JPH0584137U - ケーブル用プーリングアイ取付部 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 短時間で所定の強度が得られるケーブル用プ
ーリングアイ取付部を提供する。 【構成】 予め、長さ方向に切断されて分割されたメタ
ルコルゲートパイプ６の外面に複数本の金属条体７を長
さ方向に沿わせて固着してなる連結部材４を、プーリン
グ本体３とメタルコルゲートシース１とに跨がって配置
し、分割されたメタルコルゲートパイプ６をメタルコル
ゲートシース１の端部に被せて固定し、複数本の金属条
体７をそれぞれプーリング本体３に固定し、連結部材４
上に防水層を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、特にメタルコルゲートシースを有するＣＶケーブル（架橋ポリエチ レン絶縁ケーブル）を牽引する際に使用されるケーブル用プーリングアイ取付部 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ケーブルコア上にメタルコルゲートシースを被せたＣＶケーブルを牽引する際 には、メタルコルゲートシースとケーブルコアとの接触面の摩擦係数が小さいた め、ケーブルコアのみがメタルコルゲートシースから引き出されてしまうおそれ がある。またケーブル内に水が浸入することのないように、ケーブル牽引端部に おいてメタルコルゲートシースとケーブルコアとを一体化し防水処理する必要が ある。このため従来からメタルコルゲートシースを、ケーブルコアとケーブル導 体端部に圧縮接合されたプーリング本体とに２材混合のエポキシパテ材を用いて 固定していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、エポキシパテ材を用いて固定した場合は次のような問題があっ た。すなわち、エポキシパテ材が完全に硬化するまで約２４時間必要であり、取 付けから出荷まで十分な時間が確保できない場合が生じることがある。またエポ キシパテ材を２材混合で作る場合に作業者によるばらつきがあって所望の強度が 得られないことがあった。さらにエポキシパテ材は引張り強度が十分でも伸びが ないため曲げモーメントに弱いという難点がある。

【０００４】 本考案は、上記難点を解消すべくなされたもので、短時間で所定の強度が得ら れるケーブル用プーリングアイ取付部を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案のケーブル用プーリングアイ取付部は、メタルコルゲートシースを有す るケーブルの導体端部に圧縮接続されたプーリング本体を備えたケーブル用プー リングアイ取付部において、予め、長さ方向に切断されて分割されたメタルコル ゲートパイプの外面に複数本の金属条体を長さ方向に沿わせて固着してなる連結 部材を、前記プーリング本体とメタルコルゲートシースとに跨がって配置し、前 記分割されたメタルコルゲートパイプを前記メタルコルゲートシースの端部に被 せて固定し、前記複数本の金属条体をそれぞれ前記プーリング本体に固定し、前 記連結部材上に防水層を設けたことを特徴とするものである。

【０００６】 前記金属条体としては適当な本数の鉄帯、鉄線等が使用され、メタルコルゲー トパイプおよびプーリング本体には溶接によりそれぞれ固着される。また分割さ れたメタルコルゲートパイプは、プーリング本体を取付けるべきケーブルの製造 時に作られる余長のメタルコルゲートシースの一部を切り離したものを２分割し て使用してもよく、メタルコルゲートシースの端部に固定する場合は鉄線でバイ ンドされる。また連結部材上に設けられる防水層としては、水密用の自己融着性 絶縁ゴムテープを巻き、その上に収縮チューブを被せる構造とする。

【０００７】

【作用】

本考案においては、予め、分割されかつ複数本の金属条体を固着したメタルコ ルゲートパイプをケーブルのメタルコルゲートシースに嵌着したことにより、複 数本の金属条体をケーブルのメタルコルゲートシースに直接溶接した場合のよう に溶接箇所でメタルコルゲートシースに孔があいて水密性が阻害されたりシース 内腐食が生じたりするということがなく所定の強度が得られる。またエポキシパ テ材のように硬化するのに多大な時間を要する材料を使用しないことから、きわ めて短時間に組み立てることができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明する。 図１は本考案の一実施例の全体構造を示しており、図２ないし図５は同実施例 の一部構造および組立て状況を示している。

