JPH0573478B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、青果物を撮像する撮像手段の撮像結
果と、青果物の外観の目視検査結果とを合わせて
等級別階級別に仕分けを行う青果物の選別装置に
関する。

［従来の技術］ 従来、青果物を撮像する撮像手段を用いた選別
装置では、撮像手段の視野に入れることができず
撮像手段で撮像できない部分や、撮像しても検査
できない等級検査項目（例えば青果物の日やけ、
浮皮など）があるために、青果物の外観を目視検
査することにより補つている場合が多い。

そして、従来、こうした撮像手段の撮像結果と
目視検査結果とを合わせて青果物を等級別階級別
に仕分ける選別装置としては、本願の第７図に示
されるものや、特開昭60−153980号公報等に示さ
れるものが知られている。

前記第７図に示される従来の選別装置は、前工
程から供給される青果物を等級手選別部に導き、
該等級手選別部において多数の等級検査員によ
り、青果物の外観を目視検査して夫々等級別に搬
出し、該等級別に搬出される青果物を等級別の階
級選別機でそれぞれ階級別に仕分けることにより
全体として青果物を等級別階級別に仕分けるもの
である。

又、特開昭60−153980号公報に記載の従来の選
別装置は、長なす等の青果物の載せ位置を位置ズ
レさせて載せられる大きさに形成された受皿を多
数備える選別コンベアの供給部で、青果物の外観
を目視検査して等級判定し判定された等級に該当
する指定区域にかかるように受皿上に青果物を載
せて移送し、この移送中に青果物をセンサーカメ
ラで撮像し、撮像の解析により目視検査で判定さ
れた等級を読取ると共に、青果物の階級と等級と
を判定して等級別階級別に仕分けるものである。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、前記第７図で示した従来の選別
装置では、等級手選別で目視検査されて等級別に
搬出される青果物を等級別の階級選別機でそれぞ
れ仕分けるものであるので、青果物の等級比率が
例えば優級が50％、秀級及び良級がそれぞれ20
％、並級が10％というように異なると（青果物の
殆どの品目において等級比率が異なつている）、
同じ選別機を使用した場合に、優級の段階選別機
の稼働効率を100％とすれば、秀級及び良級の階
級選別機ではそれぞれ40％、並級の階級選別機で
は20％しか選別機を稼働させていないことにな
り、全体として選別能率が劣るという問題があつ
た。

又、前記特開昭60−153980号公報で開示された
従来の選別装置では、選別コンベアの供給部で目
視検査するものであるので、この目視検査に時間
がかかり選別コンベアを高速度で走行させること
ができないために選別能率が低いという問題と、
青果物の載せ位置を位置ズレさせて載せられる大
きさの受皿を用いるものであるので、広巾の選別
コンベアを用いなければならないという問題があ
つた。

更に以上のような青果物の選別は、大きさや着
色度等が揃つていない状態の青果物を目視検査す
るのが普通であることから、大きさや着色度等が
揃つた青果物を目視検査するのに比べて目視検査
自体が容易でなく、しかもこれを迅速に行おうと
すると、誤判別が発生し易くなることは避け難い
という問題がある。

本発明は、上記問題点を解消するためになされ
たものであり、選別効率を向上させることができ
ると共に、広巾の選別コンベアを用いる必要がな
く、しかも青果物の外観の目視検査が従来に比べ
て容易且つ迅速に行うことができて、誤判別の発
生が少ない青果物の選別装置を提供することを目
的とするものである。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は上記の目的を達成するために以下の技
術的構成を採用したものである。

すなわち本発明は、選別コンベア上で搬送され
る青果物を撮像手段により撮像し、該撮像結果に
基づいて演算処理装置により青果物の表面の少な
くとも着色度による等級と青果物の大きさによる
階級とを判定して青果物を選別コンベア上から階
級別等級別の搬送路上に仕分け排出する選別装置
であつて、仕切りにより仕切られた等級別の搬送
路を有し前記仕分け排出される青果物を搬送する
搬出コンベアを各階級毎に設け、該各階級の搬出
コンベア毎にそれぞれの側方に、等級別の搬送路
上で搬送される青果物の外観を目視検査すること
により判別された等級格下げすべき青果物を該当
する等級の搬送路上に移し換えてその等級を修正
する等級修正部を設定したことを特徴とする青果
物の選別装置の構成を採用したことを特徴とす
る。

なお本発明においては、好ましくは、前記各階
級毎に設けられる搬出コンベアは、相隣り合う搬
出コンベアが前記選別コンベアの左右異なる側方
に青果物を搬送するように配置されているように
設けられていることがよい。

［実施例］ 以下本発明の好ましい実施例を（第１図〜第６
図）に基ずいて説明する。

第１図は本発明の一実施例を示す選別装置の要
部平面図である。図において、１は選別（選果）
コンベア、２は青果物９を撮像するための撮像手
段、３は撮像された青果物９を階級毎に等級別に
仕分け排出するために階級別に設定された仕分け
部、４は選別コンベア１上から仕分け排出された
青果物９を等級別に搬送する搬出コンベア、５は
搬出コンベア４の側方に設定された等級修正部、
６は搬送コンベア、７は箱詰め包装装置、８は前
記選別コンベア１に青果物９を１個ずつ切り離し
て一列で供給するための前工程である。

