JPH0580229B2

JPH0580229B2 -

Info

Publication number: JPH0580229B2
Application number: JP61021033A
Authority: JP
Inventors: Yoshiaki Morita; Mitsuaki Tanaka; Koichi Yamada; Yoji Watanabe; Yoshuki Watanabe
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1986-01-31
Filing date: 1986-01-31
Publication date: 1993-11-08
Also published as: JPS62179467A

Description

【発明の詳細な説明】

技術分野本発明は、ゲル状芳香剤組成物に関する。発明の背景従来のゲル状芳香剤としては、揮発性テルペン
系炭化水素等の溶剤、ステアリン酸ナトリウム、
オキシ脂肪酸、ワツクス等のゲル化剤、エタノー
ル等のゲル化剤の可溶化剤、増粘剤、香料、水等
からなるものが知られている。しかしながら、従
来のゲル状芳香剤には、種々の欠点がある。即ち、ゲル化剤としてステアリン酸ナトリウム
を用いた場合には、強固で安定なゲルができる反
面溶解温度が80℃以上と高温を必要とするため製
造時に香料が分解するという欠点がある。更に、
ゲル化剤としてオキシ脂肪酸、ワツクスを用いた
場合には、ゲル強度が充分でないため形態安定性
に欠け、夏期の高温や長期保存によりゲルの離
漿、溶解等が生じるという欠点がある。本発明者は、従来のゲル状芳香剤の上記欠点を
解消するべく鋭意研究した結果、特に特定のゲル
化剤と特定の可溶化剤と特定の増粘剤とを組み合
せて用いることにより、ゲルが強固、安定で、且
つ製造時の溶解温度が低くて良いため香料の分解
がなく、ゲルの離漿、溶解等も起こらないという
優れた特長を有するゲル状芳香剤組成物が得られ
ることを見出し、本発明を完成するに至つた。発明の構成本発明は、揮発性炭化水素、ゲル化剤、可溶化
剤、増粘剤、水及び香料を含むゲル状芳香剤組成
物において、ゲル化剤としてパルミチン酸ナトリ
ウム、ミリスチン酸ナトリウム及びラウリン酸ナ
トリウムの少なくとも１種を、可溶化剤として３
−メチル−３−メトキシブタノール、ヘキシレン
グリコール及びプロピレングリコールの少なくと
も１種を、増粘剤としてエチルセルロース又は
（及び）メチルセルロースをそれぞれ使用するこ
とを特徴とするゲル状芳香剤組成物に係るもので
ある。本発明における揮発性炭化水素としては主留分
の沸点範囲が130〜280℃のテルペン系炭化水素を
用いるのが好ましい。沸点範囲がこの範囲外とな
ると香料及び媒体の蒸散量が一定化しないことが
あるので好ましくない。特に好ましいものとして
は、例えばα−ピネン、β−ピネン、ｄ−リモネ
ン、これらの混合物、又はこれらのいずれかを主
成分とするテレピン油、オレンジ油等の天然製油
等を挙げることができ、これらの少なくとも１種
を用いる。揮発性テルペン系炭化水素は、それ自
体芳香を有すると共に、香料成分のキヤリアーと
しての働きをするものである。また、揮発性炭化
水素として、上記テルペン系炭化水素にイソパラ
フイン系炭化水素を併用することができる。併用
し得るイソパラフイン系炭化水素としては、蒸散
性の点から主留分の沸点範囲が100〜250℃のもの
が好ましい。揮発性炭化水素の使用量は、常法に従い広い範
囲から選択され得るが、組成物中通常約50重量％
以上程度、好ましくは約60〜90重量％である。テ
ルペン系炭化水素にイソパラフイン系炭化水素を
併用する場合の併用割合は、特に限定されず、香
調により適宜設定される。本発明においては、ゲル化剤としてパルミチン
酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム及びラウ
リン酸ナトリウムの少なくとも１種を用いること
を必須とする。従来、上記脂肪酸ナトリウムはゲル化作用があ
ることは知られていたが、ゲル強度が充分でない
等の種々の難点のためこの種の芳香剤組成物のゲ
ル化剤としては実用化されるに至つていなかつ
た。而して、本発明者は、本発明特定の可溶化剤
及び増粘剤を組み合せて使用することにより、上
記脂肪酸ナトリウムの使用を実用化することに成
功し、しかも従来のゲル化剤の欠点をすべて解消
できたものである。即ち、本発明においては、ゲル化剤、可溶化
剤、増粘剤として、それぞれ特定のものを用いる
ことにより、強固、安定なゲルが得られ、溶解温
度が80℃未満であるので製造時の香料の分解等も
起らず、又ゲルの離漿、溶解等もないという優れ
たゲル状芳香剤組成物が得られる。上記特定のゲル化剤の使用量は、特に限定され
ないが、組成物中通常約４〜８重量％程度とする
のが好ましい。この範囲内では、ゲル強度が充
分、残渣も殆んどない。本発明においては、可溶化剤として３−メチル
−３−メトキシブタノール、ヘキシレングリコー
ル及びプロピレングリコールの少なくとも１種を
用いることを必須とする。使用量は、特に限定さ
れないが、組成物中通常約３〜10重量％程度とす
るのが好ましい。この範囲内では、ゲル化剤が充
分に溶解する。本発明においては、増粘剤としてエチルセルロ
ース及びメチルセルロースのいずれか又は両方を
用いることを必須とする。これらは、ゲルに適度
な弾力性を付与し、ゲル強度を向上させ、離漿を
防止する作用を有する。使用量は、特に限定され
ないが、組成物中通常約0.1〜５重量％程度、好
ましくは約0.2〜１重量％程度である。この範囲
内では、ゲル強度が充分で、混合時の粘度が適度
なため作業性が良い。本発明においては上記各成分と共に水及び香料
を配合する。水は、ゲル化剤を溶解する作用をな
す。また、香料としては揮発性炭化水素に可溶で
あれば如何なる香料をも使用できる。これらの使
用量は、常法に従えば良く、水は組成物中通常約
0.5〜４重量％程度配合される。香料の使用量は
その種類及び目的とする製品に応じて広い範囲か
ら選択できるが、通常組成物中約0.5〜25重量％
程度の範囲である。本発明組成物は、香料以外の上記各成分に、更
に必要に応じて酸化防止剤、着色剤等を添加混合
し、80℃未満好ましくは70〜78℃程度で均一に溶
解後、香料を添加混合し、次いで冷却固化（成
形）することにより容易に製造できる。発明の効果本発明により、下記の如き顕著な効果が奏され
る。 (1) 得られたゲルは、強固で、且つ適度の弾力性
を有しており、経時的にも安定である。 (2) 製造時、ゲル化剤の溶解温度が80℃未満と低
いため香料が分解せず、従つて香調に優れる。 (3) ゲルは熱安定性に優れ、離漿、溶解等が殆ん
ど起らない。 (4) 香料等が均一に蒸散し、ゲルの収縮も均一で
ある。実施例及び比較例以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更
に具体的に説明する。実施例１〜８及び比較例１〜10 下記第１表及び第２表に示す実施例及び比較例
のゲル状芳香剤組成物を調製した。

