JP3029891B2 - 耐熱カバーテープ - Google Patents

耐熱カバーテープ

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JP3029891B2
JP3029891B2 JP3238814A JP23881491A JP3029891B2 JP 3029891 B2 JP3029891 B2 JP 3029891B2 JP 3238814 A JP3238814 A JP 3238814A JP 23881491 A JP23881491 A JP 23881491A JP 3029891 B2 JP3029891 B2 JP 3029891B2
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博行 伊田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種小型電子部品、精密
部品およびICなどの表面実装部品、とりわけICなど
の静電破壊され易く、封止樹脂などによりパッケージさ
れ、表面実装の前に封止樹脂の吸水を加熱処理によって
低減させる必要のある能動電子部品を収納、搬送するキ
ャリアテープの蓋となる耐熱カバーテープに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報や通信およびOA機器の高度
化に伴い、電子部品の性能向上が急激に進められ、情報
処理速度と処理量の増加が図られ、この市場要求に基づ
き、電子部品の高密度実装化が進められている。高密度
実装化は半導体素子の高集積化、小型・薄型パッケージ
化とこれらパッケージ素子の基板ヘの高密度実装、特に
は表面実装技術(Surface Mount Technology;SMT)
により推進され、着実に成果を収めている。半導体素子
の高集積化は、半導体メモリーに代表されるように急速
に進展しており、同時にパッケージの小型化、薄型化も
従来の厚さ3mm程度のSingle Outline Package(SO
P)から、厚さ1mm程度のThin SingleOutline Packa
ge (TSOP)ヘと変化し、さらにはTape Automatic
Bonding(TAB)に代表されるように、薄型化、小型
化が進んでいる。
【0003】しかして、SMTにおいては、これら薄型
化、小型化されたパッケージ部品、特にはICなどを、
所定の接続部にハンダペーストをスクリーン印刷したプ
リント基板に自動実装機を使用して搭載した後、基板全
体をハンダの融点以上である250℃程度の温度に加熱
し(以下リフロー工程と称す)、ハンダを溶融させてI
Cなどのリード端子と基板電極とを接続する。このた
め、IC等の樹脂封止された表面実装部品も上記の高温
にさらされることとなり、封止樹脂が0.05%以上の
吸水率を有すると、リフロー工程において、LSIチッ
プを封止したパッケージ部品内部の水分が急激に気化
し、パッケージ部品の内部圧力が高まりパッケージクラ
ックを生じ、ICの信頼性を低下させたり、最悪の場合
は動作不能となり、製品の歩留まりが大幅に低下すると
いう問題を有していた。
【0004】これらリフロー工程におけるパッケージク
ラックの発生を防止するために、封止樹脂の吸水率を低
下させる目的で、パッケージ部品を基板に搭載する前に
105℃以上の温度で24〜48時間程度の加熱処理
(以下ベーキングと称す)を従来実施している。このベ
ーキングは、従来上記のベーキング条件に耐え得る耐熱
性金属または樹脂製のトレーにパッケージされた電子部
品を整列、収納した状態でオーブン等の中に所定の時間
投入して実施される。しかしながら、これらトレーによ
る処理方法には、一枚当たりの搭載個数が少なく、取
り扱いが繁雑である、収納された部品の位置精度がキ
ャリアテープの場合に比べて劣り、自動実装で不具合が
生じ易いなどの問題があるので、電子部品収納した状態
でベーキング可能なキャリアテープの実現が嘱望されて
いる。