選別コンベア１は、前工程８から前後に離隔さ
れて一列で供給される青果物９を、そのまま一列
で搬送し、階級毎に設定された仕分け部３のいず
れかにおいて選別コンベア１上の青果物９を下方
に落下排出するようになつている。そして、この
選別コンベア１は、第１図では、複数条（６条）
を並設した場合を示しているが、この条数は選別
処理量に応じて決められるもので、図示と異なり
一条であつてもよい。

撮像手段２は、前工程８から１個ずつ間隔をあ
けて選別コンベア１上に供給され搬送される青果
物９を撮像するもので、選別コンベア１の上流側
の所定位置に設けられている。

この撮像手段２は、第２図、第３図、第４図に
示すように、選別コンベア１の搬送路１０１の側
方に青果物９の像を上方に反射させるミラー２０
１と、このミラー２０１からの反射光を受けるカ
ラーセンサーカメラ２０２と、青果物９の中心に
向けて光を照射する小型の照射ランプ２０３とか
ら構成されている。そして、この撮像手段２は、
選別コンベア１の搬送路１０１の左側と右側とに
前後に位置をズラして設置されている。

階級毎に設定されている各仕分け部３には、第
５図に示すように仕分ける等級数に対応した数の
排出装置３０１が選別コンベア１の搬送路１０１
に沿つて配置されている。

搬出コンベア４は、各階級毎に即ち各仕分け部
３毎にそれぞれ設けられており、前記排出装置３
０１の作動により選別コンベア１上から仕分け排
出される青果物９を、後述の等級別の搬送路４０
３上に受けて搬送するものである。そしてこの各
搬出コンベア４は、広巾コンベア４０１の搬送面
を仕切り４０２により巾方向に等級別に区画する
ことで仕切られた等級別の搬送路４０３を有して
いる。また、この各搬出コンベア４は、複数条の
選別コンベア１の搬送路１０１の下方で且つ選別
コンベア１の搬送方向と直交する方向に、各条を
貫通するように配置され、同一区分の排出装置３
０１から搬送される青果物９を合流させて搬出す
るようになつている。

尚、階級毎に設けられる搬出コンベア４は、第
１図に示すように、相隣り合う搬出コンベア４同
志が互いに選別コンベア１の左右異なる側方に青
果物９を搬送するように配置するのが好ましい。
このように相隣り合う搬出コンベア４同志を互い
違いに配置すれば、搬出コンベア４の下流側の両
側方空間が広く確保できるので、等級修正部５で
の作業が極めて行い易くなるからである。

又、実施例においては、搬出コンベア４にはベ
ルト式の広巾コンベア４０１を用いて、仕切り４
０２により等級別の搬送路４０３を形成したが、
更に別の方法例えば、等級別に仕分け排出される
青果物９を受ける等級別の複数条の小巾コンベア
を各条隣接させて配置し、各小巾コンベア間を仕
切りにより仕切るようにすることもできる。

等級修正部５は、各搬出コンベア４の側方に設
定されており、該各等級修正部５は、搬出コンベ
ア４の等級別の搬送路４０３上でそれぞれ搬送さ
れる青果物９の外観を検査作業者が目視検査する
ことにより判別された等級格下げすべき青果物９
を格下げする等級に該当する等級の搬送路４０３
上に移し換えてその青果物９の等級を修正する検
査エリアであり、配置される検査作業者の員数か
ら割り出された長さに設けられる。

各階級毎に等級別にそれぞれ設けられる搬送コ
ンベア６は、搬出コンベア出口４０４に接続して
おり、該各搬送コンベア６は接続する搬送路４０
３から送り出される階級別等級別の青果物９をそ
れぞれ対応する階級別等級別の箱詰め包装装置７
に向けて搬送するようになつている。

この搬送コンベア６は、例えば小巾のベルトを
張設した小巾ベルトコンベアや、青果物９を受け
る巾の受皿付チエンコンベアを用いることができ
る。

第６図は本発明の選別装置を説明するための概
略のブロツク図である。

以上のように構成した選別装置による青果物９
の選別について更に説明する。

前工程８から１個ずつ前後に間隔をあけて選別
コンベア１上に供給されて搬送される青果物９
は、搬送中にカラーセンサーカメラ２０２により
左側面と右側面とを撮像され、撮像結果としての
撮像信号が演算処理装置（図示せず）へ入力され
る。演算処理装置は、入力した撮像信号に基づい
てカラーセンサーカメラ２０２の視野に入つた青
果物９の表面の着色度と傷害度とを求めると共に
青果物９の大きさ求めることにより等級と階級と
を判定する。

色（着色度）については、色の均一性及びその
中心値と、シーズン初期の早生物のように一部分
に着色し他の一部に未着色部のあるような色ムラ
に割合とを夫々計測し計測結果から着色度を求め
る。傷（傷害度）については、傷点の大きさと形
状と分布数とを夫々計測し計測結果から傷害度を
求める。そして、これら求めた着色度と損傷度と
を予め設定し基準値と比較して等級判定する。
尚、本発明では傷害度は必ずしも求めなくともよ
い。

