JPH0587451U - 建屋の局所冷暖房装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 建屋において天井の移動物の邪魔にならず、
床を占拠して作業を妨げず、作業者にとつて快適な局所
冷暖房を行う。 ［構成］ 建屋の天井４に冷暖房ユニツト２を設置し、
冷暖房ユニツト２に接続したダクト５を天井４と壁６に
沿つて延長し、ダクト５の端部を壁または床上の所定高
さに配置した受風箱７へ接続する。受風箱７に可撓性の
吹出ダクト８を接続し、吹出ダクト８の先端を作業者２
１の方へ湾曲して局所冷暖房を行う。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は工場建屋など屋内全域を冷暖房することが経済的に難しい建屋の局所 冷暖房装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

実開昭52-44550号公報には、車室のダツシユ板付近に配設した冷房ユニツトの 吹出口に、湾曲したダクトを接続部の軸心を中心として回動可能に取り付け、冷 風を乗員の所望の体部へ効果的に吹き出す車両の冷暖房装置が提案されている。 上述の冷暖房装置では、冷房ユニツトがもともと乗員の座席近くに配置されてお り、乗員の所望の体部へ冷風吹出口を向けるにとどまる。

【０００３】 屋内全域を冷暖房することが経済的に難しい工場建屋には、作業場所に近い床 部に置く据置型または可搬型冷暖房ユニツトが知られているが、これは床を冷暖 房ユニツトが占拠するために、作業の邪魔になる。

【０００４】 天吊り型の冷暖房ユニツトは、床が開放されるものの、冷暖房ユニツトから垂 れ下がる吹出ダクトが、天井クレーン、天吊り型の空気駆動手工具、電動手工具 などの移動を妨げるという問題がある。

【０００５】 さらに、天吊り型の冷暖房ユニツトからの吹出ダクトは冷房の場合は良いが、 暖房の場合は作業者の上半身へ直接温風が吹き出され、下半身の暖房が不完全で 快適性を満足するものではない。

【０００６】

【考案が解決しようとする問題点】

本考案の目的は上述の問題に鑑み、天井の移動物の邪魔にならず、床を占拠し て作業を妨げず、作業者にとつて快適な冷暖房ができる、建屋の局所冷暖房装置 を提供することにある。

【０００７】

【問題点を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の構成は建屋の天井に冷暖房ユニツトを設 置し、冷暖房ユニツトに接続したダクトを天井と壁に沿つて延長して壁または床 上の所定高さに配置した受風箱へ接続し、受風箱に先端が所要方向へ湾曲し得る 可撓性の吹出ダクトを接続したものである。

【０００８】

【作用】

受風箱は冷暖房ユニツトに比べて十分小さいから、建屋の壁または作業場所付 近に配置しても邪魔にならず、天井の冷暖房ユニツトと受風箱を接続するダクト は、天井と壁に沿つて配設されるので、天井クレーンその他の移動物の妨げにな らない。

【０００９】 受風箱から延出される可撓性の吹出ダクトは、冷房時は作業者の上半身へ、暖 房時は下半身へ向ければ、作業者にとり快適な冷暖房が得られる。

【００１０】 受風箱の底部に複数の可撓性の吹出ダクトを接続しておけば、複数の作業者に とりそれぞれ都合のよい冷暖房が得られる。

【００１１】 冷暖房を必要としない時は、吹出ダクトを壁に沿つて下向きにしておけば邪魔 にならず、受風箱へ埃などが侵入する機会も少ない。

【００１２】

【考案の実施例】

第１図に示すように、冷暖房ユニツト２は支柱３などの手段により建屋の天井 ４に取り付られる。冷暖房ユニツト２は箱の内部に室内熱交換機と送風機を備え ており、室内熱交換機器は室外熱交換器と冷媒圧縮機に冷媒管によりループ状に 接続され、例えば特開昭61-250463 号公報に開示されるようなヒートポンプ式空 調装置を構成する。

【００１３】 冷暖房ユニツト２は箱の底部から空気を吸い込み、冷却または加熱してダクト ５へ吹き出す。ダクト５は天井４と壁６に沿つて延長され、床９から所定高さ（ １．５ｍ程度）の壁６に配設した受風箱７へ接続される。受風箱７の好ましくは 底部に１本または複数本の可撓性の吹出ダクト８が接続され、作業者２１の体部 へ向けて延長される。すなわち、冷房時は作業者２１の上半身へ向けて湾曲すれ ば、吹出ダクト８はその姿勢を保持する。

