JPH0360245B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、所定材料を投入することにより、所
望時刻に焼きたてのパンが出来上る自動製パン機
に関するものである。

従来の技術 家庭でパンを焼く場合、一般的には練り機、発
酵機、押し棒、オーブン等の機器を使用している
が、温度と時間の管理が非常にむずかしく、時節
にかかわらずおいしい焼きたてパンを作るには相
当の熟練が必要であつた。これらの問題を解消す
る為、第３図に示す練り機能、発酵機能、オーブ
ン機能を単品内に収納した構成の製パン機や、第
４図に示すタイマの設定で自動的にパンが焼きあ
がる自動製パン機が考えられている。

第３図に示す構成は、本体１の内部に調理室２
を構成し、調理室２内の上下にヒータ３を空間に
設け、前調理室内下部にモータ４から減速駆動さ
れる練り羽根５と、着脱自在に装着される練り容
器６とを具備し、パン材料の練りと発酵を練り容
器６で行なつた後、練り容器６を取り出し、「ガ
ス抜き」、「整形」作業を使用者が行ない、パン焼
き型（図示せず）に移し、前調理室２内へ入れオ
ーブンとして整形発酵、焼成を行なうものであ
る。

第４図に示すものは、本体７内にフレーム８を
設け、フレーム８にはモータ９と、ヒータ１０と
断熱材１１を外周に装備した加熱槽１２が固定さ
れ、加熱槽１２内には練り羽根１３を有したパン
焼き型１４が着脱自在に装着され、ベルト１５と
プーリ１６により減速駆動される。さらに加熱槽
１２には、天板１７及び蒸気孔１８を有した蓋体
１９が嵌合され、加熱槽１２とパン焼き型１４を
覆つている。２０はタイマ、温度調節、電力調整
の回路である。また、温度センサ２１は加熱槽１
２の外側の面に固定されている。この様な構成
で、パン焼き型１４に材料を投入し、タイマをセ
ツトすると所定時刻に運転が始まり、タイマと温
度調節により各行程を自動化し、所定時刻にパン
が焼きあがるものである。

発明が解決しようとする問題点 この様な従来の構成では、前者の場合、練りと
発酵はタイマ設定により自動的に行なわれるが、
発酵終了後一旦オーブン外へ取り出して、手作業
で「ガス抜き」及び「整形」を行ない、調理室に
入れ整形発酵と焼成を行なう為、例えば、朝、焼
きたてのパンを食べる場合は、早朝から起きて、
準備作業をしなければならないという問題があ
る。又、前者はパン焼き専用機ではない為、不必
要な電力を要すると共に、本体外面部が高温とな
りやけどをするという問題もある。

そして、後者の場合、材料を投入してタイマを
設定すれば自動的にパンが焼きあがる構成ではあ
るが、ヒータを加熱槽外周面に装備しているた
め、加熱槽対面の本体側壁の温度が上がると共
に、加熱槽天板側の温度が低くパン上面の焼色が
つかないという問題があつた。

問題点を解決するための手段 これらの問題点を解消するため、本発明はヒー
タを調理室内部に設置すると共に、調理室と内蓋
とが接触する位置より上方の調理室に小孔を設け
た構成としている。

作 用 上記の構成により、パン焼成時に発生する本体
内調理室近辺の熱気を本体外へ放散させ、本体に
内蔵した各種装置の温度上昇を特別な機構を必要
とせず防止するものである。

実施例 以下、本発明の一実施例について第１図、第２
図をもとに説明する。図において、３０は本体ボ
デイで、３１は本体ボデイ３０内に設けられたシ
ヤーシで、このシヤーシ３１にはモータ３２が固
定されている。モータ３２のシヤフトの一端に
は、モータ冷却用フアン３３が固定され、他端に
は小プーリ３４が固定され、ベルト６６を介して
大プーリ４３に動力が伝達される。さらにシヤー
シ３１には、ヒータ３５を内底部に設けた調理室
３６がプーリ軸受台３７を介して固定されてい
る。この調理室３６の内部には、内底部に着脱自
在の練り羽根３８を設けたパン焼き型３９があ
り、パン焼き型３９底に固定されたパン型台４０
に羽根軸４１、上コネクタ４２が軸支されてい
る。さらにパン焼き型３９は、大プーリ４３とプ
ーリ軸４４、下コネクタ４５を軸支し、かつ、シ
ヤーシ３１に固定されているプーリ軸受台３７と
着脱自在に嵌合されている。また、調理室３６内
の側面には、弾性的に支持された温度検知部４６
が突出しており、パン焼き型３９側面に圧接され
ている。また、調理室３６上部には全周にわたつ
て平面部を有する段部４７が施されている。

