JPH057506U - 車両用空調設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内外気切換箱の取付部周囲からエンジン音や
外部騒音の車室内への侵入を大幅に減少させることがで
きて、車室内の十分な静粛性を達成できる非常に遮音性
に優れた車両用空調設備を提供することにある。 【構成】 車両のダッシュパネル９の一部に形成された
外気導入口１１の周囲にダッシュパネルパッド１０の切
開部１０ａを設け、この切開部１０ａのところから内外
気切換箱１の接続口部５をパッキン６を介在して外気導
入口１１と接続すると共に、その内外気切換箱１の接続
口部５の外周にダッシュパネルパッド１０の切開部１０
ａ周縁部分を覆う状態に押え付ける遮音鍔２０を突設
し、その鍔２０内に遮音性に優れた遮音材２１を設けて
構成したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車に設置される車両用空調設備に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の車両用空調設備は、図３に示す如く、内外気切換箱１と、これに接続 して該内外気切替箱１から車室内空気或いは外気を導入するエアコンユニット２ と、このエアコンユニット２と接続したヒータ３とを備えている。

【０００３】 前記内外気切替箱１は、図４に単独で示す如く、箱本体４と接続口部５とから 構成されている。その箱本体４は図示しないがー側に車室内空気導入口を開口し 、他側に前記エアコンユニット２との接続口を有し、内部に内外気切替ダンパー やブロアを備えている。この箱本体４の上面側に突設された前記接続口部５は、 角形の矩形ダクトで、この上端開口周縁にフランジ６が設けられ、このフランジ ６にパッキン（遮音材）７を重合している。

【０００４】 こうした内外気切替箱１の車室への取付け状態を図５に示す。ここで図中８は 自動車のエンジンルームと車室とを仕切るデッキパネルで、このデッキパネル８ の車室内側にダッシュパネル９が取付け固定されている。このダッシュパネル９ の表面には遮音性に優れたダッシュパネルパッド１０が重合接着されている。こ のダッシュパネル９に外気導入口１１が開口し、その上側に外気導入ガイド１２ が接続されている。また前記ダッシュパネルパッド１０には前記外気導入口１１ の下側周辺広範囲部を大きく切り取って切開部１０ａを形成している。このパッ ド切開部１２のところから、前記ダッシュパネル９の外気導入口１１下側に前記 内外気切換箱１の接続口部５の上端フランジ６をパッキン７を介在して当てがう ように接続し、この状態で該接続口部５のフランジ６をダッシュパネル９に直接 ビス止めするなどにより取付け固定している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、前述した車両用空調設備によれば、内外気切換箱１の接続口部５を ダッシュパネル９の外気導入口１１の下側に接続状態に取付けるのに、ダッシュ パネルパッド１０に大きな切開部１０ａを形成したことから、その内外気切換箱 １の取付部周囲即ち、その内外気切換箱１の接続口部５のフランジ６の外周にパ ッド切開部１０ａによるダッシュパネル９の露出部が生じ、ここからエンジンル ームのエンジン音や外部騒音が車室内に侵入しやすく、遮音性に難が生じて車室 内の十分な静粛性を達成できなかった。

【０００６】 本考案は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、内 外気切換箱の取付部周囲からエンジン音や外部騒音の車室内への侵入を大幅に減 少させることができて、車室内の十分な静粛性を達成できる非常に遮音性に優れ た車両用空調設備を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案の車両用空調設備は、前記目的を達成するために、車両のダッシュパネ ルの一部に形成された外気導入口の周囲にダッシュパネルパッドの切開部を設け 、この切開部のところから内外気切換箱の接続口部をパッキンを介在して前記外 気導入口と接続すると共に、その内外気切換箱の接続口部の外周に前記ダッシュ パネルパッドの切開部周縁部分を覆う状態に押え付ける遮音鍔を突設し、その鍔 内に遮音性に優れた遮音材を設けて構成したことを特徴とする。

