JPH0586129U - 磁気ヘッド装置およびテープガイド - Google Patents

磁気ヘッド装置およびテープガイド

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JPH0586129U
JPH0586129U JP2116392U JP2116392U JPH0586129U JP H0586129 U JPH0586129 U JP H0586129U JP 2116392 U JP2116392 U JP 2116392U JP 2116392 U JP2116392 U JP 2116392U JP H0586129 U JPH0586129 U JP H0586129U
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magnetic tape
tape
magnetic
pole
magnetic head
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、磁気テープに負担をかけない磁気
ヘッド装置およびテープガイドを提供することを目的と
する。 【構成】 本考案は、シールドケースの導入側と導出側
の少なくとも一方側に、磁気テープを案内する回転ポー
ルが立設され、シールドケースのテープ摺動面と前記回
転ポールのテープ摺動面の少なくとも一方における磁気
テープの幅方向一端部側が、磁気テープの幅方向他端部
側の部分よりもシールドケースの前方側に突出するよう
に傾斜される一方、傾斜されたテープ摺動面あるいは回
転ポールに沿ってその幅方向に付勢された磁気テープの
縁部位置を規制する位置規制面が形成されてなるもので
ある。 【効果】 傾斜したシールドケースと回転ポールに磁気
テープが摺接することで磁気テープには折曲力に近い負
荷がかかるおそれがあるが、シールドケースの両側に配
した回転ポールは回転しつつ磁気テープを案内するので
磁気テープに対する負荷が少なくなり、磁気テープに過
大な負荷をかけない。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は磁気テープの走行安定性を高めた磁気ヘッド装置およびテープガイド に関する。
【0002】
【従来の技術】
図18は、一般のVHS用磁気記録装置(VTR)の磁気テープ走行系の一部 構造を示す図面である。図18において、符号1は円筒状の回転シリンダを示し 、この回転シリンダ1の側面部には映像信号記録再生用などの磁気ヘッドが埋め 込まれ、この回転シリンダ1の側面に磁気テープ2を押し付けるともに磁気テー プ2を走行させた状態で回転シリンダ1を回転させ、磁気ヘッドを作動させるこ とで映像信号の読み書きができるようになっている。 前記回転シリンダ1の磁気テープ導入側(図18において回転シリンダ1の左 側)には、磁気記録装置の本体側に設けられた駆動機構により移動自在に支持さ れた移動ポスト3が設けられるとともに、回転シリンダ1の磁気テープ導出側( 図18において回転シリンダ1の右側)には、前記テープガイド3と同様の作用 を行なう移動ポスト4が設けられている。これらの移動ポスト3、4は磁気テー プ2を収納しているテープカセットから磁気テープ2を引き出して回転シリンダ 1に押し付けるためのものである。
【0003】 更に、前記磁気テープ2の走行経路において、移動ポスト3の前方側には、ポ スト状の導入側テープガイド5が、移動ポスト4の後方側にはポスト状の導出側 テープガイド6がそれぞれ設けられている。 また、磁気テープ2の走行経路において、導出側テープガイド6の後方側には 、複合磁気ヘッド7と、リミッタポスト8と、キャプスタン9とピンチローラ1 0とが順次設けられている。
【考案が解決しようとする課題】
【0004】 前記の走行系においては、回転シリンダ1の側面に形成されている溝状のリー ド1aに沿って磁気テープ2が確実に走行するように種々の工夫がなされている 。 その工夫の1つは、テープガイド5の上部フランジ5aとテープガイド6の 上部フランジ6aとにより磁気テープ2の上縁部の位置規制を行なって磁気テー プ2の高さ位置調節を行ない、回転シリンダ1のリード1aに磁気テープ2の下 縁部を確実に押し付けて磁気テープ2の上下位置規制と走行安定性を高めるもの である。 このような構成を採用するならば、磁気テープ2の走行経路に沿って図18の 斜線で示すように上下に交互に位置規制を行なうので磁気テープ2の走行性を安 定化する効果を発揮する。 また、前記磁気テープ2の走行性を更に安定化する目的で、リミッタポスト8 の下部フランジ8aにより磁気テープ2の下縁部の位置規制を行ない、磁気テー プ2に作用させる位置規制をその走行経路に沿って順次上下になるような構成を 採用している。
【0005】 ところで前記複合磁気ヘッド7は、図19に拡大して示すように、音声消去ヘ ッド12と音声コントロールヘッド13をそれらの側部で隣接させて一体化して なるもので、それらのヘッド12、13は取付板14上に立設されている。前記 音声消去ヘッド12はその前面上部に形成された音声信号消去用の磁気コア12 aを有し、音声コントロールヘッド13はその前面上部に音声信号読み書き用の 磁気コア13aを有し、前面下部にコントロール信号読み書き用の磁気コア13 bを有している。
【0006】 また、前記構成の複合磁気ヘッド7は、例えば、図20に示すようなユニット ベース15を介して磁気記録装置のシャーシに取り付けられるようになっている 。図20では複合磁気ヘッド7を取り付けた取付板16が図19に示すものと若 干異なる形状になっている。この取付板16のコーナ部に形成された3つのねじ 孔には、調整ビス17、18、19が螺合され、これら調整ビス17、18、1 9は取付板16に形成されたねじ孔にも螺合されて取付板16がユニットベース 15の前部側において位置調節自在に取り付けられている。また、ユニットベー ス15の後部側は、U字状に折り曲げられ、その部分には基準孔20、21が形 成されている。 この基準孔20、21は、ユニットベース15を磁気記録装置のシャーシに固 定する際に用いるものであり、磁気記録装置のシャーシに立設された基準軸に前 記基準孔20、21を挿通し、ユニットベース15を固定することで複合磁気ヘ ッド7を磁気記録装置に取り付けることができるようになっている。
