JPH0573518U - 圧電振動ジャイロ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 強い振動や衝撃に対して圧電セラミックス体
を安定に支持することができる圧電振動ジャイロを提供
することにある。 【構成】 圧電セラミックス体１の屈曲振動の節部に沿
って所定間隔をおいて、または、連続して凹部１０を形
成し、かつ、少なくとも前記凹部１０に嵌合するように
軟弾性の支持具８を配置してこれらの支持具８で圧電セ
ラミックス体１を支持してなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、カメラ一体型ＶＴＲの手振れ防止や自動車のナビゲーションシステ ムなどに用いられるジャイロスコープの内、圧電振動子の超音波振動を用いた圧 電振動ジャイロに関する。

【０００２】

【従来の技術】

圧電振動ジャイロは、振動している物体に回転角速度が与えられると、その振 動方向と直角な方向にコリオリ力を生ずるという力学現象を利用したジャイロス コープである。互いに直交する二つの方向の励振と検出が可能であるように構成 した振動系において、一方の振動を励振した状態で、振動子自身を二つの振動面 が交わる線と平行な軸を中心線として回転させると、前述のコリオリ力の作用に よりこの振動と直角な方向に力が働き、他方の振動が励振される。この振動の大 きさは入力側の振動の大きさおよび回転角速度に比例するため、入力電圧が一定 の場合、出力電圧の大きさから回転角速度の大きさを求めることができる。

【０００３】 図７は従来の圧電振動ジャイロに用いられている圧電振動子の構造概略図であ り、圧電セラミックス円柱２１の外周面上の円周を６等分する位置に長さ方向と 平行な６本の帯状電極２２，２３，２４，２５，２６，２７が形成されている。 これらの帯状電極２２〜２７を互いに一つおきに接続して２端子として圧電セラ ミックス円柱２１に分極処理を施し、分極処理後、一つおきの帯状電極２２，２ ４，２６を接続して共通アース電極とし、残りの帯状電極の内の帯状電極２３を 駆動電極、帯状電極２５，２７を検出用電極として圧電ジャイロを構成すること ができる。図８は支持具２８を用いて圧電セラミックス円柱２１を支持固定する 場合の斜視図である。前記支持具２８は、リング状のシリコンゴムからなり、内 周部分の肉厚が外周部分の内厚に比べて薄く形成されている。圧電セラミックス 円柱２１の屈曲振動の節部の位置を前記支持具２８の内周部分で支持し接着性を 有するシリコンゴム２９で圧電セラミックス円柱２１と支持具２８が接着固定さ れている。図７，図８に示した従来の圧電振動ジャイロにおいては、支持が柔ら かいシリコンゴムで行われているため、支持位置ずれの影響が少ない上に、リン グ状の形状であるため、二つの屈曲振動モードに与える影響がほぼ等しくなり、 支持固定によるジャイロ特性の劣化が極めて少ないと言う効果がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来の圧電振動ジャイロにおいては、圧電セラミックス円柱２１と支 持具が単に接着だけで保持されているため、強い振動や衝撃に対して接着が外れ 易いという問題があった。これは、圧電振動ジャイロが多角柱状の圧電セラミッ クス体からなる場合も同じである。

【０００５】 本考案の課題は、強い振動や衝撃に対して圧電セラミックス体を安定に支持す ることができる圧電振動ジャイロを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案によれば、円柱状または多角柱状の圧電セラミックス体の外周面に長さ 方向と平行な複数の帯状電極を形成し、これらの帯状電極を用いて前記圧電セラ ミックス体に分極処理を施し、前記圧電セラミックス体の圧電横効果による屈曲 振動モードを利用して駆動し回転角速度を検出する圧電振動ジャイロにおいて、 前記圧電セラミックス体の屈曲振動の節部に沿って所定間隔をおいて、または、 連続して凹部を形成し、かつ、少なくとも前記凹部に嵌合するように軟弾性の支 持具を配置してこれらの支持具で前記圧電セラミックス体を支持してなることを 特徴とする圧電振動ジャイロが得られる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明する。

