JPH0579030U - ナット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ナットに座金およびスプリングワッシャを一
体に組み込むことによって作業能率の向上を図ること。 【構成】 円筒形の中央部の先端部に内側に突出する突
部８を設けた座金６と、環状のスプリングワッシャ５
と、円筒形の中央部２の先端部に外側に突出する突部４
を設け、かつ中央部の内側にネジ部３を形成したナット
１とから構成されており、座金とナットの突部４と８と
を互いに係合し、かつ座金とナットの間にスプリングワ
ッシャ５を介在させたナット。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は座金およびスプリングワッシャを有するナットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ナットをボルトに装着する場合には、次の３つの状態が考えられる。 座金，スプリングワッシャ，ナットが別々の場合 座金，スプリングワッシャ，ナットが個々別々の場合は、ボルトに座金，スプ リングワッシャ，ナットと順次通し、接合部を締め付けることになる。 この場合は、作業上ボルトを保持する一方、座金，スプリングワッシャ，ナッ トをそれぞれ保持する必要がある。この場合ナットをボルトに取り付ける際に、 座金，スプリングワッシャを保持できなくなり、脱落，落下させることが数多く 発生している。 また、座金，スプリングワッシャを落下させずにナットをボルトに取り付ける 際には、時間がかかる等、作業能率も悪くなる。 通常、座金，スプリングワッシャ，ナットを別々にボルトを通して使用する構 造のナットが最も多く使用されている。

【０００３】 ナットと座金を組み合わせ一体としたもの 欠点としては、スプリングワッシャを組み込んでいないため、スプリングワッ シャが必要な箇所に使用できない。 ボルト側に座金，スプリングワッシャを組み合わせ一体としたもの 欠点としては、ボルトのネジ部が削られているため、ボルトの強度が低下する 。また、ボルト側に座金，スプリングワッシャが組み込まれているため、ナット 側にスプリングワッシャを入れる必要のある箇所では使用が制限される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記の欠点を改善するために提案されてもので、その目的は、ナット 側に座金，スプリングワッシャを組み込むことにより、ボルトとナットを使用し て締め付ける際、ボルトに座金，スプリングワッシャ，ナットと順次通し、取り 付ける手順を一つの動作の中で可能にし、これにより、スプリングワッシャや座 金が脱落，落下することなく、また落下防止による安全性の向上を図り、更に作 業手順の減少による作業能率の向上を図ったナットを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、本考案は円筒形の中央部の先端部に内側に突出す る突部を設けた座金と、環状のスプリングワッシャと、円筒形の中央部の先端部 に外側に突出する突部を設け、かつ前記中央部の内側にネジ部を形成したナット とを備え、前記座金とナットの突部を互いに係合し、かつ座金とナットの間にス プリングワッシャを介在させたことを特徴とするナットを考案の要旨とするもの である。

【０００６】

【作用】

本考案は、座金，スプリングワッシャをナットと一体としたものであり、これ によって一つの動作により、ボルトへ座金，スプリングワッシャを一括して通し 、締め付け、作業能率の向上を図ることができる。

【０００７】

【実施例】

次に本考案の実施例について説明する。 図１は本考案のナット及びスプリングワッシャ・座金の断面図を示すものであ る。図において、１はナットの本体を示すもので、この本体の中心の位置に円筒 形の中央部２が設けられ、この中央部の内側にはネジ部３が形成されており、ま た中央部２の先端部には外側に突出する突部４が設けられている。５は環状のス プリングワッシャを示す。 ６は座金で、本体の中心に円筒形の中央部７が設けられ、この中央部７の先端 部には、内側に突出する突部８が設けられ、この突部８と４とは互いに係合して いる。 図２はナットの断面図を示す。 図３は座金の断面図を示す。

【０００８】 次に本考案のナットの製造方法について述べると、ナット１において中央部２ の先端部に突部のない形状のナットを製作し、この突部のないナットをスプリン グワッシャ５をはさんで座金６に入れ、次いで、ナットの中央部の頭をつぶして 座金からはずれないように突部４を形成して本考案のナットを製造するものであ る。

【０００９】 図４は本考案のナットの外観図で、ナットを締め付けた状態を表す。締め付け た状態では通常のナット，座金，スプリングワッシャが別々の構成になったもの を使用した場合と外観上は大きな差異はない。 図５は形状の外観図であるが、ナットを締め付けない状態を表す。締め付けな い状態ではナットの中央部の一部を突き出した部分及び座金の中央部を隆起させ た部分が現れる。 図６は座金の斜視図を示す。

【００１０】 本考案は座金，スプリングワッシャ，ナットを合わせて使用していた箇所全て に使用可能である。 使用する場合は、ナットのみを保持し、ボルトに通し、以降の作業としては、 従来のナットと同様に締め付けることができる。なお、座金及びスプリングワッ シャが、一体となって組み込まれているため、座金，スプリングワッシャ，ナッ トを個別にボルトに通す必要がない。

【００１１】 従来のナットは、座金，スプリングワッシャ，ナットが別々になっており、ボ ルトに順次通し、接合部を締め付ける構成になっており、この場合は、作業上ボ ルトを保持する一方、ボルトに座金，スプリングワッシャ，ナットを保持するこ とが必要となる場合が生ずる。この場合、ナットをボルトに取り付ける際に、座 金，スプリングワッシャを保持することが不可能となる。また、座金，スプリン グワッシャを落下させずにナットをボルトに取り付ける際に時間がかかる等、作 業能率が低下する。さらに、座金，スプリングワッシャを落下させた場合、高所 では他の作業者等に危険を及ぼすことがあり、また装置等の中に落し込んだ場合 、座金，スプリングワッシャ，ナットが回収不能となることもある。 この結果より明らかなように、本考案は従来のナットに比べて作業能率及び安 全性の向上に改善があった。

【００１２】

【考案の効果】

従来のナットは、座金，スプリングワッシャが個別に構成、使用されていたが 、本考案の座金・スプリングワッシャ付きナットは、ナットに座金およびスプリ ングワッシャを一体となるように組み込んだもので、一体構造となっているから 、ナットをボルトに通す際に、座金，スプリングワッシャが脱落，落下すること を防止することができ、また、作業性が良くなることによる能率向上を図ること のできる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のナットの断面図である。

【図２】ナット部分の断面図である。

【図３】座金の断面図である。

【図４】本考案のナットの正面図である。

【図５】ナットをゆるめた場合の正面図である。

【図６】座金の外観図である。

【符号の説明】

１ ナット ２ 中央部 ３ ネジ部 ４ 突部 ５ スプリングワッシャ ６ 座金 ７ 中央部 ８ 突部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒形の中央部の先端部に内側に突出す
   る突部を設けた座金と、環状のスプリングワッシャと、
   円筒形の中央部の先端部に外側に突出する突部を設け、
   かつ前記中央部の内側にネジ部を形成したナットとを備
   え、前記座金とナットの突部を互いに係合し、かつ座金
   とナットの間にスプリングワッシャを介在させたことを
   特徴とするナット。