JPH0588126B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は所定材料を投入するだけで焼き立ての
パンができるようにした全自動製パン機に関する
ものである。

従来の技術 家庭でパンを自動的に焼き上げる装置として、
従来から特開昭56−3028号公報で知られるものが
ある。この装置の構成は第６図に示すように、本
体ケース１の内部にフレーム２が設けられてお
り、フレーム２にはモータ３と、ヒータ４及び断
熱材５を外周に装備した加熱槽６が固定され、こ
の加熱槽６内には練り羽根７を有したパン型８が
装置され、練り羽根７はベルト１４、プーリ１５
により減速駆動されるようになつている。更に加
熱槽６には天板９及び蒸気孔１０を有した蓋体１
１が嵌合され、加熱槽６とパン型８の上端を閉じ
ている。１２はタイマー、温度調節、電圧調整の
回路である。１３は温度センサーで、この温度セ
ンサー１３は加熱槽６の外側の面に固定されてい
る。

以上のような構成で、パン型８に材料を投入
し、タイマーをセツトすると所定時刻に運転が始
まり、タイマーと温度調節により各工程が自動化
され、所定時刻にパンが焼き上がるものである。

発明が解決しようとする問題点 このような従来の構成では、蒸気孔１０が練り
時から発酵、ガス抜き、焼成、保温まで不変の通
気面積を持つており、羽根７によりパン生地を練
るとき、機械損等でパン生地の温度が上昇し、30
℃以上位になると良質のパンができにくいとされ
ている。しかし従来例の蒸気孔１０の通気面積は
一定であり、下記にも述べるが発酵時の通気性と
の兼ね合いで大きな通気性は確保できず、練り時
にパン生地の温度が上昇し、良質のパンができな
いという問題点があつた。又、発酵時においてパ
ン生地を乾燥しない方が良質のパンができるもの
である。しかしながら従来例によれば蒸気孔１０
により通気性があり、発酵がパン工程で一番長時
間であるために乾燥しやすく、パンの発酵状態が
悪化し、良質のパンができない。更に焼成時にお
いて、パン型８の温度で120℃〜160℃、加熱槽６
では更に高温が必要であり、蒸気孔１０よりこの
熱気が多量に外に出て人体に危険であると共に、
加熱効率が悪く、不経済であるという問題点があ
つた。そして、保温時においてはパン焼成後、パ
ンの蒸気を抜く蒸気抜きという工程が必要である
が、このときパンから発散する蒸気を充分に抜か
ないとパンの外皮の表面に露結が生じたり、へこ
みを生じたりする。しかし、従来例の蒸気孔１０
の通気面積は一定であり、パンの焼成時以上に多
量の蒸気を抜く必要のある保温時では上述のよう
にパンの外皮に露結を生じたり、へこみを生じる
という問題点があつた。

本発明はこのような問題点を解決するもので、
良好なおいしいパンが自動的に焼き上がるように
することを目的とするものである。

問題点を解決すめための手段 この問題点を解決するために本発明は、焼成室
にヒータを有する焼成装置と、焼成室内に着脱自
在に装着し得るパン焼き型と、パン焼き型内底部
にモータより伝達駆動される練り羽根を備えた混
練装置と、パン焼き型内に水を供給する給水装置
と、パン焼き型もしくは焼成室上方に設けた蒸気
抜き装置とから成り、この蒸気抜き装置はパンの
包囲空間部を開閉自在な蒸気蓋を備えたものであ
る。

作 用 この構成により、発酵時及び焼成時には蒸気蓋
を閉じてパンの包囲空間の通気性を少なくし、パ
ンの乾燥を抑えて加熱効率を上げ、蒸気抜き時に
は蒸気蓋を開いてパン包囲空間の通気性を大とし
てパンの蒸気を多量に抜き、パンの温度も短時間
に下げて良質のパンを作ることができる。

