JP2001152105A - 異方導電性接着フィルム - Google Patents

異方導電性接着フィルム

Info

Publication number
JP2001152105A
JP2001152105A JP33116799A JP33116799A JP2001152105A JP 2001152105 A JP2001152105 A JP 2001152105A JP 33116799 A JP33116799 A JP 33116799A JP 33116799 A JP33116799 A JP 33116799A JP 2001152105 A JP2001152105 A JP 2001152105A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
anisotropic conductive
conductive adhesive
release
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP33116799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3712334B2 (ja
Inventor
Hiroshi Ito
浩志 伊藤
Masakazu Kawada
政和 川田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP33116799A priority Critical patent/JP3712334B2/ja
Publication of JP2001152105A publication Critical patent/JP2001152105A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3712334B2 publication Critical patent/JP3712334B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電気によるトラブルが無く、且つ接続信頼
性などの接着特性にも問題の無い3層構造の異方導電性
接着フィルムを提供する。 【解決手段】 剥離性フィルム(ベースフィルム)の剥
離面上に異方導電性接着剤層を形成したテープの接着剤
層の上に、別の剥離性フィルム(カバーフィルム)を重
ねた3層構造の異方導電性接着フィルムにおいて、剥離
性フィルム(ベースフィルム)の剥離面がポリシリコー
ン側鎖又はポリオレフィン側鎖を有するアルキド樹脂と
メラミン樹脂との硬化物でコーティングされており、且
つ剥離性フィルム(カバーフィルム)剥離面がフロロア
ルキルシラン化合物でコーティングされており、さらに
それぞれの剥離性フィルムの一方あるいは両方が帯電防
止処理されている異方導電性接着フィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LCD(液晶ディ
スプレイ)とTCP(テープキャリヤパッケージ)との
接続や、TCPとPCB(プリント回路基板)との接続
などの微細な回路同士の電気的接続に使用される異方導
電性接着フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、異方導電性接着剤を用いた微細接
続方法がLCDとTCPやTCPとPCBとの接続など
の各種微細回路接続工程において多用されてきている。
異方導電性接着剤とは、エポキシ樹脂などの各種熱硬化
性樹脂や熱可塑性樹脂などの接着性樹脂中にニッケルや
鉄、コバルトなど金属粒子や表面に金属層を有する合成
樹脂粒子などの導電性粒子を分散したものであり、使用
方法としては、接続したい部材間に異方導電性接着剤を
挟み、加熱加圧することによって接着し、上下の端子間
では電気的導通を得て、面方向の隣接端子間では電気的
絶縁性を保つものである。
【0003】このような異方導電性接着剤にはその製品
形態として液状やペースト状の異方導電性接着剤をシリ
ンジなどの適当な容器に詰めたものや、例えば特開昭6
1−55809号公報に挙げられる様な、可とう性のあ
るフィルム基材上にこの異方導電性接着剤層を形成した
テープ状のものを適当な巻芯に巻き重ねたロール状の異
方導電性接着フィルム巻重体が有る。特に、この異方導
電性接着フィルム巻重体は被着体に対して均一な厚み、
幅で連続的に異方導電性接着剤を供給し、被着体に仮付