【0007】 ところで、磁気テープ2に対する複合磁気ヘッド7のアジマス角の調節と、磁 気テープ2の幅方向に対する複合磁気ヘッド7の角度(チルト角)の調節は、前 記ユニットベース15を磁気記録装置のシャーシに固定した後に、調整ビス17 、18、19のねじ込み具合を微調整することで行なうようにしているが、調整 ビス17、18、19を操作して行なうこれらの調節作業は極めて煩雑な作業で あるので、この作業を省略することが望まれている。
【0008】 そこで本考案の出願人は先に、図21に示す構成の取付部材を備えた磁気ヘッ ド装置を平成4年1月21日付けで特許出願し、前記作業の省力化を図った。 図21において用いられている複合磁気ヘッドは先の例で説明した複合磁気ヘ ッド7と同一のものであり、この複合磁気ヘッド7はそれを囲む矩形状の枠体2 5と枠体25の下部に一体化された基台26とを備えた取付部材27に固定され て磁気ヘッド装置Hを構成している。
【0009】 前記枠体25は、隣接一体化した状態の音声消去ヘッド12と音声コントロー ルヘッド13を組み込むためのものであり、これらのヘッドの上部を支持する天 井部30とこれらのヘッドの下部を支持する基板部31とこれらのヘッドの側部 に設けられたガイド支柱32、32とから構成されている。また、基板部31の 後部側には基台26が延設され、基台26にはシャーシ取り付け用の透孔26a が複数形成されている。また、ガイド支柱32の前面側には磁気テープ用のガイ ド面32aが形成されるとともに、ガイド支柱32の上下には、天井部30およ び基板部31の一部を延長して形成され、ガイド面32aを上下から挟みつける ように突出した位置規制部材34が形成されている。
【0010】 図21に示す構成の磁気ヘッド装置Hを用いるならば、音声消去ヘッド12と 音声コントロールヘッド13のそれぞれの高さ調節、アジマス調節、チルト調節 を取付部材27に組み込む際に正確に行なっておけば、基台26の透孔26aに 磁気記録装置のシャーシの基準軸を挿通して基台26をシャーシに対して正確に 取り付けることで、前記の各調節作業を磁気記録装置の組み立て作業時に省略す ることができるものであり、複合磁気ヘッドの取り付け作業時の無調整化をなし えるものである。
【0011】 ところで、図21に示す磁気ヘッド装置Hに対して磁気テープ2は、導入側の ガイド面32aと音声消去ヘッド12の傾斜した前面と音声コントロールヘッド 13の傾斜した前面と導出側のガイド面32aとに摺接して移動するわけである が、導入側のガイド面32aと音声消去ヘッド12の傾斜した前面と音声コント ロールヘッド13の傾斜した前面と導出側のガイド面32aとはそれぞれ極めて 近接した位置にあるために、これらの部分で磁気テープ2に負担をかけてしまう おそれがあり、これらの部分を磁気テープ2が通過する際に磁気テープ2にかか る負担を軽減する対策が望まれている。
【0012】 本考案は前記事情に鑑みてなされたものであり、磁気テープ走行性の安定化と 複合磁気ヘッドの取付無調整化を実現し、磁気テープに負担をかけない磁気ヘッ ド装置およびテープガイドを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の考案は前記課題を解決するために、シールドケースの前面側に テープ摺動面と磁気コアとを備えて構成された磁気ヘッドが取付部材に固定され てなる磁気ヘッド装置において、前記シールドケースの磁気テープ導入側と磁気 テープの導出側の少なくとも一方側に、前記取付部材に回転自在に取り付けられ て磁気テープを案内する回転ポールが設けられてなるものである。
【0014】 請求項2記載の考案は前記課題を解決するために、請求項1記載の磁気ヘッド 装置において、前記シールドケースのテープ摺動面と前記回転ポールのテープ摺 動面の少なくとも一方における磁気テープの幅方向一端部側が、磁気テープの幅 方向他端部側の部分よりもシールドケースの前方側に突出するように傾斜される 一方、前記取付部材の一部に、前記傾斜されたテープ摺動面あるいは回転ポール に沿ってその幅方向に付勢された磁気テープの端部位置を規制する規制面が形成 されてなるものである。
【0015】 請求項3記載の考案は前記課題を解決するために、請求項2記載の磁気ヘッド 装置において回転ポールが取付部材に設けられた支持軸に回転自在に支持され、 磁気テープとの摺動により回転ポールが支持軸に沿って磁気テープの走行経路の 幅方向に移動自在に支持される一方、回転ポールの両端部において、回転ポール の移動方向と反対側の端部にフランジ部が形成され、前記支持軸において前記回 転ポールの移動方向側に磁気テープの位置規制部材が設けられてなるものである 。
【0016】 請求項4記載の考案は前記課題を解決するために、支持軸とこの支持軸に回転 自在に挿通されて表面に磁気テープが摺接される回転ポールとを備えたテープガ イドにおいて、前記回転ポールが磁気テープの走行経路の幅方向に沿って配置さ れるとともに、前記回転ポールの一端が磁気テープの走行経路の前方側に、回転 ポールの他端が磁気テープの走行経路の後方側に向くように回転ポールが傾斜さ れ、磁気テープの摺動により、傾斜された回転ポールが支持軸に沿って移動自在 に支持される一方、回転ポールの両端部において、回転ポールの移動方向と反対 側の端部にフランジ部が形成され、前記支持軸において前記回転ポールの移動方 向側に磁気テープの位置規制部材が設けられてなるものである。
【0017】
【作用】 本考案の磁気ヘッド装置によれば、シールドケースの磁気テープ導入側と導出 側の少なくとも一方に回転ポールを設けているので、テープ摺動面に当接する磁 気テープがテープ摺動面の近傍で回転ポールにより円滑に案内され、磁気テープ に対する負担が少なくなりその走行性が安定する。 また、磁気テープをその幅方向に移動させるようにシールドケースのテープ摺 動面あるいは回転ポールのテープ摺動面を傾斜させたものにあっては、これらに 沿って幅方向に移動された磁気テープが取付部材の規制面に押圧される。よって 磁気テープが規制面により高さ位置を規制された状態で走行するために、磁気テ ープの走行性が安定する。
【0018】 シールドケースの傾斜したテープ摺動面あるいは回転ポールの傾斜したテープ 摺動面に磁気テープが摺動する際に、回転ポールのテープ摺動面とシールドケー スのテープ摺動面とが近接配置されているので磁気テープには負荷がかかるおそ れがあるが、回転ポールは回転しながら磁気テープに接触するので、磁気テープ との摺動抵抗は少なくなり、磁気テープにかかる負担は軽減される。
【0019】
【実施例】
