JPH058189Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、多目的に用いられる場所において
使用するシートに関する。

（従来の技術） 従来、背後部を倒すことによつてフルフラツト
になるシートや床上に配置された前後席一対の幼
児用の座席からなり、大人が使用する際、前席を
後席へ移動させた後、前席の背後部を取除き、後
席の背後部を引き上げ、その背後部の下部と座席
フレームの間に、前席の背後部を収納してなるも
の（実開昭55−149421）等が提案されている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記従来のシートにおいては、
シートの列数が減つてしまうことにより、大人の
定員が半分に減少するものであり、又、上記実開
昭55−149421の場合、同様に定員が減少する上、
シートクツシヨンの移動と背後部の挿し替えに
は、相当の力を必要とするので、女性や老人には
その操作がかなりの困難を伴うものである。そこ
で、この考案は、上記従来のもののもつ欠点を改
善するものであり、女性や老人に対しても容易に
かつ確実に操作ができ、必要とするシートの形状
を素早く得られるように、乗用車ばかりでなく、
講堂、劇場等にも応用して多目的の使用に適合さ
せることのできるようにしたものである。

（問題点を解決するための手段） パツド上面より低い高さの脚部により、両側を
回動自在に支持されるパツド部を具え、上記任意
の角度にパツド部と脚部間に両端のいずれか一方
は摺動でき他方は軸着する支持杆を設け、脚部を
昇降停止自在とし、これらよりなるユニツトを一
定間隔に配置してなるものである。

（作用） 上記構成を具えるので、脚部に対して回動自在
としたパツド部は、任意角度において固定できる
支持杆をもち、その上、脚部は昇降自在に構成さ
れ、これらのユニツトを一定間隔に配置して、そ
のそれぞれを所定角度と所定高さにして組合せる
ことにより、１組のパツド部が軽量となり、容易
に、しかも確実に操作を行うことができ、必要と
するシートの形状が迅速に得られるものである。

（実施例） この考案を、図に示す実施例により更に説明す
る。１は床部に固定され、パツド上面より低い高
さをもつ脚部２に、その側方端部をピボツト４に
より回転自在に組付られたパツド部であり、さら
にパツド部１を支えるためにパツド部１側面に一
端が軸着される支持杆３を設け、その他端を脚部
２に上下垂直方向に移動かつ、固定できるように
摺動溝５に嵌合して取付ける。６は左右の脚部２
を連結する補強杆である。このようにパツド、脚
部、支持杆により１ユニツトが構成されるので、
第２図に示すように前後パツド部１を２個使用し
て子供用シートとする場合、前側のパツド部１を
後席側へ倒し込むことで、支持杆３の脚部５との
接続部が摺動溝５に沿つて下方へ移動し、摺動溝
５の最下端部において係止部９が固定されるの
で、シートクツシヨン部を構成する。後側パツド
部１は、後側の支持杆３に設けられた嵌合部１８
にストツパーボタン１０がスプリング１１の弾撥
力により嵌合して、やや後方に倒れ込んだ状態に
支持されることとなる。また、第３図に示すよう
に３つのパツド部１を使用して、大人用シートと
して用いる場合、前、中側のパツド部１を倒し込
むことで、第４図に示すように、支持杆３が摺動
溝５に沿つて下方へ移動し、最前側のパツド部１
は最下端よりやや上方で、又真中のパツド部１は
最下端というように、体型及び好みに応じた位置
で固定することによりシートパツド部となる。最
後側のパツド部１は、シート背後部として上方へ
引き上げ、第４図に示すように適当な位置で固定
する。これは第６図に示すように脚部２は二重構
造となつており、床面に固定された脚下部７と、
これに挿通して、上下に昇降できる脚上部８から
なり、脚下部７に穿設された停止部を形成する嵌
合穴１３と補強杆６の内部に挿通されているスト
ツパーロツド１２が、操作つまみ２０を左右に押
圧することで、パイプ６の内部のスプリング１４
の力により、嵌合するため脚下部７と脚上部８を
同時に固定し、パツド部１を固定することができ
る。再び元の位置にもどす場合は、操作つまみ２
０を逆方向へ移動することで、パイプ６内のスト
ツパーロツド１２が嵌合穴１３から解放されるの
で、容易にパツド部１を押し下げることにより原
位置にもどすことができる。さらに、第７図は、
シートの高さを大人用に設定した場合で、子供が
使用する場合には、足乗せ板１５の一端を回転自
在に係止し、使用時においては、係止部１６を中
心として足乗せ板１５を回転させこれに足を載せ
ることで子供が使用できるものである。又、第８
図に示すものは、床部に固定していた脚部２を、
丁番１９によつて前後方向に連結し、さらに固定
部をスライドレール１７で移動できるようにした
構造であり、（第８図ａ）丁番１９が折りたたま
れて、容易に収納することができるものである。
（第８図ｂ） （考案の効果） 以上のように構成されるので、同一のユニツト
を使用するので、量産することができ、従つてユ
ニツト当りのコストの低減化が可能となり、使用
状態の変更による大人の定員の減少を最小限で抑
えられ、操作時においては、脚部の高さがパツド
部の高さより低いからパツド部の邪魔にならず容
易かつ確実に希望のシート形状が得られ、空間を
有効に利用できるという優れた効果をもつもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の実施例の収納時の斜視
図、第２図と第３図は、各々、子供及び大人が使
用する時の斜視図、第４図は、その側面図、第５
図は第４図のＡ−Ａ断面図であり、第６図、第７
図はこの考案の支持杆の拡大断面図と脚部の断面
図を示し、第８図ａ，ｂは他の実施例である。 １……パツド部、２……脚部、３……支持杆、
４……ピボツト、５……摺動溝、６……補強杆、
７……脚下部、７……脚上部、９……係止部、１
０……ストツパーボタン、１１……スプリング、
１２……ストツパーロツド、１３……操作つま
み、１４……スプリング、１５……足乗せ板、１
６……回転係止部、１７……スライドレール、１
８……嵌合穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パツド上面より低い高さをもつ脚部の上端にパ
   ツドの両側を回動自在に支持し、かつ、上記パツ
   ド部と脚部間を連結し、一端は摺動でき、他端は
   軸着してなる支持杆を設け、脚部を脚上部と脚下
   部に構成し、脚下部に対して脚上部を昇降自在と
   し、任意位置で停止できるように係止部を設けて
   なるユニツトを一定間隔に配置してなる多目的シ
   ート。