JPH0586170A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物

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JPH0586170A
JPH0586170A JP27487691A JP27487691A JPH0586170A JP H0586170 A JPH0586170 A JP H0586170A JP 27487691 A JP27487691 A JP 27487691A JP 27487691 A JP27487691 A JP 27487691A JP H0586170 A JPH0586170 A JP H0586170A
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JP
Japan
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epoxy resin
general formula
independently
integer
substituted aromatic
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Pending
Application number
JP27487691A
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English (en)
Inventor
Tetsuro Imura
哲朗 井村
Masayuki Ota
雅之 太田
Takao Fukuzawa
孝雄 福沢
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Yuka Shell Epoxy KK
Original Assignee
Yuka Shell Epoxy KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エポキシ樹脂、下記の一般式で表わされる水
酸基置換芳香族系化合物を含有する硬化剤、及び無機充
填剤を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物であ
る。 (式中、Xはそれぞれ単独にアルキル基又はハロゲン原
子であり、Yはそれぞれ単独にアルキル基、ハロゲン原
子又はアルコキシ基であり、R1 及びR2 はそれぞれ単
独に水素原子又はアルキル基であり、jは1〜3の整数
であり、kは0〜2の整数であり、pは0又は1であ
り、mは0〜2の整数であり、nは1〜10の整数であ
る。)そして、その硬化剤は、前記の一般式で表わされ
る化合物を25重量%以上含有するのが望ましく、また
硬化剤中のNa+ 及びCl- の含有量がともに10pp
m以下であるのが望ましい。 【効果】 このエポキシ樹脂組成物は成形性が良好で、
耐熱性、耐湿性及び耐クラツク性に優れた封止を与え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形性が良好で、耐熱
性、耐湿性及び耐クラツク性に優れた硬化物を与える半
導体封止用エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体素子の封止には、エポキシ
樹脂組成物で封止する方法が、信頼性、生産性及び価格
等の点において、ガラス、金属又はセラミツクを用いる
ハーメチツクシール法より有利なために、最も一般的に
用いられている。
【0003】そして、半導体封止用エポキシ樹脂として
は、オルソクレゾールノボラツク型エポキシ樹脂を主成
分とし、硬化剤としてノボラツク型フエノール樹脂を用
いたものが主として用いられている。しかし、近年、半
導体素子の高集積化に伴ない素子面積が大きくなり、さ
らにパツケージの形状も薄型化する傾向にあり、素子と
封止材間に生じる熱応力によるパツケージクラツクの発
生や素子上のアルミニウム配線の変形などの問題が無視
できなくなってきた。また、実装方法も、ピン挿入から
表面実装に変わりつつあり、半導体封止材に対してさら
に高度な耐熱性、耐湿性及び耐クラツク性が要求される
ようになった。
【0004】かかる問題点の解決手段として、オルソク
レゾールノボラツクなどのノボラツク型のエポキシ樹脂
と、硬化剤としてノボラツク型フエノール樹脂を用いた
前記のエポキシ樹脂に、可撓性付与剤として各種のゴム
状樹脂を添加したり、無機充填剤を多量に配合する方法
が用いられるようになったが、かかる方法は耐クラツク
性の改善効果が得られるにしても、他の樹脂物性を劣化
させたり、成形時の樹脂組成物の流動性(すなわち成形
性)が著しく悪くなるなどの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、良好な成形
性を有し、耐熱性、耐クラツク性及び耐湿性に優れた硬
化物を与える半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供し
ようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために種々研究を重ねた結果、エポキシ樹
脂硬化剤として特定の水酸基含有芳香族系化合物を用い
ることにより、その目的を達成することができたのであ
る。
【0007】すなわち、本発明の半導体封止用エポキシ
樹脂組成物は、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び
無機充填剤を含有するエポキシ樹脂組成物において、前
記のエポキシ樹脂硬化剤として、下記の一般式で表わ
される水酸基置換芳香族系化合物(同化合物の2種以上
の混合物を含む)を含有する硬化剤を用いてなることを
特徴とする組成物である。
【0008】
【化5】
【0009】(式中、Xはそれぞれ単独にアルキル基又
はハロゲン原子であり、Yはそれぞれ単独にアルキル
基、ハロゲン原子又はアルコキシ基であり、R1 及びR
2 はそれぞれ単独に水素原子又はアルキル基であり、j
は1〜3の整数であり、kは0〜2の整数であり、pは
0又は1であり、mは0〜2の整数であり、nは1〜1
0の整数である。)
【0010】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
において用いられるエポキシ樹脂硬化剤は、前記の一般
式で表わされる水酸基置換芳香族系化合物(同化合物
の2種以上の混合物を含む)を含有する硬化剤である
が、前記の一般式で表わされる化合物は、下記の一般
式で表わされるナフトール系化合物と、下記の一般式
で表わされるベンゾール系化合物及び/又は下記の一
般式で表わされるベンゾール系化合物とを、酸性触媒
の存在下で反応ることにより容易に製造することがで
き、この場合に得られる生成化合物は、前記一般式に
おけるnの値が種々の値の化合物の混合物を主成分とす
るものである。
【0011】
【化6】
【0012】(式中、Xはそれぞれ単独にアルキル基又
はハロゲン原子であり、jは1〜3の整数であり、kは
0〜2の整数である。)
【0013】
【化7】
【0014】(式中、Yはそれぞれ単独にアルキル基、
ハロゲン原子又はアルコキシ基であり、Zはそれぞれ単
独にハロゲン原子、水酸基又はアルコキシ基であり、R
1 及びR2 はそれぞれ単独に水素原子又はアルキル基で
あり、pは0又は1であり、mは0〜2の整数であ
る。)
【0015】
【化8】
【0016】(式中、Yはそれぞれ単独にアルキル基、
ハロゲン原子又はアルコキシ基であり、R2 、R3 及び
4 はそれぞれ単独に水素原子、アルキル基又はアリー
ル基であり、pは0又は1であり、mは0〜2の整数で
ある。)
【0017】この反応は、前記の一般式で表わされる
化合物を用いた場合には縮合反応である。また、前記の
一般式で表わされる化合物を用いた場合には付加反応
であり、そしてこの場合には、その一般式で表わされ
る化合物にもとづいて、式−CH(R3 )(R4 )で表わ
される基が形成され、この基が前記一般式における−
1 基となるのである。
【0018】この反応においては、前記のとおり、一般
式で表わされるベンゾール系化合物と、一般式で表
わされるベンゾール系化合物とを併用して、一般式で
表わされるナフトール系化合物と反応させることも可能
である。
【0019】前記の一般式で表わされるナフトール系
化合物としては、たとえば1−ナフトール、2−ナフト
ール、1−ブロモ−2−ナフトール、6−ブロモ−2−
ナフトール、4−クロロ−1−ナフトール、4−メトキ
シ−1−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、
2,4−ジブロモ−1−ナフトール、1,6−ジブロモ
−2−ナフトール、2,4−ジクロロ−1−ナフトー
ル、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒド
ロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、
1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキ
シナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,
3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナ
フタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,5−
ジヒドロキシ−7−メチルナフタレン、1,6−ジヒド
ロキシ−2−メチルナフタレン、1,6−ジヒドロキシ
−8−メチルナフタレン、1,6−ジヒドロキシ−4,
8−ジメチルナフタレン、2−ブロム−1,6−ジヒド
ロキシナフタレン、8−ブロム−1,6−ジヒドロキシ
ナフタレン、1,3,6−トリヒドロキシナフタレン、
1,3,7−トリヒドロキシナフタレン、1,4,6−
トリヒドロキシナフタレン、1,4,7−トリヒドロキ
シナフタレンなどがあげられる。これらのナフトール系
化合物は2種以上を併用して反応させることができる。
また、これらのナフトール系化合物は、共重合成分とし
