JPH0582450B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はビレツト、ロツド、管等の円筒形の装
入物を加熱する炉に関し、特に特許請求の範囲第
１項前段に記載する型式の加熱炉に関する。

従来の技術 既知のWO83／02661記載のビレツト、ロツド
管等の円筒形装入物用加熱炉では、装入物は搬送
装置によつて処理室内を送られる。この搬送装置
は所定の高さであり、異なる直径の装入物の長手
軸線は処理室中央に一致しない。この結果、装入
物の面は高温ガス流の不均等な噴射を受け、不均
等加熱となり、装入物の曲り等の歪みを生ずる。
これは装入物の次の処理に悪影響を生ずる。円筒
処理室と処理される物品との間の距離が変れば曲
りによつて更に著しい不均等加熱となる。

循環ガス流を生ずる換気インペラ又はフアンの
配置は、処理される装入物がガス流によつて全長
に亘つて加熱されるようにする。別のデフレクタ
等の高価な圧力減少絞り装置を必要としないこと
が望ましい。この不均等加熱はインペラが一側配
置の時に生ずる。更に、インペラは処理すべき装
入物の長手軸線と直角に高温ガスを吹くため、イ
ンペラハウジング内の圧力が問題を生ずる。

既知の上述の加熱炉の他の欠点は、対流加熱の
ためにスリツト型ノズルを使用する点にある。こ
のノズルは処理すべき装入物の長さに沿つて配置
し、高温ガスの幅の狭いジエツトを生ずる。ジエ
ツトの出口速度は装入物の周囲について各種の方
向に変化し、不均等な衝突となり、外周について
の不均等加熱となる。

同様な構造はドイツ特許公開DE−OS2929322
号、2712279号、公報DE−AS2637646号、公開
DE−OS2349765号に記される。

軽金属工業では、例えばアルミニウムの円筒形
装入物の場合は加熱の均等性と所要温度の保持に
対する要求が大きい。更に、経済的理由のため、
処理時間をできるだけ短くしたい。このため、温
度勾配をできるだけ大とする。しかし、高い温度
勾配の場合は局部的変動が大きな影響があり、局
部的過熱となることがある。これは例えば米国特
許第3837794号に示す直接焔加熱によつて熱伝達
条件を良くする型式の円筒装入物加熱炉の大きな
欠点となる。

既知の加熱炉として、米国特許4410308号に示
す装入物回転方式、ドイツ特許公開DE−
OS2628657号に示す間接加熱がある。この場合は
装置が大型となる。更に誘導加熱は円筒形装入物
を全長につい均等に加熱しない。

ドイツ特許公開DE−OS2919207号は加熱炉用
の搬送装置を示し、円筒装入物の加熱は高温耐火
物ブロツクに直接接触し、対流加熱ではない。

前述の型式の加熱炉は米国特許4065219号に示
し、処理室の形状は装入物の断面を考慮に入れ、
搬送装置は装入物を長手軸線の方向に処理室内を
駆動し、加熱装置はガス流を加熱し、ノズル出口
は加熱ガス流を処理室内に吹出す。この炉も上述
の欠点即ち、円筒形装入物の長さ及びまたは外周
方向の不均等加熱の問題があり、処理すべき物品
上の高温ガス流の不均等吹きつけを生ずる。

発明の解決しようとする問題点 本発明は前述の型式の加熱炉において不均等加
熱の問題を生じない加熱炉とするにある。

問題点を解決するための手段 本発明による前述の型式の加熱炉には装入物を
水平運動させる搬送素子と、装入物を処理室内で
装入物の断面形の関数として長手軸線を処理室の
中心に一致させるジヤツキ装置とを有する搬送装
置を備え；処理室の壁に取付けられたノズル出口
を装入物の長手軸線に半径方向に装入物の面に向
けて加熱ガスのジエツトを噴射させ、加熱ガスを
ノズルに供給するチヤンネルに対して処理室の両
端から供給し、処理室からガスを吹き出してチヤ
ンネルの入口に循環させる換気装置は処理室の中
央上部に取付ける。

作 用 本発明によつて循環ガス流による円筒形装入物
への噴射を正確に半径方向とし、装入物が別の直
径であつても対称の熱伝達の分布が装入物面及び
全長について得られる。本発明によつて、円筒形
装入物は所定の炉内軸線に保持される。熱伝達を
行なうノズルからのジエツトは正確に半径方向に
装入物の長手軸線に向けて噴射され、確実に熱伝
達条件となる、正確な半径方向ガス流噴射のため
に本発明による高温ガス流路の所要の設計及びノ
ズル出口までの通路の設定を行う。

