JPH0579111U - 自動変速機のシフトレバー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シフト操作位置決め機能と、シフト操作時運
転者に節度感を与える機能を十分保持しながら、構造が
簡単で、小型な自動変速機のシフトレバー装置を提供す
る。 【構成】 シフトレバー１０の操作によりポジションピ
ン１３を、ポジションプレート２０に形成されたポジシ
ョン溝２１に係脱させてシフトレバー１０のシフト操作
する自動変速機のシフトレバー装置であって、少なくと
もノブボタン１７を操作せずシフトレバー１０を操作で
きる方向のポジション溝２１の凸部２１ａの傾斜角度
を、ノブボタン１７を操作してシフトレバー１０を操作
する方向のポジション溝２１の凸部２１ａの傾斜角度よ
りも小さく形成することを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、シフトレバーのシフト操作時、運転者に節度感を与えるようにし た車両用自動変速機のシフトレバー装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、車両用自動変速機のシフトレバー装置は、シフトレバーの操作によりポ ジションピンをポジションプレートに形成された複数のポジション溝に択一的に 係合させてシフト操作し得るようになっており、ポジション溝には、例えば、リ バース（Ｒ）、ニュートラル（Ｎ）、ドライブ（Ｄ）、サード（３）、セカンド （２）、ファースト（１) の各ポジションが設定されている。また、シフト操作 に際し節度感を与えるために、節度機構が設けられており、この節度機構は、例 えば、上記各ポジションに対応してポジションプレートに形成された複数の凹部 と、この凹部に弾性的に係合するようにシフトレバーに設けられたボールとから 構成されている。そして、シフトレバーをシフト操作するとボールが凹部に択一 的に圧接係合し、これによって、シフト操作時における節度感を運転者に与える ようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記シフトレバー装置では、シフト操作位置決め機能と、シフ ト操作時運転者に節度感を与える機能とが、別体に構成されている。このため、 構造が複雑でコスト高になると共に、ポジションプレートが大型になるという問 題がある。

【０００４】 この考案は、上述した従来技術の問題点を解決すべくなされたもので、その目 的とするところは、シフト操作位置決め機能と、シフト操作時運転者に節度感を 与える機能を十分に保持しながら、構造が簡単で、小型な自動変速機のシフトレ バー装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、この考案の請求項１の自動変速機のシフトレバー装 置では、シフトレバーの操作によりポジションピンを、ポジションプレートに形 成されたポジション溝に係脱させてシフトレバーのシフト操作する自動変速機の シフトレバー装置であって、少なくともノブボタンを操作せずシフトレバーを操 作できる方向のポジション溝の凸部の傾斜角度を、ノブボタンを操作してシフト レバーを操作する方向のポジション溝の凸部の傾斜角度よりも小さく形成するこ とを特徴としている。

【０００６】 また、請求項２の自動変速機のシフトレバー装置では、ポジションピンの直径 をｄ、ポジション溝の凸部の高さをＨとすると、凸部の高さＨが０＜Ｈ≦ｄ／2 を満足することを特徴としている。

【０００７】

【作用】

上述した構成によれば、ノブボタンを操作せずシフトレバーを操作できる方向 のシフト操作では、ポジションピンがポジション溝の凸部を乗り越えるときと、 その凸部を乗り越えた後のシフトレバーの操作力の落差によって運転者に節度感 を与えることができる。

【０００８】 また、ノブボタンを操作してシフトレバーを操作する方向のシフト操作では単 にシフトレバーだけを操作しても、ポジションピンがポジション溝の凸部を乗り 越えることができないので、他のポジション溝に移行しない。これによって、シ フトレバーの誤操作を防止することができる。

【０００９】

【実施例】

以下、この考案を図面に示す実施例に基づいて説明する。

【００１０】 図１は車両用自動変速機のシフトレバー装置の正面説明図、図２は図１のIIー II矢視断面説明図、図３はポジションプレートの正面説明図、図４は図３のポジ ション溝の拡大説明図である。

