JPH0574462B2 - - Google Patents

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JPH0574462B2
JPH0574462B2 JP62212162A JP21216287A JPH0574462B2 JP H0574462 B2 JPH0574462 B2 JP H0574462B2 JP 62212162 A JP62212162 A JP 62212162A JP 21216287 A JP21216287 A JP 21216287A JP H0574462 B2 JPH0574462 B2 JP H0574462B2
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JP
Japan
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film
polyester
present
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inorganic particles
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JP62212162A
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Koichi Abe
Takashi Mimura
Katsumi Kida
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は二軸配向ポリエステルフイルムに関す
るものである。 [従来の技術] 二軸配向ポリエステルフイルムとしては、ポリ
エステルに不活性無機粒子を含有せしめたフイル
ムが知られている(たとえば、特公昭55−40929
号公報)。 [発明が解決しようとする問題点] しかし、上記従来の二軸配向ポリエステルフイ
ルムは、フイルムの加工工程、たとえば包装用途
における印刷工程、磁気媒体用途における磁性層
塗布・カレンダー工程などの工程速度の増大にと
もない、接触するロールなどでフイルムの表面が
削られることにより、加工工程上、製品性能上の
トラブルとなるという欠点が、最近、問題となつ
てきている。また、フイルム加工工程の工程速度
の増大に伴つて、工程通過時に、フイルムに傷が
つくという欠点が問題になつてきている。 本発明はかかる問題点を改善し、表面の耐削れ
性とフイルムの傷つきにくさ(耐スクラツチ性)
に優れたフイルムを提供することを目的とする。 [問題点を解決するための手段] ポリエステルと平均粒径c(μm)の不活性無
機粒子からなる組成物を主たる成分とするフイル
ムの少なくとも片面に0.01c〜0.5cの厚さ(単位
μm)のポリマ層を設けてなり、該ポリマ層は平
均粒径が0.01c〜0.035cの不活性無機粒子を含有
し、かつ、積層面の表面突起によつて作られる有
効空間体積が1×103〜5×105の範囲であること
を特徴とするポリエステル積層フイルムとしたも
のである。 本発明の基層を構成するポリエステルは、エチ
レンテレフタレート、エチレンα,β−ビス(2
−クロルフエノキシ)エタン−4,4′−ジカルボ
キシレート、エチレン2,6−ナフタレート単位
から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構
成成分とする。ただし、本発明を阻害しない範囲
内、好ましくは15モル%以内であれば他成分が共
重合されていてもよい。また、エチレンテレフタ
レートを主要構成成分とするポリエステルの場合
に巻姿、耐削れ性がより一層良好となるので特に
望ましい。 本発明における不活性無機粒子は特に限定され
ないが、結晶化促進係数が0〜15℃、好ましく
は、0〜10℃のものが本発明範囲の有効空間体積
を得るの有効であり、コロイダルシリカに起因す
る実質的に球形のシリカ、合成炭酸カルシウム、
α−アルミナ、ルチル型の二酸化チタンが望まし
い。 本発明における不活性無機粒子の平均粒径c
(μm)は特に限定されないが、0.4〜2.5μmの範
囲である場合に耐削れ性、巻姿がより一層良好と
なるので特に望ましい。 本発明のポリエステル層には内部析出粒子を併
用してもよい。本発明でいう内部析出粒子とは、
ポリエステル重合時に添加したカルシウム化合