【００１４】 冷房を必要としない時は、鎖線で示すように、下方へ真直ぐに延ばしておけば 、埃などが浸入する恐れがない。

【００１５】 第３図に示すように、吹出ダクト８は比較的軟質の合成樹脂からなる帯板２２ の一側縁にくびれ部２４を介してやじり状の突条２３を、他側縁に幅の狭い溝２ ６により開放された空部２５を一体に形成してなり、帯板２２を螺旋状に巻く際 に、くびれ部２４を溝２６に係合しつつ、突条２３を空部２５へ挿通して構成さ れるものである。突条２３と空部２５の摩擦係合により、吹出ダクト８の巻軸２ ７を任意の方向へ湾曲でき、かつ湾曲状態が保持される。

【００１６】 ダクト５は天井４と壁６または建屋の柱に沿つて配置できるから、天井クレー ンの走行や天吊り型の電動または空圧動手工具の移動に何ら妨げにならない。受 風箱７は小形であり、壁６に容易に配置できるので、作業の妨げにならない。

【００１７】 第２図に示すように、床９が広い場合は、支柱１２に支持した所定高さの台１ ０に受風箱７を固定し、受風箱７の底部から吹出ダクト８を暖房時は図示のよう に作業者の下半身へ向けて延長する。

【００１８】 受風箱７は従来の可搬型冷暖房ユニツトやスポツト型冷暖房ユニツトに比べて 非常に小さいから、作業場所付近に設置しても、作業性が損れる度合は少いとい える。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は上述のように、建屋の天井に冷暖房ユニツトを設置し、冷暖房ユニツ トに接続したダクトを天井と壁に沿つて延長して壁または床上の所定高さに配置 した受風箱へ接続し、受風箱に先端が所要方向へ湾曲し得る可撓性の吹出ダクト を接続したから、次のような効果を奏する。 （ａ） 受風箱は冷暖房機に比べて非常に小形であるから、作業場所の近くで、 床から適当な高さの建屋壁または仮設台に設置しても作業の邪魔にならず、受風 箱から延びる吹出ダクトも短くてよく、冷房または暖房に応じて作業者の頭部ま たは足部へ向けられ、作業者にとり快適な冷暖房が得られる。 （ｂ） 冷暖房ユニツトは作業場所から離れた天井に設置されるから、作業者へ 伝播される運転騒音が抑えられる。

【提出日】平成３年１０月２９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００３

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００３】 屋内全域を冷暖房することが経済的に難しい工場建屋には、特開平２−６１４ ５８号に開示されるように、作業場所に近い床部に置く据置型または可搬型冷暖 房ユニツトが知られているが、これは床を冷暖房ユニツトが占拠するために、作 業の邪魔になる。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００４

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００４】 実開平１−１３４８４２号に開示される天吊り型の冷暖房ユニツトは、床が開 放されるものの、冷暖房ユニツトから垂れ下がる吹出ダクトが、天井クレーン、 天吊り型の空気駆動手工具、電動手工具などの移動を妨げるという問題がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る建屋の局所冷暖房装置を示す側面
図である。

【図２】受風箱の設置例を示す側面図である。

【図３】吹出ダクトの側面断面図である。

【符号の説明】

２：冷暖房ユニツト ４：天井 ５：ダクト ６：壁 ７：受風箱 ８：吹出ダクト

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 石塚 豊 埼玉県大里郡江南町大字千代字東原39番地 株式会社ゼクセル江南工場内 (72)考案者 及川 明 東京都中央区銀座６丁目17番１号 日産自 動車株式会社内 (72)考案者 駒澤 祥行 東京都港区三田３丁目５番28号 日産自動 車販売株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】建屋の天井に冷暖房ユニツトを設置し、冷
   暖房ユニツトに接続したダクトを天井と壁に沿つて延長
   して壁または床上の所定高さに配置した受風箱へ接続
   し、受風箱に先端が所要方向へ湾曲し得る可撓性の吹出
   ダクトを接続したことを特徴とする建屋の局所冷暖房装
   置。