JPS6358573B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は家庭で焼き立ての食パン等が出来る自
動製パン機に関するものである。

従来の技術 家庭でパンを作る場合、一般的には練り機、発
酵器、のし棒、オーブン等の機器を使用している
が、温度と時間の管理が非常にむずかしく、時節
にかかわらずおいしい焼き立ての食パン等を作る
には相当の熟練が必要であつた。これらの問題を
解消する為、発明者らは第４図に示す様な時刻の
設定のみで自動的にパンが焼き上る機器をこれま
で提案している。この構成を説明すると、１は本
体ケース、２は本体ケース内に設けられたシヤー
シであり、シヤーシ２にはモータ３と、下ヒータ
４と断熱材５を外周に装備した焼成室６が固定さ
れ、焼成室６内には、練り羽根７を有したパン焼
き型８が装着され、前記練り羽根７にはモータ３
の動力がベルト９とプーリ１０，１１により減速
されて伝達される。さらに焼成室６上方には、上
ヒータ１２と内蓋３を有する蓋体１４が開閉自在
に結合され、さらに蓋体１４には水タンク１５を
装着し、水タンク注水口１６を開閉し、パン焼き
型８内に水を供給する為のソレノイド１７が設置
されている。また１８はモータ、ヒータ４，１
２、、ソレノイド１７等の制御を行なう制御部で
あり、パン焼き型８に当接した感温素子１９の入
力情報を基に制御を行つている。この様な構成
で、パン焼き型８材料を投入し、焼き上り時刻を
セツトすると所定時刻に運転が始まり、パンが焼
き上るものである。

ここで、材料の練りのみについては回転練り羽
根に近接して固定棒を設け、練り性能を向上させ
たものが知られている。又従来より粉の練り専用
機として、円筒うす状の容器に粉を入れて、回転
羽根で練り、その性能向上の為に内壁にリブを設
けられたものが種々考えられている。

発明が解決しようとする問題点 ところで、第４図に示した構成の場合、練りと
焼きを同じパン焼き型内で行なう構成の為、食パ
ンを作る場合、パン焼き型はどうしても水平断面
で長方形（もしくは正方形でも可）となるのが一
般的である。この為、第５図に示す様に、練り行
程において、パン生地Ａが練り羽根７ととも回り
し、その遠心力で一部分Ｂが伸び、それがパン焼
き型８の各側壁に衝突し、「パチ、パチ」という
高い音を出す。特に全自動製パン機においては、
夜に材料をセツトし、朝に焼き上げるという使用
法が最も一般的である為、深夜、寝ている時に、
この様な騒音が発生するのは問題である。練り専
用機の様に円筒形の容器であればさほど音は出な
いが長方形の場合は側壁に当つたり離れたりする
為、一層音が大きくなる。また、パン生地が練り
羽根７ととも回りする様な練り方では粉の練りが
不足し、良いパンが出来なくなる。この為、回転
練り羽根に近接して固定棒を設け、パン生地が側
壁に衝突したり、練り羽根ととも回りするのを防
止する方法が考えられているが、この場合であれ
ば、焼き上つたパンの中に固定棒の跡が残り、大
きな穴のあいたパンになつて見た目に感じが悪い
ものとなる。又、感温素子１９でパン生地温度を
測定し、練り工程を制御しようとする場合、パン
生地が練り羽根７と共回りすると、感温素子１９
の当接部分の内壁にパン生地がこない場合もあ
り、正確な温度測定が出来なくなる。その為、前
記した固定棒の中に感温素子を挿入している場合
の例があるが、この場合もやはりパンに大きな穴
があくことになる。

問題点を解決するための手段 これらの問題点を解決する為、本発明は、水平
断面が矩形のパン焼き型の内壁の中央、もしくは
そこからやや練り羽根の反回転方向に寄つた位置
に、ほぼ垂直方向に内方に突出したリブを設けた
ものである。