実施例 加熱すべき装入物は図示の例では円筒形ビレツ
ト１とし、円筒形処理室２内に位置する。ビレツ
ト１は第６，７図に示す搬送装置によつて処理室
内に導入し、搬送装置内に組込んだジヤツキ装置
によつて水平方向に上昇させ、処理室内の中央位
置とし、所定時間保持した後に下げて処理室２か
ら搬出する。ビレツト１の搬送装置は水平に即ち
ビレツトの中央長手軸線に平行に動かす。

第４図に示す通り、搬送装置はビレツト１を処
理室内に搬送し、ビレツトの直径に無関係にすべ
てのビレツトの軸線を処理室２内の同じ高さとす
る。第４図では最小ビレツト直径１ａと最大ビレ
ツト直径１ｂとを示す。何れの場合もビレツト１
ａ，１ｂの軸線は同じ位置にある。

処理室２の外壁は処理ガス例えば空気を供給す
るチヤンネル４の側壁によつて形成し、チヤンネ
ル４の出口は処理室の壁部のノズル出口３とな
る。ノズル出口の配置はノズルから出るジエツト
流が正確に室２内のビレツト１の半径方向に向う
ようにする。これにより、ビレツトの外皮に対す
るジエツト流の衝突点は、ビレツトの周面を開い
て平坦面としたときに、正三角形の頂点に位置す
るようになつており、また、この正三角形の辺の
長さはノズル出口の面と平均直径を有するビレツ
トの周面との間の距離にほぼ等しくなつている。

円形ノズル出口３の場合はノズル出口の直径は
ビレツト１の面から平均距離の約1/5とする。

開口５に換気フアン６を上方に取付け、ビレツ
ト１に衝突したガスを搬出する。かくして処理ガ
スは抵抗なくビレツト１から搬出され、ビレツト
のほゞ全長に延長する室７に送られる。

換気フアン６は処理ガスを対称に両側からデイ
フユーザ８に搬送する。デイフユーザ８の端部、
即ちデイフユーザがほゞユニツトの巾に広がる位
置にバーナーを設け、バーナーの焔を換気フアン
６から流れるガス流に向ける。この結果、高温ガ
スは換気フアン６から流れる循環処理ガスと極め
て均一に混合する。各種の一般の燃料用のバーナ
ーを使用できる。間接加熱を使用する時は、鋼
管、加熱格子を使用し、電気加熱の場合はデイフ
ユーザ端でガスチヤンネル内に組込む。チヤンネ
ルが先細であるため、加熱ガスは加速される。こ
のため、ノズル出口３に対する供給チヤンネル４
の入口部９で均等な流れのパターンとなる。

加熱ガスをノズル出口３に送るチヤンネル４は
入口断面９から中央断面１０まで先細とし、これ
によつてノズル出口３の内部で同じ流れ角度が生
ずる。

装入物を搬送する装置を第６，７図に示す、搬
送装置１２は搬送及びジヤツキ装置である。この
装置には一連の水平の、移動しない搬送ロール１
４を有する。回転ローラ１４は固定の垂直方向高
さであり、ビレツト１を処理室２に出入させる水
平運動用である。

ローラ組立体１４に組合せたジヤツキ装置はベ
ースフレーム１６を有し、フレーム１６は図示し
ないねじジヤツキ又は液圧ピストン等のジヤツキ
によつて垂直方向に可動とする。フレーム１６に
支持した複数の垂直ジヤツキロツド１８は上端に
水平支持ヨーク２０を有する。ヨーク２０の支持
面は所要の材料、例えばセラミツク又は焼結材料
とし二重Ｖ型ローラ２２の軸を支承する。

第７図に示す通り、ローラ１４へ軸１５とジヤ
ツキロツド１８とは、処理室２の絶縁材内を通つ
て室内に入り、室２の外で支持される。

ローラ１４上に支持されたビレツト１は水平に
処理室２内に入り、止め部材によつて停止する。
ビレツト１は反対方向に僅かに戻り、処理室２内
の正しい水平位置とする。次にジヤツキを作動さ
せてフレーム１６と二重Ｖ型ローラ２２とを上に
押上げ、ビレツト１の軸線を処理室２の中央軸線
に一致させる。

二重Ｖ型ローラ２２は耐火材料とし、ビレツト
１の長さに沿つて均等な間隔とする。中央の二重
Ｖ型ローラ２２を除き、他のローラ２２は回転可
能とする。このため、ビレツト１の加熱による熱
膨脹はビレツト１の中央から両側に向けて均等に
生ずる。

本発明の炉の他の実施例として、複数の処理室
２を設け、各室２における各ジヤツキ装置は個別
に作動させ、夫々の室２に対する個別の装入を可
能とする。

生産目的のためには、ノズル出口は同じ型式の
ノズル出口を使用し、ポンチ又は鍛造型工具によ
つて所要の変形をさせて所定衝突角度即ち、円筒
ビレツトの軸線にできるだけ直角方向、を得る。
これによつてビレツト外での加熱ガスの全体とし
ての均等流が得られ、ビレツト１の面に均等な熱
伝達を行なう。