けした後、基材フィルムを剥がして異方導電性接着剤の
みを被着体上に残すため、接着接続工程の自動化、接着
精度アップにもつながるという特徴を有する。
【0004】また、より細幅のロールとすることも可能
で、例えばLCDパネルの額縁などのように極めて細幅
の接着面にも対応できる。また、逆に広幅のロールとし
て被着体に対してシートとして供給でき、面積の大きな
被着体や、多数の被着体を一括して接着接続することも
可能である。さらに液状やペースト状の異方導電性接着
剤で懸念される液ダレや糸引きによる被着体やその周辺
部材の汚染の恐れがないという特徴もあるため、現在異
方導電性接着剤の製品形態として主流になっている。
【0005】しかしこのような異方導電性接着フィルム
巻重体では、これまで使用時巻き出しする際に基材フィ
ルム背面に異方導電性接着剤が転着してしまうトラブル
や、被着体上に異方導電接着剤を仮付けする際に基材フ
ィルムから剥がれないトラブルが発生するという問題が
あった。
【0006】このような問題を解決するため、例えば実
開平4−87118号公報に挙げられるようにシリコン
離型処理や粗面処理、プラズマ処理などの各種表面処理
を組み合わせることによって、基材フィルムの異方導電
性接着剤に対する密着性をコントロールすることも提案
された。
【0007】しかし、もともと剥離性の無いポリエチレ
ンテレフタレートなどの基材フィルムに対してシリコン
離型処理などの剥離性処理を施し、表裏の密着性を変え
た場合には、異方導電性接着剤の基材背面への転着トラ
ブルの無いことや基材からの剥離性は良好であるもの
の、剥離剤の耐溶剤性や基材フィルムと剥離剤との密着
性、接着剤の種類などによっては、剥離性能の異常や接
着剤層の表面に剥離剤が移行することによる異方導電性
接着剤の性能低下、被着体の汚染トラブルなどに対する
心配が残るため、どのような剥離性処理を施したもので
も良いという訳には行かず、異方導電性接着フイルムに
最適な剥離性処理を施す必要があった。
【0008】またもともと剥離性のある、例えばフッ素
樹脂製の基材フィルムに対して粗面処理やプラズマ処理
を施し、一方の面の密着性を上げる事で表裏の差を付け
た場合には、異方導電性接着剤に対して密着性が逆に高
くなりすぎて基材フィルムから剥がれない場合があった
り、処理効果が長期間持続しない場合もあるという問題
があった。
【0009】一方、特開平6−103818号公報に挙
げられるような異方導電性接着剤層を2層化し最上層に
基材フィルムとの密着性の低い層を設けるなどの提案も
なされているが、基材フィルム上への塗布工程が2回必
要になり、製造工程の複雑化、コストアップなどの問題
があった。
【0010】一方で、上記のような問題点を比較的簡便
に解決できる方法として、密着性の異なる2種類の剥離
性フィルム(ベースフィルム、カバーフィルム)を用い
て異方導電性接着剤層をサンドイッチした3層構造の製
品形態も提案されている。このような形態は、使用する
際に一方の剥離性フィルムを剥がしながら、異方導電性
接着剤層を被着体に貼り付けてゆくため、異方導電性接
着剤層が使用直前まで異物や被着体以外のものとの接触
から保護されているという利点があるものの、剥離性フ
ィルムを剥がす際に発生する静電気(剥離帯電)によっ
て、LCDパネルの電子部品を破損したり、貼り付け設
備に剥離性フィルムがまとわり付き、設備トラブルを引
き起こすなどの問題があった。
【0011】上記のようなフィルムの剥離帯電によるト
ラブルを防止する方法としては、フィルム基材表面に界
面活性剤など帯電防止材を塗布する方法、フィルム基材
にカーボンなどの導電性フィラーや界面活性剤を練り込
んだフィルムを使用する方法、2枚のフィルムを界面活
性剤を含有する接着剤で貼りあわせる方法などが知られ
ている。しかし3層構造の異方導電フィルム使用時のカ
バーフィルム剥離速度や巻きだし速度、異方導電接着剤
の種類によるカバーフィルムやベースフィルムへの粘着
性変化などによって帯電防止効果が無くなったり、帯電
防止剤の保存性、異方導電性接着剤への影響等の事を考
慮すると単に帯電防止処理されていれば良いというので
はなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
このような問題に鑑みて種々の検討の結果なされたもの
であり、その目的とするところは、LCDとTCPとの
接続や、TCPとPCBとの接続などの微細回路同士の
