JPS6333943Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電気伝導性を有する導電性粘着テー
プもしくはシートに関するものである。

従来より導電性粘着テープは帯電防止の必要上
あるいは外装部を接地電位に維持するために、電
気的装置や回路要素用の外装材料として多用され
ており、その構成は導電性充填剤を混合した粘着
剤を金属箔や導電性プラスチツク上に塗布したも
のからなつている。

ところが粘着剤中に銀粉やカーボンブラツクな
どの導電性充填剤を均一に混合することは非常に
困難であるばかりでなく致命的な欠点はこれによ
つて粘着力が著しく低下することであり、実用上
に有益な粘着性を保持させるためには体積抵抗率
10³Ω−cm程度が限度である。

また基材としては銅、アルミニウム等の厚みが
0.01〜0.2mm程度の金属箔が多用されるが、腐食
し易く、しかもしわになり易いことから導電性に
欠陥を生じるという欠点を有していた。また、金
属箔の欠点を改良する手段として、金属をプラス
チツクフイルム上に真空蒸着等により薄膜として
形成し、その上に粘着剤を設ける構成も公知であ
るが、金属層とプラスチツクフイルムとの密着が
充分でなく、使用時に界面から破壊する欠点を有
していた。

本考案はかゝる従来技術のもつ欠点に鑑みなさ
れたもので優れた電気伝導性と粘着性を兼ね具え
た導電性テープを提供せんとするものである。

以下本考案を実施例を示す図面を参照しながら
説明すると図において、１はフイルム基材であ
り、セロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、
ポリアミド系およびポリイミド系等の一般プラス
チツクフイルムであり、フイルムおよびシート状
のものなら適用可能である。２は導電性塗布層で
あり、導電性充填剤としてNi，Fe，Cr，Co，
Al，Cu，Ag，Pt，Au等の単体あるいはこれら
の合金等の金属や、カーボンブラツクなどの導電
性の良い粉状あるいは繊維状等の充填剤を単独あ
るいは複合して、バインダー中に多量混合したも
のを塗布してなる。

これら導電性充填剤は、ガラス、プラスチツ
ク、カーボンブラツク等の表面に、メツキ、真空
蒸着等により前記金属等を形成させたものでも良
い。

これら導電性充填剤の大きさは基本的には塗布
層の厚み以下であれば使用可能であるが、一般的
には0.1mm以下であることが好ましい。

0.1mm以上であると、粘着テープ構成体とした
時に硬直化し易く取扱い難いものとなる。

バインダーとしては、塩化ビニル系共重合体、
熱可塑性ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニ
ルブチラール、可撓性エポキシ樹脂などの合成樹
脂が適用である。

この場合、合成樹脂がたとえば−OH、−
COOHなどの官能基を有するものを使えば導電
性充填剤との接着性が向上することから好まし
い。さらにバインダーと共に各種イソシアネート
化合物やメラミン誘導体などの架橋剤を併用して
も良い。

２の導電性塗布層中の導電性充填剤の添加量
は、フイルム基材１および粘着性塗布層３との接
着性および導電性により決定される。導電性は
10¹Ω−cm以下が望ましい。高導電性を得るため
に、なるべく多量の導電性粒子の添加が望ましい
が、通常10〜50体積％が使用できる。10体積％以
下では、所望の導電性が得にくく、50体積％以上
では、フイルム基材１および、粘着性塗布層３と
の接着性が充分に得られない。

もちろんこれら組成の導電性ペーストあるいは
導電性塗料類を導電性塗布層２として、そのまゝ
塗布することも可能である。

また導電性塗布層２は、単層でなく複合構成の
層とすることも可能である。たとえば導電性充填
剤が磁性材料の層と非磁性材料よりなる構成、あ
るいは繊維状の層と球状の構成とすることによ
り、新たな機能も付加できる。

３は粘着性塗布層であり、前記導電性充填剤を
粘着性の低下しない範囲の０〜20体積％混合した
天然ゴム、ポリイソブチレン、ポリアクリル酸エ
ステル系ゴム等を粘着性塗布層として塗布する。

必要に応じて、粘着性調節のために粘着付与
剤、可塑剤架橋剤等を併用できる。

粘着層３において、導電性充填剤を混合しない
場合はたとえば電磁波シールド用途等に適用が可
能であり、導電性充填剤を混合する場合は、電磁
波シールド用途や被着体を介しての導電性用途た
とえば被着体からの静電気の除去用電極等として
使用できる。

導電性塗布層２あるいは粘着性塗布層３の塗布
方法としては一般に用いられる塗布装置で可能で
あるが、塗布順序は、フイルム基材１上に導電性
塗布層２を塗布後、必要に応じて予備乾燥を行な
い導電性粒子をバインダーにより保持せしめた後
で、粘着性塗布層３をナイフコーター等で塗布乾
燥する。

導電性充填剤の形状が繊維状などの場合ナイフ
コーターでは毛羽だつてうまく塗布できないとき
は、シルクスクリーン印刷あるいは刷毛塗り等が
便利である。

塗布厚みについては、特に規定しないが一般的
には導電性塗布層２としては、0.001〜0.1mmの範
囲が好適であり導電性の点からは、厚い方が有利
である。

粘着層としては、0.001〜0.1mmが好適であり、
粘着性の得られる範囲で薄い方が経済的であり、
粘着性塗布層を介して導電性も得やすい。

得られた製品の表面には無用に粘着しないよう
に離形紙などのセパレータを被せることもでき
る。テープとして巻重する場合、巻戻し易くする
ためにフイルム基材１の背面にシリコンなどの背
面処理層を設けてもよい。

以上詳述したように、本考案の導電性粘着テー
プは、取扱いが容易であり複雑形状部にも貼付け
易く、また、導電性塗布層２はフイルム基材１と
粘着性塗布層３に挾まれたサンドイツチ構造とな
つていることから導電性充填剤が腐食し難くシワ
の発生もない。又界面間の強度も化学的に結合さ
れることから、充分な密着性が得られ導電性充填
剤の高充填が可能であり、導電性塗布層と粘着性
塗布層を別にしたので導電性充填剤の高充填が可
能となり高導電性と粘着性を兼ねそろえた導電性
粘着テープの提供が可能になつた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る導電性粘着テープの断面模
式図である。 符号の説明、１……基材フイルム、２……導電
性塗布層、３……粘着性塗布層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プラスチツクフイルム基材表面に、合成樹脂バ
   インダ中に大きさが0.1mm以下の金属系導電性充
   填剤を20〜50体積％含有する導電性塗布層と、金
   属系導電性充填剤を20体積％以下含有する粘着性
   塗布層とを順に設けてなることを特徴とする導電
   性粘着テープ。