物、マグネシウム化合物、リチウム化合物の少な
くとも一種の化合物とポリエステル構成成分とが
結合して生成する粒子である。なお、本発明の内
部析出粒子には、本発明の目的を阻害しない範囲
内で、リン元素および微量の他の金属成分、たと
えば、亜鉛、コバルト、アンチモン、ゲルマニウ
ム、チタンなどが含まれていてもよい。 本発明のポリエステル層は上記組成物を主要成
分とするが、本発明の目的を阻害しない範囲内
で、他種ポリマをブレンドしてもよいし、また酸
化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、核生
成剤などの無機または有機添加剤が通常添加され
る程度添加されていてもよい。 本発明フイルムの積層に用いるポリマ層のポリ
マの種類は特に限定されないがポリエステル、共
重合ポリエステルの場合に耐削れ性がより一層良
好となるので特に望ましい。 本発明フイルムのポリマ層は、平均粒径が
0.01c〜0.35cの不活性無機粒子が含有されている
ことが必要である。平均粒径が、上記の範囲より
小さい場合や、不活性無機粒子が実質的に含まれ
ていない場合には耐スクラツチ性が不良となり、
不活性無機粒子の平均粒径が上記の範囲より大き
いと耐削れ性が不良となるので好ましくない(こ
こで、cは基層のポリエステル層に含まれる不活
性無機粒子の平均粒径(μm)である。)また、
このポリマ層にも内部析出粒子が並存していても
よいし、本発明の目的を阻害しない範囲で、他種
ポリマをブレンドしてもよいし、また酸化防止
剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、核生成剤な
どの無機または有機添加剤が通常添加される程度
添加されていてもよい。 本発明フイルムは上記ポリエステル層の少なく
とも片面に、上記ポリマ層を積層したフイルムで
あり、ポリエステル層は二軸配向、ポリマ層は二
軸、あるいは一軸配向であることが必要である。
未延伸フイルムでは、巻姿が不良となるので好ま
しくない。 本発明フイルムは、ポリエステル層中の不活性
無機粒子の平均粒径をc(μm)とした時、ポリ
マ層の厚さは0.01c〜0.5c、好ましくは0.05c〜
0.35cの範囲であることが必要である。ポリマ層
の厚さが上記の範囲より小さいと耐削れ性が不良
となり、逆に大きいと耐スクラツチ性が不良とな
るので好ましくない。 本発明フイルムは、上記積層面の表面突起によ
つて作られる有効空間体積は、1×103〜5×
105、好ましくは5×103〜3×105の範囲である
ことが必要である。有効空間体積が上記の範囲よ
り小さいと耐スクラツチ性が不良となり、逆に大
きいと、耐削れ性が不良となるので好ましくな
い。 本発明フイルムは、積層面の幅方向の表面平均
粗さRa(nm)ポリマ層の厚さd(nm)の比、
Ra/dが0.005〜0.8、好ましくは、0.025〜0.5の
範囲である場合に耐削れ性と巻姿がより一層良好
となるので特に望ましい。 本発明フイルムは、ポリマ層を形成するポリマ
が非水溶性である場合にはポリマ層の溶融粘度が
ポリエステル層より100ポイズ、好ましくは、200
ポイズ以上高い場合に、耐削れ性、巻姿がより一
層良好となるので特に望ましい。また、ポリマが
水溶性の場合は、ポリマ層のガラス転移点がポリ
エステル層より3℃、好ましくは、10℃以上低い
場合に、耐削れ性、巻姿がより一層良好となるの
で特に望ましい。 本発明フイルムは、少なくとも片面の幅方向屈
折率が1.675〜1.700の範囲である場合に、耐削れ
性がより一層良好となるので特に望ましい。 本発明フイルムは、積層面のアツベ屈折率計に
よる△nがコンペーセーター法によるフイルム全
体の△nよりも高い場合に、耐削れ性がより一層
良好となるのに特に望ましい。 次に本発明フイルムの製造方法について説明す
る。 まず、所定のポリエステルに不活性無機粒子を
含有せしめる方法としては、重合前、重合中、重
合後のいずれに添加してもよいが、ポリエステル
のジオール成分であるエチレングリコールに、ス
ラリーの形で混合、分散せしめて添加する方法が
積層による耐削れ性改良効果が顕著であり、耐削
れ性がより一層良好となるので有効である。ま
た、粒子の含有量を調節する方法としては、高濃
度のマスターペレツトを製膜時に稀釈する方法が
耐削れ性がより一層良好となるので有効である。