【０００８】 図１は、本考案の１実施例の要部を示す斜視図である。円柱状の圧電セラミッ クス体１の外周面上の円周を６等分する位置に長さ方向と平行な６本の帯状電極 ２，３，４，５，６，７が形成されている。これらの帯状電極２〜７を用いて、 従来のものと同様に前記圧電セラミックス体１に分極処理が施されている。前記 圧電セラミックス体１の屈曲振動の節部に沿って圧電セラミックス体１を周回す る凹部１０が連続して形成されている。

【０００９】 図２は軟弾性の支持具８を用いて圧電セラミックス体１を支持固定する場合の 断面図である。前記支持具８は、図３および図４に示すように、リング状の軟弾 性の部材（例えばシリコンゴム）からなり、内周部分の肉厚が外周部分の肉厚に 比べて薄く形成されている。圧電セラミックス体１の屈曲振動の節部の位置に形 成された凹部１０に前記支持具８の内周部分が嵌合するように接着されて圧電セ ラミックス体１を支持している。

【００１０】 一般に共振している振動子をなるべく振動に影響を与えないで支持するために は、振動の節の点（あるいは線）を柔らかい材料で支持する必要がある。しかし 、外部からの振動や衝撃に対して安定に支持するためには、支持部で振動子がず れたりしないように固定する必要がある。本考案の圧電振動ジャイロにおいては 、圧電セラミックス体１における屈曲振動の節部の部分を柔らかい部材で支持し ているため、振動子特性に与える影響は小さい。さらに本考案の圧電振動ジャイ ロにおいては、圧電セラミックス体１における屈曲振動の節部に沿って連続して 凹部１０が形成され、かつ、支持具８がその凹部１０に嵌合しているため、外部 から振動や衝撃が加えられても振動子がずれないように安定に支持することがで きる。

【００１１】 以上の説明は圧電セラミックス体１の屈曲振動の節部の部分に形成した凹部１ ０の形状が節部に沿って連続して周回している場合について行ったが、凹部１０ は前記節部に沿って所定間隔をおいて形成していてもよい。この場合、凹部は節 部に沿って等間隔に形成されていることが望ましい。

【００１２】 図５および図６に示すように、本考案の圧電セラミックス体１は、六角柱状で あってもよい。なお、本考案の圧電セラミックス体１は、六角柱状以外の多角柱 状に形成してもよい。

【００１３】

【考案の効果】

本考案によれば、支持による振動特性の劣化が少なく、互いに直角な二つの方 向の屈曲振動に与える影響がほぼ同じで、外部から振動や衝撃が加えられても圧 電セラミックス体がずれない安定な圧電振動ジャイロが得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例の要部を示す斜視図である。

【図２】本考案の１実施例を示す断面図である。

【図３】本考案の１実施例における支持具を示す斜視図
である。

【図４】図３の支持具を示す断面図である。

【図５】本考案の他の実施例の要部を示す斜視図であ
る。

【図６】本考案の他の実施例を示す断面図である。

【図７】従来の圧電振動ジャイロの要部を示す斜視図で
ある。

【図８】従来の圧電振動ジャイロを示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 圧電セラミックス体 ２〜７ 帯状電極 ８ 支持具 １０ 凹部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円柱状または多角柱状の圧電セラミック
   ス体の外周面に長さ方向と平行な複数の帯状電極を形成
   し、これらの帯状電極を用いて前記圧電セラミックス体
   に分極処理を施し、前記圧電セラミックス体の圧電横効
   果による屈曲振動モードを利用して駆動し回転角速度を
   検出する圧電振動ジャイロにおいて、前記圧電セラミッ
   クス体の屈曲振動の節部に沿って所定間隔をおいて、ま
   たは、連続して凹部を形成し、かつ、少なくとも前記凹
   部に嵌合するように軟弾性の支持具を配置してこれらの
   支持具で前記圧電セラミックス体を支持してなることを
   特徴とする圧電振動ジャイロ。