以下、図面を参照して本考案の実施例について説明する。 図1は本考案装置の一実施例を組み込んだ磁気記録装置(VTR)の磁気テー プ走行系の一例を示すもので、図1において、符号41は円筒状の回転シリンダ を示し、この回転シリンダ41の側面部には映像信号記録再生用などの磁気ヘッ ドが埋め込まれ、この回転シリンダ41の側面に磁気テープ42を押し付けると もに磁気テープ42を走行させた状態で回転シリンダ41を回転させ、磁気ヘッ ドを作動させることで映像信号の読み書きができるようになっている。
【0020】 前記回転シリンダ41の磁気テープ導入側(図1において回転シリンダ1の左 側)には、磁気記録装置の本体側に設けられた駆動機構により移動自在に支持さ れた移動ポスト43が設けられるとともに、回転シリンダ41の磁気テープ導出 側(図1において回転シリンダ41の右側)には、前記移動ポスト43と同様の 作用を行なう移動ポスト44が設けられている。これらの移動ポスト43、44 は磁気テープ42を収納しているテープカセットから磁気テープ42を引き出し て回転シリンダ41に押し付けるためのものである。
【0021】 更に、前記磁気テープ42の走行経路において、移動ポスト43の前方側には 、導入側テープガイド45が、移動ポスト44の後方側には導出側テープガイド 46がそれぞれ設けられている。 また、磁気テープ42の走行経路において、導出側テープガイド46の後方側 には、複合磁気ヘッド47と、キャプスタン49とピンチローラ50とが順次設 けられている。
【0022】 前記の走行系においては、回転シリンダ41の側面に形成されている溝状のリ ード41aに沿って磁気テープ42が確実に走行するように、テープガイド45 の上部フランジ(位置規制部材)45aとテープガイド46の上部フランジ(位 置規制部材)46aとにより磁気テープ42の上縁部を位置規制して磁気テープ 42の上縁部側の位置調節を行ない、回転シリンダ41のリード41aに磁気テ ープ42の下縁部を確実に押し付けて磁気テープ42の位置規制と走行安定性を 高めている。 このような構成を採用して磁気テープ42の走行経路に沿って図1の斜線で示 すように上下に交互に位置規制を行なって磁気テープ42の走行性を安定化して いる。
【0023】 更に、テープガイド46の後方側に設けた磁気ヘッド装置47に磁気テープ4 2の下縁部側の位置規制を行なう手段を付設して磁気テープ42の走行の安定性 を向上させている。 以下にこの手段について具体的に説明する。
【0024】 図2は前記手段を付設した磁気ヘッド装置の第1構成例を示すものである。こ の例の複合磁気ヘッド47は本考案の出願人が先に特許出願している図21に示 す磁気ヘッド装置Hの一部を改良したものである。
【0025】 この複合磁気ヘッド47において、音声消去ヘッド52と音声コントロールヘ ッド53は、図21に示す複合磁気ヘッドの音声消去ヘッド12と音声コントロ ールヘッド13と同等のものであり、音声消去ヘッド52は前面上部に形成され た音声信号消去用の磁気コア52aを有し、音声コントロールヘッド53は前面 上部に音声信号読み書き用の磁気コア53aを有し、前面下部にコントロール信 号読み書き用の磁気コア53bを有するとともに、図2に示す音声消去ヘッド5 2の前面側に磁気テープ42の摺動面52cが形成され、音声コントロールヘッ ド53の前面側に磁気テープ42の摺動面53cが形成されている。 これらの磁気ヘッド52、53は、それらを囲む矩形状の枠体55と枠体55 の下部に一体化された基台56とを備えた取付部材57に固定されている。
【0026】 前記枠体55は、隣接一体化した状態の音声消去ヘッド52と音声コントロー ルヘッド53を組み込むためのものであり、これらのヘッドの上部を支持する天 井部60とこれらのヘッドの下部を支持する基板部61とこれらのヘッドの側部 に位置する支柱状の回転ポール62、62とから構成されている。 これらの回転ポール62は、筒状に形成され、基板部61と天井部60とを連 結して設けられた支持軸に外挿されて回転自在に支持されている。なお、回転ポ ール62はその中心軸を天井部60と基板部61に対して直角に向けて設けられ ている。
【0027】 基板部61の後部側には基台56が延設され、基台56には取付部材固定用の 透孔56aが複数形成されている。これらの透孔56aは磁気記録装置のシャー シに立設された基準軸を用いて取付部材57をシャーシに固定するために使用す るものである。 回転ポール62の前面側には磁気テープ42を摺動させるための摺動面62a が形成されるとともに、回転ポール62の上方には、天井部60の一部を延長し て形成されて摺動面62aの前方側に突出する第1位置規制部材64が形成され 、回転ポール62の下方には基板部61の一部を延長して形成されて摺動面62 aの前方側に突出する第2位置規制部材(位置規制手段)65が形成され、第1 位置規制部材64と回転ポール62と第2位置規制部材65によりテープガイド 66が構成されている。そして、第1位置規制部材64の下面に第1規制面64 aが、第2位置規制部材65の上面に第2規制面65aが、それぞれ形成されて いる。
【0028】 前記の如く上下に対向した位置規制部材64、65の間の間隔は磁気テープ4 2の幅よりも若干広い間隔に形成され、図2の下方側の第2位置規制部材65、 65の上面の規制面65aに、磁気テープ42の下縁部を接触させた際に磁気テ ープ42が正確に位置決めされるようになっている。 前記音声消去ヘッド52と音声コントロールヘッド53のそれぞれの摺動面5 2c、53cは、図2に示すように、それらの上部側をそれらの下部側よりも前 方に突き出すように前傾されている。この場合の前傾角度は、磁気テープ42が 規制面65aに適正な力で押圧するように決められる。この角度は例えば30分 程度で十分であるが、図2では誇張して記載している。
【0029】 一方、前記第1位置規制部材64、64の間であって音声コントロールヘッド 53の上部前方側には天井部60を下方に延長して突起状の第1位置決め部68 が形成され、第2位置規制部材65、65の間であって音声コントロールヘッド 53の下部前方側には基板部61を上方に延長して突起状の第2位置決め部69 が形成されている。 なお、枠体55に対する音声消去ヘッド12と音声コントロールヘッド13の 取り付け作業は、自動機により複合磁気ヘッド47の製造時に正確に行なうこと ができる。
【0030】 次に前記のように構成された磁気ヘッド装置47を磁気記録装置に取り付ける 場合について、更には、この取り付け後に磁気テープ42を磁気ヘッド装置47 に対して摺動させる場合について説明する。
