JPH0587716U - 車両用灯具におけるシール構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シール性に優れ、かつ部品点数が軽減できる
車両用灯具におけるシール構造を提供することにある。 【構成】 装着キャップ８に防水カバー７をエラストマ
ーで一体成形する。この結果、装着キャップ８と防水カ
バー７との間のシール性が向上される。また、装着キャ
ップ８と防水カバー７とが１個の部品となるので、部品
点数を低減することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ハウジングに防水カバーを装着キャップで装着して灯室内をシール する車両用灯具におけるシール構造に係り、特にシール性に優れ、かつ部品点数 が少なくて済む車両用灯具におけるシール構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

車両用灯具におけるシール構造は、ハウジングと、そのハウジングの前方に配 設したレンズと、そのハウジングおよびレンズにより画成された灯室と、その灯 室内に配設したバルブと、前記ハウジングに当接して水が灯具内に侵入するのを 防ぐ防水カバーと、その防水カバーをハウジングに装着する装着キャップとを備 え、前記ハウジングと装着キャップとに、相互に係合する係合部を設け、前記防 水カバーに、前記ハウジング，前記装着キャップのうち少なくとも何れか一方に 当接してシールするシール部を設けたものである。かかる車両用灯具におけるシ ール構造としては、実願昭６２−１１１４０３号のものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上述の車両用灯具におけるシール構造の改良に係るものである。

【０００４】 本考案の目的は、さらにシール性に優れ、しかも部品点数を低減することがで きる車両用灯具におけるシール構造を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、装着キャップに防水カバーをエラストマーで一体成形したことを特 徴とする。

【０００６】

【作用】

本考案は、上記の構成により、装着キャップと防水カバーとの間のシール性が 向上される。また、装着キャップと防水カバーとが１個の部品となるので、部品 点数を低減することができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案に係る車両用灯具におけるシール構造の実施例のうちの２例を添 付図面を参照して説明する。 図１は本考案に係る車両用灯具におけるシール構造の第１の実施例を示した断 面図である。 図において、６は例えば合成樹脂製のハウジングである。このハウジング６の 前面および後部に開口部６０および６１をそれぞれ設け、前面開口部６０に接着 凹部６２を設ける。このハウジング６の後部の外周面に３個の係合爪６３を、等 角度間隔に一体に突設する。かつ、ハウジング６の後部の係合爪６３より後方の 箇所の外周面に、当接凹部を設ける。後部開口部６１の周縁に当接部６５を設け る。

【０００８】 図において、２はレンズである。このレンズ２は、皿形形状をなし、開口部の 全周に接着脚２０を一体に設ける。このレンズ２の接着脚２０をハウジング１の 接着凹部１２に接着剤２１により接着して、灯室１４を画成する。 図において、３はリフレクタである。このリフレクタ３を前記灯室１４内にピ ボット軸受等（図示せず）で回動傾動可能に配設する。このリフレクタ３の前面 および後部に開口部３０および３１をそれそれ設ける。後部開口部３１に後述す るバルブ４の鍔部４２が係合する係合部３２を設けると共に、その後部開口部３ １に取付スプリング３３の一端を装着する。 図において、４はバルブである。このバルブ４は、フィラメント（図示せず） を封入したガラス管球４０と、そのガラス管球４０の後部に一体に設けた円筒形 状の口金４１と、その口金４１の中間部に一体に突設した鍔部４２と、口金４１ の後端から後方に突設した端子４３とからなる。かくしてなるバルブ４のガラス 管球４０をリフレクタ３の後部開口部３１からリフレクタ３に挿入し、バルブ４ の鍔部４２をリフレクタ３の係合部３２に係合させ、かつ取付スプリング３３に よりバルブ４の鍔部４２をリフレクタ３の後部開口部に圧接させ、バルブ４をリ フレクタ３に着脱可能に装着する。