電気的接続に使用される3層構造の異方導電性接着フィ
ルムにおいて、静電気によるトラブルが無く、且つ接続
信頼性などの接着特性にも問題の無い3層構造の異方導
電性接着フィルムを提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】剥離性フィルム(ベース
フィルム)の剥離面上に異方導電性接着剤層を形成した
テープの接着剤層の上に、別の剥離性フィルム(カバー
フィルム)を重ねた3層構造の異方導電性接着フィルム
において、剥離性フィルム(ベースフィルム)の剥離面
がポリシリコーン側鎖又はポリオレフィン側鎖を有する
アルキド樹脂とメラミン樹脂との硬化物でコーティング
されており、且つ剥離性フィルム(カバーフィルム)の
剥離面がフロロアルキルシラン化合物でコーティングさ
れており、さらにそれぞれの剥離性フィルムの一方ある
いは両方が帯電防止処理されている異方導電性接着フィ
ルム巻重体である。
【0014】更に好ましい形態としては、上記帯電防止
処理が帯電防止剤のコーティングであり、帯電防止剤が
4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤である異方導
電性接着フィルムである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明者らは、鋭意検討を行った
結果、ポリシリコーン側鎖あるいはポリオレフィン側鎖
を有するアルキド樹脂とメラミン樹脂との硬化物でコー
ティングされている剥離性フィルム(ベースフィルム)
が、主鎖がアルキド樹脂とメラミン樹脂との硬化物であ
るためフィルム基材との密着性や耐溶剤性、耐熱性に優
れ、さらに側鎖がポリシリコーンあるいはポリオレフィ
ンであるため異方導電性接着剤に対して適度な剥離性を
有する事から、3層構造の異方導電性接着フィルムに用
いる剥離性フィルム(ベースフィルム)として最適であ
る事を見いだした。
【0016】またフロロアルキルシラン化合物をコーテ
ィングした剥離性フィルム(カバーフィルム)が、フロ
ロアルキルシラン化合物に含有されるフロロアルキルシ
リル基により通常のシリコン離型剤などに比べフィルム
基材との密着性や耐溶剤性、耐熱性、異方導電性接着剤
に対する剥離性に優れるので、3層構造の異方導電性接
着フィルムに用いる剥離性フィルム(カバーフィルム)
として最適である事を見いだした。さらにそれらの剥離
性フィルム(ベースフィルム、カバーフィルム)が帯電
防止処理を施されることによって静電気を防止できるこ
とを見いだした。
【0017】その事により、上記の剥離性フィルム(ベ
ースフィルム、カバーフィルム)を用いることによっ
て、使用時巻き出しする際やカバーフィルムを剥がす際
に発生する静電気によるトラブルや、接続信頼性低下や
接着特性低下の心配の無い、3層構造の異方導電性接着
フィルムの得られることを見いだした。
【0018】本発明に用いられる剥離性フィルム(ベー
スフィルム、カバーフィルム)の基材としては、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリアミド、ポリイミドなどの各種フィルム基材を
用いることができる。また、これらのフィルム基材は透
明性、半透明性、不透明性のいずれも適用可能であり、
着色されているもの、無機あるいは有機フィラーを含有
するもの、さらに予めコロナ処理、プラズマ処理、粗面
化処理など各種表面処理を施されたものも用いることが
可能である。
【0019】フロロアルキルシラン化合物としては、例
えば一般式(1)〜一般式(4)に示されるような分子
中にフロロアルキルシリル基を有する化合物であれば特
に限定されない。
【0020】
【化1】 (式中、m:1〜100の整数、n:1〜100の整
数)
【0021】
【化2】 (式中、m:1〜100の整数、n:1〜100の整
数)
【0022】
【化3】 (式中、n:1〜100の整数)
【0023】
【化4】 (式中、n:1〜100の整数)
【0024】また、フロロアルキルシラン化合物の種類
によっては加熱処理やUV処理、適当な触媒、架橋剤な
どによって硬化させて用いることも可能である。さら
に、剥離性能をコントロールするため、これらフロロア
ルキルシラン化合物と反応性のあるポリシロキサン(例
えば一般式(5)、(6)に示される化合物)をフィル
ム基材との密着性や耐溶剤性、耐熱性、異方導電性接着
剤に対する剥離性が低下しない範囲でブレンドしたり、