【0031】 前記のように構成された磁気ヘッド装置47は、磁気記録装置のシャーシに立 設されている複数本の基準軸をそれぞれ基台56の透孔56a…に挿通してねじ 止めするなどの手段により磁気記録装置のシャーシ上の所定の位置に正確に固定 される。 そして、前記のような磁気ヘッド装置47の構成を採用するならば、磁気テー プ42を回転シリンダ41に押し付けつつ走行させた場合、図1の斜線で示すよ うに、テープガイド45とテープガイド46では磁気テープ42の上縁部の位置 規制を行なうが、回転シリンダ41と磁気ヘッド装置47では磁気テープ42の 下縁部の位置規制を行なう。
【0032】 即ち、前記の如く構成された磁気ヘッド装置47に対して磁気テープ42を摺 動させる場合、磁気テープ42は、摺動面62a、62aに沿って摺動すると同 時に、前傾姿勢の音声消去ヘッド52の摺動面52cと音声コントロールヘッド 53の摺動面53cに沿って摺動するので、磁気テープ42がその下縁部側に移 動するように押圧される結果、磁気テープ42の下縁部が第2位置規制部材65 、65の規制面65aに押し付けられつつ摺動する。即ち、磁気テープ42の下 縁部が位置規制される。
【0033】 これにより磁気テープ42に対し、図1に示すテープガイド45と回転シリン ダ41とテープガイド46と図2に示す規制面65aとで磁気テープ42の走行 経路に沿って上下に順序に位置規制できるので走行中の磁気テープ42を正確に 位置決めできるとともに磁気テープ42の走行性を安定化することができる。ま た、規制面65aで磁気テープ42の下縁部を位置規制すること自体によって磁 気テープ42の特に高さ方向の位置決めを正確に行なうことができて走行性を安 定化できる。 なお、磁気テープ42が前記の各規制位置から上下方向にずれようとした場合 、フランジ部45a、46a、リード部41a、第2規制面65aに接触した磁 気テープ42の縁部にはそれぞれテンションが作用して縁部が押圧規制され、こ の押圧規制力により磁気テープ42が規定の高さ位置に保持される。
【0034】 磁気テープ42は、導入側の回転ポール62の摺動面62aと、音声消去ヘッ ド52の摺動面52cと、音声コントロールヘッド53の摺動面53cと、導出 側の回転ポール62の摺動面62aとに順次接触しつつ移動するが、これらの間 で磁気テープ42には折曲げ力に相当する負荷が作用しようとするが、回転ポー ル62、62が磁気テープ42の接触とともに回転して摺動時の抵抗を軽減する ので、磁気テープ42に過大な負荷をかけてしまうことはない。
【0035】 一方、図2に示す構成の磁気ヘッド装置47にあっては、以下に説明する効果 も発揮する。 まず、音声消去ヘッド53の磁気コア53aの磁気ギャップにおいて、摺動面 53cに接する平面に垂直な面と、磁気ヘッドの両側の第2位置規制部材65、 65の規制面65a、65aを結ぶ線分とが垂直になっている。これにより、磁 気テープ42の下縁部は規制面65aに沿って走行し、かつ磁気コア53aの磁 気ギャップと磁気テープ42の走行方向とが垂直になるように磁気テープが走行 するので、磁気テープ42の走行は極めて安定化する。 また、取付部材57の枠体55に音声消去ヘッド52と音声コントロールヘッ ド53を取り付け固定する際にアジマス角を厳格に規定して取り付けておくなら ばアジマス角の調節を磁気記録装置への取り付け後に行なう必要はなく、アジマ ス角は磁気記録再生時において最適の角度となるから、音声信号の消去およびコ ントロール信号の書き込みや読み出しに関する磁気特性が向上する。これにより 、複合磁気ヘッド47を磁気記録装置に取り付けた後に行なっていたアジマス角 の微調整は不用になる。
【0036】 また、チルト角については、磁気テープ42の幅方向に対する各摺動面52c 、53cの角度を予めある一定の値(磁気テープ42の下縁部が位置規制部材6 5の規制面65aに沿って走行するために十分な角度)に設定し、傾斜させてい るので、磁気記録装置への複合磁気ヘッド47の取り付け後にチルト角を調節す る必要はなくなる。 以上のことから、複合磁気ヘッド47の磁気記録装置への取り付け後において 、アジマス調節、チルト調節および磁気テープ高さ調節のいずれをも省略するこ とができ、複合磁気ヘッド47を磁気記録装置に取り付ける際の微調整作業を省 力化することができる。
【0037】 図3は、図1に示す磁気テープ42の走行系において、テープガイド46の後 方側に設けられる複合磁気ヘッドの第2構成例を示すものである。この第2構成 例の複合磁気ヘッド70において前記第1構成例の複合磁気ヘッド47と同一の 構成要素には同一の符号を付してそれらの説明は省略する。 この例の複合磁気ヘッド70においては、回転ポール62において磁気テープ 42の走行側に形成されている摺動面62dがその上部側をその下部側よりも前 方側(磁気テープ42の走行経路側)に倒した前傾姿勢にされているとともに、 音声消去ヘッド52の摺動面52cと音声コントロールヘッド53の摺動面53 cとが基板部61に対して垂直に向けられて構成されている。
【0038】 図3に示す構造を採用することで走行中の磁気テープ42に対して摺動面62 d、62dで磁気テープ42に下向きの力を付与することができ、磁気テープ4 2の下縁部を第2規制面65a、65aに押し付けることで位置規制することが できる。なお、この例で、音声消去ヘッド52の摺動面52cと音声コントロー ルヘッド53の摺動面53cは基板部61に対して垂直に向いているので磁気テ ープ42に対して上下に特別な力を付与することはない。 なお、その他の効果については前記第1構成例のものと同等の効果を得ること ができる。
【0039】 図4は、図1に示す磁気テープ42の走行系において、テープガイド46の後 方側に設けられる複合磁気ヘッドの第3構成例を示すものである。この第3構成 例の複合磁気ヘッド75において前記第1構成例の複合磁気ヘッド47と同一の 構成要素には同一の符号を付してそれら部分の説明は省略する。 この例の複合磁気ヘッド75においては、回転ポール62において磁気テープ 42の走行経路側に形成されている摺動面62dがその上部をその下部よりも前 方側(磁気テープ42の走行経路側)に倒した前傾姿勢となっているとともに、 音声消去ヘッド52の摺動面52cと音声コントロールヘッド53の摺動面53 cとがいずれもそれらの上部をそれらの下部よりも前方側に倒した前掲姿勢とな っている。 そして、各ヘッド52、53の摺動面52c、53cと摺動面62d、62d をいずれも前傾して設けた場合、磁気テープ42に対して各摺動面52c、53 cを十分に接触させるためには、各摺動面52c、53cの傾斜角度を各摺動面 62d、62dの傾斜角度よりも大きくすることが好ましい。
