JPH0572196U - 電磁波シールド内装材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】電磁波障害を除去するための電磁波シールド内
装材で、電磁波シールドと静電気防止の両機能を同時に
発揮し、かつ意匠材ともなり得る。 【構成】電解鉄箔等の金属箔層からなる電磁波シールド
材の表面に導電材を混入した合成樹脂材からなる導電性
表層材を接着乃至弱接着して重合し、裏面には不燃紙層
を接着剤で接着して電磁波シールド内装材とする。

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

【０００１】 本考案は、各種電磁波による障害を除去するための電磁波シールド内装材であ り、特に静電防止機能を併せ持つ内装材に関する。

【０００２】

【従来の技術】

電磁波シールド性能は金属板を装着することによって付与されることは知られ ているところであるが、内装材として採用するには仕上げその他の種々実用面か ら制約があるため、一般には、導電性塗料を内装材とするか、又は導電性フィラ ー等を混入したフィルムを内装材とするか、或いは金属溶射、金属蒸着、金属箔 貼付等のフィルムを内装材としていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、塗装の場合には、シールド性能を発揮させるためには十分な塗 厚を持たせなければならないが、実用的には十分なシールド性能が発揮し難いこ と、仕上げに熟練を要する等のため施工の簡便性に欠けていること等の問題点が あり、混入の場合にも混入量の制約と均一性の点から実用的には十分なシールド 性能が発揮し難いこと、意匠性が制約されること等の問題点がある。このため意 匠材としてのフィルム層と電磁シールド層との積層シート状の内装材とすること が好ましいと考えられる。

【０００４】 しかしまた、積層シート状の内装材においても、人や物の接触摩擦、或いは空 調対流による空気摩擦、自然蓄積等により、表面のフィルム層に静電気が発生滞 留し、塵埃を付着させ、人や機器に対する帯電障害が明確化されてはいないが、 そのようなおそれがあり得る等の問題点を起生させていた。

【０００５】 本考案は、上記問題点に着眼し、電磁波シールド機能と静電気防止機能とを併 せ持つ内装材を提供せんとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本発明は、金属箔等の電磁波シールド材層の表面 に導電性表層材を重合して電磁波シールド内装材を構成せしめたことを特徴とす る。

【０００７】 導電性表層材は導電材を混入した合成樹脂フィルム層とし、顔料等により所望 の着色層とすることが好ましい。また、電磁波シールド材層とフィルム層とは接 着剤による接着、熱圧着、その他の任意方法で重合されていてよいが、内装材の 継ぎ目を確実に電磁波シールドするために、両層を弱接着剤により接合し、継ぎ 目部のフィルム層を剥離して電磁波シールド層を露出可能な構成とすることがで きる。

【０００８】

【作用】

電磁波シールド材層によって電磁波をシールドすることができ、導電性表層材 によって静電気発生を防止することができると同時に、内装材としての意匠性を 保持できる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面によって説明する。 図１において、電磁波シールド内装材１は、電磁波シールド材２の表面側に導 電性表層材３を重合し、裏面側に不燃紙４等のバッカーを重合してなっている。

【００１０】 電磁波シールド材２は、金属箔層とし、この金属箔層は、電解鉄箔が導電性、 厚み均一性、内装材としての適合性、経済性等の総合として最も望ましいが、ア ルミ箔、圧延鉄箔、銅箔その他の導電性金属箔を用いることができる。一例とし て電解鉄箔を用いる場合、厚み１５〜５０μｍとすれば６０ｄＢ以上の電磁波シ ールド性能を得ることが可能である。

【００１１】 導電性表層材３は、フィルム層とし、このフィルム層は、１０〜１００μｍ厚 程度の任意合成樹脂フィルム或いは合成紙等とすることができ、例えばポリエチ レン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂、或いは塩化ビニル樹脂、ポリ フッ化ビニル樹脂等の難燃性合成樹脂に、導電材例えば二酸化錫微粉末或いはカ ーボン繊維、ニッケル繊維等の導電性フィラー、導電性繊維を均一的に混入し、 さらに着色剤としての顔料等を配合の上成形することができる。導電材の配合率 は、導電性が体積固有抵抗で２．５×１０⁴ 〜１０¹⁰Ω・ｃｍの範囲となるよう に設定されることが望ましい。