フロロアルキルシリル基含有量の異なる化合物を混合し
て用いることも可能である。
【0025】
【化5】 (式中、m:1〜100の整数、n:1〜100の整
数)
【0026】
【化6】 (式中、m:1〜100の整数、n:1〜100の整
数)
【0027】フィルム基材上に塗布する際のコーティン
グ方法や使用する溶剤、コーティング厚なども、使用さ
れるフルオロアルキルシラン化合物の種類や剥離性コン
トロールのため適切なものを選択できる。それらは使用
される異方導電性接着剤やフィルム基材との組み合わせ
によって適切なものを選択できることは言うまでもな
い。さらに、コーティング後フィルムを巻き取る際、別
のフィルムを重ねて巻き取ることでフロロアルキルシラ
ン化合物コーティング面を保護したり、コーティング背
面にフロロアルキルシラン化合物が付着するのを防止す
ることもできる。
【0028】ポリシリコーン側鎖あるいはポリオレフィ
ン側鎖を有するアルキド樹脂とメラミン樹脂との硬化物
は、例えば一般式(7)あるいは一般式(8)に示され
るようなポリシリコーン側鎖あるいはポリオレフィン側
鎖を有するアルキド樹脂とメラミン樹脂とを加熱処理す
ることによって硬化させたものであれば、主鎖の分子量
や側鎖の分子量、側鎖の割合、アルキド樹脂とメラミン
樹脂との比率など特に限定されるものではない。
【0029】
【化7】 (繰返し数pで示される繰返し単位と、繰返し数qで示
される繰返し単位とはランダムでもブロックでもよい。
式中、p:1〜100の整数、q:1〜100の整数、
r:1〜100の整数)
【0030】
【化8】 (繰返し数pで示される繰返し単位と、繰返し数qで示
される繰返し単位とはランダムでもブロックでもよい。
式中、p:1〜100の整数、q:1〜100の整数、
r:1〜100の整数)
【0031】剥離性能をコントロールしたり、耐熱性や
耐溶剤性、フィルム基材との密着性アップを図るため、
主鎖の分子量や側鎖の分子量、側鎖の割合、アルキド樹
脂とメラミン樹脂との比率を変えたり、2種類以上混合
して用いることも可能である。
【0032】本発明に用いられる剥離性フィルムの帯電
防止処理方法としては、フィルム基材表面に界面活性剤
を塗布する方法、導電性を有する無機フィラーや界面活
性剤を練り込むなどの方法があげられるが、フィルム基
材表面に界面活性剤を塗布する方法と導電性を有する無
機フィラーや界面活性剤を練り込むなどの方法とでは、
表面に塗布する方法のほうが帯電防止効果が大きくより
望ましい。
【0033】界面活性剤としては、4級アンモニウム塩
型カチオン界面活性剤(例えば一般式(9)に示される
化合物)、ポリオキシエチレンアルキルアミン型ノニオ
ン界面活性剤(例えば一般式(10)に示される化合
物)、アニオン型界面活性剤(例えば一般式(11)に
示される化合物)などをあげることができるが、中でも
4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤が、耐久性と
帯電防止効果に優れることから、より好適に用いること
ができる。
【化9】
【0034】また、表面に界面活性剤を塗布する場合、
剥離性フィルムの剥離処理の下側に塗布する方法と剥離
処理の裏側に塗布する方法とがあるが、剥離処理の安定
性や帯電防止効果の大きさ、異方導電性接着剤への影響
から剥離性面の裏面へ処理するのがより好ましい。
【0035】本発明の異方導電性接着剤に使用される導
電性粒子としては、例えばNi,Co,Al,Ag,A
u,Cu,Feなどの金属粒子やそれらの合金、あるい
は酸化物を単独あるいは混合して用いることが可能であ
る。また、これら金属をガラスや、合成樹脂の表面にコ
ーティングしたものを用いることもできる。導電粒子の
含有量や粒子の大きさ、使用される粒子の種類は被着体
の回路幅や材質などから、接着後の絶縁性や接続信頼性
などを加味して選択できることは当然である。
【0036】接着性樹脂としては、エポキシ樹脂やポリ
ビニルアセタール樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合体、アクリレート樹脂、スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合
体、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジア
リルフタレート樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹
脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂などが適用可能で
あり単独あるいは2種類以上混合して用いることもでき
る。また、各種粘着付与剤や可塑剤、硬化剤、架橋剤、
分散剤、カップリング剤などを添加して使用することも
できる。
【0037】異方導電フィルムは、フィルム巻重体とす
ることにより、保管、運搬などの取扱が容易になるため
巻重体とされることが多く、本発明の構成は巻重体とし
た場合特に好ましい。フィルム巻重体とする際の巻き芯
の材質はプラスチック製のものが、紙製のものに比べて
異方導電性接着剤に異物が付かないので好ましい。ま
た、巻き長や幅は使用方法を加味して適切なものであれ
ばよく、予め長尺広幅のロールとした後別の巻き芯に細
幅にスリットしながら巻き取って、細幅の異方導電性接
着フィルム巻重体とすることもできる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により説明
する。 (実施例1)一般式(7)に示されるポリシリコーン側
鎖を有するアルキド樹脂(分子量:3000)とメラミ
ン樹脂とを3:1の割合でトルエンに溶解した3%溶液
をポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後樹脂
の重量が1平方メートルあたり約0.2gになるよう塗
布し、150℃で3分間乾燥機を通して加熱硬化して剥
離性フィルム(ベースフィルム)を得た。さらに(1)
式と(2)式に示されるフロロアルキルシラン化合物を
1:1の割合でn−ヘキサンに溶解した2%溶液に白金
触媒0.1%を添加したワニスを、ポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に乾燥後樹脂の重量が1平方メート
ルあたり約0.1gになるよう塗布し、160℃で2分
間乾燥機を通して加熱硬化して剥離性フィルム(カバー
フィルム)を得た。上記ベースフィルム及びカバーフィ
ルムの剥離性面の裏面に一般式(9)に示される4級ア
ンモニウム塩型カチオン界面活性剤(分子量:500)
の1%水溶液を塗布し150℃で3分間加熱乾燥して帯
電防止処理を施した。
【0039】上記ベースフィルムのポリシリコーン側鎖
を有するアルキド樹脂とメラミン樹脂との硬化物がコー
トされている面上に、ビスフェノールA型液状エポキシ
樹脂(エポキシ当量200g/eq)100重量部と2
−メチルイミダゾール20重量部、ポリビニルアセター
ル樹脂(重合度500,アセタール化度70mol%)
70重量部をトルエン中に40重量%溶解した溶液中
に、ポリスチレン粒子の表面にNiを被覆し更にAuを
被覆した平均粒径約10ミクロンの導電粒子を2重量部
分散させた異方導電性接着剤溶液を、乾燥後接着性樹脂
層の厚みが25ミクロンになるよう塗布、加熱乾燥しな
がら塩化ビニール製の巻き芯に上記カバーフィルムと共
に巻き取り、巻重体の形とした3層構造の異方導電性接
着フィルムを得た。
【0040】(実施例2)ベースフィルムを作製する
際、一般式(8)に示されるポリオレフィン側鎖を有す
るアルキド樹脂(分子量:3000)を使用する以外
は、実施例1と同様にして3層構造の異方導電性接着フ
ィルムを得た。
【0041】(実施例3)ベースフィルム及びカバーフ
ィルムの剥離性面の裏面に一般式(10)に示されるノ
ニオン型界面活性剤(分子量:1000)の1%水溶液
を塗布し150℃で3分間加熱乾燥して帯電防止処理を
施す以外は実施例1と同様にして3層構造の異方導電性
接着フィルムを得た。
【0042】(実施例4)ベースフィルム及びカバーフ
ィルムの剥離性面の裏面に一般式(11)に示されるア
ニオン型界面活性剤(分子量:1000)の1%水溶液
を塗布し150℃で3分間加熱乾燥して帯電防止処理を
施す以外は実施例1と同様にして3層構造の異方導電性
接着フィルムを得た。
【0043】(実施例5)カバーフィルムにのみ4級ア
ンモニウム塩型カチオン界面活性剤を用いて帯電防止処
理を施す以外は、実施例1と同様にして3層構造の異方
導電性接着フィルムを得た。
【0044】(実施例6)ベースフィルムにのみ4級ア
ンモニウム塩型カチオン界面活性剤を用いて帯電防止処
理を施す以外は、実施例1と同様にして3層構造の異方
導電性接着フィルムを得た。
【0045】(実施例7)ポリエチレンテレフタレート