【0040】 図4に示す構造を採用することで走行中の磁気テープ42に対して摺動面62 d、62dと摺動面52c、53cの両方で磁気テープ42に下向きの力を付与 することができ、磁気テープ42の下縁部を第2規制面65a、65aに押し付 けることで確実に位置規制することができる。 なお、その他の効果については前記第1構成例のものと同等の効果を得ること ができる。
【0041】 図5は本考案装置の他の実施例を組み込んだ磁気記録装置(VTR)の磁気テ ープ走行系の他の例を示すもので、図5において、符号41は円筒状の回転シリ ンダを示し、この回転シリンダ41の周囲には、図1に示す走行系の例と同様に 、移動ポスト43、44とテープガイド45、46とが設けられ、更に、磁気テ ープ42の走行経路に沿って複合磁気ヘッド90とキャプスタン49とピンチロ ーラ50とが順次設けられている。また、この実施例においては、複合磁気ヘッ ド90とテープガイド46との間に第1の調整テープガイド88が設けられ、複 合磁気ヘッド90とキャプスタン49との間に第2の調整テープガイド89が設 けられている。
【0042】 そして、前記各ポスト88、89の下端部にはそれぞれフランジ部(位置規制 部材)88a、89aが形成されていて、磁気テープ42の下縁部の位置を規制 できるようになっているとともに、複合磁気ヘッド90には磁気テープ42の上 縁部側の位置規制を行なう手段を付設して磁気テープ42の走行性の安定化を図 っている。 即ちこの実施例では、図5の斜線で示すように、テープガイド45、46の位 置規制部材と複合磁気ヘッド90の付勢手段とで磁気テープ42の上縁部規制を 行ない、回転シリンダ41のリード41aと調整テープガイド88、89により 磁気テープ42の下縁部規制を行なって磁気テープ42の走行性を安定化してい る。
【0043】 以下に、この例において磁気テープ42の位置規制を行なう手段について具体 的に説明する。 図6は、図5に示す磁気テープ42の走行系において、調整テープガイド88 の後方側に設けられる複合磁気ヘッドの第1構成例を示すものである。この走行 系の第1構成例の複合磁気ヘッド90において、図2に示す先に説明した第1構 成例の複合磁気ヘッド47と同一の構成要素には同一の符号を付してそれらの説 明は省略する。 この例の複合磁気ヘッド90においては、音声消去ヘッド52の摺動面52c と音声コントロールヘッド53の摺動面53cとが、それらの下部をそれらの上 部よりも前方側(磁気テープ42の走行経路側)に突き出させた状態で傾斜して いる。その他の構成は図2に示す複合磁気ヘッド47と同等である。
【0044】 図6に示す構造を採用することで走行中の磁気テープ42に対して傾斜した摺 動面52c、53cで磁気テープ42に上向きに力を付加して磁気テープ42の 上縁部を第1規制面64a、64aに押し付けて磁気テープ42の上縁部の位置 規制を行なうことができる。よってこの例では、第1位置規制部材64、64が 位置規制手段を構成する。 なお、その他の効果については図1と図2に示す第1構成例のものと同等の効 果を得ることができる。
【0045】 図7は、図5に示す磁気テープ42の走行系において、調整テープガイド88 の後方側に設けられる複合磁気ヘッドの第2構成例を示すものである。この走行 系の第2構成例の複合磁気ヘッド91において、図3に示す先に説明した走行系 の第2構成例の複合磁気ヘッド70と同一の構成要素には同一の符号を付してそ れらの説明は省略する。 この例の複合磁気ヘッド91においては、回転ポール62において磁気テープ 42の走行側に形成されている摺動面62gがその下部をその上部よりも前方側 に(磁気テープ42の走行経路側に)突き出した傾斜姿勢となっているとともに 、音声消去ヘッド52の摺動面52cと音声コントロールヘッド53の摺動面5 3cとが基板部61に対して垂直に向けられて構成されている。
【0046】 図7に示す構造を採用することで走行中の磁気テープ42に対して摺動面62 g、62gで磁気テープ42に上向きの力を付与することができ、磁気テープ4 2の上縁部を第1規制面64a、64aに押し付けることで磁気テープ42の上 縁部を位置規制することができる。なお、この例で、音声消去ヘッド52の摺動 面52cと音声コントロールヘッド53の摺動面53cは基板部61に対して垂 直に向いているので磁気テープ42に対して上下に特別な力を付与することはな い。 なお、その他の効果については前記第1構成例のものと同等の効果を得ること ができる。
【0047】 図8は、図5に示す磁気テープ42の走行系において、調整テープガイド88 の後方側に設けられる複合磁気ヘッドの第3構成例を示すものである。この走行 系の第3構成例の複合磁気ヘッド92において、図4に示す先に説明した走行系 の第3構成例の複合磁気ヘッド75と同一の構成要素には同一の符号を付してそ れらの部分の説明は省略する。
【0048】 この例の複合磁気ヘッド92においては、回転ポール62において磁気テープ 42の走行側に形成されている摺動面62hがその下部をその上部よりも前方側 (磁気テープ42の走行経路側)に突き出させた傾斜姿勢となっているとともに 、音声消去ヘッド52の摺動面52cと音声コントロールヘッド53の摺動面5 3cとがいずれもその下部を磁気テープ42の走行経路側に突き出させて傾斜し た姿勢となっている。 そして、各ヘッド52、53の摺動面52c、53cと摺動面62h、62h をいずれも傾斜させて設けた場合、磁気テープ42に対して各摺動面52c、5 3cを十分に接触させるためには、各摺動面52c、53cの傾斜角度を各摺動 面62h、62hの傾斜角度よりも大きくすることが好ましい。
【0049】 図9に示す構造を採用することで走行中の磁気テープ42に対して摺動面62 h、62hと摺動面52c、53cの両方で磁気テープ42に上向きの力を付与 することができ、磁気テープ42の上縁部を第1規制面64a、64aに押し付 けることで確実に位置規制することができる。 なお、その他の効果については前記第1構成例のものと同等の効果を得ること ができる。
【0050】 図9は本考案装置の更に他の実施例を組み込んだ磁気記録装置(VTR)の磁 気テープ走行系の例を示すもので、図9において、符号41は円筒状の回転シリ ンダを示し、この回転シリンダ41の周囲には、図1〜図5に示す走行系の例と 同様に、移動ポスト43、44とテープガイド45、46とが設けられ、更に、 磁気テープ42の走行経路に沿って複合磁気ヘッド95とキャプスタン49とピ ンチローラ50とが順次設けられている。また、この実施例においては、複合磁 気ヘッド95とテープガイド46との間の第1の調整テープガイド88は省略さ れ、複合磁気ヘッド95とキャプスタン49との間に第2の調整テープガイド8 9のみが設けられている。