作 用 この構成により、今まで練り羽根ととも回りし
ていたパン生地がこのリブが抵抗になりその場に
止まる様になり、「パチパチ」とパン焼き型内壁
をたたく音がなくなるとともに粉が良く練られる
ものである。

実施例 以下、本発明の実施例について第１図〜第３図
をもとに説明する。第１図において、２０は本体
ボデイで、２１は本体ボデイ２０内に設けられた
シヤーシで、このシヤーシ２１にはモータ２２が
固定されている。モータ２２のシヤフト一端には
モータ冷却用フアン２３が固定され、他端には小
プーリ２４が固定され、ベルト２５を介して大プ
ーリ２６に動力が伝達される。さらにシヤーシ２
１には、下ヒータ２７を内底部に設け、外周に断
熱材２８を装備した焼成室３０がプーリ軸受台４
０を介して固定されている。この焼成室３０の内
部には、内底部に着脱自在の練り羽根３２を設け
たパン焼き型３１がある。このパン焼き型３１は
水平断面が矩形をなし、その内壁の中央もしくは
練り羽根３２の反回転方向側に寄つた位置に、ほ
ぼ垂直方向に内方に突出したリブ３１ａを設けて
いる。またパン焼き型３１底に固定されたパン型
台３５には羽根軸３４、上コネクター３７が軸支
されている。さらにパン焼き型３１は、シヤーシ
２１に固定されたプーリ軸受台４０と着脱自在に
嵌合している。大プーリ２６と下コネクター３８
を取付けたプーリ軸３９は前記プーリ軸受台４０
により保持されている。また焼成室３０内の側面
には、弾性的に支持された感温素子４９が突出し
ており、パン焼き型３１側面のリブ３１ａとコー
ナ部３１ｂとの間に圧接されている。また焼成室
３０の上部内側にはほぼ全周に環状の上ヒータ４
１が配されている。また焼成室３０上面は開閉自
在な蓋体４２と蓋体４２下面中央に突出した取付
軸４４と押えバネ４５によつて弾性的に支持され
た内蓋４３とがあり、蓋体４２を閉める事によつ
て内蓋４３外周下面が上ヒータ４１上面に圧接す
る様になつている。さらに蓋体４２には蓋体４２
を開く為の開放つまみ４７とラツチ４８が設けら
れている。また、モータシヤフトの小プーリ２４
側に、モータ軸とわずか偏心した位置にピン軸５
６を設け、さらにシヤーシ２１の側面にゴム等の
弾性膜吸板を振動させる構成の往復ポンプ５４を
取り付け、その弾性膜吸板の頂点にポンプ側ピン
軸５７を固定し、ピン軸５６とコネクトロツド５
５で連結させている。さらに往復ポンプ５４の吐
出管５３は本体ボデイ２０に取り付けられた水タ
ンク５２に連通し、さらに給水管５１が、焼成室
３０内のパン焼き型３１に水が噴射さるように開
口した給水口５０に連通している。上記した往復
ポンプ５４、吐出管５３、給水管５１により給水
装置を構成している。また６１は焼き上り時刻等
の入力設定用のスイツチパネルである。また６２
はスイツチパネルの入力及び、感温素子４９の入
力情報を基に、モータ２２、下ヒータ２７、上ヒ
ータ４１等の制御条件を決定し、出力する為の制
御装置である。また６０はうら板、５９は足ゴム
である。

次に本発明の実施例の動作について説明する。
焼成室３０内にパン焼き型３１と練り羽根３２を
セツトし小麦粉等の材料を投入する。蓋体４２を
閉め、水タンク５２に所定量の水を入れキヤツプ
（図示せず）を閉め密封状態にする。この状態で
スイツチパネル６１よりパンの焼き上り時刻を入
力し、所定時刻が来ると、モータ２２の運転が始
まり練りが行なわれる。この時、同時にモータシ
ヤフト側の小プーリ２４にモータ軸心より偏心し
て設けたピン軸５６が回転する。そしてこのピン
軸５６に軸支されたコネクトロツド５５を介して
ポンプ側ピン軸５７が往復運動し、往復ポンプ５
４の吸板を振動させることによつてポンプ吐出管
５３より空気を水タンク５２に圧送する。そし
て、水タンク５２に圧送された空気の圧力により
給水管５１を通して給水口５０より水がパン焼き
型３１内に注水され、練り羽根３２によつて小麦
粉等の材料と混練される。そして感温素子４９と
モータ２２の運転時間の情報に基づいて、練りの
運転停止、さらに、一次発酵、ガス抜き、整形発
酵、焼成の各行程を自動的に行なつて設定した時
刻にパンが焼き上るものである。