フィルム上に一般式(9)に示される4級アンモニウム
塩型カチオン界面活性剤(分子量:500)の1%水溶
液を塗布し150℃で3分間加熱乾燥して帯電防止処理
を施した後、帯電防止処理した面上に1式と2式に示さ
れるフロロアルキルシラン化合物を1:1の割合でn−
ヘキサンに溶解した2%溶液に白金触媒0.1%を添加
したワニスを、ポリエチレンテレフタレートフィルム上
に乾燥後樹脂の重量が1平方メートルあたり約0.1g
になるよう塗布し、160℃で2分間乾燥機を通して加
熱硬化してカバーフィルムを得た後、実施例1と同様に
して3層構造の異方導電性接着フィルムを得た。
【0046】(実施例8)ポリエチレンテレフタレート
フィルム上に一般式(9)に示される4級アンモニウム
塩型カチオン界面活性剤1%水溶液を塗布し150℃で
3分間加熱乾燥して帯電防止処理を施した後、帯電防止
処理した面上に一般式(7)に示されるポリシリコーン
側鎖を有するアルキド樹脂とメラミン樹脂とを3:1の
割合でトルエンに溶解した3%溶液を乾燥後樹脂の重量
が1平方メートルあたり約0.2gになるよう塗布し、
150℃で3分間乾燥機を通して加熱硬化してベースフ
ィルムを得た後、実施例1と同様にして3層構造の異方
導電性接着フィルムを得た。
【0047】(比較例1)カバーフィルムを作製する
際、フィルム基材の片側にフロロアルキルシラン化合物
をコートしない事以外は、実施例1と同様にして異方導
電性接着フィルムを得た。 (比較例2)ベースフィルムを作製する際、ポリシリコ
ーン側鎖を有するアルキド樹脂とメラミン樹脂とを塗布
しない事以外は、実施例1と同様にして異方導電性接着
フィルムを得た。
【0048】(比較例3)カバーフィルムを作製する
際、フロロアルキルシラン化合物の代わりに一般式
(5)と一般式(6)に示されるシリコーン樹脂(各分
子量:1000)を1:1の割合で使用したこと以外は
実施例1と同様にして異方導電性接着フィルムを得た。
【0049】(比較例4)ベースフィルム及びカバーフ
ィルムを作製する際、帯電防止処理を施さない事以外
は、実施例1と同様にして異方導電性接着フィルムを得
た。
【0050】<評価方法の説明> (帯電性評価方法)異方導電性フィルムの巻重体の巻き
芯を軸に通し、カバーフィルムの端部を持って勢い良く
ひっぱり出し、何ら問題無いものを〇、カバーフィルム
やベースフィルムがやや帯電して設備周辺に引付けられ
る傾向が見られるものを△、カバーフィルムやベースフ
ィルムが完全に帯電して設備周辺にまとわり付くものを
×とした。 (保存後帯電性評価方法)異方導電性フィルムの巻重体
を30℃90%、3ヶ月放置後、巻き芯を軸に通し、カ
バーフィルムの端部を持って勢い良くひっぱり出し、何
ら問題無いものを〇、カバーフィルムやベースフィルム
がやや帯電して設備周辺に引付けられる傾向が見られる
ものを△、カバーフィルムやベースフィルムが完全に帯
電して設備周辺にまとわり付くものを×とした。
【0051】(巻き出し性評価方法)異方導電性フィル
ムの巻重体の巻き芯を軸に通し、カバーフィルムの端部
を持って勢い良くひっぱり出し、何ら問題無いものを
〇、接着性樹脂がフィルム基材から剥がれたり、カバー
フィルム背面に転着するものを×とした。 (仮付け性評価方法)厚さ1.1mmのガラス上に、異
方導電フィルムの巻重体から2mm幅にカットしたもの
をのせ、温度70℃、圧力5kg/cm2で、2秒間加
熱加圧して貼り付けた後、両面剥離性フィルム基材端部
をピンセットでつまみ上げた。フィルム基材のみ剥がれ
たものを〇、接着性樹脂ごと剥がれたものを×とした。
【0052】(接着強度、接続信頼性評価サンプルの作
製)銅箔/ポリイミド=25/75μmに0.4μmの
錫メッキを施したTCP(ピッチ0.10mm、端子数
200本)とシート抵抗値30Ωのインジウム/錫酸化
物皮膜を全面に形成した厚さ1.1mmのガラス(以下
ITOガラス)との間に、異方導電フィルム巻重体から
2mm幅にカットし、フィルム基材から剥がした接着性
樹脂を挟み、温度180℃、圧力30kg/cm2、2
0秒間の条件で加熱加圧接着し、評価サンプルを作製し
た。
【0053】(接着強度測定方法)得られた評価サンプ
ルをテンシロンを用いて、引っ張り速度50mm/分で
90゜剥離し、接着強度を求めた。 (接続信頼性評価方法)評価サンプル作製直後および温
度85℃、湿度85%、100時間放置後の隣接端子間
の接続抵抗を測定した。また測定できないものを導通不
良(OPEN)とした。