【００１１】 図において、Ｅは車両用自動変速機のシフトレバー装置で、シフトレバー１０ の操作によりポジションピン１３を、ポジションプレート２０に形成されたポジ ション溝２１に係脱させてシフトレバー１０のシフト操作するように構成されて いる。

【００１２】 そしてこの考案は、特に、少なくともノブボタン１７を操作せずシフトレバー １０を操作できる方向のポジション溝２１の凸部２１ａの傾斜角度を、ノブボタ ン１７を操作してシフトレバー１０を操作する方向のポジション溝２１の凸部２ １ａの傾斜角度よりも小さく形成することを特徴としている。

【００１３】 また、ポジションピン１３の直径をｄ、ポジション溝２１の凸部２１ａの高さ をＨとすると、凸部２１ａの高さＨが０＜Ｈ≦ｄ／2 を満足することを特徴とし ている。

【００１４】 つぎに、この考案の構造をさらに詳細に説明する。

【００１５】 シフトレバー１０はパイプからなり、車体のフロア（図示せず）に固定された ベースプレート３０に枢軸１１により回動可能に軸支されている。このシフトレ バー１０内には、下端にポジションピン１３を突設したロッド１２が上下方向摺 動可能に配設されており、ポジションピン１３はシフトレバー１０の軸線上に配 置されていると共に、シフトレバー１０に上下方向に形成した長孔１０ａを貫通 して外部に突出している。また、ロッド１２は圧縮ばね１４により上方へ付勢さ れている。

【００１６】 シフトレバー１０の上端には、中空のノブ１５が固定されており、このノブ１ ５内に突出するカム１６がロッド１２の上端に設けられている。また、ノブ１５ 内には、カム１６の斜面に摺接するノブボタン１７がロッド１２の軸線と直交す る方向に摺動可能に配設されており、このノブボタン１７は圧縮ばね１８により 外方に突出するよう付勢されている。

【００１７】 ポジションプレート２０はシフトレバー１０の一側に隣接してベースプレート ３０上に立設されており、このポジションプレート２０にポジションピン１３の 一端部が係合するポジション溝２１が形成されている。このポジション溝２１に は、自動変速機（図示せず）の変速レンジに対応して、例えばリバース（Ｒ）、 ニュートラル（Ｎ）、ドライブ（Ｄ）、サード（３）、セカンド（２）、ファー スト（１）の各ポジションが設定されている。各ポジション間はそれぞれ凸部２ １ａによって区画されていて、Ｎ，Ｒポジション間のＮポジション側の凸部２１ ａの傾斜角度α、Ｄ、３ポジション間のＤポジション側の凸部２１ａの傾斜角度 α、３，２ポジション間の３ポジション側の凸部２１ａの傾斜角度α、および２ ，１ポジション間の２ポジション側の凸部２１ａの傾斜角度αは、他の凸部２１ ａの傾斜角度βより大きく設定されている。

【００１８】 ここで、傾斜角度は、シフトレバー１０の軸着部である枢軸１１の中心０₁ と 、ポジションピン１３の中心０₂ とを結ぶ直線ＹーＹに直交する直線ＸーＸとな す角度である。また、各凸部２１ａの高さＨは、前述の如くポジションピン１３ の直径をｄとすると、 ０＜Ｈ≦ｄ／2 を満足する値に設定されている。

【００１９】 そして、ＮポジションからＲポジションへシフトする際、Ｄポジションから３ ポジションへシフトする際、３ポジションから２ポジションへシフトする際、お よび２ポジションから１ポジションへシフトする際には、ノブボタン１７を押し てポジションピン１３を下方へ移動させないとシフト操作できないように設定さ れている。その他のポジション間はノブボタン１７を押さず単にシフトレバー１ ０を回動するだけでシフト操作できるように設定されている。