【0005】従来のキャリアテープ用カバーテープとし
ては、厚さ10〜50μmの二軸延伸ポリエステルフィ
ルムまたはポリエステル/ポリオレフィンの2層共押し
出しフィルムをベースフィルムとし、該ベースフィルム
に易開封性接着剤層として、スチレン−ブタジエン−ス
チレンブロック共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂単体もしくはこれにポリブテンを配合したもの、
ナイロン(商品名)樹脂、ポリウレタン樹脂などを10
〜30μmの厚みに、フィルム積層法かコーティング法
によって形成したものが広く用いられている。
【0006】このカバーテープは、帯電防止または導電
性樹脂シートにキャビティを連続的に形成したキャリア
テープに、パッケージされた各電子部品(以下収納部品
と称す)を収納後、蓋をするように載せられ、その両端
をキャリアテープにヒートシール接着するもので、収
納、搬送時に収納部品の脱落を防止するが、自動実装機
による部品実装時にはキャリアテープ本体より剥離除去
されるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
のカバーテープにはポリエステルフィルム等のベースフ
ィルムを使用するが、一般の二軸延伸のポリエステルフ
ィルムの熱収縮率は105℃−30分間の加熱により
0.7%以上であるため、上記のベーキング処理を実施
するとポリエステルフィルムが熱収縮し、キャリアテー
プに貼付したものがカバーテープ側に大きくカールし、
収縮が大きいとカバーテープがキャリアテープから剥離
してしまうという問題があった。
【0008】また従来のカバーテープにはベースフィル
ムの片面全面にヒートシール接着剤層を設けたために、
ベーキング処理を実施すると、キャビティ内部の収納部
品が該ヒートシール接着剤層に接着し、自動実装時にカ
バーテープを剥離すると、カバーテープに収納部品が接
着しているため自動実装ができないと同時に、収納部品
にヒートシール接着剤が付着して汚してしまうという問
題があった。更に、従来のカバーテープ1は図2(a)
に示すように、キャリアテープ2のキャビティ3に収納
部品4を収納し、キャリアテープ2の流れ方向に沿って
キャビティ3の両サイドをシールヘッド5によりシール
しているため、これをベーキングすると(b)に示すよ
うに、キャリアテープ2に面しているヒートシールされ
ていない部分6のベースフィルム7上のヒートシール接
着剤層8もキャリアテープ2に接着するので、剥離強度
がいちじるしく大きくなり、カバーテープ1を剥離しよ
うとすると破断するという問題があった。
【0009】また、実開平2−34469号公報に記載
されているように、ガラス転移点が90℃以上の耐熱性
の高い接着剤等を用いた場合は、ベーキングしても上記
したような間題は少なくなるものの、耐熱性を上げたた
めに実際にキャリアテープにヒートシールする温度がい
ちじるしく高くなり、ヒートシール接着剤層が接着可能
な温度に到達するまでの加熱時間が長く、シール速度が
遅くなるという問題がある。さらに、自動実装でカバー
テープを剥離する環境温度が室温であって、ヒートシー
ル樹脂のガラス転移点以下である(実開平3−3877
6号公報参照)ことから、カバーテープを剥離すると大
きな剥離強度のばらつきを生じてベースフィルムが破断
したり、キャビティ内部の収納部品がキャビティより飛
び出してしまうなどの問題があり、ベーキング可能なカ
バーテープが得られないのが現状である。
【0010】よって本発明は、ベ−キング処理してもベ
ースフィルムの熱収縮によりカバーテープがキャリアテ
ープ本体より剥離したり、カールしたりすることがな
く、収納部品がカバーテープに付着したり、汚された
り、更には剥離強度がいちじるしく上昇することがな
く、かつカバーテープのシール速度を従来より速くする
ことができ、さらには剥離強度のバラツキがいちじるし
く小さい耐熱カバーテープを提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる問題