【0054】以上の実施例、比較例の評価結果を表1に
示す。
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、従来の剥離性フィルム
(ベースフィルム)の剥離面上に異方導電性接着剤層を
形成したテープの接着剤層の上に、別の剥離性フィルム
(カバーフィルム)を重ねた3層構造のテープを巻き芯
に多重巻き重ねた異方導電性接着フィルムにおいて発生
していた、使用時巻き出しする際やカバーフィルムを剥
がす際に発生する静電気によるトラブルや、カバーフィ
ルムへの異方導電性接着剤の転着トラブル、被着体上に
異方導電接着剤を仮付けする際にベースフィルムから剥
がれないというトラブル、接続信頼性の低下や接着特性
の低下などの問題の無い、異方導電性接着フィルムを提
供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剥離性フィルム(ベースフィルム)の剥
    離面上に異方導電性接着剤層を形成したテープの接着剤
    層の上に、別の剥離性フィルム(カバーフィルム)を重
    ねた3層構造の異方導電性接着フィルムにおいて、剥離
    性フィルム(ベースフィルム)の剥離面がポリシリコー
    ン側鎖又はポリオレフィン側鎖を有するアルキド樹脂と
    メラミン樹脂との硬化物でコーティングされており、且
    つ剥離性フィルム(カバーフィルム)の剥離面がフロロ
    アルキルシラン化合物でコーティングされており、さら
    にそれぞれの剥離性フィルムの一方あるいは両方が帯電
    防止処理されていることを特徴とする異方導電性接着フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】 該帯電防止処理が帯電防止剤のコーティ
    ングである請求項1記載の異方導電性接着フィルム。
  3. 【請求項3】 該帯電防止剤が4級アンモニウム塩型カ
    チオン界面活性剤である請求項1または2記載の異方導
    電性接着フィルム。
JP33116799A 1999-11-22 1999-11-22 異方導電性接着フィルム Expired - Fee Related JP3712334B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33116799A JP3712334B2 (ja) 1999-11-22 1999-11-22 異方導電性接着フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33116799A JP3712334B2 (ja) 1999-11-22 1999-11-22 異方導電性接着フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001152105A true JP2001152105A (ja) 2001-06-05
JP3712334B2 JP3712334B2 (ja) 2005-11-02

Family

ID=18240644

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33116799A Expired - Fee Related JP3712334B2 (ja) 1999-11-22 1999-11-22 異方導電性接着フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3712334B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002047476A (ja) * 2000-07-31 2002-02-12 Hitachi Kasei Polymer Co Ltd 剥離剤組成物及び剥離材
WO2004050782A1 (de) * 2002-12-04 2004-06-17 Tesa Ag Antistatisches haftklebeband
JP2005329656A (ja) * 2004-05-21 2005-12-02 Sony Chem Corp 接着フィルム、接着剤付き基板の製造方法、及び接着フィルムの製造方法
JP2006321941A (ja) * 2005-05-20 2006-11-30 Hitachi Chem Co Ltd 電子材料用接着フィルム