また、エチレングリコールのスラリーを140〜200
℃、特に180〜200℃の温度で30分〜5時間、特に
1〜3時間熱処理する方法、あるいは、粒子量に
対し0.5〜20重量%のリン酸アンモニウム塩を添
加する方法は、本発明の積層による耐削れ性改良
効果が顕著となるので有効である。また、高濃
度、好ましくは1〜5重量%のマスターペレツト
の溶融粘度、共重合成分を調整して、ガラス転移
点Tgと冷結晶化温度Tccとの差(Tcc−Tg)を、
65〜110℃、特に75〜100℃にしておくことは、本
発明の積層による耐削れ性改良効果が顕著となる
ので有効である。この場合の共重合成分としては
イソフタル酸成分、1,4−シクロヘキシレンジ
メタノール成分が好適である。内部析出粒子の生
成方法は次の方法が有効である。すなわち、(1)所
定のジカルボン酸とエチレングリコールとの直接
エステル化を経て重縮合する過程、あるいは、(2)
所定のジカルボン酸のジメチルエステルとエチレ
ングリコールとのエステル交換反応を経て重縮合
を行なう過程において、グリコールに可溶性のカ
ルシウム化合物、マグネシウム化合物、マンガン
化合物、リチウム化合物の少なくとも一種と、好
ましくはリンの酸および/またはエステル化合物
を添加することによつて生成される。ここで使用
しうるカルシウム、マグネシウム、マンガン、リ
チウムの化合物としては、ハロゲン化物、硝酸
塩、硫酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、シユウ酸
塩、安息香酸塩などの有機酸塩、水素化物および
酸化物などのグリコール可溶性の化合物がもつと
も好ましく使用されるが、二種以上併用してもよ
い。また、リン化合物としてはリン酸塩、亜リン
酸、ホスホン酸およびこれらのエステル類、部分
エステル類の一種以上が用いられる。 次に、不活性無機粒子を含有するポリエステル
と、それより小さい粒径の不活性無機粒子を含有
するポリマ層を積層する方法としては、次の方法
が有効である。 <積層方法1> ポリエステルと積層するポリマを公知の溶融積
層用押出機に供給し、スリツト状のダイからシー
ト状に押出し、キヤステイングロール上で冷却固
化せしめて未延伸フイルムを作る。すなわち、2
または3台の押出機、2または3層のマニホール
ド、口金を用いて、上記ポリエステルとポリマを
積層する。この場合、口金スリツト間〓/未延伸
フイルム厚さの比を5〜30、好ましくは8〜20の
範囲にすることが、本発明範囲の粒径と積層厚さ
の比、有効空間体積を得るのに有効である。 次にこの未延伸フイルムを二軸延伸し、二軸配
向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法
または同時二軸延伸法を用いることができる。た
だし、最初に長手方向、次に幅方向の延伸を行な
う逐次二軸延伸法を用い、長手方向の延伸を、
(ポリマのガラス転移点−10℃)〜ポリマのガラ
ス転移点+10℃)の狭い範囲で、かつ、1000〜
10000%/分という比較的小さな延伸速度で行な
う方法は有効空間体積を本発明範囲とするのに有
効である。幅方向の延伸温度、速度は、80〜160
℃、1000〜20000%/分の範囲が好適である。延
伸倍率は長手、幅方向とも3〜4倍が好適であ
る。次にこの延伸フイルムを熱処理する。この場
合の熱処理条件としては、定長下で150〜220℃、
好ましくは170〜200℃の範囲で0.5〜60秒間が好
適である。 <積層方法2> 上記積層方法1における押出し時の積層を行な
う代わりに、ポリエステルの未延伸フイルムを長
手方向に延伸した後、幅方向の延伸前に、その少
なくとも片面に、積層すべきポリマの水溶液を塗
布してから幅方向に延伸することによつて積層す
る。二軸延伸後に塗布する方法では、粒径と積層
厚さの比を本発明範囲としにくばかりでなく、耐
削れ性も不良となりやすいので好ましくない。長
手方向、幅方向の延伸条件および熱処理条件は、
積層方法1と同じである。 [作用] 本発明はポリエステルに含有される不活性無機
粒子の平均粒径と特定範囲の比率の厚さのポリマ
層を積層し、それぞれの層に含まれる不活性無機
粒子の平均粒径を特定範囲の比率とし、突起によ
つて作られる有効空間体積を特定範囲としたの
で、表面に存在する突起の衝撃吸収能力と粘弾性
特性が向上した結果、本発明の効果が得られたも