そして、この図示しない演算処理装置は、前記
等級と階級とを判定した結果に基づいて、選別コ
ンベア１上から青果物９を各階級毎等級別の搬送
路４０３のいずれかに仕分け排出するための信号
を選別コンベア１の搬送と同期させて出力し、該
当する仕分け位置の排出装置３０１を作動させ
る。

排出装置３０１の作動により選別コンベア１上
から搬出コンベア４の等級別の搬送路４０３上に
仕分け排出された青果物９は、第５図に示すよう
に、選別コンベア１の側方に等級（例えば秀、
優、良、並の４等級）別に搬送される。そして、
各階級の搬出コンベア４毎にそれぞれの側方に設
定された等級修正部５において検査作業者が等級
別の搬送路４０３上の青果物９の外観を目視検査
することにより外観上の所定の項目を検査し、等
級格下げすべき青果物９は格下げする等級に該当
する等級の搬送路４０３上へ移し換えてその青果
物９の等級を修正する。そして、階級別の搬出コ
ンベア４のそれぞれにおいて等級別に搬送される
青果物９は、階級別等級別の搬送コンベア６によ
りそれぞれ対応する階級別等級別の箱詰め包装装
置７に搬送されて所定の箱詰め包装が行われる。

［発明の効果］ 本発明は、上記の如く、選別コンベア上で搬送
される青果物を撮像手段により撮像し、該撮像結
果に基づいて演算処理装置により青果物の表面の
少なくとも着色度による等級と青果物の大きさに
よる階級とを判定して青果物を選別コンベア上か
ら階級別等級別の搬送路上に仕分け排出する選別
装置であつて、仕切りにより仕切られた等級別の
搬送路を有し前記仕分け排出される青果物を搬送
する搬出コンベアを格階級毎に設け、該各階級の
搬出コンベア毎にそれぞれの側方に、等級別の搬
送路上で搬送される青果物を外観を目視検査する
ことにより判別された等級格下げすべき青果物を
該当する等級の搬送路上に移し換えてその等級を
修正する等級修正部を設定したものであるから、
選別コンベア上では各等級の青果物が混在する状
態で搬送されるので、青果物の等級比率が異なつ
ていても性別比率が低下することがなく、且つ、
従来のもの如く選別コンベアの供給部で目視検査
するというものでなく選別コンベアから階級毎に
等級別に仕分け排出された後に青果物の外観を目
視検査するので、選別コンベアを高速度で走行さ
せることができて選別効率を向上させることがで
き、更に、従来の装置のように選別コンベア上で
の青果物の載せ位置を巾方向にズラせることがで
きないので、広巾の選別コンベアを用いる必要が
なく、しかも、青果物の外観を目視検査してその
等級を修正する際には、各搬出コンベアの等級別
の搬送路上の青果物はその大きさは勿論のこと、
その着色度もほぼ揃つているので目視検査を容易
且つ迅速に行うことができると共に、目視検査に
誤判断が発生し難く正確に行うことができるとい
う効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面はいずれも本発明の実施例を示す説明図で
ある。第１図は本発明の選別装置の要部平面図、
第２図は撮像手段を説明するための一部破断した
平面図、第３図は第２図のＡ−Ａにおける断面
図、第４図は撮像手段の一部の斜視図、第５図は
一階級の仕分け部及び等級修正部を説明するため
の斜視図、第６図は本発明の選別装置を説明する
ための概略ブロツク図、第７図は従来の選別機の
概略を示すブロツク図。 １……選別コンベア、１０１……搬送路、２…
…撮像手段、２０１……ミラー、２０２……カラ
ーセンサーカメラ、２０３……照明ランプ、３…
…仕分け部、３０１……排出装置、４……搬出コ
ンベア、４０１……広巾コンベア、４０２……仕
切り、４０３……搬送路、４０４……搬出コンベ
ア出口、５……等級修正部、６……搬送コンベ
ア、７……箱詰め包装装置、８……前工程、９…
…青果物。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 選別コンベア上で搬送される青果物を撮像手
   段により撮像し、該撮像結果に基づいて演算処理
   装置により青果物の表面の少なくとも着色度によ
   る等級と青果物の大きさによる階級とを判定して
   青果物を選別コンベア上から階級別等級別の搬送
   路上に仕分け排出する選別装置であつて、仕切り
   により仕切られた等級別の搬送路を有し前記仕分
   け排出される青果物を搬送する搬出コンベアを各
   階級毎に設け、該各階級の搬出コンベア毎にそれ
   ぞれの側方に、等級別の搬送路上で搬送される青
   果物の外観を目視検査することにより判別された
   等級格下げすべき青果物を該当する等級の搬送路
   上に移し換えてその等級を修正する等級修正部を
   設定したことを特徴とする青果物の選別装置。 ２ 前記各階級毎に設けられる搬出コンベアは、
   相隣り合う搬出コンベアが前記選別コンベアの左
   右異なる側方に青果物を搬送するように配置され
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第１項に
   記載の青果物の選別装置。