実施例 以下、本発明の実施例について、図面（第１図
〜第５図）に基づいて説明する。

第１図及び第２図に示す第１実施例について説
明すると、２１は本体ボデイ、２２は本体ボデイ
２１内に設けられたシヤーシで、このシヤーシ２
２にはモータ２３が固定されている。モータ２３
のシヤフトには小プーリ２４が固定され、ベルト
２５を介して大プーリ２６に動力が伝達される。
更にシヤーシ２２には下ヒータ２７を設けたヒー
タシヤーシ２８を底面に固定し外周に断熱材２９
を装備した焼成室３０が固定されている。この焼
成室３０の内部には底部に着脱自在の練り羽根３
１を設けたパン焼き型３２があり、パン焼き型３
２の底に固定されたパン型台３３に羽根軸３４、
上コネクター３５が軸支されている。更にパン焼
き型３２は焼成室３０の底部に設けられたシヤー
シ２２に固定され、大プーリ２６とプーリ軸３６
と下コネクター３７を軸支するパン型受け台３８
と着脱自在に嵌合されている。又、焼成室３０内
の側面には弾性的に支持された温度検知部３９が
突出しており、パン焼き型３２の側面に圧接して
いる。更に焼成室３０の上面は開閉自在な蓋体４
０とこの蓋体４０の下面に設けられた内蓋４１に
より密閉することができる。前記内蓋４１の中央
において上面に接して上ヒータ４２が設けられ、
この上ヒータ４２は蓋体４０の下面に固定されて
いる。蓋体４０には着脱自在に水タンク４３が設
けられており、この水タンク４３の注水弁４４を
開閉して蓋体４０に設けられた注水口４５より水
を滴下させるための注水用ソレノイド４６が設け
られている。４７は内蓋４１に設けられた蒸気抜
き孔で、これは蓋体４０に取り付けた蒸気抜き用
ソレノイド４８により駆動されれる蒸気蓋４９に
より開閉される。尚蒸気蓋４９の駆動はソレノイ
ド４８以外の手段により行なうようにしても良
い。５０はパン焼き型３２内のパン、５１はこの
パン５０を包囲している包囲空間である。５２は
焼き上がり時刻等の入力設定用のスイツチパネル
である。５３はスイツチパネル５２の入力及び、
温度検知部３９の入力情報を基にモータ２３、下
ヒータ２７、上ヒータ４２、注水用ソレノイド４
６、蒸気抜き用ソレノイド４８の制御条件を決定
し、出力するための制御装置である。

次にこの第１実施例の動作について説明する。

まず、ある所定時刻に焼き立てのパンを食べよ
うとする場合、パン焼き型３２内に小麦粉等の材
料を入れ、焼成室３０内にセツトして蓋体４０を
閉じ、水タンク４３に所定量の水を入れ、蓋体４
０に装着する。そして電源を入れ、焼き上げ時刻
をスイツチパネル５２より入力すると、所定時刻
に自動的にスタートする。

まず、モータ２３の回転によつて練り羽根３１
が回転すると同時に注水用ソレノイド４６が動作
し、注水口４５より水がパン焼き型３２内に滴下
し、小麦粉等の材料と混練される。練り中に蒸気
抜き用ソレノイド４８を動作させて蒸気蓋４９が
上昇し、蒸気抜き孔４７が開くと包囲空間５１と
外気とが対流しやすくなり、練り羽根３１の回転
等による発熱でパン生地が温度上昇するのを抑え
る。練りが終了すると、蒸気抜き用ソレノイド４
８はオフとなり、自重で蒸気蓋４９は下降して蒸
気抜き孔４７を閉じる。これはプロセス中もつと
も長い時間の発酵でパン生地が乾燥しないように
してパン生地に硬柔のムラがなく外皮の薄い良質
のパンを作るためである。これから順次発酵、ガ
ス抜き、整形発酵、焼成と時間と温度をコントロ
ールしてパンをプロセス通りに自動的に作り上げ
てゆく。この発酵から焼成中或いは焼成終了まで
は蒸気蓋４９は殆んど（例えばガス抜き等では開
いても良い）閉じている。普通のプロセスでは焼
成時の加熱効率を向上させ、又熱気が外に出て人
体に危険がないよう焼成後、つまり蒸気抜き時に
蒸気抜き用ソレノイド４８を動作させて蒸気蓋４
９を上昇させ、蒸気抜き孔４７を開いて、パンの
蒸気を抜く。このときパンから自然に発散する蒸
気をよく抜けるので、パンの外皮の露結によるべ
とつきや、へこみの発生がなくなる。又、蒸気が
抜けるということはパンの温度が短時間で下がる
ことになり、機械からパンを取り出すのが容易に
より、良質のパンができる。