のと推定される。 [物性の測定方法ならびに効果の評価方法] (1) 粒子の平均粒径 フイルムからポリエステルをプラズマ灰化処
理法あるいは0−クロルフエノール溶解法で除
去し、これをエタノールに分散させ、遠心沈降
法(堀場製作所、CAPA500使用)で測定した
体積平均径である。 (2) 粒子の含有量 ポリエステル100gに0−クロルフエノール
1.0リツトルを加え120℃で3時間加熱した後、
日立工機(株)製超遠心機55P−72を用い、
30000rpmで40分間遠心分離を行ない、得られ
た粒子を100℃で真空乾燥する。微粒子を走査
型差動熱量計にて測定した時、ポリマに相当す
る溶解ピークが認められる場合には微粒子に0
−クロルフエノールを加え、加熱冷却後再び遠
心分離操作を行なう。溶解ピークが認められな
くなつた時、微粒子を析出粒子とする。通常遠
心分離操作は2回で足りる。かくして分離され
た粒子の全体重量に対する比率(重量%)をも
つて粒子含有量とする。 (3) 表面平均粗さRa 触針式表面粗さ計を用い、JIS−B−0601に
したがつて測定した。ただし、カツトオフは
0.08mm、測定長は1mmとした。 (4) ガラス転移点Tg、冷結晶化温度Tccパーキ
ンエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)型
を用いて測定した。DSCの測定条件は次の通
りである。すなわち、試料10mgをDSC装置に
セツトし、300℃の温度で5分間溶融した後、
液体窒素中に急冷する。この急冷試料を10℃/
分で昇温し、ガラス転移点Tgを検知する。さ
らに昇温を続け、ガラス状態からの結晶化発熱
ピーク温度をもつて冷結晶化温度Tccとした。
ここでTccとTgの差(Tcc−Tg)を△Tcgと
定義する。 (5) 結晶化促進係数(単位は℃) 上記方法で不活性無機粒子を含有するフイル
ムの△Tcg()、およびこれから粒子を除去し
た同粘度のポリエステルの△Tcg()を測定
し、△Tcg()と△Tcg()の差[Tcg()
−△Tcg()]をもつて、結晶化促進係数とし
た。 (6) 突起の有効空間体積 小坂研究所高精度薄膜段差測定機ET−10を
用い、触針先端半径0.5μm、カツトオフ0.08
mm、測定長1.0mm、縦倍率20万倍、横倍率2000
倍で、フイルムの表面粗さ曲線を測定する。こ
の粗さ曲線の平均線(中心線)の上側で平行に
0.005μmごとにピークカウントレベルを設け、
平均線と曲線が交叉する2点間において、上記
のピークカウントレベルを1回以上交叉する点
が存在するとき、これを1ピークとし、このピ
ーク数を測定長さ間において求める。各ピーク
カウントレベルについて、このピーク数を求め
平均線からn番目のピークカウントレベルにつ
いて求めたピーク数をPC(n)と定義する。測定
長さ間でピーク数が始めてゼロになるピークカ
ウントレベルが平均線からm番目としたとき、
有効空間体積Φは、 Φ=n-1n=1 [n3{PC(n)−PC(n+1)}] で表わされ、場所を変えて50回測定した平均値
を用いる。 (7) 屈折率 ナトリウムD線(589nm)を光源として、
アツベ屈折率計を用いて測定した。マウント液
にはヨウ化メチレンを用い、25℃、65%RHに
て測定した。 (8) △n ●アツベ法 上記(7)の方法にて測定した長手方向と幅方
向の屈折率の差の絶対値をもつて、△nとす
る。 ●コンペーセーター法 ナトリウムD線(波長589nm)を光源と
して、直交ニコルを備えた、偏光顕微鏡に試
料フイルム面が光軸と垂直になるように置
き、試料の複屈折によつて生じた光路差Γを
コンペーセーター(ライツ社製)の補償値か
ら求め、Γ/dをもつて△nとする。ここ
で、dはフイルムの厚さである。測定は25
℃、65%RHで行なつた。 (9) 耐削れ性 フイルムを幅1/2インチにテープ状にスリツ
トしたものに片刃を垂直に押しあて、さらに
0.5mm押し込んだ状態で20cm走行させる(走行
張力:500g、走行速度:6.7cm/秒)。この時、
片刃の先に付着したフイルム表面の削れ物の高
さを顕微鏡で読み取り、削れ量とした(単位は
μm)。少なくとも片面について、この削れ量
が5μm以下の場合は耐削れ性:良好、5μmを
越える場合は耐削れ性:不良と判定した。この
削れ量:5μmという値は、印刷工程やカレン
ダー工程などの加工工程で、フイルム表面が削
れることによつて、工程上、製品性能上のトラ
ブルがおこるか否かを激しく判定するための臨
界点である。 (10) 耐スクラツチ性 フイルムを幅1/2インチにテープ状にスリツ
トしたものをテープ走行性試験機(横浜システ
ム研究所製、TBT300型)を使用して繰返し走
行させる(走行速度3.3cm/秒、走行回数100パ
ス)。この時、フイルムに入つた傷を顕微鏡で
観察し、ほとんど傷がない場合は耐スクラツチ
性良好、傷が、テープ幅あたり3本以上入つた
場合耐スクラツチ性不良と判定した。 [実施例] 本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1〜4、比較例1〜7 平均粒径の異なるいくつかの種類の無機粒子を
1重量%含有するエチレングリコールスラリーを
調整した。これらのエチレングリコールスラリー
とテレフタル酸ジメチルとをエステル交換反応
後、重縮合し、粒子を1重量%含有するポリエチ
レンテレフタレートの粒子マスターペレツトを作
つた。これらのマスターペレツトの△Tcgは第1
表に示したとおりであつた。これらの粒子マスタ
ーペレツトと、実質的に粒子を含有しないポリエ
チレンテレフタレートのペレツトとを、粒子含有
量が0.05重量%となるよう混合したペレツト180
℃で3時間減圧乾燥(3Torr)した。このペレツ
トを押出機に供給し、300℃で溶融押出し、静電
印加キヤスト法を用いて表面温度30℃のキヤステ
イング・ドラムに巻きつけて冷却固化し、厚さ約
180μmの未延伸フイルムを作つた。この未延伸
フイルムを80℃にて長手方向に3.4倍延伸した。 この延伸は、2組のロールの周速差で行なわ
れ、延伸速度10000%/分であつた。この一軸フ
イルムの片面に、実質的に不活性無機粒子を含有
しない、テレフタル酸/スルホイソフタル酸/エ
チレングリコール/ジエチレグリコール(モル
比:85/15/95/5)からなる水溶性ポリエステ
ルを二軸延伸・熱処理後の塗布厚さを種々変更し
て塗布した。ただし、この水溶性ポリエステルの
溶液中に粒径の異なるコロイダルシリカを添加し
た。また、比較例として、添加しないものも作つ
た。この一軸延伸フイルムをステンタを用いて延
伸速度2000%/分で100℃で幅方向に3.6倍延伸
し、定長下で、190℃にて5秒間熱処理し、厚さ
15μmの二軸配向フイルムを得た。これらのフイ
ルムの本発明の必要パラメータは第1表に示した
とおりであり、上記パラメータが本発明範囲内の
場合は、耐削れ性、耐スクラツチ性ともに良好な
フイルムが得られる。パラメータが本発明範囲外
の場合は、耐削れ性、耐スクラツチ性を両立する
フイルムは得られないことがわかる。 実施例5〜6、比較例8〜9 平均粒径1.5μmのコロイダルシリカを1重量%
含有するエチレングリコールスラリーを調整し
た。このエチレングリコールスラリーとテレフタ
ル酸ジメチルとをエステル交換反応後、重縮合
し、コロイダルシリカに起因するシリカ粒子を1
重量%含有するポリエチレンテレフタレートの粒
子マスターペレツトを作つた。このマスターペレ
ツトの△Tcgは65℃であつた。この粒子マスター
ペレツトと、実質的に粒子を含有しないポリエチ
レンテレフタレートのペレツトを、粒子含有量が
0.05重量%となるよう混合したペレツトを作つた
(ペレツトA)。一方、テレフタル酸ジメチル100
重量部、エチレングリコール62重量部に酢酸カル
シウム0.06重量部を触媒として常法によりエステ
ル交換反応を行ない、その生成物に三酸化アンチ
モン0.04重量部、酢酸リチウム0.07重量部および
酢酸カルシウム0.04重量部を添加し、続いて、亜
リン酸0.02重量部、リン酸トリメチル0.1重量部
を添加した後、重縮合を行ない、内部析出粒子量
0.35重量部(ポリエステル100重量部に対し)を
含むポリマを得た。このポリマに平均粒径の異な
る合成炭酸カルシウムを0.05重量%添加してペレ
ツトとした(ペレツトB)。これらのペレツトA
およびBをそれぞれ180℃で3時間減圧乾燥
(3Torr)した。ペレツトAを押出機1に供給し、
さらに、ペレツトBを押出機2に供給し、300℃
で溶融しマニホールド内で合流積層し、静電印加
キヤスト法を用いて表面温度30℃のキヤステイン
グ・ドラムに巻きつけて冷却固化し、厚さ約
180μmの2層構造の未延伸フイルムを作つた。
この時、口金スリツト間〓/未延伸フイルム厚さ
の比を種々変更して未延伸フイルムを作つた。ま
た、押出機2の吐出量を変えることにより、積層
厚さの異なるものを作つた。この未延伸フイルム
を温度80℃にて長手方向に3.4倍延伸した。この
延伸は2組のロールの周速差で行なわれ、延伸速
度10000%/分であつた。この一軸延伸フイルム
をステンタを用いて延伸速度2000%/分で100℃
で幅方向に3.6倍延伸し、定長下で、190℃にて5
秒間熱処理し、厚さ15μmの二軸配向積層フイル
ムを得た。これらのフイルムの本発明のパラメー
タは第2表に示したとおりであり、上記パラメー
タが本発明範囲内の場合は、耐削れ性、耐スクラ
ツチ性ともに良好なフイルムが得られるが、パラ
メータが本発明範囲外の場合は、耐削れ性、耐ス
クラツチ性を両立するフイルムは得られないこと
がわかる。
【表】
【表】 * 内部析出粒子含有
[発明の効果] 本発明は、基層に含まれる不活性無機粒子の平
均粒径と特定範囲の比率の厚さのポリマ層を積層
し、それぞれの層に含まれる無機粒子の粒径比を
特定範囲とし、表面突起によつて作られる有効空
間体積を特定範囲としたので、耐スクラツチ性、
耐削れ性を両立するフイルムが得られたものであ
り、各用途での加工速度の増大に対応できるもの
である。本発明フイルムの用途は特に限定されな
いが、加工工程でフイルム表面が削られることや
耐スクラツチ不良による製品性能への影響が特に
大きい磁気記録媒体用ベースフイルムとして特に
有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ポリエステルと平均粒径c(μm)の不活性
    無機粒子からなる組成物を主たる成分とするフイ
    ルムの少なくとも片面に0.01c〜0.5cの厚さ(単
    位μm)ポリマ層を設けてなり、該ポリマ層は、
    平均粒径が0.01c〜0.35cの不活性無機粒子を含有
    し、かつ、積層面の表面突起によつて作られる有
    効空間体積が1×103〜5×105の範囲であること
    を特徴とするポリエステル積層フイルム。
JP21216287A 1987-08-25 1987-08-25 Polyester laminated film Granted JPS6453840A (en)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21216287A JPS6453840A (en) 1987-08-25 1987-08-25 Polyester laminated film

Applications Claiming Priority (1)

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JP21216287A JPS6453840A (en) 1987-08-25 1987-08-25 Polyester laminated film

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Publication Number Publication Date
JPS6453840A JPS6453840A (en) 1989-03-01
JPH0574462B2 true JPH0574462B2 (ja) 1993-10-18

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ID=16617930

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JP21216287A Granted JPS6453840A (en) 1987-08-25 1987-08-25 Polyester laminated film

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JPS60236733A (ja) * 1984-04-16 1985-11-25 ヘキスト・アクチエンゲゼルシヤフト 磁気情報担体のための多層の、同時押出により得られた、二軸延伸された担体フイルム及びその製造法
JPS6264545A (ja) * 1985-05-29 1987-03-23 帝人株式会社 金属薄膜磁気記録媒体用ポリエステルフイルム

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