JPH0577291A - ゲートシール射出成形システムにおける徐冷装置 - Google Patents

ゲートシール射出成形システムにおける徐冷装置

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JPH0577291A
JPH0577291A JP24007891A JP24007891A JPH0577291A JP H0577291 A JPH0577291 A JP H0577291A JP 24007891 A JP24007891 A JP 24007891A JP 24007891 A JP24007891 A JP 24007891A JP H0577291 A JPH0577291 A JP H0577291A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はゲートシール射出成形システムにお
ける徐冷装置に関し、多品種混合生産に対応する徐冷を
行なうとともにその成形システムの生産性を向上させる
ことを目的とする。 【構成】 内部にキャビティを形成する複数のキャビテ
ィユニット10を備え、該キャビティユニット10を、搬送
手段によって所定の加熱ステーション、充填・緩和ステ
ーション、徐冷ステーション、成形品取出しステーショ
ンの順に搬送するようにしたゲートシール射出成形シス
テムにおける徐冷装置であって、キャビティユニット10
の周囲の空気を該キャビティユニット10に対応する所定
の徐冷条件で回収可能な空気回収手段49と、該徐冷条件
に従って異種のキャビティユニット10を異なる条件で徐
冷するよう空気回収手段49を制御する制御手段50と、を
設けるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゲートシール射出成形
システムにおける徐冷装置に関し、特にプラスチックレ
ンズ等の光学素子のゲートシール射出成形システムに好
適な徐冷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチック成形加工の高精度化
により、成形(成型)による利点を活用した様々な射出
成形、例えばプラスチックレンズのような光学素子の射
出成形がなされている。この種の成形装置においては、
成形品1個当りの成形時間を短縮してそのコストを低減
させることが要求されるため、例えば特開平1−139
231号公報や特開平2−38012号公報に記載され
るように、複数の金型ユニットを使用して一の金型の型
開き及び成形品取り出しの前に他の金型へ射出ができる
ようにしたものがある。
【0003】また、肉厚で偏肉比の大きいレンズ等の成
形においては、成形金型による形状転写精度を高めるた
め、樹脂がキャビティ内に充填完了する直前からの充填
樹脂が凝固するまで適当な圧力を加え続けることが必要
である。そこで、例えば特開昭64−36421号公報
に記載されるようなゲートシール成形方法が提案されて
いる。
【0004】そこで、ゲートシール射出成形システムに
おいて複数のキャビティユニットを用いると、様々な成
形品を高精度に混合生産(多品種少量生産)することが
できる。具体的には、例えば樹脂の配向と圧力分布に起
因する樹脂圧力及び樹脂温度の不均一さが生じるのを解
消するため、金型の均一加熱により型温をガラス転位点
以上に上昇させて射出充填を行ない、ゲートシールを行
って樹脂の流動を止め、次いで、金型をガラス転位点以
上の温度に保って樹脂の緩和を行い、キャビティ内の樹
脂の圧力と温度を均一にし、次いで、熱変形温度以下に
なるまでゆっくりと徐冷して樹脂圧力が0(kgf /cm2
となったら成形品を取出す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなゲートシール射出成形システムにあっては、徐冷時
間を確保して一定の精度を得るためには成形サイクルが
長くなり、生産性が低いという問題があった。例えば、
図10および図11に示すように、充填樹脂がポリカーボネ
ート(PC)で、キャビティユニットの材質がマルテン
サイト系ステンレス鋼(SUS420相当)であり、その大き
さが約150mm角の場合、徐冷開始温度170℃から
熱変形温度以下の130℃に達するまでの徐冷時間は、
空冷(大気中放置)にして40分以上もかかってしまう
のである。
【0006】これに対し、例えば、キャビティユニッ
トの個数を増やしたり、キュビティユニットを他数個