発明の効果 本発明による加熱炉は円筒形装入物を全長及び
全周について均等に加熱する。従つて、既知の加
熱炉のように不均等加熱による歪み、曲りは生じ
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例による加熱炉の平面
図、第２図は第１図のＡ−Ａ線に沿う断面図、第
３図は第２図のＢ−Ｂ線に沿う断面図、第４図は
第３図の部分Ｚの拡大図であり、第２図のＤ−Ｄ
線に沿う断面に対応する図、第５図は第２図のＣ
−Ｃ線に沿う断面図、第６図は搬送装置の斜視
図、第７図は搬送装置の断面図である。 １……ビレツト、２……処理室、３……ノズル
出口、４……チヤンネル、６……換気フアン、８
……デイフユーザ、１４……搬送ローラ組立体、
１８……垂直ジヤツキロツド、２０……ヨーク、
２２……支持ローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ビレツト、ロツド、管等の円筒形の装入物用
   の加熱炉であつて、前記装入物の断面形に近似し
   た形状の、少なくとも１つの処理室と、前記装入
   物を前記処理室を通つて停止部材に達するまで長
   手方向に延びる軸線に平行に移動させる搬送装置
   と、循環ガス流を生じさせる換気装置のフアン
   と、前記ガス流を加熱する加熱装置と、加熱され
   た前記ガス流を前記処理室内に導入するノズル出
   口とを有する、前記加熱炉において、 前記搬送装置は、前記装入物１を水平方向へ運
   動させる搬送素子１４と、前記装入物１を前記処
   理室２内で、前記装入物１の断面形の関数とし
   て、かつ前記装入物１の長手方向軸線に垂直な方
   向に、前記処理室２の中心に一致させる、ジヤツ
   キ装置１６，１８，２０，２２を有し、 前記ノズル出口３は、前記処理室２の壁に取り
   付けられ、加熱されたガスのジエツトを前記装入
   物１の長手方向軸線に関して半径方向に、かつ前
   記装入物１の表面に向けて、噴射するように構成
   され、 前記ノズル３に加熱されたガスを供給するチヤ
   ンネル４は前記処理室２の両端から供給するよう
   に構成され、 前記換気装置は、前記処理室２からガスを導出
   し両方の入口９から前記チヤンネル４に供給する
   ように、前記処理室２の長手方向中央部の上方に
   配置されている、 ことを特徴とする、円筒形の装入物用の加熱炉。 ２ 前記ジエツト流が前記円筒形装入物１の外皮
   に衝突する点は、前記装入物１の周面を開いて平
   坦面としたときに、正三角形の頂点に位置するよ
   うになつている、特許請求の範囲第１項に記載の
   加熱炉。 ３ 前記正三角形の一辺の長さは前記ノズル出口
   の面と平均直径を有する前記装入物の周面との間
   の距離にほぼ等しい、特許請求の範囲第２項に記
   載の加熱炉。 ４ 前記ノズル出口が円形の場合には前記ノズル
   出口３の直径は前記ノズル出口３と前記装入物の
   周面との間の平均距離の約５分の１である、特許
   請求の範囲第３項に記載の加熱炉。 ５ 前記処理室２の上方に前記装入物１のほぼ全
   長に延在する区画室７を設けてなる、特許請求の
   範囲第１項ないし第４項のうちのいずれか１項に
   記載の加熱炉。 ６ 前記区画室７に連結された前記換気装置６が
   ガスをデイフユーザ８の両側に対象に搬送する、
   特許請求の範囲第５項に記載の加熱炉。 ７ 前記デイフユーザ８の端部にバーナーを設
   け、前記バーナーの炎を前記換気装置６から流れ
   る循環ガスに向ける、特許請求の範囲第６項に記
   載の加熱炉。 ８ 前記チヤンネル４はその断面積を入口端９か
   ら中央部１０に向かつて減少させている、特許請
   求の範囲第１項ないし第７項のうちのいずれか１
   項に記載の加熱炉。 ９ 前記装入物を搬送するための装置は水平方向
   に配置された複数のローラ１４によつて構成され
   ている、特許請求の範囲第１項ないし第８項のう
   ちのいずれか１項に記載の加熱炉。 １０ 前記ジヤツキ装置は、ジヤツキによつて垂
   直方向に移動可能な支持フレームと、前記装入物
   １を支持するための二重Ｖ型ローラ２２とを有す
   る、特許請求の範囲第１項ないし第９項のうちの
   いずれか１項に記載の加熱炉。 １１ 前記装入物１の中央点に位置する前記二重
   Ｖ型ローラ２２は回転しないように構成されて
   る、特許請求の範囲第１０項に記載の加熱炉。