練り行程において、第２図に示す様に、リブ３
１ａを設ける事により、パン生地６３がリブ３１
ａの抵抗をうけてパン焼き型３１のコーナ部３１
ｂ部に止まつたままの状態で練り羽根３２によつ
て練られ良好なパン生地が得られる。又、パン生
地６３が、このリブ３１ａより離れ回ることがあ
つてもすぐに対辺のリブ３１ａにより止められこ
こで練りが続けられる。さらにリブ３１ａの位置
は、パン焼き型３１が長方形の場合、その長辺内
壁に設けている。これは、短辺側では練り羽根３
２との間隔が広くなるのであまり効果がないから
である。また、長辺の中央より、練り羽根３２の
反回転方向側に寄せてリブ３１ａを設けるのも同
様に、他の所に設けると、練り羽根３２と内壁が
離れてゆく為、抵抗体としての効果が無くなるか
らである。また専用の練り機の様に円筒形の練り
容器にリブを設けた場合はかなり大きなリブを設
けないと効果は少なく、あまり大きくすると、パ
ンに形が残る問題がある。長方形の場合はコーナ
部にパン生地が入り込み、小さなリブでもパン生
地を止める大きな効果があり、練り時に大きな音
が無くなるものである。

また、このリブ３１ａとコーナ部３１ｂの間の
パン焼き型３１外壁に感温素子４９に当接させて
設けることにより、この間に止まつて練られてい
るパン生地の温度を正確に測定することが出来、
この正確な情報に基づいて、練り時間等を制御す
る為、より良好なパンが焼き上がるものである。

発明の効果 前記のように矩形のパン焼き型の内壁にリブが
設けられることにより、練り工程でパン生地がパ
ン焼き型の内壁をたたく音の発生を防止でき、ま
た、感温素子をパン焼き型のリブとコーナー部の
間の外壁に当接して設けたので、パン生地温度の
正確な測定ができ、その結果、十分な練りが実現
でき、時節にかかわらずおいしいパンを焼くこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明自動製パン機の一実施例を示す
縦断面図、第２図、第３図はパン焼き型部分の横
断面図および縦断面図、第４図はこれまで提案し
てきた自動製パン機の縦断面図、第５図は第４図
の動作を示すパン焼き型部分の横断面図である。 ２２……モータ、２７，４１……ヒータ、３０
……焼成室、３１……パン焼き型、３１ａ……リ
ブ、３２……練り羽根、４９……感温素子、５２
……水タンク、６２……制御装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ヒータを有する焼成室と、焼成室内に着脱自
   在に装着し得るパン焼き型と、パン焼き型の内底
   部に設けられ、かつモータにより駆動される練り
   羽根と、パン焼き型の温度を検知する感温素子に
   より温度を検知してパン焼き制御を行なう制御装
   置とを備え、前記パン焼き型は水平断面がほぼ矩
   形を成し、その内壁の中央、もしくはやや練り羽
   根の反回転方向側に寄つた位置に、ほぼ垂直方向
   に内方に突出したリブを設けた自動製パン機。 ２ パン焼き型の水平断面を長方形とし、その長
   辺内壁にリブを設けた特許請求の範囲第１項記載
   の自動製パン機。 ３ 感温素子は、パン焼き型のリブとコーナ部の
   間の外壁に当接する様に設けた特許請求の範囲第
   １項又は第２項記載の自動製パン機。