【０００９】 図において、７はエラストマー製の防水カバーである。この防水カバー７は、 内周面に環状の凹凸を設けたボス部７０と、そのボス部７０の外周から後方にか つ外方に一体に延設した蛇腹状の弾性部７１と、その弾性部７１の外周から外方 に一体に延設した板状の当接部７２と、その当接部７２の外周から前方にほぼ直 角に一体に延設した連結部７３と、その連結部７３の前端に設けたシール部とし てのＯリング部７４とからなる。当接部７２の前面に同じくシール部としての２ 個の三角ビード７５を一体に突設する。上述の２個の三角ビード７５の内、外側 の三角ビード７５は灯具内側に向って傾斜する。すなわち、三角ビード７５の防 水カバー７との付根部分が外側に、又ハウジング６への当接先端が内側にそれぞ れ位置する。前記Ｏリング部７４の外周面に小突起７６を一体に突設する。

【００１０】 図において、８は樹脂製の装着キャップである。この装着キャップ８は、薄形 の中空状の円筒形をなし、前部の内周面に３本の係合溝８０を、等角度間隔に装 着キャップ８の周方向に設ける。この係合溝８０は前部側の内面にテーパ面８１ を、図６において時計方向に行くに従って前部の肉厚が厚くなるように設けると 共に、同じく前部側の内面に平行面８２を、前述のテーパ面８１の時計方向側の 端（肉厚の厚い端）から連設する。この係合溝８０の反時計方向側の端（肉厚の 薄い端）に切欠８３を設ける。また、係合溝８０の平行面８２の途中（切欠８３ から時計方向に約６０°の箇所）にストッパ用の垂直壁８４を設ける。この装着 キャップ８の後部に６枚のリブ８７を等角度間隔に一体に突設する。なお、上述 の装着キャップ８の中部の内周面部８５は、前記ハウジング６の当接凹部６４の 周方向側の壁面と平行に設けてあるが、前記ハウジング６の当接凹部６４に対し て傾斜させても良い。

【００１１】 かかる装着キャップ８を合成樹脂で成形し、かつその装着キャップ８に前記防 水カバー７をエラストマーにより一体に成形する。図２中の符号９は前記装着キ ャップ８の後部開口部の内周面部８６と前記防水カバー７の当接部７２の外面と の一体化した部分を示す。

【００１２】 なお、この実施例においては、前記装着キャップ８の中部の内周面部８５と前 記防水カバー７の連結部７３及びＯリング部７４の外面との間に隙間を開けてあ るが、その隙間を無くして、前記装着キャップ８の中部の内周面部８５で前記防 水カバー７のＯリング部７４をハウジング６の当接凹部６４に押し付けるように しても良い。

【００１３】 この実施例における本考案の自動車用灯具は、以上の如き構成よりなり、以下 その組み付け方について説明する。

【００１４】 まず、その防水カバー７の当接部７２をハウジング６の当接部６５に、防水カ バー７の三角ビード７５がハウジング６の当接部６５に対向するようにセットし 、かつ防水カバー７のＯリング部７４をハウジング６の当接凹部６４にセットす る。それと当時に、ハウジング６の係合爪６３に防水カバー７と一体の装着キャ ップ８の切欠８３を位置させ、装着キャップ８をハウジング６側に押し込み、続 いて装着キャップ８を図７において時計方向に回す。すると、ハウジング６の係 合爪６３が装着キャップ８の係合溝８０のテーパ面８１から平行面８２へと入り 、装着キャップ８をハウジング６側に押し付け、かつその係合爪６３がストッパ 用垂直壁８４に当ったところで、ハウジング６の係合爪６３と装着キャップ８の 係合溝８０とが相互に係合し、防水カバー７は装着キャップ８によりハウジング ６に装着される。それから、装着キャップ８と一体の防水カバー７のボス部７０ をバルブ４の口金４１に外嵌する。 このように、装着キャップ８と一体の防水カバー７の三角ビード７５がハウジ ング６の当接部６５に圧接されている。また、ハウジング６の当接凹部６４内に は防水カバー７のＯリング部７４が圧入されている。この結果、ハウジング６の 後部を完全に密封することができる。従って、ハウジング６，防水カバー７，装 着キャップ８の寸法精度や防水カバー７のハウジング６への装着の仕方により、 防水カバー７の当接部７２（三角ビード７５）およびＯリング部７４のハウジン グ６当接部６５および当接凹部６４への当接が不完全となり、雨水が灯具内に侵 入するような虞れはない。