を解決するために、カバーテープの材質、構成および接
着剤等について種々検討した結果、電子部品を収納する
多数個のキャビティをもつキャリアテープに貼付される
カバーテープにおいて、105℃−30分間の熱処理に
おける収縮率が0.5%以下、可視光線透過率が50%
以上である透明ベースフィルムの一面に常温粘着性樹脂
層が形成され、該粘着性樹脂層の表面に、該キャビティ
の幅より広くかつ該透明ベースフィルムの幅よりも狭
く、可視光線透過率が50%以上の透明マスクフィルム
を貼付したことを特徴とし、該透明マスクフィルム及び
透明ベースフィルムの少なくとも一方が帯電防止処理さ
れており、該帯電防止処理が透明帯電防止剤を塗工する
ものであり、該常温粘着性樹脂層の剥離強度が105℃
以上の温度の熱処理をしても、5〜100gf/mmで
あることを特徴とする耐熱カバーテープとすればよいこ
とを見出し本発明を完成させた。
【0012】以下本発明を図1を用いて詳細に説明す
る。本発明に使用される透明ベースフィルム11は、上
記のベーキング処理にて熱収縮すると、耐熱カバーテー
プ12を貼付したキャリアテープ2が耐熱カバーテープ
12側にカールし、さらに収縮がいちじるしいと粘着性
樹脂層13が剥離してしまい、キャビティ3内部の電子
部品4が粘着性樹脂層13に付着したり、キャビティ3
より飛び出してしまうという問題が生じる。したがって
この透明ベースフィルム11としては、105℃−30
分間の熱処理における収縮率が0.5%以下、好ましく
は0.3%以下の耐熱性を有し、さらにキャビティ3内
部の収納部品4のマーキングや収納方向等を耐熱カバー
テープ12を通して確認するため、ベースフィルム11
は透明である必要があり、よって可視光線透過率が50
%以上であることを要する。
【0013】これらの条件を満足する透明ベースフィル
ム11は、材質が結晶性の樹脂である場合は、十分な加
熱により結晶化度を上げて上記の収縮率以下とすればよ
い。材質が非晶性の樹脂である場合は、結晶化度による
収縮率の変化がないので、上記の収縮率を満足するもの
であればよい。このような透明ベースフィルムとして
は、結晶化度を上げた低収縮ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリプチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイ
ドなどの結晶性材料およびポリカーボネート、ポリアリ
レート、ポリイミド、ポリエーテルサルホン、ポリサル
ホン、アラミド樹脂、ポリパラバン酸樹脂、ポリアミド
樹脂等の非晶性材料の単体もしくは2種以上の複合樹
脂、および各材質の単体フィルムを積層した複合フィル
ム等が例示される。
【0014】これら透明ベースフィルムの厚みは、厚す
ぎるとコストが高くなるし、薄すぎるとキャリアテープ
2への張り込み工程においてしわ等が発生し、取り扱い
が難しくなるので、厚みは12〜200μmの範囲、好
ましくは20〜150μmの範囲とすればよい。
【0015】本発明の耐熱カバーテープ12は、透明ベ
ースフィルム11の一面に常温粘着性樹脂層13を形成
する必要があるが、この粘着性樹脂層の剥離強度が5g
f/mmより小になると、耐熱カバーテープ12を、収
納部品が収納されたキャリアテープ2に貼付した場合、
収納部品の重さや運搬中の振動などで耐熱カバーテープ
12がキャリアテープ2より剥離してしまうおそれがあ
る。またこの剥離強度が100gf/mmより大になる
と、大き過ぎて剥離が困難になるとともに、最悪の場合
は透明ベースフィルム11が破断するおそれがあるの
で、常温で5〜100gf/mmの範囲とするのがよ
い。さらに本発明の耐熱カバーテープ12はベーキング
処理する必要があるので、105℃以上の温度における
熱処理によって剥離強度が上記5〜100gf/mmの
範囲内にあるような耐熱性を有するものであればよい。
またこの粘着性樹脂層13は、上記ベースフィルムと同
様にこれを通してマーキングなどを確認する必要がある
