JPH0342911Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、例えば寝たきりの病人等を容易
に、且つ安全に移動することができる移動ベツド
に関するものである。

（従来の技術） 従来の病院等に設けられているベツドとして
は、上半身の載置部を傾斜調節するようにしたも
の、或いはベツドの脚部先端にコロ、車輪などを
設けたものが知られている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、このようなベツドでは例えば寝たきり
の病人等を移動させる場合、ベツドに病人を寝か
せたまま移動させなければならず、不便であるば
かりか、病人も寝かされたまま移動させられるた
め不快に感じるなどの難点がある。

（問題点を解決するための手段） 以上の問題点を解決するため、この考案では長
手方向に第１平板、第２平板、第３平板、第４平
板を並設して隣接する各平板相互をヒンジ部で蝶
着し、また各平板の両側にはそれぞれ第１側板、
第２側板、第３側板、第４側板を設けて隣接する
各平板とヒンジ部で蝶着し、更に隣接する前記側
板を長手方向に結合してベツド床板を構成し、第
１平板の裏面には所定間隔を置いて前脚の基端部
を枢着し、第３平板の裏面には所定間隔を置いて
後脚の基端部を枢着し、後脚の間には横杆を架設
し、第２平板の裏面にはその脚部に回転体を有す
る基台を設け、第１平板の裏面中央には先端の両
側にテーパー部を有する摺動片と該摺動片のガイ
ド部材と該摺動片に設けられた操作杆と該摺動片
の後端部にその先端部を枢着されたリンク杆とか
らなる操作部を設け、該リンク杆の後端部は前記
後脚間に架設された横杆に枢着し、第２平板の裏
面に設けられた基部には揺動板を枢着させ、該揺
動板にはそれぞれの端部を第１平板と第４平板に
枢着させた杆の基端部を枢着させ、前記摺動片の
先端部両側のテーパー部にはその一端を第１側板
に設けられた結合部に、他端部を第１平板の裏面
に枢着させた関節状の操作桿を配置した移動ベツ
ドを提案するものである。

（作用） 即ち、この考案においては長手方向に並設され
た第１〜第４の４枚の平板及びその両側に設けら
れた側板を倒すことにより、病人がその上に寝る
ことができる程度の広さのベツド床板となる。

そして、この考案においてはベツドの移動時に
は上述のようなベツドの平板を椅子状に折畳み同
時に、側板を立ち上げることができる。したがつ
て、移動を容易に行なうことができ、しかも病人
も椅子状に折畳まれたベツドに腰掛けながら極め
て快適に移動できる。

また、この考案ではベツドの平板に対して側板
を立ち上がるため、移動中に病人がベツドから落
ちることなく、安全であり、しかも狭い通路或は
入口も容易に通過することができる。

（実施例） 以下、この考案を図示の実施例に基づいて説明
する。

１は、この考案の一実施例を示す移動ベツドで
ある。移動ベツド１は長手方向に並設された４つ
の平板、即ち第１平板２、第２平板３、第３平板
４、第４平板５と、各平板の両側にそれぞれ設け
られた第１側板６，６、第２側板７，７、第３側
板８，８、第４側板９，９とから構成される。

第１平板２、第２平板３、第３平板４、第４平
板５はそれぞれヒンジ部１０，１０，１０で蝶着
し、また第２平板３の裏面には適当な間隔を置い
てその上端を基部１１，１１に枢着させた揺動板
１２，１２を設け、該揺動板１２，１２には先端
部を第１平板２に枢着した杆１３，１３の後端部
を枢着し、該揺動板１２，１２にはその後端部を
第４平板５に枢着した三角状の支持杆１４，１４
の先端部を枢着させることにより第１平板２、第
２平板３、第４平板５を結合させるようにしてあ
る。

第２側板７の両端には凹状溝７ａ，７ｂを形成
し、凹状溝７ａには第１側板６の後端部を、凹状
溝７ｂには第３側板８の先端部をそれぞれ緩く挿
入して第１側板６、第２側板７、第３側板８を連
結して各平板の両側にヒンジ部１５，１５，１５
で蝶着し、更に第４側板９は第４平板５の両側に
ヒンジ部１６で蝶着する。

第１平板２の裏面には適当な間隔を置いてベツ
ドの前脚１７，１７の基端部を枢着し、前脚１
７，１７間には横杆１８を架設し、また第３平板
４の裏面には適当な間隔を置いてベツドの後脚１
９，１９の基端部を枢着し、後脚１９，１９間に
は横杆２０を架設する。

また第２平板３の裏面には基台２１を設け、基
台２１の前脚には大径の前輪２２，２２と基台２
１の後脚には小径のコロ等で構成される後輪２
３，２３を設ける。

一方、第１平板２の中央にはベツド１を椅子状
に折畳むための操作部２４とが設けられる。操作
部２４は先端の両側にテーパー部２５ａ，２５ａ
を有する摺動片２５と該摺動片２５のガイド部材
２６と該摺動片２５に設けられた操作部材２７と
摺動片２５の後端部に設けられた３本の杆の端部
を枢着して形成されたリンク杆２８から構成され
る。リンク杆２８はその先端部を摺動片２５の後
端部に枢着させ、その後端部を後脚１９，１９間
に架設された横杆２０に枢着させるとともに、中
端部の枢着点には第２平板３の裏面に設けられた
結合部２９ａ，２９ｂに一端を枢着させた杆３０
ａ，３０ｂの他端を枢着させる。