取りにしたりすることも考えられるが、前記の場合、
キャビティユニットの製作費が多額になるばかりでな
く、キャビティ間の寸法がばらつき易くなり、更にキャ
ビティユニットのライン上での管理やメンテナンスが複
雑化するという問題がある。また、前記の場合、キャ
ビティユニットのサイズが大きくなった分だけ搬送手段
をはじめ各ステーションが大きくなって装置が大型化す
るとともに、徐冷時間も長くなるという問題がある。
【0007】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たものであり、ゲートシール射出成形において最も時間
を要する徐冷を効率的に行い、多品種混合生産を維持し
つつ生産性を向上させることのできる徐冷装置を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項1記載の発明は、内部にキャビティを形成する複数
のキャビティユニットを備え、該キャビティユニット
を、搬送手段によって所定の加熱ステーション、充填・
緩和ステーション、徐冷ステーション、成形品取出しス
テーションの順に搬送するようにしたゲートシール射出
成形システムにおける徐冷装置であって、前記キャビテ
ィユニットの周囲の空気を該キャビティユニットに対応
する所定の徐冷条件で回収可能な空気回収手段と、該徐
冷条件に従って異種のキャビティユニットを異なる条件
で徐冷するよう空気回収手段を制御する制御手段と、を
設けたことを特徴とする。
【0009】また、請求項2記載の発明は、前記空気回
収手段が徐冷条件に従って空気回収方向を可変すること
を特徴とし、請求項3記載の発明は、前記搬送手段の搬
送方向と直交するキャビティユニットの上下左右方向の
うち少なくとも1つの方向に向けて配設された空気回収
口を有することを特徴とし、請求項4記載の発明は、前
記空気回収手段が空気回収能力を可変する回収ポンプを
有することを特徴とし、請求項5記載の発明は、前記空
気回収手段が搬送手段によるキャビティユニットの搬送
経路に近接する複数の空気回収口および各空気回収口を
独立して開閉する複数の開閉手段を有することを特徴と
し、請求項6記載の発明は、前記制御手段がキャビティ
ユニットに取り付けた識別標識の読取情報に基づいて空
気回収手段を制御することを特徴とする。
【0010】
【作用】請求項1記載の発明では、キャビティユニット
の周囲の空気を回収する空気回収手段が各キャビティユ
ニットの徐冷条件に従って制御され、該空気回収手段に
よって各キャビティユニットに適した徐冷がされる。し
たがって、多品種混合生産であっても徐冷が効率的にし
かも成形品の各部について均一に行なわれ、生産性が向
上する。
【0011】請求項2記載の発明では、空気回収手段が
徐冷条件に従って空気回収方向を可変するから、徐冷条
件を細かく設定することができ、徐冷をより速く均一に
行うことが可能になる。請求項3記載の発明では、キャ
ビティユニットの上下左右方向のうち少なくとも1つの
方向に向けて空気回収口が設けられる。したがって、空
気回収口をキャビティ搬送経路に沿って容易に配設する
ことができる。
【0012】請求項4記載の発明では、回収ポンプがそ
の空気回収能力を可変する。したがって、回収風量の調
整を容易化することができる。請求項5記載の発明で
は、キャビティユニットの搬送経路に沿って複数の空気
回収口が配設され、これらが開閉手段によって独立して
開閉される。したがって、搬送中のキュビティユニット
を適宜徐冷することができる。
【0013】請求項6記載の発明では、各キャビティユ
ニットに取付けられた識別標識の読取情報に基づいて空
気回収手段が制御される。したがって、キャビティユニ
ットの種類毎に最適な徐冷を行うことができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1〜図9は本発明に係るゲートシール射出成
形システムにおける徐冷装置の一実施例を示す図であ
る。まず、その構成について説明する。
【0015】図1において、10は、上下一対の金型11、
12を有する種類の異なる複数のキャビティユニットであ
り、キャビティユニット10は、例えば図4〜図6に示す
ように短冊状の成形品21に対応して所定形状のキャビテ
ィ10aを形成している。また、他のキャビティユニット
10は、図7、図8に示すように、略円盤状の成形品31又
は32に対応するキャビティを形成している。さらに他の
