JPH0574972U - シートスライド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】シ−トを前後に移動調整させるシ−トスライド
装置において、ロアレールの後端側の衝撃荷重の集中を
回避し、車体の床に固定されるシートスライド装置の遊
離を防止する。 【構成】シートスライド装置１は、車体の床Ａにフット
４、５を介して固定されるロアレール２と、前記ロアレ
ール２と摺動自在に嵌合するアッパーレール３から成
り、前記ロアレール２の後端側には、起立片２ａ、２ａ
の相対位置に二つのダミー穴８、９が各々設けられてい
る。又、前記ダミー穴９は、ダミー穴８のほぼ半分程度
と成っている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車座席を前後に移動調整するシ−トスライド装置に関するもの で、特に衝撃荷重によってシートスライド装置が破損して座席が自動車の車体か ら遊離することのないシートスライド装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のシートスライド装置は、例えば図５に示すものが一般的である。図５に おいて、１はロアレール２１とアッパーレール２２から成るシートスライド装置 で、ロアレール２１は、その前後端に取り付けられるフット２５及びフット２６ を介して車体の床Ａに図示されないボルト等で固定されている。 又、アッパーレール２２には、シートバックＢ及びシートクッションＣが取り 付けられ図示されない調整機構によりロアレール２１に対してアッパーレールを 移動調整するものが一般的である。 又、ロアレール２１を直接車体の床Ａに固定するものも存在する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、自動車が急停止又は、衝突した場合、自動車の座席には非常に大き な衝撃力が作用し、その結果シートスライド装置の後端側には斜め上方に向かう 力Ｆが発生する。この力Ｆは、アッパーレールからロアレールに伝わり、そして ロアレールとフットの接合部、又は、ロアレールと車体の接合部に集中するため に、接合部がはずれてシートスライド装置ごと自動車座席が前方へ投げ出されて しまう場合がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上述した問題を一掃し、フットの接合部への荷重の集中を回避するた めに、車体の床側に固定したロアレールと、前記ロアレールに前後に摺動自在に 嵌合したアッパーレールと、前記ロアレールとアッパーレールの間に配設した摺 動部材から成るシートスライド装置において、前記ロアレールの両起立片に少な くとも一つのダミー穴を設けたことを特徴とするシートスライド装置を提供する 。

【０００５】

【作用】

自動車が急停止、又は、衝突した場合に自動車座席に作用する斜め上方に向か う力がロアレールとフットの接合部、又は、ロアレールと車体の床の接合部に作 用するが、ロアレールとフットの接合部、又は、ロアレールと車体の床の接合部 の前側のロアレールの両起立片にダミー穴を設け、ロアレールにロアレール自身 の強度を損なわない範囲で弱い部分を設け、ロアレールを僅かに変形させること によりロアレールとフット、又は、車体の床との接合部に集中する力を緩和させ る。

【０００６】

【実施例】

次に本考案の実施例を図面に基づき説明する。 図１において、シートスライド装置１は、車体の床Ａにフット４、５を介して 固定されたチャンネル状ロアレール２と、前記ロアレール２と係合して摺動自在 なアッパーレール３からなり、前記アッパーレール３には、シートバックＢ及び シートクッションＣから成る自動車座席が取り付けられ、図示されない調整機構 によりロアレール２に対してアッパーレール３を移動調整させている。

【０００７】 図３において起立片２ａを有するロアレール２の後端側に固定されるフット５ は、２本のリベット７、７によりロアレール２に固定されている。又、前記フッ ト５は車体の床にボルト６により固定されている。

【０００８】 又、ロアレール２の後端側でロアレール２に取り付けられるフット５の前側の 起立片２ａ、２ａの相対位置には二つのダミー穴８、９が各々設けられている。 このダミー穴８、９は同一の大きさではなく後ろ側のダミー穴９が前側のダミー 穴８のほぼ半分程度となっており、これにより段階的に衝撃荷重を吸収すると共 に、衝撃荷重が直接ロアレールとフットの接合部に伝わらないようにしている。

【０００９】 尚、ダミー穴の数、及び、形状等は、ロアレール自身の強度を損なわない範囲 であれば、例えば図３に示すようにダミー穴１１と８を同一の大きさとしたり、 図４に示すようにダミー穴１０を設けて段階的にダミー穴を三つにする等の設計 変更可能なことは言うまでもない。

【００１０】 更にダミー穴を、フット４とロアレール２の接合部の後ろ側に設けてもよい。

【００１１】

【考案の効果】

以上のことから明らかなように、本考案は、車体の床側に固定したロアレール と、前記ロアレールに前後摺動自在に嵌合したアッパーレールと、前記ロアレー ルとアッパーレールの間に配設した摺動部材から成るシートスライド装置におい て、前記ロアレールの両起立片に少なくとも一つのダミー穴を設けたことを特徴 とするシートスライド装置で、即ち、ダミー穴を設けてロアレール自身の強度を 損なわない範囲で弱い部分を作り、衝撃荷重が直接ロアレールとフットの接合部 に伝わらない構成としたことで、フットからロアレールが剥離し自動車座席が前 方へ飛び出すことを防止する効果を得ることができた。

【００１２】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例

【図２】図１の断面要部図

【図３】他の実施例

【図４】他の実施例

【図５】従来例

【００１３】

【符号の説明】

１ シートスライド装置 ２ ロアレール ２ａ 起立片 ３ アッパーレール ４、５ フット ６ ボルト ７ リベット ８、９、１０、１１ ダミー穴

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体の床側に固定したロアレールと、前記
   ロアレールに前後に摺動自在に嵌合したアッパーレール
   と、前記ロアレールとアッパーレールの間に配設した摺
   動部材から成るシートスライド装置において、前記ロア
   レール両起立片に少なくとも一つのダミー穴を設けたこ
   とを特徴とするシートスライド装置。