ので、可視光線透過率が50%以上であることが好まし
い。
【0016】かかる特性を有する耐熱性の粘着性樹脂層
剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコ
ーン系粘着剤の単体および2種以上の混合粘着剤が例示
されるが、粘着力を調整したり耐熱性を向上させる目的
で、各種のフィラーや硬化剤、更には収納部品の静電破
壊を防止する目的で帯電防止剤などの各種添加剤をこれ
ら粘着剤中に配合することは任意とされる。
【0017】粘着性樹脂層13を形成する方法として
は、従来より公知の方法を用いればよく、具体的には溶
融押出により透明ベースフィルム上に形成する溶融押出
法、さらに溶剤に溶解している粘着剤を透明ベースフィ
ルムに塗る公知の塗工方法、例えばダイレクトグラビア
コーター、オフセットグラビアコーター、リバースコー
ター、コンマコーター、エアナイフコーター、メイアー
バーコーター等の方法を用いてコーティングし、加熱し
て溶剤を飛散させると同時に、粘着剤が熱硬化性のもの
であれば硬化させてもよいし、溶剤を飛散させた後に硬
化させてもよい。また、透明ベースフィルムが耐溶剤性
のないフィルムである場合は、粘着性樹脂層を転写フィ
ルム上に上記の塗工方法を用いて塗工、乾燥し、これを
透明ベースフィルムに転写して形成してもよい。
【0018】粘着性樹脂層の厚みは、薄すぎると十分な
粘着力を得ることができないし、逆に厚すぎるとコスト
が高くつくという問題と同時に、これをキャリアテープ
に貼付した場合、粘着性樹脂層がベースフィルムの端部
よりはみ出してしまうデラミ現象を起こすことから、1
〜50μmの範囲、好ましくは3〜30μmの範囲とす
ればよい。この粘着性樹脂層を形成するにあたり、上記
透明ベースフィルムと粘着性樹脂層との接着性を向上す
るために、透明ベースフィルムをコロナ処理などした
り、プライマーなどの処理をすることは任意とされる。
さらに粘着性樹脂層を形成する面のもう一方の面に、巻
物状とするために粘着剤によって巻だしが不可能になら
ないように離形処理することなども任意とされる。
【0019】本発明は、このようにして得られた粘着性
樹脂層を有する透明ベースフィルム11の粘着面に、キ
ャリアテープ2のキャビティ3の幅より広くかつ透明ベ
ースフィルム11の幅より狭い幅を有し、可視光線透過
率が50%以上の透明プラスチックよりなるマスクフィ
ルム14を図1に示すように貼付する。この張り込み用
のマスクフィルム14は、上記した透明透明ベースフィ
ルム11と同様の特性を有すればよく、材質は上記に例
示した材料から選択すればよい。また、その厚みが透明
ベースフィルム11の50%以下である場合には、10
5℃−30分間の熱処理における熱収縮が0.5%以上
であっても、透明ベースフィルム11の厚みに対し1.
0%以下の熱収縮となるから使用できる。また105℃
以上のベーキング条件において粘着性をおびることのな
いマスクフィルムであれば使用できることはもちろんで
ある。
【0020】マスクフィルム14に使用するプラスチッ
クは、透明ベースフィルムと同様の透明耐熱性を有する
ことが好ましい。さらに厚みは、薄すぎると張り込み作
業が非常に困難になるし、厚すぎると本発明の耐熱カバ
ーテープをキャリアテープに貼付した場合、マスクフィ
ルムがスペーサーとなり、粘着部の幅が不均一になって
剥離強度がばらつくと同時に、最悪の場合マスクフィル
ムの反発力により耐熱カバーテープがキャリアテープよ
り剥離するおそれがあるので、該マスクフィルムの厚み
は3〜50μm、好ましくは9〜30μmとすればよ
い。また、マスクフィルムの幅はキャリアテープのキャ
ビティの幅より狭いと、キャビティ内部の収納部品が粘
着剤に接触して粘着してしまうおそれがあるし、透明ベ
ースフィルムの幅より大きいとキャリアテープに貼付す
る粘着部がなくなるので、上記したようにキャリアテー
プのキャビティの幅より広くかつ透明ベースフィルムの
幅より狭い幅にするのであるが、使用する粘着剤の剥離
強度を考慮して、耐熱カバーテープ全体の剥離強度が1