【０００８】

【作用】

前記構成の車両用空調設備によれば、ダッシュパネルに内外気切換箱を取付た 際、そのダッシュパネル表面のダッシュパネルパッドの切開部が該内外気切換箱 の接続口部の外周に突出している遮音鍔により前遮音材を介在して押さえ付けら れる状態に覆われるので、外部と車室内とがダッシュパネル一枚だけで仕切られ る部分がなくなる。これにて内外気切換箱の取付部周囲からエンジン音や外部騒 音の車室内への侵入を大幅に減少させることができて、車室内の十分な静粛性を 達成できるようになる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の車両用空調設備の一実施例を図１及び図２に基づいて説明する 。なお、図中前記図３乃至図５に示した構成と重複するものには同一符号を付し て説明の簡略化を図る。

【００１０】 従来同様に車両のダッシュパネル９の一部に形成された外気導入口１１の周囲 にダッシュパネルパッド１０の切開部１０ａを設け、このパッド切開部１０ａの ところから、ダッシュパネル９の外気導入口１１に内外気切換箱１の箱本体４上 面側に突設されている接続口部５の上端フランジ６をパッキン７を介在して接続 して取り付けている。

【００１１】 ここで、その内外気切換箱１の接続口部５の上端寄り部の外周には、前記ダッ シュパネルパッド１０の切開部１０ａ周縁部分を覆う状態に押え付ける断面Ｌ形 状の遮音鍔２０が周方向全体に環状に亘り一体に突設されている。この遮音鍔２ ０の上側内部に遮音性に優れた遮音材２１が設けられている。この遮音材２１は 遮音性に優れたスポンジ等のものである。

【００１２】 なお、前記内外気切換箱１の接続口部５の外周に遮音鍔２０を突設したので、 従来の如く上端フランジ６をダッシュパネル９にねじ止めすることが困難となる ことから、ここでは図２に示す如く、接続口部５の裏面側に引っ掛け腕３０を突 設する一方、左右側面からそれぞれ取付アーム３１，３２を突設している。その 裏面側の引っ掛け腕３１は図１に示す如くダッシュパネル９から垂下した係止爪 ３３に差し込み係止し、左右の取付アーム３１、３２は図示しないがボルト等に よりダッシュパネル９に締結固定されている。

【００１３】 しかして、前述のように構成された車両用空調設備においては、ダッシュパネ ル９に内外気切換箱１を取付た際、そのダッシュパネル９表面のダッシュパネル パッド１０の切開部１０ａが該内外気切換箱１の接続口部５の外周に突出してい る遮音鍔２０により前遮音材２１を介在して押さえ付けられる状態に覆われるの で、外部と車室内とがダッシュパネル９一枚だけで仕切られる部分がなくなる。 これにて内外気切換箱１の取付部周囲からエンジン音や外部騒音の車室内への侵 入を大幅に減少させることができて、車室内の十分な静粛性を達成できるように なる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案の車両用空調設備は、前述の如く構成したから、内外気切換箱の取付部 周囲からエンジン音や外部騒音の車室内への侵入を大幅に減少させることができ て、車室内の十分な静粛性を達成できる非常に遮音性に優れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の両用空調設備の一実施例を示す内外気
切換箱取付状態の断面図。

【図２】同上実施例の内外気切換箱の斜視図。

【図３】従来の車両用空調設備を示す概略側面図。

【図４】同上従来例の車両用空調設備の内外気切換箱の
斜視図。

【図５】同上従来例の車両用空調設備の内外気切換箱の
取付状態の断面図。

【符号の説明】

１…内外気切換箱、５…接続口部、７…パッキン、９…
ダッシュパネル、１０…ダッシュパネルパッド、１０ａ
…切開部、１１…外気導入口、２０…遮音鍔、２１…遮
音材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 車両のダッシュパネルの一部に形成され
   た外気導入口の周囲にダッシュパネルパッドの切開部を
   設け、この切開部のところに内外気切換箱をパッキンを
   介し前記外気導入口と接続する状態に取付けた車両用空
   調設備において、前記内外気切換箱の接続口部の外周に
   突出して前記ダッシュパネルパッドの切開部周縁部分を
   覆う状態に押え付ける遮音鍔を設けると共に、その鍔内
   に遮音性に優れた遮音材を設けて構成したことを特徴と
   する車両用空調設備。