPH0588268U - 釣り用リール - Google Patents

釣り用リール

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JPH0588268U
JPH0588268U JP3002292U JP3002292U JPH0588268U JP H0588268 U JPH0588268 U JP H0588268U JP 3002292 U JP3002292 U JP 3002292U JP 3002292 U JP3002292 U JP 3002292U JP H0588268 U JPH0588268 U JP H0588268U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電動モータの駆動力で釣り糸の繰り出しを補
助し、この補助を行う為にスイッチ等を特別に操作せず
に済み、仕掛の取り替え時等、仕掛の非投入時に電動モ
ータの駆動を行わない釣り用リールを構成する。 【構成】 スプール2に内蔵した電動モータ6の駆動力
を遊星式の減速機構を介してスプール2に伝える伝動系
を構成し、釣り糸に作用する張力を計測する第1センサ
1と、釣り糸の繰り出し量を計測する第2センサS2
を備え、この第2センサS2の計測に基づいて釣り糸の
継続的な繰り出しを判別し、かつ、第1センサS1で所
定値以下の張力を計測した際に電動モータ6の駆動を開
始する制御装置30を備える。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、釣り糸を巻き取るスプール、及び、切り状態でスプールの自由回転 を許容するクラッチ機構を備えて成る釣り用リールに関し、詳しくは、スプール から釣り糸を迅速に繰り出す技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のように構成された釣り用リールとしては実開平2−131871 号公報に示されるものが存在し、この従来例ではクラッチ機構が切り状態で、か つ、釣り糸が所定長さ、あるいは、所定時間以上繰り出されると、人為的にスイ ッチの操作を行わずとも電動モータの駆動力をスプールに伝えて釣り糸の繰り出 しを促進するよう構成されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ここで、船釣りでの仕掛の投入について考えるに、この種の釣りでは前述のよ うに、クラッチ機構を切り操作して、仕掛の投入を行った後には、仕掛の重量で スプールから釣り糸が繰り出され仕掛が下降するものであり、前述した従来例で は、クラッチ機構の切り操作を検出した後に、前述した所定の条件が成立すると 自動的に電動モータの駆動を開始するので、この下降時においてバックラッシュ 防止用のキャストコントローラ、レベルワインド機構等からの抵抗を、電動モー タの駆動力で相殺して仕掛の下降速度の増大を図り、しかも、この駆動開始にス イッチ操作等、特別な操作を必要としないという良好な面を有するものとなって いる。 尚、イカ釣り、特にヤリイカの釣りにおいては、船長が魚群探知機でイカの群 を探知した後、船長に指示によって一斉に仕掛けの投入を行うのであるが、仕掛 けに疑似餌を用いることから、棚の深度まで最も早く下降した仕掛けに多くのイ カが掛かることも知られており、このような理由から、この従来例のようにスプ ール回転を電動モータの駆動力で補助して高速で仕掛けを下降させる技術が提案 されている。
【0004】 しかし、実釣時においてクラッチ機構の切り操作は、仕掛の投入時以外にも、 船上での仕掛の取替え時等にも行われるものであり、前述した従来例の構成のも ので、例えば、仕掛の取替え時、ハリスの取替え時にクラッチが切り操作され、 所定の時間の経過、あるいは、人為的に所定量の釣り糸の繰り出しがあった場合 には、電動モータの駆動が開始される不都合を生ずることもある。 このように、仕掛の非投入時に電動モータの駆動が開始されると釣り糸が繰り 出されバックラッシュに繋がることもあり改善の余地がある。