て小割合のフエノール類を併用することも可能である
が、ナフトール系化合物のみを用いる方が好ましい。
【0020】前記の一般式で表わされるベンゾール系
化合物として、たとえば1,2−ビス(ヒドロキシメチ
ル)ベンゼン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)ベン
ゼン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、
1,2−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,3−ビス
(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(クロロメチ
ル)ベンゼン、1,2−ビス(メトキシメチル)ベンゼ
ン、1,3−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、1,4
−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(1
−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)ベンゼン、さらに
はフエノールや置換フエノール類とホルムアルデヒドな
どのアルデヒド類とを、アルカリ性触媒の存在下で反応
させて得られるビス(ヒドロキシメチル)フエノール
類、たとえば2,4−ビス(ヒドロキシメチル)フエノ
ール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)フエノール、
2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−メチルフエノ
ール、2,4−ビス(ヒドロキシメチル)−6−メチル
フエノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−
t−ブチルフエノールなどがあげられる。
【0021】前記の一般式で表わされるベンゾール系
化合物としては、たとえばジビニルベンゼン、p−ジイ
ソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼ
ン、さらにはビニル基やイソプロペニル基などで二置換
されたフエノール誘導体などがあげられる。
【0022】前記の縮合又は付加反応は、前記のとお
り、酸性触媒の存在下で行なわせるが、その酸性触媒と
しては、たとえば塩酸、硫酸等の鉱酸類、シユウ酸、ト
ルエンスルホン酸等の有機酸類、三フツ化ホウ素、三フ
ツ化ホウ素エーテル錯体、塩化アルミニウム、塩化ス
ズ、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化チタンなどのルイス酸等が
あげられる。その触媒の使用量は、一般式で表わされ
るナフトール系化合物に対して0.1〜5重量%であ
る。
【0023】この反応は、通常、50〜250℃、好ま
しくは50〜180℃の温度で1〜10時間加熱して行
なわせる。この反応は、必要に応じてベンゼン、トルエ
ン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、ニトロベンゼ
ン、ジフエニルエーテルなどの芳香族系溶媒、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどのエーテル類、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノールなどのアルコール類、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、
酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類、さらにはこれ
らの各溶剤及び水から選ばれた2種以上の混合溶媒の存
在下で行なわせることができる。
【0024】このような縮合又は付加反応で得られる生
成物は、前記一般式で表わされる化合物を多量に含有
するものであるが、必要に応じてその生成物を蒸留、再
結晶、抽出、洗浄、再沈澱などの種々の方法を用いて精
製することができる。かかる生成物中の化合物の含有
量は、ゲル浸透クロマトグラフイー(以下、これを「G
PC」という)により、UV検出器の波長を254nm
に設定した各成分のピーク面積比から容易に求めること
ができる。生成物が多量の不純物を含有していると、た
とえば原料の前記一般式、及びで表わされる各化
合物等が未反応のままで多量に含まれていると、生成物
中の化合物の純度が低下してくるので好ましくない。
すなわち、生成物中の化合物の純度があまり低下する
と、それを硬化剤として用いたエポキシ樹脂組成物は、
硬化物の架橋点が少なくなり、耐熱性が悪くなる。
【0025】本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ
樹脂硬化剤として、前記一般式で表わされる水酸基置
換芳香族系化合物に他の多価フエノール系化合物を併用
することができる。しかし、その併用する他の多価フエ