また、調理室３６上面は開閉自在な蓋体４８と
蓋体４８下面中央に突出した取付軸４９と押えバ
ネ５０と押え板５１によつて弾性的に支持された
内蓋５２とがあり、蓋体４８を閉めることにより
内蓋５２外周下面が、調理室３６上方段部４７平
面へ圧接される様構成されている。

さらに内蓋５２外周下面と調理室３６とが接触
する面より上方に位置する調理室３６の全周にわ
たつて複数個の小孔５３が設けられている。そし
て、蓋体４８には、蓋体４８を開くための開放つ
まみ５４とラツチ５５が設けられている。

また、モータシヤフトの小プーリ３４側に、モ
ータ軸心とわずか偏心させた位置にピン軸５６を
設け、さらにシヤーシ３１の側面にゴム等の弾性
膜吸板を振動させる構成の往復ポンプ５７を取り
付け、その弾性膜吸板の頂点にポンプ側ピン軸５
８を固定し、ピン軸５６とコネクトロツド５９で
連結させている。

さらに往復ポンプ５７の吐出管６０は本体ボデ
イ３０に取り付けられた水タンク６１に連通し、
さらに給水管６２が調理室３６内のパン焼き型３
９に水が噴出されるよう開口した給水口６３に連
通している。

また６４は焼き上り時刻等の入力設定用のスイ
ツチパネルである。また、６５はスイツチパネル
の入力及び温度検知部４６の入力情報を基に、モ
ータ３２、ヒータ３５等の制御条件を決定し、出
力するための制御装置である。

次に本発明の動作について説明する。

調理室３６内にパン焼き型３９と練り羽板３８
をセツトし、小麦粉等の材料を投入する。蓋体４
８を閉め、水タンク６１に所定量の水を入れキヤ
ツプ（図示せず）を閉め密封状態にする。

この状態でスイツチパネル６４よりパンの焼き
あがり時刻を入力し、所定時刻が来るとモータ３
２の運転が始まり練りが行なわれる。この時、同
時にモータのシヤフトに偏心して設けたピン軸５
６が回転し、往復ポンプ５７を振動させることに
より吐出管６０より空気を送り出す。そして、水
タンク６１に圧送された空気の圧力により、給水
管６２を通して給水口６３よりパン焼き型３９内
に水が供給され、練り羽根３８により小麦粉等の
材料と混練される。

混練終了後、制御装置６５のプロセス制御に基
づき、温度検知部４６の情報を入力しつつ、ヒー
タ３５でパン焼き型３９を温度調整しつつ、一次
発酵、ガス抜き、成形発酵、焼成の各工程を自動
的に行なつて設定した時刻にパンが焼きあがるも
のである。

この焼成工程時は、調理室３６が最も熱くなる
工程で、場所によつては300℃前後にもなる部分
がある。すると当然本体３０内部の温度も次第に
上昇し、他部品の温度も上昇し悪影響を及ぼすた
め、本体３０内部に発生する熱気を逃がす必要が
生じる。調理室３６の内蓋５２との接触面より上
方に設けた小孔５３は、この熱気を外部へ逃がす
機能を果たし、本体内の温度上昇を防止するもの
である。内蓋５２と調理室３６の接触面より下部
に小孔を設けると、調理室３６内の熱気が本体内
へ流出することになり逆効果となると共に、調理
室３６内の温度が低下し、パンの焼き色も悪くな
る。

発明の効果 以上のように、本発明によれば、調理室と内蓋
で構成する略密閉型空間より上方の調理室壁面に
小孔を設けることにより、調理室内にはほとんど
影響なく、本体内の温度上昇を防止する効果が得
られる。又、従来、熱機器、時にオーブン機能を
有するものは、温度が高いため本体部も金属材料
によるものが通例であつたが、本発明の構成にす
ることにより、比較的安価な樹脂材料による本体
構成が可能となるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例による自動製パン機
の要部斜視図、第２図は同自動製パン機の断面
図、第３図及び第４図はそれぞれ従来の自動製パ
ン機の縦断面図である。 ３６……調理室、４７……段部、５２……内
蓋、５３……小孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ヒータを有する調理室と、この調理室内に着
   脱自在に装着し得るパン焼き型と、このパン焼き
   型の内底部にモータより回転駆動される練り羽根
   と、前記調理室を覆う小蓋を有する蓋体とを有
   し、前記調理室の小蓋との接触合わせ面より上部
   に小孔を設けたことを特徴とする自動製パン機。