【0051】 そして、前記第2の調整テープガイド89の下端部にはそれぞれフランジ部( )位置規制部材89aが形成されていて、磁気テープ42の下縁部の位置を規制 できるようになっているとともに、複合磁気ヘッド95には磁気テープ42の上 縁部の位置規制を行なう手段を付設することで磁気テープ42の走行性の安定化 を図っている。 即ちこの実施例では図9の斜線で示すように、テープガイド45のフランジ部 45aとテープガイド46のフランジ部46aと複合磁気ヘッド90の押圧規制 手段とで磁気テープ42の上縁部規制を行ない、回転シリンダ41のリード41 aと調整テープガイド89のフランジ部89aにより磁気テープ42の下縁部規 制を行なって磁気テープ42の走行性を安定化している。
【0052】 この走行系で用いる複合磁気ヘッド95は、先の走行系で用いた複合磁気ヘッ ド90、91、92のいずれかを適宜用いれば良い。ただし、テープガイド46 で磁気テープ42の上縁部規制を行ない、続けて複合磁気ヘッド95で磁気テー プ42の上縁部を規制しているので、これらの規制力の合計が第2の調整テープ ガイド89と釣り合うように設計することが好ましい。これには、複合磁気ヘッ ド95の各部分の傾斜具合を先の例のものよりも少なくし、第2の調整テープガ イド89の規制力を強めるようにすれば良い。 このように規制力を調節することで磁気テープ42の走行性を安定化させるこ とができる。
【0053】 ところで前述の各実施例においては、磁気テープ42の走行経路に沿って各ヘ ッド52、53の両側にテープガイド66、66を設けたが、テープガイド66 はヘッド52、53の両側のどちらか一方に設けても良い。更に、複合磁気ヘッ ドの両側に調整テープガイドを設けたがどちらか一方でも差し支えない。 また、前記実施例においては音声消去ヘッド52と音声コントロールヘッド5 3を複合した磁気ヘッドを取付部材57に取り付けたが、音声消去ヘッド52と 音声コントロールヘッド53を一体化したものを1つ取付部材57に固定しても 良いのは勿論である。更に前記実施例において、テープガイド66を取付部材5 7に一体化した構成を採用したが、これらは別体物でも差し支えない。更に、枠 状の取付部材57の代わりに、取付板上に2つのヘッドとテープガイドを取り付 け、同様の機能を持つようにそれぞれを傾斜させ、前記各実施例と同様の機能を 奏するようにしても良い。
【0054】 なおまた、前記の各実施例においては、磁気テープ42の走行経路に沿って上 縁部と下縁部をそれぞれ押圧する構成として説明したが、磁気テープ42の走行 方向によっては磁気テープ42の上縁部と下縁部の上下関係が逆になることもあ り、また、テープカセットの挿入方向に応じて磁気テープ42を上下方向に移動 させる構成の磁気記録装置にあっては、磁気テープ42の上縁部と下縁部が右縁 部と左縁部に、あるいは、左縁部と右縁部になることもある。
【0055】 図10は、本考案に係るテープガイドの一実施例を示すものである。 この例のテープガイド100は、図1〜図4に示すテープガイド66または図 5に示す調整テープガイド88、89の代用に、あるいは、これらとは別に単独 にテープ下規制用として使用されるものである。 テープガイド100は、支持軸101と、この支持軸101の上下端部に設け られた上部フランジ102および下部フランジ(位置規制部材)103と、支持 軸101に回転自在に挿通された筒状の回転ポール104とを具備して構成され 、回転ポール104の上端部にはフランジ部105が形成されている。
【0056】 そして、テープガイド100の支持軸101は、磁気記録装置のシャーシに立 設され、磁気テープ106はその幅方向を上下に向けた状態で図10の右側に移 動されるとともに、支持軸101は図12に示す鉛直線aに対して実際には角度 θだけ傾斜されて前記シャーシに立設されている。ここで前記支持軸101は、 支持軸101の上部が磁気テープの走行経路の後方側に向くように、支持軸10 1の下部が磁気テープの走行経路の前方側に向くように傾斜されている。即ち、 回転ポール104は磁気テープ106に対して角度θだけ傾斜されている。この 角度θは例えば30分程度で十分であるが、図2では誇張して記載している。
【0057】 次に前記構成のテープガイド100に磁気テープ106を摺動させる場合につ いて説明する。 磁気テープ106がテープガイド100の回転ポール104に接触されて停止 した状態では、磁気テープ106の下端部と下部フランジ103との間には隙間 があいていて磁気テープ106は上側と下側のいずれにも規制されていない状態 になっている。
【0058】 この状態から磁気テープ106を走行させると、回転ポール104は磁気テー プ106との摺動抵抗により回転を開始する。ここで回転ポール104は図12 に示すように角度θだけ傾斜されているので、磁気テープ106により回転させ られた回転ポール104には下向きの力が作用し、回転ポール104は磁気テー プの走行開始から1〜2秒程度で直ちに下降してその下端部を下部フランジ10 3に接触させて、図11に示す状態となって回転する。 図11に示す状態で回転ポール104は下部フランジ103に規制されてこれ 以上は下降し得ないので、磁気テープ106はその下端部位置が規制された状態 となり、磁気テープ106の下端部の高さ位置規制が行なわれる。 即ち、前記構造を採用することで磁気テープ106の下規制を行なうことがで きる。
【0059】 図13は、本考案に係るテープガイドの第2実施例を示すものである。 この例のテープガイド110は、図1と図5に示すテープガイド45、46ま たは図5〜図8に示すテープガイド66の代用として、あるいは、単独に磁気テ ープの上規制用として使用されるものである。 テープガイド110は、支持軸111と、この支持軸111の上下端部に設け られた上部フランジ(位置規制部材)112および下部フランジ113と、支持 軸111に回転自在に挿通された筒状の回転ポール114とを具備して構成され 、回転ポール114の下端部にはフランジ部115が形成されている。
【0060】 そして、テープガイド110の支持軸111は、磁気記録装置のシャーシ上に 立設され、磁気テープ116はその幅方向を上下に向けた状態で図14の右側に 移動されるとともに、支持軸111は図15に示す鉛直線aに対して角度θだけ 傾斜されている。前記支持軸111は、支持軸111の上部が磁気テープの走行 経路の前方側に向くようにように、支持軸111の下部が磁気テープの走行経路 の後方側に向くように傾斜されている。即ち、回転ポール104は磁気テープ1 06に対して角度θだけ傾斜されている。
