JPH0340603B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、材料の混練機能を有する製パン機に
関するものである。

従来の技術 家庭でパンを焼く場合、一般的には、練り機、
発酵機、伸し棒、オーブン等の機器を使用してい
るが、温度と時間の管理が非常にむずかしかつ
た。

またこれをある程度自動化してパンを焼き上げ
る従来技術としては、タイマの設定で自動的にパ
ンが焼き上がる製パン機（特開昭56−30280号公
報）が考えられていた。この構成は第４図、第５
図に示すようであつた。１は本体ケース、２は本
体ケース１内に設けられたフレームであり、フレ
ーム２にはモータ３と、ヒータ４と断熱材５を外
周に装備した加熱槽６が固定され、加熱槽６内に
は練り羽根７を有したパン型８が装着され、ベル
ト１４とプーリ１５により減速駆動される。さら
に、加熱層６には天板９及び蒸気孔１０を有した
蓋体１１が嵌合され、加熱槽６とパン型８をほぼ
密閉している。１２はタイマ、温度調節、電圧調
節の回路である。また温度センサー１３は加熱槽
６の外周面に固定されている。この様な構成でパ
ン型８に材料を投入し、タイマをセツトすると所
定時刻に運転が始まり、タイマと温度調節により
各工程を自動化し、所定時刻にパンが焼き上がる
ものである。また練り羽根７は様々の形状のもの
が考えられているが、一般的には回転軸に着脱自
在に翼状の羽根が回転する様になつているものが
多いが、出来上がつたパンの底に羽根の跡が大き
く残るという問題から第５図に示す様にボス部７
−ａと翼部７−ｂを有し、ボス部７−ａの回転軸
方向に直角に慣通する翼軸７−ｃが翼部７−ｂを
軸支し翼部７−ｂが所定角度回転し、転倒立出来
るものがあり、翼軸７−ｃ、ボス部７−ａはネジ
嵌合により、抜けを防止しているものが考えられ
ている。

発明が解決しようとする問題点 この様な従来の構成は、材料を投入し、タイマ
設定すれば自動的にパンが焼き上がる構成ではあ
るが全自化の為、練り及び発酵、ガス抜き、焼成
を同一容器内で行なう為、焼き上がりのパンの底
に練り羽根の跡が大きく残つたり、羽根がパンの
中にうまり入んで非常にとり出しにくくなつてお
り、そのため第５図に示す構成の練り羽根が考案
され、焼成前に練り羽根を逆転させて練り羽根の
翼部７−ｂを水平に倒すことにより、練り羽根跡
を小さくしているが、この練り羽根を構成させる
ために、翼軸７−ｃを回してボス部７−ａ翼部７
−ｂを慣通させなければならず、組立性が悪いと
共に、ネジ嵌合である為、運転中にネジがゆるん
で来て翼部７−ｂとボス部７−ａがはずれる危険
が生じていた。

上記問題点を解決するために本発明は、翼部と
ボス部がはずれることはない、製パン機を提供す
るものである。

問題点を解決するための手段 これらの問題を解決するためには、本発明は、
ボス部及び翼部を軸支する一部にスリツト部を設
け、さらに、翼軸径より大きい寸法部と小さい寸
法部を有する略リング状の弾性体をボス部と翼部
の一方の擢動部に配し、他方の軸穴より翼軸を挿
入し、略リング状の弾性体が翼軸のスリツト部と
かみ合う様な構成としたものである。

作 用 上記の構成により、練り時にモータが正転して
練り羽根が正回転すると、練り羽根の翼部が回転
力とパン生地の抵抗力により回動して起き上が
り、容器と練り羽根の間でパン生地を練り上げ
る。モータを逆転すると練り羽根の翼部が倒れ、
この状態でパンを焼き上げることによつて、パン
の底に残る羽根跡がほとんど残らない。又、この
練り羽根の翼部とボス部を組み立てる構成が翼軸
を挿入するのみで翼軸のスリツト部に略リング状
の弾性体が嵌合し、ぬけ止めとなる為非常に簡単
でしかも通常の使用では翼軸がぬける危険性はほ
とんど無くなる。

実施例 以下、本発明の実施例について第１図、第２
図、第３図をもとに説明する。第１図において、
２１は本体ボデー２０内に設けられたシャーシ
で、このシャーシ２１にはモータ２２が固定され
ている。モータ２２のシャフトにはフアン２３と
小プーリ２４が固定され、ベルト２５を介して大
プーリ２６に動力が伝達される。さらにシャーシ
２１には、下ヒータ２７を内底部に設けた焼成室
３０が固定されている。この焼成室３０内には、
内底部に着脱自在の練り羽根３２を設けたパン焼
き型３１があり、パン焼き型３１底に固定された
パン型台３５に羽根軸３４、上コネクター３７が
軸支されている。さらにパン焼き型３１は、シャ
ーシ２１に固定され、大プーリ２６とプーリ軸３
９、下コネクター３８を軸支するプーリ台４０と
着脱自在にかん合されている。