また摺動片２５の先端部両側にはその一端を第
１側板６に設けられた結合部３１の基端部に、他
端部を第１平板２の裏面に枢着させた関節状の操
作桿３２を配置する。

更に、第１平板２の傾斜角度を一定に保つため
に第１平板２と第２平板３の裏面には３段階程度
に切り替えられるラツチ３３とストツパー杆３４
を設けるようにしてある。

なお、第１平板２の裏面先端にはベツド１の移
動を便利にするために、ハンドル３５，３５が設
けられている。

以上のような構成において、第１平板２、第２
平板３、第３平板４、第４平板５の両側に設けら
れた第１側板６，６、第２側板７，７、第３側板
８，８、第４側板９，９を倒すことにより第１平
板２側を頭に、第４平板５側を足にして病人が横
たわれる程度のベツドが構成される。

操作部材２７を前方に引くと、摺動片２５は前
方に摺動し、リンク杆２８が後脚１９，１９間に
架設されたは横杆２０を前方に引つ張る。これに
伴つて後脚１９，１９は倒立し、同時に、摺動片
２５が前方に摺動することにより、そのテーパー
部２５ａ，２５ａにより操作桿３２，３２が離間
状に開き、これによつて操作桿３２，３２の一端
に枢着された第１側板６，６並びにこれに連結す
る第２側板７，７、第３側板８，８が立ち上が
る。また第４側板９，９を立ち上げるようにす
る。次に、第１平板２を所定角度で傾斜させる
と、第３平板４は傾斜させられる。しかるのち、
ラツチ３３とストツパー杆３４を係合する。した
がつて、第１平板２、第２平板３、第３平板４、
第４平板５は椅子状に折畳まれ、また第１側板
６，６、第２側板７，７、第３側板８，８、第４
側板９，９が立ち上げられる。

そこで、このような形態においては、病人を椅
子状に折畳まれたベツド１に腰掛けさせた状態で
容易に移動させることができる。しかも、平板
２，３，４，５の両側は側板６，７，８，９を立
ち上げているため、病人が平板の側部より落ちる
ことなく、安全に移動させることができる。

また、移動の際には平板の両側に設けられた側
板を立ち上げるようにしているため、狭い通路或
は入口等を通過するのに便利である。

なお、この実施例では第１平板２と第２平板３
の裏面には３段階に切り替えられるラツチ３３と
ストツパー杆３４を設けてあるため、第１平板２
の傾斜角度を好みに応じて選択することができ
る。

また、前輪２２，２２乃至後輪２３，２３にス
トツパーを設けてベツドを移動中に停止させるこ
ともできる。

（考案の効果） 以上要するに、この考案によれば複数の平板及
び側板を倒すことにより、病人がその上に寝るこ
とができる程度の広さのベツドが構成される。

また、この考案においてはベツドの移動時には
上述のようなベツドの平板を椅子状に折畳み同時
に、側板を立ち上げることができ、したがつて移
動を容易に行なうことができ、しかも病人も椅子
状に折畳まれたベツドに腰掛けながら極めて快適
に移動できる。

更に、この考案ではベツドの平板に対して側板
を立ち上がるため、移動中に病人がベツドから落
ちることなく、安全であり、しかも狭い通路或は
入口も容易に通過することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す斜面図、
第２図は、同上の側面図、第３図は、同上の裏面
に設けられた操作機構を示す図、第４図は折畳状
態を示す斜面図、第５図は、同上の縦断側面図、
第６図は同上の背面図、第７図は操作部を示す縦
断側面図、第８図は第１平板と第２平板の裏面に
設けられたラツチとストツパー杆の関係を示す縦
断側面図、第９図は側板が倒された状態を示す斜
面図、第１０図は側板が立ち上げられた状態を示
す斜面図である。 図中、１は、この考案に係る移動ベツド、２は
第１平板、３は第２平板、４は第３平板、５は第
４平板、６，６は第１側板、７，７は第２側板、
８，８は第３側板、９，９は第４側板、２４は操
作部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 長手方向に第１平板、第２平板、第３平板、第
   ４平板を並設して隣接する各平板相互をヒンジ部
   で蝶着し、また各平板の両側にはそれぞれ第１側
   板、第２側板、第３側板、第４側板を設けて隣接
   する各平板とヒンジ部で蝶着し、更に隣接する前
   記側板を長手方向に結合してベツド床板を構成
   し、 第１平板の裏面には所定間隔を置いて前脚の基
   端部を枢着し、第３平板の裏面には所定間隔を置
   いて後脚の基端部を枢着し、後脚の間には横杆を
   架設し、 第２平板の裏面にはその脚部に回転体を有する
   基台を設け、 第１平板の裏面中央には先端の両側にテーパー
   部を有する摺動片と該摺動片のガイド部材と該摺
   動片に設けられた操作杆と該摺動片の後端部にそ
   の先端部を枢着されたリンク杆とからなる操作部
   を設け、該リンク杆の後端部は前記後脚間に架設
   された横杆に枢着し、 第２平板の裏面に設けられた基部には揺動板を
   枢着させ、該揺動板にはそれぞれの端部を第１平
   板と第４平板に枢着させた杆の基端部を枢着さ
   せ、 前記摺動片の先端部両側のテーパー部にはその
   一端を第１側板に設けられた結合部に、他端部を
   第１平板の裏面に枢着させた関節状の操作桿を配
   置したことを特徴とする移動ベツド。