【0005】 本考案の目的は、電動モータの駆動力で釣り糸の繰り出しを補助し、しかも、 この補助を行う為にスイッチ等を特別に操作せずに済むという良好な面を損なわ ずに、仕掛の取り替え時等、仕掛の非投入時には電動モータの駆動を行わない釣 り用リールを合理的に構成する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案の特徴は冒頭に記したように、釣り糸を巻き取るスプール、及び、切り 状態でスプールの自由回転を許容するクラッチ機構を備えて成る釣り用リールに おいて、 前記釣り糸に作用する張力を計測する第1センサ、及び、釣り糸の繰り出し量 を計測する第2センサ夫々を備え、この第2センサの計測に基づいて釣り糸の継 続的な繰り出しを判別し、かつ、第1センサで所定値以下の張力を計測した際に 電動モータの駆動を開始する制御装置を備えて成る点にあり、その作用、及び、 効果は次の通りである。
【0007】
【作用】
上記特徴を例えば図1乃至図4に示すように構成すると、クラッチ機構Cを切 り操作して仕掛を海中に投入した場合には、釣り糸23の繰り出し量が継続的に 行われると共に、この釣り糸23の繰り出し時にクラッチ機構Cが切り状態にあ るので、釣り糸23に作用する張力が極めて低い値であることから、夫々の状態 が第2センサS2、第1センサS1で計測され、制御装置30は夫々のセンサS2 ,S1の計測結果から電動モータ6の駆動を開始するものとなる。 つまり、本考案ではスプール2から釣り糸23が継続的に繰り出されている状 況で、しかも、釣り糸23の張力が低い場合にのみ電動モータ6の駆動を開始す るので、例えば、船上での仕掛の取替え、ハリスの取替え時の目的でクラッチ機 構Cを切り操作した場合にも電動モータ6の駆動が開始されることは無く、従来 の不都合が解消されると同時に、仕掛の投入の後においてのみ自動的に電動モー タ6の駆動を開始して、仕掛の下降速度の増大を可能にするのである。
【0008】
【考案の効果】
従って、電動モータの駆動力で釣り糸の繰り出しを補助して仕掛の下降速度の 増大を図り、しかも、この補助を行う為にスイッチ等を特別に操作せずに済むと いう良好な面を損なわずに、仕掛の取り替え時など、仕掛の非投入時には電動モ ータの駆動を行わない釣り用リールが合理的に構成されたのである。 特に、仕掛が棚の深度に達すると電動モータの駆動を停止する構成では、釣り 糸の過剰な繰り出しが抑制されると同時に、仕掛が棚の深度に達したことを電動 モータの駆動音の停止で判別できるという効果も奏するものとなる。
【0009】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図1乃至図3に示すように、リール本体を構成する左右のサイドケース1,1 の間にレベルワインド機構L、スプール2夫々を前後位置に配置すると共に、右 側のサイドケース1の外部にドラグ操作具3、ハンドル4、クラッチレバー5夫 々を備え、又、左右のサイドケース1,1の上部同士の間に亘って制御ケース2 6を備えて釣り用リールを構成する。 このリールではスプール2の内部に電動モータ6、遊星式の減速機構P夫々を 内装し、この遊星減速機構Pの筒状軸7には右側のサイドケース1の内部に立設 した軸体8を挿通してあり、この軸体8には、筒状軸7の端部と係脱自在なクラ ッチ部材9を外嵌している。 尚、この筒状軸7の端部とクラッチ部材9の端部とを併せてクラッチ機構Cと 称し、このクラッチ機構Cは前記クラッチレバー5で切り状態と入り状態とに切 換えられる(操作系は詳述せず)。
【0010】 又、右側のサイドケース1に立設した支軸10と同軸状に遊転支承したハンド ル軸11に対して、前記ドラグ操作具3を螺合させ、前記ハンドル4を固設し、 又、ハンドル軸11の内端側にはドラグ機構12、及び、ラチェット機構Rを備 え、更に、ドラグ機構12の出力ギヤ12Aとクラッチ部材9の入力ギヤ9Aを 咬合することで、ハンドル4からの巻取操作力をドラグ機構12の出力ギヤ12 A、クラッチ部材9の入力ギヤ9A、筒状軸7、遊星減速機構P夫々を介してス プール2に伝え、スプール2を回転させる人為巻取り系を構成している。 尚、ドラグ機構12は、ドラグ操作具3の回転操作によって、その内部の摩擦 板同士の圧接力を調節し得るよう構成され、ラチェット機構Rは、ラチェットホ イール13と、ラチェット爪14と、このラチェット爪14の姿勢を作用姿勢と 非作用姿勢(ラチェットホイール13と咬合しない姿勢)とに切換える切換レバ ー15とで成り、このラチェット爪14を作用姿勢に設定しておくと、釣り糸巻 取り方向へのハンドル4操作のみが許されると共に、電動モータ6による巻取り 方向へのスプール2の駆動が可能となり、ラチェット爪14を非作用姿勢に設定 すると、スプール2の自由転動が可能になると同時に、電動モータ6による巻取 方向へのスプール2の駆動が不能となる。
