JPH057409A - 苗植機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 苗植付具にて苗をあまり損傷させないで分割
し、然も圃場に適正に苗の植付けが行なえる苗植機を得
ることを目的とする。 【構成】 左右往復動機構によって苗を載置収容する苗
タンク１７を左右往復動させ、この苗タンク１７に載置
され左右往復動する苗から一株分の苗を分割して移植す
る苗植付具２２を設けた苗植機において、該苗植付具２
２が苗を分割するときに苗タンク１７の横移動速度が低
速になり苗植付具２２が圃場に苗を植付けるときに苗植
付具２２の作動速度が高速になるような不等速伝動機構
を設けた苗植機。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、左右往復動する苗タ
ンクと該苗タンクに載置された苗を一株分づつ分割して
圃場に植え付ける苗植付具とを装備した苗植機に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の従来技術としては、苗タンクを
左右に往復移動させ、この苗タンクに対して定位置で上
下の苗植付軌跡を描かせる苗分割植付爪を設けた苗植付
具へ苗を供給するのに、該苗植付具の苗分割植付爪が苗
を分割するときに該苗タンクの移動が停止するよう苗タ
ンクを間欠的に左右往復横移動する構成のものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のもの
は、苗タンクが停止中に苗植付具が苗を分割するために
分割時の苗の損傷が少なく確実に分割できるという長所
を有するけれども、苗タンクの横移動が停止・移動・停
止・移動…を繰り返すために苗タンクに載置収容された
苗に小刻みなショックがかかり苗床が圧縮したり崩れた
りし、場合によっては苗の葉茎部が左右に振られて損傷
することもあり、苗供給が適確に行えないという問題が
あった。

【０００４】また、苗植付具の作動は土壌に苗を植付け
た後に上昇するときの速度が遅いために、苗植付け時に
必要以上に大きな植付孔を圃場にあけてしまい苗の活着
が悪くて倒れたり場合によっては枯れてしまうことや苗
植付具の上昇時に植付けた苗を引きずったり苗を持ち上
げたりすることもあり適正な苗の植付けが行なえないと
いう問題があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、前記の従来
技術のもつ課題を解決すべく、左右往復動機構によって
苗を載置収容する苗タンク１７を左右往復動させ、この
苗タンク１７に載置され左右往復動する苗から一株分の
苗を分割して移植する苗植付具２２を設けた苗植機にお
いて、該苗植付具２２が苗を分割するときに苗タンク１
７の横移動速度が低速になり苗植付具２２が圃場に苗を
植付けるときに苗植付具２２の作動速度が高速になるよ
うな不等速伝動機構を設けた苗植機としたものである。

【０００６】

【発明の作用効果】この発明は、苗植付具２２が苗を分
割するときに苗タンク１７の横移動速度が低速になるよ
うな不等速伝動機構を設けたものであるから、苗植付具
２２は苗をあまり損傷させないで分割することができ
る。然も、苗タンク１７は従来例のように間欠停止する
ことなく連続的に左右往復動するから載置された苗の床
土が崩れたり苗姿勢が悪くなったりすることが少なくて
適確な苗植付具２２への苗供給が行なえる。

【０００７】更に、苗植付具２２の作動は圃場に苗を植
付けるときに高速になるように組込んでいるから、苗植
付け時に必要以上に大きな植付孔を圃場にあけることや
植付けた苗を引きずったり苗を持ち上げたりすることが
なく適正な苗の植付けが行なえる作用効果を奏する。

【０００８】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明する。この発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明する。１は田植機の植付部を作動する植付ギ
ヤーボックスである。２はリードカム軸で、植付ギヤー
ボックス１内に回転自由に架設されていて、これにはタ
スキ状に刻設のリード溝２ａをその左右側では連通する
よう設けられている。３はリードメタルで、前記リード
カム軸２に嵌合されていて、これには前記リード溝２ａ
に係合するリード爪３ａを設けている。４は後述する苗
タンクを移動する連接棒で前記リードメタル３に一体的
に取付られている。

【０００９】５は原動機側から伝動するスプロケット６
を固着した駆動軸で、前記リードカム軸２に平行に架設
されていて、その一端は植付ギヤーボックス１の外側に
突出している。７はカウンター軸で、前記駆動軸５に平
行に架設されている。８は後述の苗植付具２２の作動を
する植付具駆動軸であって、その左右端側がギヤーボッ
クス１の外側に突出し、これにクランク１０・１０を取
付けて苗植付具２２が作動されるようになっている。