0〜70gf/mmになるようにマスクフィルムの幅を
設定する。
【0021】また、マスクフィルムを粘着性樹脂層に張
り込む位置としては、両端の露出している粘着性樹脂層
の幅が極端に異なると、剥離時にキャリアテープが蛇行
するおそれがあり、自動実装においてトラブルの原因と
なるので透明ベースフィルムのほぼ中央とすればよい。
更に、このマスクフィルムを張り込む方法としては、透
明ベースフィルムとマスクフィルムの位置を合わせた
後、ラミネーターを使用して張り合わせを実施すればよ
く、この際加熱等を実施することは任意とされる。
【0022】以上によって本発明の耐熱カバーテープは
得られるが、その製造工程および使用工程で巻き出し、
巻き取りが数回行われると同時に、キャリアテープより
剥離されるため、剥離時に電荷の移動が生じ、耐熱カバ
ーテープ自体が帯電し易い。帯電した場合にはキャリア
テープから耐熱カバーテープを剥離する際に、収納部品
が耐熱カバーテープ側に静電付着し該キャリアテープの
キャビティより脱落したり、位置がずれたりして自動実
装が困難になるという問題や、相補型MOS−IC、ト
ランジスタ、トランジスタ・ロジック、電界効果型MO
S−トランジスタ、バイポーラトランジスタ、ショット
キダイオード等の静電気に弱い半導体素子(一般に能動
部品と称する)は、帯電した耐熱カバーテープに接触し
た場合、放電により静電破壊してしまうという問題を生
じるおそれがある。
【0023】よって、本発明の耐熱カバーテープも帯電
防止処理を施すことが好ましく、必要とされる表面抵抗
としては109 Ω以下、好ましくは107 Ω以下とすれ
ばよい。この帯電防止膜を設ける位置としては、マスク
フィルムのキャビティ側の面、もしくは透明ベースフィ
ルムに貼付した粘着性樹脂層の反対面の少なくとも一方
に実施すればよい。図1には両者に帯耐防止膜15を設
けた例を示す。
【0024】これら帯電防止処理を実施する方法として
は、従来公知の方法を使用することが可能であるが、上
記したようにキャビティ内部の収納部品のマーキング等
を確認するために、この帯電防止も透明性を有すること
が必要であり、これら透明な帯電防止処理としては、金
属や金属酸化物を表面に蒸着したり、透明帯電防止剤や
透明導電性塗料を表面にコーティングして塗膜を形成す
る方法が例示される。しかして、コストの観点から、透
明な帯電防止剤や透明導電性塗料を塗工するのが好まし
く、このようなものとしては、有機溶剤に溶解したバイ
ンダー樹脂中に有機導電体である7,7,8,8,−テ
トラシアノキノジメタン錯体(以下TCNQ錯体と称
す)を溶解させたものや、酸化錫系化合物粉末や酸化イ
ンジウム化合物粉末を分散したものなどが好ましい。ま
た、これらの透明帯電防止剤や透明導電性塗料を塗工す
る方法としては、従来公知の方法を使用すればよく、塗
膜の厚みは厚すぎると透明性が低下すると同時にコスト
も高くつくので、上記の必要な表面抵抗が得られる可能
な限り薄い膜厚を適宜選択すればよい。具体的には0.
1〜5μmの範囲、好ましくは0.2〜2μmとする。
【0025】
【実施例】
(実施例1)透明ベースフィルムとして、105℃−3
0分間の熱処理における熱収縮が0.3%以下のポリア
リレートフィルム『エンプレートU1』(ユニチカ
(株)製、商品名)25μmを使用し、この片面全面に
シリコーン系粘着剤『KR−120』(信越化学工業
(株)製、商品名)100重量部にベンゾイルパーオキ
サイド(BPO)1.2重量部を添加した粘着剤塗工液
を、コンマコーターを使用して150℃−15分の乾
燥、硬化により乾燥膜厚が25μmになるように塗工
し、粘着性樹脂層を形成した。ついで、ガラス転移点9
0℃、環球法軟化点185℃の飽和共重合ポリエステル
30重量部を、メチルエチルケトン/トルエン(50/
50)の混合溶剤70重量部に高速ディスパーサーを用
いて溶解し、固形分30重量%のバインダー樹脂溶液を
調整した。
【0026】このバインダー樹脂溶液30重量部に、以
下の工程にて製造されたアンチモンドープの酸化スズ化