また、焼成室３０内の側面には、弾性的に支持
された温度検知部４９が突出しており、パン焼き
型３１側面に圧接している。焼成室３０上部内側
には、ほぼ全周に上ヒータ４１が配されている。
焼成室３０上面には開閉自在な蓋体４２と蓋体４
２下面中央に突出した取りつけ軸４４と押さえバ
ネ４５によつて弾性的に支持された内蓋４３とが
あり、蓋体４２を閉めることによつて内蓋４３外
周下面が上ヒータ４１に圧接する様になつてい
る。さらに蓋体４２には蓋体４２を開くための開
放つまみ４７とラツチ４８が設けられている。ま
た、モータ軸の小プーリ２４側に、モータ軸心と
わずか偏心した位置にピン軸５６設け、さらにシ
ャーシ２１の側面に、ゴム等の弾性膜吸盤を振動
させる構成の往復ポンプ５４を取り付、その弾性
膜吸盤の頂点にポンプ側ピン軸５７を固定し、ピ
ン軸５６とコネクトロツト５５で連結させてい
る。

さらに、往復ポンプ５４の吐出管５３は本体ボ
テー２０に取り付けられた水タンク５２に連通
し、さらに給水管５１が焼成室３０内のパン焼き
型３１に水が噴射される様に開口した給水管５０
に連通している。６１は焼き上り時刻等の入力設
定用のスイツチパネルである。６２はスイツチパ
ネルの入力及び、温度検知部４９の入力情報をも
とに、モータ２２下ヒータ２７、上ヒータ４１等
の制御条件を決定し、出力するための制御装置で
ある。６０は裏板、５９は足ゴムである。

また、第２図及び第３図に示すように、練り羽
根３２は、羽根軸３４により回転駆動させるボス
部３２−ａとパン生地を練る翼部３２−ｂとこれ
を回動させるための翼軸３２−ｃと、この翼軸３
２−ｃの抜けを防止する為の略リング状の弾性体
ストツパー３２−ｄとからなり翼軸３２−ｃのス
リツト部３２−ｅに挿入されている。

次に、本発明の動作について説明する。

焼成室３０内にパン焼き型３１と練り羽根３２
をセツトし小麦粉等の材料を投入する。蓋体４２
を閉め、水タンク５２に所定量の水を入れ、キヤ
ツプ（図示せず）を閉め、密封状態にする。この
状態でスイツチパネルよりパンの焼き上り時刻を
入力し、所定時刻がくると、モータ２２の運転が
始まり練りがおこなわれる。この時、モータ２２
の回転により往復ポンプ５４が働き水タンク５２
に空気を圧送し、その力でパン焼き型３１内に水
が注水され、練り羽根３２によつて小麦粉等の材
料と混練される。そして、しばらく混練がつづ
き、温度検知部４９とモータ２２の運転時間の情
報に基づいて、練りの運転停止をおこない、さら
に、一次発酵、ガス抜き、成形発酵、焼成の各工
程を自動的に行つて、設定した時刻にパンが焼き
上るものである。

また、練り羽根３２の正回転のとき、パン生地
の抵抗力によつて翼部３２−ｂが起き上り、所定
角度でストツプして翼部３２−ｂが起きたまま回
転し、パン生地を練ることができる。そして、最
終のガス抜きが終了した後モータ２２を逆転させ
ることにより翼部３２−ｂが水平に倒れ、この状
態で成形発酵、焼成をおこなえばパンの底に羽根
跡がほとんど残らないものである。

また、第２〜３図に示す様に、練り羽根３２の
翼軸３２−ｃには、細いスリツト部３２−ｅが設
けられ、さらに略リング状の弾性体ストツパー３
２−ｄがボス部３２−ａと翼部３２−ｂの一方の
擢動部３２−ｆに配され、他方の翼部３２−ｂの
軸穴から翼軸３２−ｃを挿入すればスリツト部３
２−ｅに弾性体ストツパー３２−Ｄがはまりこみ
翼軸３２−ｃにはボス部３２−ａや翼部３２−ｂ
から抜けることがなくなる。

発明の効果 以上の様に本発明によれば、練り羽根の翼部を
可動にし、モータの正・逆転により練り羽根の跡
をパンの底又は内部に残さない見栄えの良いパン
を作ることができ、さらに、練り羽根の組み立て
を翼軸を差し込むだけで、簡単に組み立てること
ができ、容易に抜ける心配がない限り練り羽根を
有する製パン機を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例による全自動製パン
機の縦断面図、第２図は同羽根部分の詳細図、第
３図は同羽根部分の分解斜視図、第４図は従来の
全自動製パン機の縦断面図、第５図は同練り羽根
を表す断面図である。 ３０……焼成室、３１……パン焼き型、３２…
…練り羽根。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ヒータを有する焼成室と、この焼成室内に着
   脱自在に装着したパン焼き型と、このパン焼き型
   の内底部にモータにより減速駆動される着脱自在
   な練り羽根とで構成される混練、焼成装置とを有
   し、前記練り羽根はボス部と翼部により成り、翼
   部はボス部の回転軸方向にほぼ直角に所定角度回
   動自在な様にボス部を慣通する翼軸で両軸が軸支
   され、前記翼軸に設けたスリツトに、前記翼軸径
   より小寸法部と大寸法部を有する略リング状の弾
   性体が挿入されてなる製パン機。