【００２０】 つぎに、この考案の実施例の作用を説明する。

【００２１】 図１に示すように、例えばＮポジションに係合しているポジションピン１３を Ｄポジションに移動させるには、ノブボタン１７を操作せずシフトレバー１０を 時計方向に回動させる。すると、ポジションピン１３は凸部２１ａに当接し、こ の凸部２１ａをポジションピン１３が圧縮ばね１４のばね力に対抗して乗り越え るときは、シフトレバー１０の操作力を強くする必要がある。ポジションピン１ ３は凸部２１ａを乗り越えると圧縮ばね１４のばね力によってポジション溝２１ の係合部２１ｂに係合し、シフトレバー１０の回動に対する抵抗力が小さくなり 、これによって、シフトレバー１０のシフト操作時運転者に節度感を与えること ができる。

【００２２】 この節度感は、凸部２１ａの高さＨを０＜Ｈ≦ｄ／2 の範囲内において設定す ることによって適宜選択することができるものであり、凸部２１ａの高さＨをｄ ／2 以上に設定すると、ノブボタン１７を操作しないとシフト操作が不可能にな る。

【００２３】 つぎに、Ｎポジションに係合しているポジションピン１３をＲポジションに移 動させるには、ノブボタン１７を圧縮ばね１８のばね力に抗して押圧する。する と、ポジションピン１３が圧縮ばね１４のばね力に抗してカム１６及びロッド１ ２を介して下降する。

【００２４】 この状態でシフトレバー１０を反時計方向に回動させるとポジションピン１３ は凸部２１ａを通過してＲポジションに移動する。そこで、ノブボタン１７の押 圧操作をやめると、ノブボタン１７は圧縮ばね１８のばね力によって外方に押し 戻され、同時にポジションピン１３は圧縮ばね１４のばね力によってポジション 溝２１の係合部２１ｂに圧接する。

【００２５】 このように、ノブボタン１７を操作しなければ、ＮポジションからＲポジショ ンへのシフト操作はできないように設定されており、シフトレバー１０を不用意 に操作してもシフト操作はできない。これによって、シフトレバー１０誤操作を 防止することができる。

【００２６】 その他のポジション間のシフト操作も、上述の場合と同様であり、その説明は 省略する。

【００２７】

【考案の効果】

上述した通り、この考案によれば、ノブボタンを操作せずシフトレバーを操作 できる方向のシフト操作では、ポジションピンがポジション溝の凸部を乗り越え るときと、その凸部を乗り越えた後のシフトレバーの操作力の落差によって運転 者に節度感を与えることができる。

【００２８】 また、ノブボタンを操作してシフトレバーを操作する方向のシフト操作では単 にシフトレバーだけを操作しても、ポジションピンがポジション溝の凸部を乗り 越えることができないので、他のポジション溝に移行しない。これによって、シ フトレバーの誤操作を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る車両用自動変速機のシフトレバ
ー装置の正面説明図である。

【図２】図１のIIーII矢視断面説明図である。

【図３】ポジションプレートの正面説明図である。

【図４】図３のポジション溝の拡大説明図である。

【符号の説明】

Ｅ 車両用自動変速機のシフトレバー装置 １０ シフトレバー １３ ポジションピン １５ ノブ １７ ノブボタン ２０ ポジションプレート ２１ ポジション溝 ２１ａ 凸部 ２１ｂ 係合部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シフトレバーの操作によりポジションピ
   ンを、ポジションプレートに形成されたポジション溝に
   係脱させてシフトレバーのシフト操作する自動変速機の
   シフトレバー装置であって、 少なくともノブボタンを操作せずシフトレバーを操作で
   きる方向のポジション溝の凸部の傾斜角度を、ノブボタ
   ンを操作してシフトレバーを操作する方向のポジション
   溝の凸部の傾斜角度よりも小さく形成することを特徴と
   した自動変速機のシフトレバー装置
2. 【請求項２】 ポジションピンの直径をｄ、ポジション
   溝の凸部の高さをＨとすると、凸部の高さＨが０＜Ｈ≦
   ｄ／2 を満足することを特徴とした請求項１記載の自動
   変速機のシフトレバー装置。