キャビティユニット10は、例えば図9に示すように、x
−y平面上の断面が矩形でありかつ一面が凹状に湾曲し
たキャビティ10aを有している。
【0016】これら各種のキャビティユニット10は、詳
細は図示しないが、チェーン等の搬送手段によって搬送
され、所定の加熱ステーションで加熱された後、充填・
緩和ステーションに送られ、この充填・緩和ステーショ
ンでキャビティ10a内に溶融樹脂を射出充填されてゲー
トシールされるとともにその温度及び圧力を緩和され、
次いで徐冷ステーションに搬送されて熱変形温度以下ま
で徐冷され、成形品取出しステーションで成形品取出し
のために型開きされる。
【0017】なお、キャビティユニット10には図示しな
い自己保持機構が設けられており、その自己保持機構に
よって所定の型締力を保持できるようになっている。こ
の自己保持機構は、キャビティユニット10の上下金型1
1、12を型締方向に締め付けて連結する複数の自己保持
ボルトをキャビティ10aの近傍に有しており、自己保持
ボルトは金型11を貫通して金型12にねじ結合している。
この自己保持機構の採用により、射出成形機による充填
・緩和後にキャビティユニット10のゲート部を移動弁体
によりゲートシールした状態で射出成形機を開放し、キ
ャビティユニット10を単独で徐冷するとともに射出成形
機によらない所定の保圧状態を保つことができるように
している。
【0018】前記徐冷ステーションは、射出成形機の開
放によってその機外に取り出されたキャビティユニット
10を熱変形温度以下(凝固する温度)まで例えば5℃/
分以下の冷却速度で徐々に空冷する空気式徐冷装置41を
有している。図1〜図3に示すように、空気式徐冷装置
41は、金型搬送部42上に設置された複数の強制排気用ダ
クト44および各ダクト44内に設けられた遮蔽板45を有し
ている。金型搬送部42は、搬送手段の一部を構成し、一
定速度で設定カウント数だけ進み、或は設定停止時間だ
け停止するようになっている。また、成形1サイクルの
時間=金型搬送部42の移動時間+停止時間となるよう設
定されている。
【0019】強制排気用ダクト44は、カバーで覆われた
内部に空気の流れを起こして金型を所定の徐冷条件で徐
冷する目的で設けられており、ダクト全体の空気の流れ
は、例えば図3に示すA1、A2、B1、B2の各回収方向
の少なくとも1つに向けて形成される。なお、同図にお
いて、回収方向A1、A2は、キャビティユニット10の搬
送方向(図中x方向)に対して上下に直交する2つの方
向を示しており、回収方向B1、B2は、キャビティユニ
ット10の搬送方向(x方向)に対して左右に直交する2
つの方向を示している。また、これらの各回収方向に空
気流を起こすため、強制排気用ダクト44の空気回収口44
aは金型搬送部42の搬送経路に近接して設けられ、キャ
ビティユニット10の上、下、左及び右側に適宜数ずつ配
設されている(図1には上方の空気回収口44aのみを図
示している)。
【0020】また、複数の遮蔽板45は、各排気用ダクト
44内でその傾きを変化させることで各強制排気用ダクト
44の空気回収口を独立して開閉する開閉手段であり、各
強制排気用ダクト44を通る風量を可変する機能を有して
いる。46は、各排気用ダクト44内の遮蔽板45の向きを変
化させることで強制排気用ダクト44を通る風量を調整す
る風量調整手段であり、この調整手段46は、例えばモー
タ47と、その出力軸に連結されたギヤ48Aと、各遮蔽板
45に連結されギヤ48Aに噛合するギヤ48Bとをそれぞれ
の強制排気用ダクト44に対応して有している。
【0021】これら複数の調整手段46のモータ47は、コ
ントローラ50によってキャビティユニット10の種類毎
(特にキャビティ形状毎)に異なる条件で駆動制御さ
れ、これによってキャビティユニット10の種類毎に複数
の強制排気用ダクト44の空気回収量が独立して変更可能
になり、キャビティユニット10の徐冷レート(冷却速
度)を変化させたり各キャビティユニット10に対する徐
冷方法を変化させたりすることができる。
【0022】すなわち、本実施例においては、前記強制
排気用ダクト44、遮蔽板45および前記空気吸ポンプが、
キャビティユニット10からの放熱を受ける周囲の空気
を、キャビティユニット10内のキャビティ10aの形状に
基づく所定の徐冷条件で回収する空気回収手段49を構成
しており、キャビティユニット10の内部に形成されたキ
ャビティ10aの概略の形状(円盤形、短冊形等)毎に空