【表】 (注) 配合成分の数値は、すべて重量％である。

【表】

【表】 (注) 配合成分の数値は、すべて重量％である。
次に、上記で得た各芳香剤組成物について、ゲ
ル強度、離漿及び香調を調べた。試験法は下記の
通りである。 Γ ゲル強度(g)……レオメーターにより、No.９ア
ダプター（直径10mmの円柱）を用いて測定した。 Γ 離漿(g)……40℃で３カ月保存後、ゲル100ｇ
当りの離漿量を測定した。 Γ 香調…… 下記評価基準により判定した。 ◎……非常に優れている、 ○……優れている、 △……あまり良くない、 ×……悪い。試験結果を第３表及び第４表に示す。

【表】

【表】上記第３表及び第４表から、本願特定のゲル化
剤、可溶化剤及び増粘剤を組み合せて用いること
により初めて、ゲル強度が高く、離漿が殆んどな
く、香調が非常に優れるゲル状芳香剤組成物が得
られることが明らかである。

Claims

【特許請求の範囲】

１揮発性炭化水素、ゲル化剤、可溶化剤、増粘
剤、水及び香料を含むゲル状芳香剤組成物におい
て、ゲル化剤としてパルミチン酸ナトリウム、ミ
リスチン酸ナトリウム及びラウリン酸ナトリウム
の少なくとも１種を、可溶化剤として３−メチル
−３−メトキシブタノール、ヘキシレングリコー
ル及びプロピレングリコールの少なくとも１種
を、増粘剤としてエチルセルロース又は（及び）
メチルセルロースをそれぞれ使用することを特徴
とするゲル状芳香剤組成物。