ノール系化合物の量が多くなりすぎると、耐クラツク性
等の硬化物性が悪くなるから、本発明で使用する硬化剤
は、全硬化剤中の前記一般式で表わされる水酸基置換
芳香族系化合物の含有量が25重量%以上であるのが望
ましい。
【0026】また、本発明のエポキシ樹脂組成物におい
て使用するエポキシ樹脂硬化剤中に、その製造反応にお
いて用いた触媒や、反応生成物の精製工程で使用した中
和剤等にもとづくイオン性不純物が残存していると、そ
のイオン性不純物が半導体素子のアルミニウム配線等を
腐食させる原因となり、半導体の高温高湿下での劣化試
験等での信頼性を悪化させることになる。そして、本発
明者らの知見によれば、本発明の使用する全エポキシ樹
脂硬化剤中のイオン性アルカリ金属(通常はNa+ )、
及びイオン性ハロゲン(通常はCl- )の含有量を、そ
れぞれ10ppm以下に保つと、半導体素子のアルミニ
ウム配線等の腐食問題を実質上回避できることが判明し
た。なお、本明細書に記載のNa+ の含有量及びCl-
の含有量とは、エポキシ樹脂硬化剤(全エポキシ樹脂硬
化剤)を純水中で95℃で20時間加熱したときに純水
中に抽出されるNa+ 及びCl- のそれぞれの量を原子
吸光分析及び硝酸銀溶液滴定によって定量し、それを該
硬化剤中のNa+ 及びCl- の重量ppmとして換算し
て表わしたものである。
【0027】本発明のエポキシ樹脂組成物には、エポキ
シ樹脂及び無機充填剤が必須成分として配合されるもの
である。
【0028】そのエポキシ樹脂としては、封止用エポキ
シ樹脂として一般に用いられるエポキシ樹脂はすべて使
用することができる。たとえばクレゾールノボラツク型
エポキシ樹脂をはじめとして、種々のフエノール系化合
物(たとえばビスフエノールA、ビスフエノールF、ビ
フエノール、アルキル置換ビフエノール、レゾルシン、
ハイドロキノン、メチルレゾルシン、フエノールノボラ
ツク、クレゾールノボラツク、レゾルシンノボラツク、
ビスフエノールAノボラツク;各種のフエノール類とヒ
ドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリ
オキザールなどの各種アルデヒドとの縮合反応で得られ
た多価フエノールなど)と、エピハロヒドリンとから製
造されるエポキシ樹脂等があげられる。さらに、本発明
において硬化剤として用いられる前記一般式で表わさ
れる水酸基置換芳香族系化合物にエピハロヒドリンを反
応させて得られるエポキシ樹脂も、本発明のエポキシ樹
脂組成物用のエポキシ樹脂として、好ましく使用するこ
とができる。
【0029】また、その無機充填剤としては、たとえば
溶融シリカ粉、結晶シリカ粉、ガラス粉、アルミナ粉、
ジルコン粉等があげられる。
【0030】また、本発明のエポキシ樹脂組成物には可
撓性付与剤を配合するのが望ましい。その可撓性付与剤
としては、たとえばポリブタジエン、ポリイソプレンな
どの有機ゴム類、ポリシロキサン系のオイルやゴムなど
があげられる。また、この種の可撓性付与剤を、エポキ
シ基、アミノ基、カルボキシル基、脂肪族水酸基、芳香
族水酸基、イソシアネート基などで変性したものも使用
することができる。また、本発明で使用するエポキシ樹
脂又はエポキシ樹脂硬化剤を、これらの基によって変性
しておくことも可能である。
【0031】さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物に
は、必要に応じて硬化促進剤、離型剤、難燃剤及びカツ
プリング剤などを配合することができる。
【0032】その硬化促進剤としては、たとえば2−メ
チルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ルなどのイミダゾール類、2,4,6−トリス(ジメチ
ルアミノメチル)フエノール、ベンジルジメチルアミン
などのアミン類、トリブチルホスフイン、トリフエニル
ホスフインなどの有機リン化合物などがあげられる。
【0033】その離型剤としては、たとえば天然ワツク
ス、合成ワツクス、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、パ
ラフインなどがあげられる。
【0034】その難燃剤としては、使用エポキシ樹脂の
一部を臭素化エポキシ樹脂、たとえば臭素化フエノール
ノボラツク型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフエノー
ルA型エポキシ樹脂として用いてもよいし、三酸化アン
チモン、トリフエニルホスフエートなどを配合してもよ
い。
【0035】本発明のエポキシ樹脂組成物の調製には種
々の方法を用いることができるが、一般的にはミキシン
グロールや押出機を用いる溶融混合法が簡易で好まし
い。
【0036】
【実施例】以下に、水酸基置換芳香族系化合物製造例、
実施例及び比較例をあげてさらに詳述する。これらの例
において記載の「部」は重量部を意味する。
【0037】水酸基置換芳香族系化合物製造例1 温度計、攪拌機、コンデンサーを備えた反応器に、2−
ナフトール144部、1,4−ビス(クロロメチル)ベ
ンゼン88部、p−トルエンスルホン酸・1水和物1.