気の回収方向や風量が変更される。そして、前記空気回
収の能力を可変するため開閉手段として遮蔽板45が設け
られ、制御手段であるコントローラ50からの徐冷条件信
号に応じて強制排気用ダクト44の空気回収口44aの開度
(前記回収ポンプによる空気の回収能力に相当する)を
可変するようになっている。このような空気回収口44a
の回度調整に代えて、前記回収ポンプを空気回収能力を
可変するタイプにして徐冷条件の変更に対応することも
できる。
【0023】なお、前記所定の徐冷条件とは、キャビテ
ィユニット10の種類、特にキャビティ形状毎に異なる条
件である。例えば、図7、図8に示すような円盤状のキ
ャビティが図5(a)に示すように中央部に配置される
場合、回収方向B1、B2の空気回収を実行せずに回収方
向A1、A2の空気回収を実行するという条件になる。こ
の徐冷条件は、キャビティ10aを形成する金型の形状転
写面から金型側面までの距離が大きく異なるため、回収
方向B1、B2の空気回収をあまり行うと冷却速度の違い
により歪みが発生してしまうという理由により設定され
ている。なお、この場合、実際には前記冷却速度の違い
が発生しない範囲で回収方向B1、B2の空気回収を行う
ことで冷却速度を若干速くすることができる。一方、図
6、図9に示すような短冊状のキャビティ10aを図5
(b)に示すように中央に配置する場合、前記徐冷条件
は回収方向B1、B2の空気回収を行なうという条件にな
る。この場合、回収方向B1、B2に向かって金型側面か
らキャビティまでの距離が略同一になるからであり、こ
のような条件を設定することで、均一な徐冷を行ない精
度の高い素子を得ることができる。なお、この場合に
も、実際には冷却速度の違いが発生しない範囲で回収方
向A1、A2の空気回収を行うことで、冷却速度を若干速
くすることができる。
【0024】図3において、51はIDプレート(識別標
識)であり、IDプレート51は各キャビティユニット10
の所定の部位に取り付けられている。このIDプレート
51は、金型搬送部42によってキャビティユニット10が所
定位置に搬送されたとき、IDセンサ52に対向してその
情報を読み取られるようになっており、その読み取り情
報に基づいて前記コントローラ(制御手段)が制御信号
を出力し、例えば前記空気回収ポンプや複数のモータ47
を駆動制御する。なお、図3において、53はD/A変換
器、54はCPU、55はA/D変換器であり、これらによ
って前記コントローラ50が構成されている。また、56は
モータやポンプ等のアクチュエータである。CPU55
は、アクチュエータ56を制御するために必要な所定の制
御プログラムやデータを内部メモリ(ROM)に格納し
ている。
【0025】成形品取出しステーションは、詳細は図示
しないが、徐冷ステーションにて徐冷された後搬送され
てくるキャビティユニット10に対し、図示しないナット
ランナーによってその自己保持機構のボルトを緩め、型
開閉装置によって上下金型11、12を型開きして、成形品
を取り出す。そして、成形品を取り出した後のキャビテ
ィユニット10を、再度型閉じし、ナットランナーによっ
て自己保持ボルトを締め付ける。
【0026】次に、作用について説明する。まず、本実
施例では、予めキャビティユニット10の上下金型11、12
の間に、例えば下金型12のゲート部形成溝に移動弁体が
投入され、成形品取出しステーションの型開閉装置によ
って自己保持ボルトが締め付けられ、キャビティユニッ
ト10が型閉じ及び型締めされる。
【0027】このキャビティユニット10は、加熱ステー
ションにて所定温度に均熱加熱された後、充填・緩和ス
テーションに搬送されて射出成形機にセット(クラン
プ)され、この射出成形機からの型締め力を受ける。ま
た、この型締めと共に、押圧機構によってキャビティユ
ニット10が型締め方向と直交する方向にも締め付けら
れ、この状態で、キャビティユニット10内のキャビティ
に溶融樹脂が射出充填される。そして、この射出の完了
時にキャビティ側の射出樹脂圧を受けた移動弁体によっ
てゲートシールがされ、射出成形機は、型締め状態でガ
ラス転位点以上の一定温度を一定時間維持してキャビテ
ィユニット10内の樹脂の圧力・温度の偏在を緩和する。
【0028】次いで、射出成形機によるキャビティユニ
ット10の型締めが解かれ、射出成形機の開放及び押圧機
構のクランプ解除によってキャビティユニット10が射出
成形機の機外に取り出されると、そのキャビティユニッ