【００１２】 電磁波シールド材２と導電性表層材３の重合は、接着剤による接着、熱圧着に よる積層成形、その他の任意重合方法が可能である。

【００１３】 上記構成の電磁波シールド材１によれば、表層材３に生じる摩擦電気も該表層 材の導電性によって放散し、静電気防止となる。

【００１４】 なお、電磁波シールド材２と導電性表層材３の重合を、図２に示すように弱接 着剤層５を介して行うことができる。この場合、不燃紙４は不分離的に接着して よい。 弱接着剤層５は、ウレタン系、アクリル系その他の任意接着剤であって、凝集 破壊を起こす通常の接着剤（約５００ｇ以上／１５ｍｍ幅面）よりも接着強度の 小さい接着剤、好ましくは約２００〜４５０ｇ／１５ｍｍ幅面、最も好ましくは 約３００〜３５０ｇ／１５ｍｍ幅面の接着強度を有するものとし、この範囲にお いて、接着剤として機能しかつ導電性表層材３を電磁波シールド材２から剥離し た場合に、弱接着剤層５が導電性表層材３に略々付着したまま電磁波シールド材 ２から分離し得るようにしたものである。

【００１５】 この場合、電磁波シールド内装材１を壁面等に貼着して電磁波シールドする場 合、内装材１の面内は、上記のように均質な電磁波シールド材２によって確実に シールドされるが、シールドが不完全となりやすい隣接電磁波シールド内装材１ ，１の継ぎ目は、以下のようにして確実なシールドが行い得る。 即ち、図３に示すように、隣接電磁波シールド内装材１，１の継ぎ目縁辺から それぞれ若干幅Ｗ，Ｗを保ってカッター等の刃物により切取線６，６を形成し、 この切取線６によって区切られた縁辺部の導電性表層材３，３部分を電磁波シー ルド材２，２から図２の左端に示すように剥離すれば、弱接着剤層５，５は導電 性表層材３，３に略々付着したまま電磁波シールド材２から分離し、これらを剥 ぎ取ることができ、電磁波シールド材２が若干幅Ｗの分だけ露出する。 次いで、図４に示すように、露出した電磁波シールド材２，２に跨がるように して継ぎ目に導電接合材として例えばハンダ７を接合溶着させ、両電磁波シール ド材２，２を導通させる。接合部上には、導電性表層材３と同色或いは別色の表 層テープ８を両導電性表層材３，３の縁辺部に跨がるようにして接着する。 ハンダ７上にはコーキング材を充填させてもよく、また、上記とは別の方法と して、金属箔テープの片面にハンダを溶着してなるハンダ付テープを用い、これ を継ぎ目部に当て加熱加圧して接着してもよい。

【００１６】

【考案の効果】

以上のようにして本考案は、電磁波シールド材の表面に導電性表層材を重合し てなるので、電磁波を確実にシールドし得ると同時に、表層面に生じやすい静電 気の発生を確実に防止することができ、しかも白黒も含めて任意着色された意匠 材となり、これらの機能を同時に充足した内装材を提供することができ、半導体 工場やＯＡ室等に特に好適となる。シート状であるので、施工も簡便である。 なお、導電性表層材が弱接着剤により電磁波シールド材に接着されている場合 には、電磁波シールド内装材の継ぎ目もより一層確実なシールドが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る電磁波シールド内装材の部分断面
図である。

【図２】電磁波シールド内装材の別の一例を示す部分断
面図である。

【図３】隣接した電磁波シールド内装材の接合例の一例
を示す表面図である。

【図４】電磁波シールド内装材の接合状態の継ぎ目部の
一例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 電磁波シールド内装材 ２ 電磁波シールド材 ３ 導電性表層材 ５ 弱接着剤

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 伊藤 桂 東京都千代田区永田町二丁目12番14号 株 式会社エービーシー商会内 (72)考案者 土田 恭義 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目６番15号 株 式会社フジタ内 (72)考案者 磯山 良一 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目６番15号 株 式会社フジタ内 (72)考案者 松井 輝夫 神奈川県横浜市神奈川区富家町１番地 東 海金属株式会社内 (72)考案者 上野 博生 神奈川県横浜市神奈川区富家町１番地 東 海金属株式会社内

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属箔等の電磁波シールド材層の表面に
   導電性表層材を重合してなる構成を有する電磁波シール
   ド内装材。
2. 【請求項２】 請求項１において、導電性表層材は導電
   材を混入してなっているフィルム層であることを特徴と
   する電磁波シールド内装材。
3. 【請求項３】 金属箔等の電磁波シールド材層の表面に
   弱接着剤層を介して導電性表層材を重合してなる構成を
   有する電磁波シールド内装材。