9部、及びエタノール92部を加えてそれらを溶解さ
せ、90℃まで加熱し、同温度で240分間攪拌して反
応させた。
【0038】次いで、その反応生成物に25重量%Na
OH水溶液1.6部を加え、p−トルエンスルホン酸を
中和し、コンデンサーを冷却分離器と取り変えて、反応
器内温を90℃から150℃まで徐々に昇温し、減圧
下、同温度で溶剤、生成水及び未反応物等を留去した。
生成物をメチルイソブチルケトン(以下、これを「MI
BK」という。)600部に溶解し、次いでイオン性不
純物を除去するために水洗したのち、MIBKを加熱減
圧下で留去し、水酸基置換芳香族系化合物179部を得
た。この化合物は、軟化点が102℃であり、GPCに
よる前記の一般式で表わされる化合物の含有量が99
重量%であり、Na+ の含有量が2ppm、Cl- の含
有量が2ppmであった。
【0039】水酸基置換芳香族系化合物製造例2 1−ナフトール144部、2,4−ビス(ヒドロキシメ
チル)−6−メチルフエノール84部、p−トルエンス
ルホン酸・1水和物1.9部、及びエタノール92部を
用い、そのほかは製造例1と同様にして反応させ、同様
の処理をして水酸基置換芳香族系化合物191部を得
た。この化合物は、軟化点が110℃であり、GPCに
よる前記の一般式で表わされる化合物の含有量が98
重量%であり、Na+ の含有量が2ppm、Cl- の含
有量が1ppm以下であった。
【0040】水酸基置換芳香族系化合物製造例3 1,6−ジヒドロキシナフタレン160部、1,4−ビ
ス(ヒドロキシメチル)ベンゼン69部、p−トルエン
スルホン酸・1水和物1.9部、及びエタノール92部
を用い、そのほかは製造例1と同様にして反応させ、同
様の処理をして水酸基置換芳香族系化合物207部を得
た。この化合物は、軟化点が114℃であり、GPCに
よる前記の一般式で表わされる化合物の含有量が82
重量%であり、Na+ 含有量が2ppm、Cl- 含有量
が1ppm以下であった。
【0041】水酸基置換芳香族系化合物製造例4 2,7−ジヒドロキシナフタレン160部、1,4−ビ
ス(メトキシメチル)ベンゼン83部、p−トルエンス
ルホン酸・1水和物1.9部、及びエタノール92部を
用い、そのほかは製造例1と同様にして反応させ、同様
の処理をして水酸基置換芳香族系化合物209部を得
た。この化合物は、軟化点が122℃であり、GPCに
よる前記の一般式で表わされる化合物の含有量が85
重量%であり、Na+ 含有量が2ppm、Cl- 含有量
が1ppm以下であった。
【0042】水酸基置換芳香族系化合物製造例5 1,6−ジヒドロキシナフタレン160部、2,6−ビ
ス(ヒドロキシメチル)−4−メチルフエノール84
部、p−トルエンスルホン酸・1水和物1.9部、及び
エタノール92部を用い、そのほかは製造例1と同様に
して反応させ、同様の処理をして、水酸基置換芳香族系
化合物224部を得た。この化合物は、軟化点が123
℃であり、GPCによる前記の一般式で表わされる化
合物の含有量が88重量%であり、Na+ 含有量が2p
pm、Cl- 含有量が1ppm以下であった。
【0043】水酸基置換芳香族系化合物製造例6 1,6−ジヒドロキシナフタレン160部、1,4−ジ
イソプロペニルベンゼン79部、p−トルエンスルホン
酸・1水和物1.9部、及びエタノール92部を用い、
そのほかは製造例1と同様にして反応させ、同様の処理
をして水酸基置換芳香族系化合物234部を得た。この
化合物は、軟化点が120℃であり、GPCによる前記
の一般式で表わされる化合物の含有量が80重量%で
あり、Na+ 含有量が2ppm、Cl- 含有量が1pp
m以下であった。
【0044】水酸基置換芳香族系化合物製造例7 製造例3におけると同様に反応させ、同様にNaOHで
中和し、同様に水及び溶剤等を加熱下で減圧除去した
が、水洗を全く行なわなかった。この場合には水酸基置