ト10が徐冷ステーションに送られる。このとき、キャビ
ティユニット10は、自己保持ボルトによって締付けられ
ているから、所定の型締め力を自己保持することがで
き、射出成形機の保圧によらないでも保圧状態が得られ
る。
【0029】次いで、キャビティユニット10は徐冷ステ
ーションにおいて徐冷される。この徐冷時には、遮蔽板
45がキャビティユニット10に取り付けたIDプレート51
の読取情報に基づいて回動制御され、キャビティユニッ
ト10内のキャビティ形状に基づく所定の方向に空気が回
収され、この空気回収によってキャビティ形状に好適な
空冷状態で徐冷がされる。すなわち、キャビティユニッ
ト10の周囲の空気を回収する空気回収手段49が、各キャ
ビティユニット10の徐冷条件に従って制御され、この空
気回収手段49によって各キャビティユニット10に適した
徐冷がされる。
【0030】いま、例えば、図7、図8に示すような円
盤状のキャビティが図5(a)に示すように中央部に配
置されたキャビティユニット10を徐冷するとすると、回
収方向A1、A2の空気回収を実行し、その空気回収によ
る冷却速度の違いが発生しない範囲で回収方向B1、B2
の空気回収をする。したがって、冷却方向(A方向)に
ついて、キャビティ10aを形成する金型の形状転写面か
ら金型側面までの距離が略同一になり、冷却速度の違い
による歪みが発生し難くなる。
【0031】一方、図6、図9に示すような短冊状のキ
ャビティ10aが図5(b)に示すように中央に配置され
たキャビティユニット10を徐冷するとすると、回収方向
1、B2の空気回収が行なわれる。したがって、上述の
徐冷の場合と同様に、均一な徐冷を行なうことができ、
キャビティユニット10の上下金型11、12に形成された転
写面の形状(キャビティ10aを形成する面)が高精度に
転写される。
【0032】このような徐冷によってキャビティユニッ
ト10内の樹脂温が低下し、樹脂が凝固すると、キャビテ
ィユニット10が成形品取出しステーションまで搬送され
る。次いで、ナットランナーによって自己保持ボルトが
緩められ、キャビティユニット10の型開きが行われる。
そして、凝固した成形品がキャビティユニット10から前
記つかみ出し方式の取り出し装置で取り出される。
【0033】以下、上記一連の工程を1サイクルとして
連続的な成形加工が行われる。このように、本実施例に
おいては、キャビティ形状が全く異なる多品種混合生産
の場合であっても、各キャビティユニット10に対応する
徐冷を効率的に、しかも成形品の各部について均一に行
なうことができ、生産性が向上する。また、空気回収手
段49が前記所定の徐冷条件に従って空気回収方向を可変
するから、徐冷条件を細かく設定することができ、徐冷
をより速く均一に行うことができる。
【0034】さらに、キャビティユニット10の上下左右
方向のうち少なくとも1つの方向に向けて空気回収口44
aが設けられるから、複数の空気回収口44aをキャビテ
ィユニット10の搬送経路に沿って容易に配設することが
でき、これらが遮蔽板45によって独立して開閉されるか
ら、搬送中のキュビティユニット10を適宜徐冷すること
ができる。また、各キャビティユニット10に取付けられ
たIDプレート51の読取情報に基づいて空気回収手段49
が制御されるので、キャビティユニット10の種類毎に最
適な徐冷を行うことができる。
【0035】この他、本実施例においては、この徐冷の
間に、射出成形機にセットした他のキャビティユニット
10に溶融樹脂を射出充填することができ、射出成形機の
稼働率を高めることができる。この結果、1個当りの成
形時間を短縮し、生産性を向上させることができる。
【0036】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、キャビテ
ィユニットの周囲の空気を回収する空気回収手段を各キ
ャビティユニットの徐冷条件に従って制御し、該空気回
収手段によって各キャビティユニットに適した徐冷を行
うようにしているので、多品種混合生産であっても徐冷
を効率的にしかも成形品の各部について均一に行なうこ
とができ、生産性を向上させることができる。
【0037】請求項2記載の発明によれば、徐冷条件に
従って空気回収方向を可変するようにしているので、徐
冷条件を細かく設定することができ、徐冷をより速く均
一に行うことができる。請求項3記載の発明によれば、
キャビティユニットの上下左右方向のうち少なくとも1