合物微粉末を30重量部、メチルエチルケトン/トルエ
ン=1/1の混合溶剤240重量部を配合した後、ディ
スパーサーを用いて撹拌後、サンドミル処理を行って分
散を完全なものとし、固形分13.0%で粘度200c
pの透明導電性インクを調整した。
【0027】上記アンチモンドープ酸化スズ化合物微粉
末は、スズ酸カリウム300gと酒石酸アンチモニルカ
リウム36.0gを蒸留水664gに溶解し、ついでこ
の水溶液を45℃に調整された容量2リットルの蒸留水
に撹拌および超音波を印加しながら添加し、該温度調節
された水浴のPHを8.5になるように硝酸を添加しな
がら加水分解により導電性粒子が分散したゾル液を調整
した後、これを濾過して濾紙上に残ったものを蒸留水で
洗浄し、得られた粒子を乾燥してから空気中にて200
℃から600℃まで4時間かけて昇温し、さらに650
℃で2時間焼成して作製した。これは平均粒径0.17
μm、90%までの粒子が3.3μm以内であった。
【0028】ついでマスクフィルムとして、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(収縮率0.8%)12μm
の片面全面に、上記透明導電性インク100重量部に対
して、イソシアネート系硬化剤「CAT−10」(東洋
モートン(株)製、商品名)1.0重量部を添加、撹拌
したものを、線数200メッシュ、深度25μmのグラ
ビア版をグラビアコーターに設置し、コーティング・乾
燥し、その後、40℃にて3日間エージングを実施し
た。得られた乾燥塗膜の厚さは0.2μmで、この透明
導電性塗膜にDC100Vを印加して表面抵抗を測定し
たところ、単位面積当たり平均5.0×106 Ω、最大
6.0×106 Ω、最小4.5×106 Ωであって非常
に安定しており、その可視光線透過率は82%、ヘイズ
は10以下であった。
【0029】ついで、上記粘着性樹脂層を形成したポリ
アリレートフィルムを、幅21.5mmにスリットし、
また上記で得られたマスクフィルムを幅20.0mmに
スリットし、マスクフィルムの未塗工面を、マスクフィ
ルムが該粘着性樹脂層の中央にくるように位置合わせを
しながらラミネーターを用いて貼付し、本発明の耐熱カ
バーテープを作製した。この得られた耐熱カバーテープ
の可視光線透過率は75%、ヘイズは10で良好な透明
性を有していた。
【0030】ついで、得られた耐熱カバーテープをベー
キング可能なキャリアテープ『耐熱キャリアテープ』
(信越ポリマー(株)製、商品名)にテーピングマシン
『モデルMET−100A』(ホープ精機(株)製、商
品名)を用いてシールヘッド温度l50℃、60ショッ
ト/分の速度で貼付し、l05℃−48時間のベーキン
グ前後における剥離強度の変化を測定した結果、剥離速
度300mm/min、剥離角度l80゜の条件におい
て、ベーキング前の段階では37gf/mm、ベーキン
グ後の段階では55gf/mmと良好な剥離強度を示し
た。さらに、上記の耐熱キャリアテープの内部にTSO
P−28ピンのパッケージされたICを収納し、実使用
テストを実施したところ、ICの静電破壊は全くなく、
ICが耐熱カバーテープに粘着してしまう問題も全くみ
られなかった。
【0031】(実施例2) 透明ベースフィルムとして、l05℃−30分間の熱処
理における熱収縮が0.3%以下のポリカーボネートフ
ィルム30μmを使用した。ついで、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム50μmの片面全面に、シリコーン
離型剤を塗工し、硬化させた離型フィルムに後記するア
クリル系粘着剤をコンマコーターを使用して、l50℃
−5分の乾燥で膜厚が25μmになるよう塗工した。な
おここで用いたアクリル系粘着剤は、以下のように調整
したものである。すなわち酢酸エチル400gとn−ブ
チルアクリレート177.0g、エチルメタクリレート
17.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5.