【0061】 次に前記構成のテープガイド110に磁気テープ116を摺動させる場合につ いて説明する。 磁気テープ116がテープガイド110の回転ポール114に接触されて停止 した状態では、磁気テープ116の上端部と上部フランジ112との間には隙間 があいていて磁気テープ116は上側と下側のいずれにも規制されていない状態 になっている。
【0062】 この状態から磁気テープ116を走行させると、回転ポール114は磁気テー プ116との摺動抵抗により回転を開始する。ここで回転ポール114は図15 に示すように角度θだけ傾斜されているので、磁気テープ116により回転させ られた回転ポール114には上向きの力が作用し、回転ポール114は磁気テー プの走行開始から1〜2秒程度で直ちに上昇してその上端部を上部フランジ11 2に接触させて、図14に示す状態となりながら回転する。 図14に示す状態で回転ポール114は上部フランジ112に規制されてこれ 以上は上昇し得ないので、磁気テープ116はその上端部位置が規制された状態 となり、磁気テープ116の上端部の高さ位置規制が行なわれる。 即ち、前記構造を採用することで磁気テープ116の上規制を行なうことがで きる。
【0063】 以上説明した構造のテープガイド100、110をそれぞれ使い分けることで 図1〜図9に示す各磁気テープ走行系のテープガイドあるいは調整テープガイド として適用することができる。
【0064】 一方、前記構成のテープガイド100、110を先に説明した磁気ヘッド装置 47、70、75、90、91、92のそれぞれのテープガイドとして適用する ことができる。即ち、各磁気ヘッド装置に組み込まれている回転ポール62の代 用として前記テープガイド100、110の回転ポール104、114を使用し 、磁気テープ42の上規制または下規制を行なうことで磁気テープ42の走行性 を安定化することができる。
【0065】 図16はテープガイドを備えた磁気ヘッド装置の一実施例を示すものである。 この例の磁気ヘッド装置120は、図3に示す磁気ヘッド装置70においてテー プガイド部分を図10に示すテープガイドで構成した例である。この例の磁気ヘ ッド装置120において図3と図10を基に先に説明した実施例の構成要素と同 一の構成要素には同一の符号を付してそれらの説明は省略する。 この例の磁気ヘッド装置120にあっては、テープガイド66’が、第1位置 規制部材64と回転ポール104と第2位置規制部材65’とを具備してなり、 回転ポール104はその上部が磁気テープの走行経路の後方側に向くように、そ の下部が磁気テープの走行経路の前方側に向くように傾斜され、第2位置規制部 材65’の上面が磁気テープの規制面65’aとなっている。
【0066】 この例の構成の磁気ヘッド装置120は、回転ポール104が磁気テープの下 規制を行なって磁気テープの下端部の高さ位置を規制し、走行性の安定化に寄与 する。即ち、回転ポール104が磁気テープの摺動により下降して磁気テープ4 2を下向きに移動させ、規制面65’aで磁気テープ42の下規制を行なう。そ の他の効果は先に説明した実施例と同等である。
【0067】 図17はテープガイドを備えた磁気ヘッド装置の他の実施例を示すものである 。この例の磁気ヘッド装置121は、図7に示す磁気ヘッド装置91においてテ ープガイド部分を図13に示すテープガイドで構成した例である。この例の磁気 ヘッド装置121において図7と図13を基に先に説明した実施例の構成要素と 同一の構成要素には同一の符号を付してそれらの説明は省略する。 この例の磁気ヘッド装置121にあっては、テープガイド66’’が、第1位 置規制部材64’と回転ポール114と第2位置規制部材65とを具備してなり 、回転ポール114はその上部が磁気テープの走行経路の前方側に向くように、 その下部が磁気テープの走行経路の後方側に向くように傾斜され、第1位置規制 部材64’の下面が傾斜した磁気テープの規制面64’aとなっている。
【0068】 この例の構成の磁気ヘッド装置121は、回転ポール114が磁気テープの上 規制を行なって磁気テープの上端部の高さ位置を規制し、走行性の安定化に寄与 する。即ち、回転ポール114が磁気テープの摺動により上昇して磁気テープ4 2を上向きに移動させ、規制面64’aで磁気テープ42の上規制を行なう。そ の他の効果は先に説明した実施例と同等である。
【0069】 ところで、図10〜図15に示した例においては、回転ポール104、114 を磁気テープの走行経路に対し傾斜させた構造を採用したが、回転ポール104 あるいは114を鉛直に立設し、磁気テープの走行経路を傾斜させても同等の効 果を得ることができる。この磁気テープの走行経路を傾斜させる場合、図2〜図 4に示した構成あるいは図6〜図8に示す構成を採用して磁気ヘッドのシールド ケースのテープ摺動面を傾斜させても良いし、回転ポール104、114に磁気 テープが導入される部分で別途の傾斜テープガイドを設けて磁気テープの走行経 路を傾斜させるようにしても良い。
【0070】
【考案の効果】
以上説明したように請求項1に記載した考案によれば、シールドケースの磁気 テープ導入側と磁気テープの導出側の少なくとも一方側に、磁気テープを案内す る回転ポールを設けているので、磁気テープが磁気ヘッドに対して摺動する際の 摺動抵抗を少なくすることができ、磁気テープにかける負担を少なくすることが できる。
【0071】 また、請求項2記載の考案によれば、前記構成に加え、シールドケースのテー プ摺動面と回転ポールのテープ摺動面の少なくとも一方を傾斜させて磁気テープ をその幅方向一側に押圧して取付部材の位置規制面で規制できるので、磁気テー プの走行高さを一定にすることができ、その高さ調節が必要なくなる。また、シ ールドケースのテープ摺動面および回転ポールのテープ摺動面を予め傾斜させて いるので、チルト角の調節は不用になる。ゆえに、チルト調節と高さ調節を行な うことなく磁気ヘッド装置を磁気記録装置に取り付けることができる。 また、傾斜したシールドケースと回転ポールに磁気テープが摺接することで磁 気テープには折曲力に近い負荷がかかるおそれがあるが、シールドケースの両側 に配した回転ポールは回転しつつ磁気テープを案内するので摺動抵抗は低く、磁 気テープに対する負荷が少なくなり、磁気テープに過大な負荷をかけることがな 。くなる。