【0011】 又、遊星式の減速機構Pは電動モータ6の出力軸6Aに直結した第1太陽ギヤ 16と、これに咬合する第1遊星ギヤ17と、第1遊星ギヤ17のキャリヤ18 に固設した第2太陽ギヤ19と、これに咬合する第2遊星ギヤ20とで成り、第 1、第2遊星ギヤ17,20はスプール2の内歯ギヤ2Aに咬合し、第2遊星ギ ヤ20のキャリヤ部と一体的に前記筒状軸7が形成され、この遊星減速機構Pで は、前記ラチェット機構Rが機能し、筒状軸7の繰出し方向への回転が阻止され ている状態 (ハンドル4の巻取り方向への回転操作が行われている状態も含む) で電動モータ6の駆動力によりスプール2を巻取り方向に回転できるように構成 されている。 図2に示すように、レベルワインド機構Lは、螺軸21の回転によりガイド杆 22に案内される状態で往復移動し、釣り糸23を案内する糸案内具24を備え て成り、螺軸21の入力ギヤ27とスプール2に一体形成された出力ギヤ28と の間には複数の中間ギヤ29が介装され、更に、この糸案内具24には釣り糸2 3の張力によって、その揺動姿勢を変更するようローラ25Aを遊転支承し、か つ、バネ付勢されたアーム25の揺動量から釣り糸23に作用する張力を計測す るポテンショメータ型の第1センサS1を備えている。
【0012】 前記制御ケース26にはマイクロプロセッサで成る制御装置30が内装される と共に、スプール2から繰り出された釣り糸23の長さを表示する液晶ディスプ レイ31、及び、複数の制御スイッチ32・・夫々が備えられ、このディスプレイ 31に釣り糸23の繰出し量を報知する動作は、スプール2のギヤ部2Bに咬合 するホイール33に埋設したマグネットMの磁気の作用を計測する一対のリード スイッチ等の第2センサS2からの信号を制御装置30がカウントすると共に、 このカウント値と予め記憶したデータとに基づいてスプール2からの釣り糸23 の繰り出し量を求め液晶ディスプレイ31に出力する(制御系は詳述せず)。
【0013】 前記遊星式の減速機構Pは、クラッチ機構Cの切り状態での電動モータ6の駆 動時にスプール2を釣り糸繰り出し方向に回転させる特性を備えるものであり、 このリールでは船釣り等で仕掛の投入時に、この特性を利用してスプール2の回 転を補助して仕掛の下降速度の増大を図る制御系を備えている。 因みに、前記遊星式の減速機構Pではクラッチ機構Cの入り状態で、太陽ギヤ 16,19の回転方向とスプール2の回転方向とが逆になるものであり、クラッ チ機構Cの切り状態では、前記筒軸7が自由状態となることから、電動モータ6 の駆動時には太陽ギヤ16,19、遊星ギヤ17,20、内歯ギヤ2A夫々の咬 合抵抗によりこれらが一体回転、即ち、釣り糸繰り出し方向に回転するものであ り、更に、この駆動時にはサミングする等、スプール2の回転を拘束する操作が 行われるとスプール2の回転停止と共に、電動モータ6の駆動力で筒軸が空転す るものとなる。
【0014】 図4に示すように、前記クラッチ機構Cの切り操作の後、仕掛が投入された場 合には、スプール2からの釣り糸23が継続的に繰り出され、制御装置30は第 2センサS2からの信号によってこの状態を判別すると共に、第1センサS1から の信号に基づき釣り糸23の張力が極めて低い値であることを判別することによ り電動モータ駆動のスタンバイ状態に達し、又、第2センサS2からの信号によ って仕掛の下降速度を計測し、この速度が予め設定された値まで低下すると電動 モータ6の駆動を行って釣り糸繰り出しの補助を開始する(#101ステップ〜 #107ステップ)。 尚、このように第1、第2センサS1,S2からの信号によって釣り糸23の繰 り出しが判別され、仕掛の下降速度が低下した後に電動モータ6の駆動を開始す る理由は、仕掛の投入直後のように仕掛の深度が小さい場合には、船の動揺によ ってもバックラッシュを発生しやすいことから電動モータ6の駆動の駆動を行わ ず、仕掛の深度が大きくなった際に電動モータ6の駆動を行う目的からであり、 この制御では、仕掛の深度を、仕掛に作用する水の抵抗の増大に起因する下降速 度の低下により判別している。