CN113832471A (zh) * 2021-09-26 2021-12-24 苏州至绒新能源科技有限公司 一种用于快速剥离聚酰亚胺薄膜的清洗剂及其应用

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102559091B (zh) * 2011-12-29 2013-10-16 四川虹欧显示器件有限公司 各向异性导电胶、导电膜及其制备方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002047476A (ja) * 2000-07-31 2002-02-12 Hitachi Kasei Polymer Co Ltd 剥離剤組成物及び剥離材
WO2004050782A1 (de) * 2002-12-04 2004-06-17 Tesa Ag Antistatisches haftklebeband
JP2005329656A (ja) * 2004-05-21 2005-12-02 Sony Chem Corp 接着フィルム、接着剤付き基板の製造方法、及び接着フィルムの製造方法
JP2006321941A (ja) * 2005-05-20 2006-11-30 Hitachi Chem Co Ltd 電子材料用接着フィルム
CN113832471A (zh) * 2021-09-26 2021-12-24 苏州至绒新能源科技有限公司 一种用于快速剥离聚酰亚胺薄膜的清洗剂及其应用
CN113832471B (zh) * 2021-09-26 2024-03-08 苏州至绒新能源科技有限公司 一种用于快速剥离聚酰亚胺薄膜的清洗剂及其应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP3712334B2 (ja) 2005-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6036694B2 (ja) 接着材リール、ブロッキング抑制方法、接着材リールの交換方法、接着材テープの繰出し方法、接着材リールの製造方法、リールキット、及び梱包体
WO2005054388A1 (ja) 異方導電性接着シート及び接続構造体
WO2010110094A1 (ja) 接着材リール
JP5996241B2 (ja) 接着フィルムの貼着装置、接着フィルムの貼着方法、及び接続構造体
CN104403589B (zh) 粘接材料卷轴
TWI321868B (ja)
TWI575050B (zh) 用於封裝電子組件之熱密封覆蓋膜
JP2001284005A (ja) 異方導電材テープ
WO2005068573A1 (ja) 接着フィルム、接着フィルムの製造方法
JP3503735B2 (ja) 異方導電性接着フィルム巻重体
JP3712334B2 (ja) 異方導電性接着フィルム
JPH11165762A (ja) チップ体搬送用カバーテープおよび封止構造体
JP2007224111A (ja) 異方導電性接着シート及びその製造方法
JP4147614B2 (ja) 接着剤層を有する巻重体
JP3680669B2 (ja) 多層異方性導電膜積層体
JP4994653B2 (ja) 異方導電性接着シート
JP2004202738A (ja) 接着材テープの接続方法
WO2012121292A1 (ja) 回路接続用テープ、接着剤リール、積層テープの回路接続材料としての使用、積層テープの回路接続材料の製造のための使用及び回路接続体の製造方法
JP6640538B2 (ja) フィルム巻装体、及びフィルム巻装体の製造方法
JPS6155809A (ja) 導電性接着フイルム巻重体
JP3029891B2 (ja) 耐熱カバーテープ
JP2001341239A (ja) 帯電防止フィルム及び該帯電防止フィルムを用いた粘着テープ又はシート用剥離フィルム並びに粘着テープ又はシート
JP4844661B2 (ja) 異方導電材テープ
JP4835548B2 (ja) 接着剤層を有する巻重体
JP4941217B2 (ja) 接着剤層を有する巻重体

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050816

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050816

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees