JPH0626213Y2 - 椅 子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、踏台として使用することができる椅子に関す
る。

〔従来の技術〕

高所の棚の物をとったり、物を乗せたりする場合、手近
にある椅子を踏台の代用に使用したとき、椅子の座板の
高さが足りず棚に手が届かなかったりして用が足りなか
った。また踏台は機能本位の実用的なものが多く、家の
中に常時置いておくには、装飾的に難があり、収納する
にも場所をとってその取り扱いに苦慮していた。

〔考案が解決しようとする課題〕

そこで本考案は、通常は椅子として使用しながら、踏台
として使用したい場合には、背もたれ（背板）を折り曲
げて直ちに踏台として使用できる椅子を提供するもので
ある。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するための本考案の椅子は、両側縁部に
凹欠部を凹設した座板と、この座板の凹欠部を設けない
側縁に立設した第１背板と、第１背板に１８０度回動自
在に取り付けた第２背板と、第２背板に１８０度回動自
在に取り付けた第３背板と、座板を支持する４本の脚部
と、座板の凹欠部を設けた両側の２本の脚部間に架設す
る長手方向に長孔を穿設した補強板と、この補助板の長
孔に嵌合する嵌合杆を両側縁に凸設した補助座板と、補
助座板を支持する２本の脚部とを具備する。

〔作用〕

座板に対して第１背板、第２背板、第３背板を直立状態
として椅子として使用する。そして第２背板を第１背板
に対して９０度折り曲げ、第３背板を第２背板に対して
９０度折り曲げて、第３背板の上端縁部分を座板の凹欠
部に嵌合すると共に、補助座板を補強板の長孔に沿って
摺動して引き出し、補助座板、座板、第２背板とを段階
状に形成して踏台とする。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面により説明する。

第１図は椅子の斜視図、第２図は踏台としたときの斜視
図である。

４本の脚部１５で支持される座板１０は、中央部分が少
々湾曲した矩形板体１１と、矩形板体１１の三方外縁に
固定する枠部１２とより構成する。矩形板体１１の両側
の長尺の枠部には凹欠部１３を凹設する。

座板１０の枠部１２を有さない一辺には第１背板３１を
立設する。第１背板３１の上部には第２背板３２を、第
２背板３２の上部には第３背板３３をそれぞれ立設す
る。

第１背板３１と第２背板３２とは、蝶番等の留具３４に
より蝶着され、第１背板３１に対して第２背板３２は、
蝶着された辺を中心として１８０度回動自在となってい
る。

第２背板３２と第３背板３３とも同様に留具３４と同一
面で留具３５により蝶着され、第２背板３２に対して第
３背板３３を蝶着された辺を中心に１８０度回動自在に
構成する。

第１背板３１と第３背板３３は同一形状で同一の大きさ
の矩形板体であって、第２背板３２は、第１背板３１お
よび第３背板３３に対して小形の矩形板体となってい
る。

座板１０の両側枠部１２に凹設した凹欠部１３は、背板
３１、３２、３３の板厚が嵌合し得る大きさである。

座板１０を支持する４本の脚部１５の座板１１の両側部
分を支持する脚部１５間には細幅長尺の補強板１６を架
設する。補強板１６の幅方向中央部分には長孔１７を穿
設する。

４本の脚部１５の内側には補助椅子２０を収納する。補
助椅子２０は、補助座板２１と２本の補助脚部２２とを
備えている。補助座板２１は４本の脚部１５で形成する
四辺形内に収まる程度の四辺形状の板体であって、その
一辺両端に２本の補助脚部２２を立設する。そして補助
脚部２２を取り付けていない両隅の測縁には、嵌合杆２
３を突設する。嵌合杆２３は椅子の脚部１５の補強板１
６の長孔１７に嵌合する。補助椅子２０は、補助座板の
前部を補助脚部２２に支持され、補助座板２１の後部は
嵌合杆２３を長孔１７に嵌合して補強板１６に支持され
た状態で脚部１５内側に収納されている。補助椅子２０
は長孔１７に案内され、摺動自在の構成となっている。

以上の構成の椅子を、通常椅子として使用する場合は、
座板１０に対して第１背板３１、第２背板３２、第３背
板３３を平板状として、垂直に立設して縦長な背板とす
る。補助椅子２０は、座板１０の下部の脚部１５内側に
収納した状態とする。

このような椅子の座板１０はその端縁を枠部１２で補強
されており、かつ中央部分は湾曲形成されているので、
人が腰を降ろした場合、座り心地がよい。また背板は高
いので座ったとき頭や背中を延ばして、ゆったりと身体
をもたせかけることができる。

踏台として使用するばあいには、第２背板３２を第１背
板３１に対して直角に折り曲げて第２背板３２と座板１
０とを平行とする。そして第３背板３３を第２背板３２
に対して直角に折り曲げ、第３背板３３の上端部分を座
板１１枠部１２の凹欠部１３に嵌合する。第１背板３
１、第２背板３２、第３背板３３とで座板１０上に台形
を形成する。そして補助椅子２０は椅子の脚部１５の内
側から引きだして、補助座板２１が補助脚部２２で支持
された状態で椅子の脚部１５より前方に突設され、補助
座板２１の他端は長孔１７の末端に嵌合杆２３を嵌合さ
せて支持されている。

この状態で踏台として使用するには、補助座板２１、座
板１０をそれぞれ段部として登り、台形状となっている
背板の第２背板３２上に立って所要を達する。このとき
第３背板３３は座板１０の枠部１３の凹欠部１３に嵌合
しているので、第２背板３２上の荷重が多くても外れた
り、滑って台形状背板の形を崩す危惧はない。また上記
は踏台として使用するために高い背板を折り曲げたが、
この状態で座板１０に座り、第３背板３３を背板とし、
補助椅子２０を足乗せとして使用すれば、子供用の椅子
となる。

〔考案の効果〕

本考案の椅子は背板が高く、座ったとき頭、背が確実に
背板で支持されるので座り心地が良く、装飾性もある。

踏台として使用したい場合には、背板を折り曲げること
により台形状の踏台を簡単に形成することができる。こ
の踏台は座板の凹欠部に台形部の端部が嵌合するので、
踏台上に荷重がかかってもこの台形状が保持される。ま
た補助座板を脚部の補強板に沿って引き出すことによ
り、踏台を補助座板、座板、第２背板の順に順次段階的
に形成でき、踏台として使用する場合に登り易い。

さらに、通常は背板の高い装飾的効果のある家具の一種
として、部屋の中に置いても邪魔にならず、装飾効果が
大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は椅子の斜視図、第２図は踏台としたときの斜視
図である。 １０……座板、１３……凹欠部、 １５……脚部、１６……補強板、 １７……長孔、２１……補助座板、 ２２……補助脚部、２３……嵌合杆、 ３１……第１背板、３２……第２背板、 ３３……第３背板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】両側縁部に凹欠部を凹設した座板と、 前記座板の凹欠部を設けない側縁に立設した第１背板
   と、 前記第１背板に１８０度回動自在に取り付けた第２背板
   と、 前記第２背板に１８０度回動自在に取り付けた第３背板
   と、 前記座板を支持する４本の脚部と、 前記座板の凹欠部を設けた両側の２本の脚部間に架設し
   た、長手方向に長孔を穿設した補強板と、 両側縁に嵌合杆を凸設した補助座板と、 前記補助座板を支持する２本の補助脚部とを備え、前記
   補助座板の嵌合杆を前記座板を支持する脚部の補強板の
   長孔に嵌合して、前記補助脚部を備えた補助座板を前記
   長孔に沿って摺動自在に構成すると共に、前記第２背板
   を第１背板に対して９０度回動し、前記第３背板を第２
   背板に対して９０度回動したとき、前記第３背板の上端
   が前記座板の凹欠部に嵌合するよう構成したことを特徴
   とする椅子。