【0072】 更に、請求項3に記載した考案によれば、回転ポールにフランジ部を設け、磁 気テープの摺動により回転ポールが磁気テープをその幅方向に移動させるので、 そのフランジ部で磁気テープの幅方向端部を位置規制することができ、これによ り磁気テープを位置規制することができる。よって磁気テープの位置規制を行な って走行性を安定化することができる。
【0073】 また、請求項4に記載した考案によれば、磁気テープと回転ポールの摺動によ り回転ポールを磁気テープの幅方向に移動させるように構成し、回転ポールにフ ランジ部を設けているので、磁気テープの摺動開始と同時に回転ポールを移動さ せて回転ポールのフランジ部で磁気テープの幅方向端部を位置規制することがで き、これにより磁気テープを位置規制することができる。よって磁気テープの位 置規制を行なって走行性を安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本考案に係る磁気ヘッド装置を備えた磁
気テープ走行系の第1実施例を示す構成図である。
【図2】図2は図1に示す装置に組み込まれる複合磁気
ヘッドの第1構成例の斜視図である。
【図3】図3は図1に示す装置に組み込まれる複合磁気
ヘッドの第2構成例の斜視図である。
【図4】図4は図1に示す装置に組み込まれる複合磁気
ヘッドの第3構成例の斜視図である。
【図5】図5は本考案に係る磁気ヘッド装置を備えた磁
気テープ走行系の第2実施例を示す構成図である。
【図6】図6は図5に示す装置に組み込まれる複合磁気
ヘッドの第1構成例の斜視図である。
【図7】図7は図5に示す装置に組み込まれる複合磁気
ヘッドの第2構成例の斜視図である。
【図8】図8は図5に示す装置に組み込まれる複合磁気
ヘッドの第3構成例の斜視図である。
【図9】図9は磁気テープ走行系の第3実施例を示す構
成図である。
【図10】図10は本考案に係るテープガイドの第1実
施例を示す側面図である。
【図11】図11は図10に示すテープガイドの使用状
態を示す側面図である。
【図12】図12は図10に示すテープガイドの傾斜角
度を示す斜視図である。
【図13】図13は本考案に係るテープガイドの第2実
施例を示す側面図である。
【図14】図14は図13に示すテープガイドの使用状
態を示す側面図である。
【図15】図15は図13に示すテープガイドの傾斜角
度を示す斜視図である。
【図16】図16は本考案に係るテープガイドを備えた
磁気ヘッド装置の一例を示す側面図である。
【図17】図17は本考案に係るテープガイドを備えた
磁気ヘッド装置の他の例を示す側面図である。
【図18】図18は従来装置の磁気テープ走行系の一例
を示す構成図である。
【図19】図19は従来の複合磁気ヘッドの一構成例を
示す斜視図である。
【図20】図20は従来の複合磁気ヘッドの取付状態の
一例を示す斜視図である。
【図21】図21は複合磁気ヘッドを備えた取付部材の
一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
42、106、116 磁気テー
プ、 45、46、66、100、110 テープガイ
ド、 45a、46a、105、115 フランジ
部、 47、70、75、80、90、91、92、93
磁気ヘッド装置、 52 音声消去ヘッド、 52a 磁気コア、 53 音声コントロールヘッド、 53a 磁気コア、 57 取付部材、 62 回転ポール、 62a、62d、62g、62h、 摺動面、 64 第1位置規制部材、 64a 第1規制面、 65 第2位置規制部材、 65a 第2規制面、 88、89 調整テープガイド、 101、111 支持軸、 103 下部フランジ(位置規制部材)、 112 上部フランジ(位置規制部材)、 104、114 回転ポール、 105、115 フランジ部、

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールドケースの前面側にテープ摺動面
    と磁気コアとを備えて構成された磁気ヘッドが取付部材
    に固定されてなる磁気ヘッド装置において、前記シール
    ドケースの磁気テープ導入側と磁気テープの導出側の少
    なくとも一方側に、前記取付部材に回転自在に取り付け
    られて磁気テープを案内する回転ポールが設けられてな
    ることを特徴とする磁気ヘッド装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気ヘッド装置におい
    て、前記シールドケースのテープ摺動面と前記回転ポー
    ルのテープ摺動面の少なくとも一方における磁気テープ
    の幅方向一端部側が、磁気テープの幅方向他端部側の部
    分よりもシールドケースの前方側に突出するように傾斜
    される一方、前記取付部材の一部に、前記傾斜されたテ
    ープ摺動面あるいは回転ポールに沿ってその幅方向に付
    勢された磁気テープの端部位置を規制する規制面が形成
    されてなることを特徴とする磁気ヘッド装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の磁気ヘッド装置におい
    て、回転ポールが取付部材に設けられた支持軸に回転自
    在に支持され、磁気テープとの摺動により回転ポールが
    支持軸に沿って磁気テープの走行経路の幅方向に移動自
    在に支持される一方、回転ポールの両端部において、回
    転ポールの移動方向と反対側の端部にフランジ部が形成
    され、前記支持軸において前記回転ポールの移動方向側
    に磁気テープの位置規制部材が設けられてなることを特
    徴とする磁気ヘッド装置。
  4. 【請求項4】 支持軸とこの支持軸に回転自在に挿通さ
    れて表面に磁気テープが摺接される回転ポールとを備え
    たテープガイドにおいて、前記回転ポールが磁気テープ
    の走行経路の幅方向に沿って配置されるとともに、前記
    回転ポールの一端が磁気テープの走行経路の前方側に、
    回転ポールの他端が磁気テープの走行経路の後方側に向
    くように回転ポールが傾斜され、磁気テープの摺動によ
    り、傾斜された回転ポールが支持軸に沿って移動自在に
    支持される一方、回転ポールの両端部において、回転ポ
    ールの移動方向と反対側の端部にフランジ部が形成さ
    れ、前記支持軸において前記回転ポールの移動方向側に
    磁気テープの位置規制部材が設けられてなることを特徴
    とするテープガイド。
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