【0015】 次に、所定の制御スイッチ32のOFF操作、あるいは、仕掛が予め設定され た棚の深度に達することにより電動モータ6の駆動を停止する(#108ステッ プ〜#110ステップ)。 尚、予め設定された棚の深度とは、この仕掛の投入前においてアタリが発生し た仕掛の深度、あるいは、前回に仕掛が一定時間以上設定された深度を指す。
【0016】 又、この制御では、第2センサS1からの信号に基づきスプール2からの釣り 糸23の繰り出しが継続して行われている状態で、釣り糸23の張力が所定値以 上であると判別されると、まず、電動モータ6を起動するスイッチ32の状態を 確認し、OFFであれば仕掛投入中と判別し、このスイッチ32がONであるこ とを確認すると、仕掛に魚が掛かってドラグ機構12に滑りを生じていると判別 し、次に、所定の制御スイッチ32のOFF操作、あるいは、仕掛が船縁まで引 き上げられることにより電動モータ6の駆動を停止する(#111ステップ〜# 112ステップ)。 尚、この船縁とは、釣り糸23の繰り出し量で5メートル程度の値であり、釣 り糸23の残り量が、この値まで減少すると電動モータ6の駆動を停止して、釣 り糸の過剰な巻上げによる釣り竿の傷み等を阻止するようになっている。
【0017】 〔別実施例〕 本考案は上記実施例以外に、例えば、第2センサを左右のサイドケースの間に 亘って配置した杆状の部材に対する釣り糸の接触圧によって、釣り糸に作用する 張力を計測するよう構成することも可能である。 又、本考案では第2センサで釣り糸の継続的な繰り出しを判別し、かつ、第1 センサで釣り糸の張力が低い値であることを判別した後、所定時間の経過、ある いは、所定量以上の釣り糸の繰り出しを計測した後に電動モータの駆動を開始す るよう制御系を構成してバックラッシュの防止を図るように制御動作を設定して 実施することも可能である。
【0018】 更に、本考案では手動で釣り糸の巻上げを行うリールに適用することが可能で あり、又、電動モータの駆動によって仕掛の下降を補助している際に、ハンドル を釣り糸巻上げ方向に操作することによって電動モータの駆動を停止するよう制 御系を構成することが可能であり、又、この下降補助時にサミングを行った場合 に、このサミング操作を検出して電動モータの駆動を停止するよう制御系を構成 することも可能である。
【0019】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動リールの全体平面図
【図2】電動リールの縦断側面図
【図3】電動リール右側部の横断平面図
【図4】制御動作のフローチャート
【符号の説明】
2 スプール 6 電動モータ 23 釣り糸 30 制御装置 C クラッチ機構 S1 第1センサ S2 第2センサ

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 釣り糸(23)を巻き取るスプール
    (2)、及び、切り状態でスプール(2)の自由回転を
    許容するクラッチ機構(C)を備えて成る釣り用リール
    であって、 前記スプール(2)を釣り糸繰り出し方向に駆動する電
    動モータ(6)を備えると共に、釣り糸(23)に作用
    する張力を計測する第1センサ(S1)、及び、釣り糸
    (23)の繰り出し量を計測する第2センサ(S2)夫
    々を備え、この第2センサ(S2)の計測に基づいて釣
    り糸(23)の継続的な繰り出しを判別し、かつ、第1
    センサ(S1)で所定値以下の張力を計測した際に電動
    モータ(6)の駆動を開始する制御装置(30)を備え
    て成る釣り用リール。
  2. 【請求項2】 前記電動モータ(6)の駆動開始後に、
    予め設定された棚の深度までの釣り糸(23)の繰り出
    しを前記2センサ(S2)で計測すると前記電動モータ
    (6)の駆動を停止する制御動作が前記制御装置(3
    0)に設定されて成る請求項1記載の釣り用リール。
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