つの方向に向けて空気回収口を設けているので、空気回
収口をキャビティ搬送経路に沿って容易に配設すること
ができる。
【0038】請求項4記載の発明によれば、回収ポンプ
の空気回収能力を可変するようにしているので、回収風
量の調整を容易化することができる。請求項5記載の発
明によれば、キャビティユニットの搬送経路に沿って複
数の空気回収口を配設し、これらを開閉手段によって独
立して開閉するので、搬送経路上の異種のキュビティユ
ニットを適宜良好に徐冷することができる。
【0039】請求項6記載の発明によれば、各キャビテ
ィユニットに取付けられた識別標識の読取情報に基づい
て空気回収手段を制御するようにしているので、キャビ
ティユニットの種類毎に最適な徐冷を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の徐冷装置の一実施例を示すその正面断
面図である。
【図2】その遮蔽板近傍の構成を示す透視図である。
【図3】識別標識とその検出手段を示す概略構成図であ
る。
【図4】キャビティ形状に対応する空気回収方向を示す
斜視図である。
【図5】そのキャビティユニットの断面図である。
【図6】その成形品の外観を示す斜視図である。
【図7】円盤状のキャビティを示す斜視図である。
【図8】他の円盤状キャビティを示す斜視図である。
【図9】短冊状のキャビティを示す斜視図である。
【図10】従来の徐冷装置の徐冷時の温度変化を測定する
位置の説明図である。
【図11】従来の徐冷装置の型温測定結果を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
10 キャビティユニット 10a キャビティ 11、12 金型 41 空気式徐冷装置 42 金型搬送部(搬送手段) 44 強制排気用ダクト 44a 空気回収口 45 遮蔽板(開閉手段) 46 風量調整手段 49 空気回収手段 50 コントローラ(制御手段) 51 IDプレート(識別標識) 52 IDセンサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部にキャビティを形成する複数のキャビ
    ティユニットを備え、 該キャビティユニットを、搬送手段によって所定の加熱
    ステーション、充填・緩和ステーション、徐冷ステーシ
    ョン、成形品取出しステーションの順に搬送するように
    したゲートシール射出成形システムにおける徐冷装置で
    あって、 前記キャビティユニットの周囲の空気を該キャビティユ
    ニットに対応する所定の徐冷条件で回収可能な空気回収
    手段と、 該徐冷条件に従って異種のキャビティユニットを異なる
    条件で徐冷するよう空気回収手段を制御する制御手段
    と、を設けたことを特徴とするゲートシール射出成形シ
    ステムにおける徐冷装置。
  2. 【請求項2】前記空気回収手段が、前記徐冷条件に従っ
    て空気回収方向を可変することを特徴とする請求項1記
    載のゲートシール射出成形システムにおける徐冷装置。
  3. 【請求項3】前記空気回収手段が、前記搬送手段の搬送
    方向と直交するキャビティユニットの上下左右方向のう
    ち少なくとも1つの方向に向けて配設された空気回収口
    を有することを特徴とする請求項1又は2記載のゲート
    シール射出成形システムにおける徐冷装置。
  4. 【請求項4】前記空気回収手段が、空気回収能力を可変
    する回収ポンプを有することを特徴とする請求項1〜3
    の何れかに記載のゲートシール射出成形システムにおけ
    る徐冷装置。
  5. 【請求項5】前記空気回収手段が、前記搬送手段による
    キャビティユニットの搬送経路に近接する複数の空気回
    収口および各空気回収口を独立して開閉する複数の開閉
    手段を有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに
    記載のゲートシール射出成形システムにおける徐冷装
    置。
  6. 【請求項6】前記制御手段が、前記キャビティユニット
    に取り付けた識別標識の読取情報に基づいて前記空気回
    収手段を制御することを特徴とする請求項1〜5の何れ
    かに記載のゲートシール射出成形システムにおける徐冷
    装置。
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