【００１５】 特に、本考案においては、装着キャップ８の後部開口部の内周面部８６と防水 カバー７の当接部７２の外面とが一体化されているので、シール性がさらに向上 される。また、部品点数が１個となって、軽減化される。

【００１６】 図１０は本考案に係る車両用灯具におけるシール構造の第２の実施例を示した 断面図である。図中、図１乃至図９と同符号は同一のものを示す。 この実施例のものは、装着キャップ８の内周面にエラストマー製の防水カバー ７を一体に成形したものである。この結果、装着キャップ８の係合溝８０の内周 面にもエラストマー製の防水カバー７の延長部７７が張設されるので、シール性 がさらに向上され、しかもハウジング６と装着キャップ８との係合が確固になる 。

【００１７】 特に、この実施例における本考案の自動車用灯具は、ハウジング６に当接する ２個の三角ビード７５の内の外側の三角ビード７５を灯具内側に向けて傾斜させ たので、バルブ４点灯時などで、灯室１４内の圧力Ｐが外側の大気圧Ｐ０より大 きくなると、その圧力差により、外側の三角ビード７５が図３の二点鎖線に示す ように、ハウジング６の当接部６５面に強く押し付けられ、シール性がさらに高 くなり、雨水の侵入を防ぐことができる。 また、上述の実施例においては、ハウジング６およびレンズ２により画成され た灯室１４内にリフレクタ３を配設し、そのリフレクタ３にバルブ４を装着した 例を説明したが、ハウジングに反射面を設け、そのハウジングにバルブを装着し たものにも本考案を通用することができる。

【００１８】

【考案の効果】

以上から明らかなように、本考案の車両用灯具におけるシール構造は、装着キ ャップに防水カバーをエラストマーで一体成形したものであるから、装着キャッ プと防水カバーとの間のシール性が向上される。また、装着キャップと防水カバ ーとが１個の部品となるので、部品点数を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る車両用灯具におけるシール構造の
第１の実施例を示した断面図

【図２】図１におけるＩＩ部拡大断面図

【図３】ビードの作用を示した説明図

【図４】防水カバーの断面図

【図５】図４におけるＶ部拡大断面図

【図６】装着キャップの正面図

【図７】装着キャップの背面図

【図８】図６におけるＶＩＩＩ−ＶＩＩＩ線断面図

【図９】図６におけるＩＸ−ＩＸ線断面図

【図１０】本考案に係る車両用灯具におけるシール構造
の第２の実施例を示した断面図

【符号の説明】

１４…灯室、２…レンズ、３…リフレクタ、４…バル
ブ、６…ハウジング、６３…係合爪、６４…当接凹部、
６５…当接部、７…防水カバー、７２…当接部、７４…
Ｏリング部、７５…三角ビード、８…装着キャップ、８
０…係合溝、８５…内周面、８６…当接部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハウジングと、そのハウジングの前方に
   配設したレンズと、そのハウジングおよびレンズにより
   画成された灯室と、その灯室内に配設したバルブと、前
   記ハウジングに当接して水が灯具内に侵入するのを防ぐ
   防水カバーと、その防水カバーをハウジングに装着する
   装着キャップとを備え、前記ハウジングと装着キャップ
   とに、相互に係合する係合部を設け、前記防水カバー
   に、前記ハウジング，前記装着キャップのうち少なくと
   も何れか一方に当接してシールするシール部を設けた車
   両用灯具において、前記装着キャップと前記防水カバー
   とは、装着キャップに防水カバーがエラストマーで一体
   成形されていることを特徴とする車両用灯具におけるシ
   ール構造。