0g、アクリル酸1.0g、ベンゾイルパーオキサイド
(触媒)0.4gを、反応系内をN2 ガス置換して80
℃、6時間重合反応させた。重量平均分子量は5090
00であった。得られたアクリルポリマー40重量部
(固形分比)、アクリルゴム「PS220(東亜ペイン
ト(株)製、商品名)200重量部、イソシアネート系
硬化剤「コロネートL」(日本ポリウレタン工業(株)
製、商品名)7.2重量部をトルエンで固形分25%に
なるよう攪拌混合したものである。
【0032】ついで、上記透明ベースフィルムを貼り合
わせ、50℃にて48時間硬化させて、粘着性樹脂層を
透明ベースフィルムに転写した。このようにして粘着性
樹脂層を形成した透明ベースフィルムを、幅21.5m
mにスリットし、また実施例lで作製したマスクフィル
ムを幅20.0mmにスリットし、マスクフィルムの未
塗工面を、マスクフィルムが粘着性樹脂層の中央にくる
ように位置合わせをしながらラミネーターを用いて貼付
し、本発明の耐熱カバーテープを作製した。この得られ
た耐熱カバーテープの可視光線透過率は80%、ヘイズ
は10以下で良好な透明性を有していた。
【0033】ついで、得られた耐熱カバーテープをベー
キング可能なキャリアテープ『耐熱キャリアテープ』
(信越ポリマー(株)製、商品名)にテーピングマシン
『モデルMET−100A』(ホープ精機(株)製、商
品名)を用い、シールヘッド温度150℃で60ショッ
ト/分の速度で貼付し、105℃−48時間のベ−キン
グ前後における剥離強度の変化を測定した結果、剥離速
度300mm/min、剥離角度180゜の条件におい
て、ベーキング前の段階では35gf/mm、ベーキン
グ後の段階では60gf/mmと良好な剥離強度を示し
た。さらに、上記の耐熱キャリアテープの内部にTSO
P−28ピンのパッケージされたICを収納し、実使用
テストを実施したところ、ICの静電破壊は全くなく、
ICが耐熱カバーテープに粘着する間題も全くみられな
かった。
【0034】
【発明の効果】本発明の耐熱カバーテープは、熱収縮に
よるキャリアテープからの剥離やカールの発生が少な
く、加熱処理しても、収納部品が耐熱カバーテープに付
着することが全くなく、加熱処理の前後においても耐熱
カバーテープの剥離強度に大きな変化がなく安定してい
る。さらには帯電防止処理または導電性を付与すること
によって収納部品の静電破壊を防止することができるこ
とから、樹脂封止された各種収納部品、特にはパッケー
ジされたICをキャリアテープ内に収納し、リフロー工
程の前にベーキング処理を実施して封止樹脂中の水分を
低減させることにより、SMTにおける歩留まりをいち
じるしく向上できるというメリットがあると共に、その
ベーキング工程において、従来のベーキングトレーによ
るバッチ的な処理と異なり大量のICを収納して処理で
き、取り扱いについてもテープ状の連続的な取り扱いが
可能で、工程の大幅な省力化を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐熱カバーテープの使用状態における
側面図である。
【図2】(a)は従来の耐熱カバーテープのヒートシー
ル法の説明図、(b)はベーキング時の説明図である。
【符号の説明】
1 耐熱カバーテープ 2 キャリアテープ 3 キャビティ 4 収納部品 5 シールヘッド 6 ヒートシールされていない部分 7 ベースフィルム 8 ヒートシール接着剤層 11 透明ベースフィルム 12 耐熱カバーテープ 13 粘着性樹脂層 14 マスクフィルム 15 帯電防止膜
フロントページの続き (72)発明者 伊田 博行 栃木県鹿沼市さつき町18番地 ソニーケ ミカル株式会社 鹿沼工場内 (72)発明者 石川 義行 栃木県鹿沼市さつき町18番地 ソニーケ ミカル株式会社 鹿沼工場内 (56)参考文献 実開 平3−109398(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 73/02 B65D 85/38 H05K 13/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品を収納する多数個のキャビティ
    をもつキャリアテープに貼付されるカバーテープにおい
    て、105℃−30分間の熱処理における収縮率が0.
    5%以下、可視光線透過率が50%以上である透明ベー
    スフィルムの一面に常温粘着性樹脂層が形成され、該粘
    着性樹脂層の表面に、該キャビティの幅より広くかつ該
    透明ベースフィルムの幅よりも狭く、可視光線透過率が
    50%以上の透明マスクフィルムを貼付したことを特徴
    とする耐熱カバーテープ。
  2. 【請求項2】 上記透明マスクフィルムおよび透明ベー
    スフィルムの少なくとも一方が帯電防止処理されている
    請求項1に記載のフィルム。
  3. 【請求項3】 上記帯電防止処理が透明帯電防止剤を塗
    工するものである請求項2に記載のフィルム。
  4. 【請求項4】 上記常温粘着性樹脂層の剥離強度が、1
    05℃以上の熱処理を受けても5〜100gf/mmで
    ある請求項1〜3に記載のフイルム。
  5. 【請求項5】 上記透明マスクフィルムの、105℃−
    30分間の熱処理における収縮率が0.5%以下である
    請求項1〜4に記載のフィルム。
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