【００１０】１１・１２はスプロケットである。１３・
１４は一組の偏芯ギヤーで、リードカム軸２と駆動軸５
とに夫々止着されて噛合している。１５・１６も一組の
偏芯ギヤーで、駆動軸５とカウンター軸７とに夫々止着
されて噛合している。そして、一組の偏芯ギヤー１３・
１４は苗植付具２２が苗を分割するときに苗タンク１７
の横移動速度が低速になるように組み込んであり、一組
の偏芯ギヤー１５・１６は苗植付具２２が圃場に苗を植
付けるときに苗植付具２２の作動速度が高速になるよう
に組み込んでいる。これらの偏芯ギヤー１３・１４及び
偏芯ギヤー１５・１６により、苗植付具２２が苗を分割
するときに苗タンク１７の横移動速度が低速になり苗植
付具２２が圃場に苗を植付けるときに苗植付具２２の作
動速度が高速になるような不等速伝動機構が構成されて
いる。

【００１１】尚、上記の各軸２・５・７・８の回転比は
全て１対１の関係に設けられている。１７は苗タンク
で、植付ギヤーボックス１に取付けられた操縦ハンドル
１８の上部に左右往復動自由に支架され、前記連接棒４
に連接アーム１９を介して取付けられている。

【００１２】２０は苗受止枠で、苗タンク１７の下端側
にあってハンドル１８取付け用の枠に止着され、これに
は苗分割口２１・２１が穿たれている。２２は苗植付具
で、前後中間部が前記クランク１０に枢結され前側をア
ーム２３で植付ギヤーボックス１に連接し、後端に苗分
割植付爪２４が取付けられ、この植付爪２４が前記苗分
割口２１に上から介入して苗を分割し、下方の土壌面へ
植付けるよう設けられている。

【００１３】２５は整地フロートである。上例の作用を
説明すると、苗タンク１７に土付板状苗を載置してその
苗床先端面側を苗受止枠２０に当接させる。この状態で
駆動軸５を伝動回転すると、カウンター軸７が一組の偏
芯ギヤー１５・１６を介して伝動回転され、このカウン
ター軸７の回転により植付具駆動軸８がスプロケット１
１・１２を介して伝動回転されて、苗植付具２２はその
植付爪２４が苗受止枠２０の苗分割口２１へ上側から介
入する苗植付軌跡（イ）を描いて作動する。一方、リー
ドカム軸２が一組の偏芯ギヤー１３・１４を介して伝動
回転されるので、苗タンク１７は左右往復動する。

【００１４】このとき、苗タンク１７はリードカム軸２
が不等速伝動機構としての偏芯ギヤー１４・１５で伝動
回転されるため、リードメタル３が低速から高速、高速
から低速へとその移動速度が変速され、連接棒４、連接
アーム１９を介して同じく苗タンク１７が変速しながら
往復動されることになる。そして、苗植付具２２の作動
と苗タンク１７との作動関係を、苗分割口２１へ植付爪
２４が介入する時点で苗タンク１７の移動が遅くするよ
うに組込んでいるから苗分割時では苗タンク１７の動き
が遅く苗がむやみに損傷されることがなく適確に分割さ
れる。

【００１５】また、苗植付具２２はカウンター軸７が不
等速伝動機構としての偏芯ギヤー１５・１６で伝動回転
されるため、植付具駆動軸８が低速から高速、高速から
低速へとその角速度が変速され、クランク１０が変速し
ながら回転されることになる。そして、苗植付具２２の
作動は植付爪２４が土壌面へ突込んで引上げられるとき
に高速になるように組込んでいるから、苗植付け時に必
要以上に大きな植付孔を圃場にあけることや植付けた苗
を引きずったり苗を持ち上げたりすることがなく適正な
苗の植付けが行なえる。

【図面の簡単な説明】

【図１】要部の展開断面図

【図２】要部の側断面図

【図３】要部の側面図

【図４】要部の平面図

【符号の説明】

１ 植付ギヤーボックス ２ リードカム軸 ３ リードメタル １３・１４ 一組の偏芯ギヤー １５・１６ 一組の偏芯ギヤー １７ 苗タンク ２２ 苗植付具

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 左右往復動機構によって苗を載置収容す
   る苗タンク１７を左右往復動させ、この苗タンク１７に
   載置され左右往復動する苗から一株分の苗を分割して移
   植する苗植付具２２を設けた苗植機において、該苗植付
   具２２が苗を分割するときに苗タンク１７の横移動速度
   が低速になり苗植付具２２が圃場に苗を植付けるときに
   苗植付具２２の作動速度が高速になるような不等速伝動
   機構を設けたことを特徴とする苗植機。