換芳香族系化合物209部が得られ、その化合物は軟化
点が115℃であり、GPCによる前記の一般式で表
わされる化合物の含有量が81重量%であった。
【0045】次いで、この水酸基置換芳香族系化合物1
部と、製造例3で得られた水酸基置換芳香族系化合物9
9部とを混合した。得られた水酸基置換芳香族系化合物
(混合物)は、軟化点が114℃であり、Na+ 含有量
が11ppm、Cl- 含有量が1ppmであった。
【0046】水酸基置換芳香族系化合物製造例8 製造例3で用いたp−トルエンスルホン酸・1水和物の
代りに、36重量%塩酸1部を用い、そのほかは製造例
3と同様にして反応させ、同様にして水及び溶剤等を加
熱下で減圧除去したが、中和及び水洗を全く行なわなか
った。この場合には水酸基置換芳香族系化合物208部
が得られ、その軟化点は114℃であり、GPCによる
前記の一般式で表わされる化合物の含有量が82重量
%であった。
【0047】次いで、この水酸基置換芳香族系化合物1
部と、前記の製造例3で得られた水酸基置換芳香族系化
合物99部を混合した。得られた水酸基置換芳香族系化
合物(混合物)は、軟化点が114℃であり、Na+
有量が1ppm以下であったが、Cl- 含有量が14p
pmであった。
【0048】水酸基置換芳香族系化合物製造例9 製造例8におけると同様の方法で反応させたのち、25
重量%NaOH水溶液1.6部を加えて塩酸を中和し、
減圧下で加熱して溶剤及び水等を除去したが、水洗を行
なわなかった。この場合に水酸基置換芳香族系化合物2
10部が得られ、その軟化点が115℃であり、GPC
による前記の一般式で表わされる化合物の含有量が8
2重量%であった。
【0049】次いで、この水酸基置換芳香族系化合物1
部と、製造例3で得られた水酸基置換芳香族系化合物9
9部とを混合した。得られた混合水酸基置換芳香族系化
合物は、軟化点が114℃であり、Na+ 含有量が11
ppm、Cl- 含有量が15ppmであった。
【0050】実施例1〜20 比較例1〜6 上記の製造例1〜9で得られた各水酸基置換芳香族系化
合物、又はフエノールノボラツク樹脂をそれぞれエポキ
シ樹脂硬化剤として使用し、かつ表1〜表4にそれぞれ
示す配合を用いて得られた各組成物をミキシングロール
を用いて90℃の温度で5分間溶融混合したのち、得ら
れた溶融混合物をシート状で取出し、冷却後粉砕して各
エポキシ樹脂組成物を得た。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】表1〜表4の注: *1・・・ 油化シエルエポキシ株式会社商品名、クレゾー
ルノボラツク型エポキシ樹脂 *2・・・ 油化シエルエポキシ株式会社商品名、テトラメ
チルビフエノール型エポキシ樹脂 *3・・・ 油化シエルエポキシ株式会社商品名、トリス−
(ヒドロキシフエニル)メタン型エポキシ樹脂 *4・・・ 油化シエルエポキシ株式会社商品名、テトラブ
ロムビスフエノールA型エポキシ樹脂 *5・・・ 群栄化学株式会社製、軟化点98℃、Na+
1ppm以下、Cl- =1ppm *6・・・ 株式会社龍森商品名、RD−8 *7・・・ 信越化学工業株式会社商品名、X−60−16
4、エポキシ変性シリコーンオイル
【0056】得られた各樹脂組成物をトランスフアー成
形により成形し、170℃で5時間後硬化させた。その
各硬化物について、下記の(イ)〜(ハ)の各試験をし
て評価した。その結果は表5〜表8に示すとおりであっ
た。
【0057】(イ) ガラス転移温度 5mmφ×10mmの試験片を熱機械測定装置(TM
A)により測定した。
【0058】(ロ) 耐クラツク性 半導体素子を各エポキシ樹脂組成物を用いてトランスフ
アー成形で封止し、さらに170℃で5時間後硬化させ
て得た成形品各20個について、−50℃/5分→20
0℃/5分の温度サイクルを100回繰返したのちのク
ラツクの発生した成形品の数を調べた。