【０００９】 図１において本考案のケーブル用プーリングアイ取付部は、メタルコルゲート シース１を有するケーブル２の導体端部に圧縮接続されたプーリング本体３と、 プーリング本体３の後端とメタルコルゲートシース１とに跨がってに固着された 連結部材４と、プーリング本体３の前端のねじ部に螺合されたアイナット５とを 備えている。

【００１０】 連結部材４は予め次のように構成されたものである。すなわち図２に示される ように、長さ約１０ｃｍのメタルコルゲートパイプ６を長さ方向に切断して２分 割とし、この２分割されたメタルコルゲートパイプ６の外面に、図３に示される ように金属条体７として２本の鉄帯（幅２０ｍｍ、厚さ１．５ｍｍ、長さ２００ ｍｍ）を使用し、これを長さ方向に沿わせて溶接したものである。 連結部材４を取付ける場合には次のようにする。まず図４に示されるようにメ タルコルゲートシース１を有するケーブル２の端部を段剥ぎして導体８、絶縁体 ９、メタルコルゲートシース１を順次露出する。露出された導体８にプーリング 本体３を挿着し圧縮接続する。なお符号１０はポリ塩化ビニルからなる防食層を 示している。

【００１１】 次に図５に示されるように、露出された導体８、絶縁体９上にシール材を施し 自己融着性絶縁ゴムテープ１１、例えばセルボンテープ（昭和電線電纜株式会社 の商品名）を巻回する。そして図１に示されるように２分割されたメタルコルゲ ートパイプ６を、メタルコルゲートシース１の端部に被せ、太さ約１ｍｍの鉄線 １２でバインドして固定する。このとき、メタルコルゲートパイプ６の内面には アラルダイト（エポキシ系接着剤の商品名）を塗布しておく。また２本の鉄帯７ をプーリング本体３に溶接する。最後に連結部材４上に自己融着性絶縁ゴムテー プ１３、例えばセルボンテープを巻回しその上に収縮チューブ１４を被せて全体 を防水しかつ保護する。さらに収縮チューブ１４の上に、鉄、銅等の金属からな る保護筒を被せて保護するようにしてもよい。 本考案のケーブル用プーリングアイ取付部は上記のように構成される。 なお、分割されたメタルコルゲートパイプ６は、プーリング本体３を取付ける べきケーブルの製造時に作られる余長のメタルコルゲートシースの一部を切り離 し２分割して使用してもよい。

【００１２】

【考案の効果】

以上、本考案のケーブル用プーリングアイ取付部によれば、予め、分割されか つ複数本の金属条体を固着したメタルコルゲートパイプをケーブルのメタルコル ゲートシースに嵌着したことにより所定の強度を有するものが簡単に得られる。 また本考案によればエポキシパテ材のように硬化するのに多大な時間を要する材 料を使用しないことから、きわめて短時間に組み立てることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るケーブル用プーリングアイ取付部
の一実施例を示す側面図。

【図２】同実施例を構成する分割されたメタルコルゲー
トパイプを示す側面図。

【図３】同実施例を構成する連結部材を示す側面図。

【図４】同実施例の組立て状況を示す側面図。

【図５】同実施例の組立て状況を示す側面図。

【符号の説明】

１……メタルコルゲートシース ２……ケーブル ３……プーリング本体 ４……連結部材 ５……プーリングアイ ６……メタルコルゲートパイプ ７……金属条体 １３……自己融着性絶縁テープ １４……収縮チューブ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】メタルコルゲートシースを有するケーブル
   の導体端部に圧縮接続されたプーリング本体を備えたケ
   ーブル用プーリングアイ取付部において、予め、長さ方
   向に切断されて分割されたメタルコルゲートパイプの外
   面に複数本の金属条体を長さ方向に沿わせて固着してな
   る連結部材を、前記プーリング本体とメタルコルゲート
   シースとに跨がって配置し、前記分割されたメタルコル
   ゲートパイプを前記メタルコルゲートシースの端部に被
   せて固定し、前記複数本の金属条体をそれぞれ前記プー
   リング本体に固定し、前記連結部材上に防水層を設けた
   ことを特徴とするケーブル用プーリングアイ取付部。