第３図は本発明の第２実施例を示し、内蓋４１
に蒸気蓋５４を軸５５で枢着してあり、蒸気蓋５
４を駆動装置５６により開閉動作するようになつ
ている。この場合、駆動装置５６が本体ボデイ２
１に固定されていて、配線が容易となるものであ
る。

第４図は本発明の第３実施例を示し、焼成室３
０の上端に蒸気蓋５７を枢着してあり、本体ボデ
イ２１に固定してある駆動装置５８により開閉動
作するようになつている。この場合、内蓋４１の
ようにパン取り出し時に開閉するところにないた
めに動作が安定している。

第５図は本発明の第４実施例を示し、パン焼き
型３２の上方に型蓋５９を設け、この型蓋５９の
蒸気抜き孔６０を蒸気蓋６１で開閉するようにな
つている。６２は蒸気蓋６１を開閉するために蓋
体４０に設けた駆動装置である。この場合、パン
５０が焼成室３０の加熱雰囲気で蒸気抜きされる
のではなく、パン焼き型３２内の空間で蒸気抜き
されるためにより自然な蒸気抜きができるもので
ある。

発明の効果 以上のように本発明によれば、パンの包囲空間
部に開閉自在とした蒸気蓋を備えたことにより、
パン作りのプロセス中もつとも長い時間の発酵時
にパン生地の乾燥を防ぎ生地にムラの少ない外皮
の薄い良質のパンを作れる効果がある。又、焼成
時の加熱効率が良く、熱気が外に出にくく、人体
に危険の少ない効果があり、更に焼成後の蒸気抜
き時にパンから発散する蒸気をより自然に抜き、
短時間で温度が下がりパンの外皮が露結しないで
へこみの少ない自然の蒸気抜きに近いパンが得ら
れる。又、パン生地の練り時に羽根の回転等によ
る発熱でパン生地が温度上昇するのを減少させ
て、こしがあり粘性のある良質のパンができるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例を示す全自動製パ
ン機の縦断面図、第２図は同要部拡大断面図、第
３図〜第５図は本発明の第２〜第４実施例を示す
全自動製パン機の要部拡大断面図、第６図は従来
の全自動製パン機の縦断面図である。 ２１……本体ボデイ、２２……シヤーシ、２３
……モータ、２７……下ヒータ、３０……焼成
室、３１……練り羽根、３２……パン焼き型、３
９……温度検知部、４０……蓋体、４１……内
蓋、４２……上ヒータ、４３……水タンク、４５
……注水口、４７……蒸気抜き孔、４８……蒸気
抜き用ソレノイド、４９……蒸気蓋、５０……パ
ン、５１……包囲空間、５４……蒸気蓋、５６…
…駆動装置、５７……蒸気蓋、５８……駆動装
置、５９……型蓋、６０……蒸気抜き孔、６１…
…蒸気蓋、６２……駆動装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 焼成室にヒータを有する焼成装置と、焼成室
   内に着脱自在に装着し得るパン焼き型と、パン焼
   き型内底部にモータより伝達駆動される練り羽根
   を備えた混練装置と、パン焼き型内に水を供給す
   る給水装置と、パン焼き型もしくは焼成室上方に
   設けた蒸気抜き装置とから成り、この蒸気抜き装
   置はパンの包囲空間部を開閉自在な蒸気蓋を備え
   た全自動製パン機。 ２ 少なくとも発酵から焼成中或いは焼成終了ま
   では蒸気蓋が殆んど閉状態にあるようにした特許
   請求の範囲第１項記載の全自動製パン機。 ３ パン生地練り時に蒸気蓋を開状態にあるよう
   にした特許請求の範囲第１項記載の全自動製パン
   機。