【0059】(ハ) 耐湿性 2本のアルミニウム配線を有する素子を各エポキシ樹脂
組成物を用いてトランスフアー成形で成形し、さらに1
70℃で5時間後硬化して得られた電気部品各20個に
ついて、120℃の高圧水蒸気下に、15Vのバイアス
電圧を印加して50%の不良が起きるまでの時間を求め
た。
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】
【表7】
【0063】
【表8】
【0064】表5及び表6から明らかなように、各実施
例のエポキシ樹脂組成物の硬化物は、フエノールノボラ
ツク樹脂を硬化剤として用いた比較例1や比較例2の硬
化物と較べて、ガラス転移温度、耐クラツク性及び耐湿
性とも著しく優れている。また、表7から明らかなよう
に、硬化剤中に含まれる前記一般式で表わされる化合
物の含有量が高くなるほど、硬化物のガラス転移温度、
耐クラツク性及び耐湿性が向上する。さらに、表8から
明らかなように、硬化剤中のNa+ 含有量やCl- 含有
量が10ppmを超えると、硬化物の耐湿性が悪くな
る。
【0065】
【発明の効果】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物は、成形性が良好で、耐熱性、耐湿性及び耐クラツク
性に優れた封止が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び
    無機充填剤を含有するエポキシ樹脂組成物において、前
    記のエポキシ樹脂硬化剤として、下記の一般式で表わ
    される水酸基置換芳香族系化合物(同化合物の2種以上
    の混合物を含む)を含有する硬化剤を用いてなることを
    特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式中、Xはそれぞれ単独にアルキル基又はハロゲン原
    子であり、Yはそれぞれ単独にアルキル基、ハロゲン原
    子又はアルコキシ基であり、R1 及びR2 はそれぞれ単
    独に水素原子又はアルキル基であり、jは1〜3の整数
    であり、kは0〜2の整数であり、pは0又は1であ
    り、mは0〜2の整数であり、nは1〜10の整数であ
    る。)
  2. 【請求項2】 一般式で表わされる水酸基置換芳香族
    系化合物が、下記の一般式で表わされるナフトール系
    化合物と、下記の一般式で表わされるベンゾール系化
    合物及び/又は下記の一般式で表わされるベンゾール
    系化合物とを、酸性触媒の存在下で反応させて得られた
    水酸基置換芳香族系化合物である請求項1に記載のエポ
    キシ樹脂組成物。 【化2】 (式中、Xはそれぞれ単独にアルキル基又はハロゲン原
    子であり、jは1〜3の整数であり、kは0〜2の整数
    である。) 【化3】 (式中、Yはそれぞれ単独にアルキル基、ハロゲン原子
    又はアルコキシ基であり、Zはそれぞれ単独にハロゲン
    原子、水酸基又はアルコキシ基であり、R1 及びR2
    それぞれ単独に水素原子又はアルキル基であり、pは0
    又は1であり、mは0〜2の整数である。) 【化4】 (式中、Yはそれぞれ単独にアルキル基、ハロゲン原子
    又はアルコキシ基であり、R2 、R3 及びR4 はそれぞ
    れ単独に水素原子、アルキル基又はアリール基であり、
    pは0又は1であり、mは0〜2の整数である。)
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂硬化剤が、イオン性のNa
    及びイオン性のClの含有量がともに10ppm以下で
    ある請求項1、又は請求項2に記載のエポキシ樹脂組成
    物。
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