JPH057093Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はパツケージトレイの取付構造、詳し
くはリアシート後方の荷物室を覆う上壁面に、シ
ートベルトの挿通口を形成すると共に、ボデイへ
の取付壁及び前記上壁面に、該取付壁の外方から
前記挿通口にシートベルトを挿入するためのスリ
ツトを形成し、前記取付壁が前記スリツトを挟ん
で第１取付壁と第２取付壁とに分断されたパツケ
ージトレイの取付構造に関する。

（従来の技術） 一般にツーボツクスタイプの自動車において
は、リアシートの後方に荷物室を設け、該荷物室
の上部側にパツケージトレイを開閉可能に取付け
ている。

しかして前記パツケージトレイは、例えば実開
昭61−17361号公報に記載されているごとく、自
動車ボデイ側に固定するサイドトリムと、該サイ
ドトリム上に開閉可能に設けるパツケージトレイ
本体とから成り、前記サイドトリムの内部にシー
トベルト巻取装置を配置すると共に、前記サイド
トリムの上壁面に挿通口を形成して、この挿通口
から前記巻取装置に巻装したシートベルトを室内
側に繰り出すようにしている。

また、前記シートベルトを室内側にセツトする
場合、該シートベルトの長さ方向中間部位にはタ
ングプレートやスルーアンカなどが取付けられ
て、前記シートベルトの全体を前記挿通口から室
内側に挿入させてセツトすることが困難であるた
め、前記公報のものでは、前記サイドトリムの上
壁面と自動車ボデイへの取付壁とに、前記挿通口
を外部側に開放させるスリツトを形成して、この
スリツトを介して前記シートベルトを前記挿通口
にセツトするようにしている。

ところで以上のごとく前記サイドトリムの挿通
口近くに、前記スリツトを形成するときには、該
スリツトを挟んで前記サイドトリムの自動車ボデ
イへの取付壁が、２つの第１及び第２の取付壁に
それぞれ分断されることになり、従つて前記サイ
ドトリムを自動車のボデイに取付けるときには、
前記スリツトで分断された各取付壁に、それぞれ
ボルト挿通孔を貫通形成して、該各挿通孔からそ
れぞれ固定ボルトを前記ボデイ側に螺締すること
により、前記サイドトリムの前記ボデイへの取付
けを行うようにしている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが以上のごとく前記サイドトリムにスリ
ツトを設けて、該スリツトを挟んで前記自動車ボ
デイへの取付壁を、２つの第１及び第２取付壁に
分断するときには、前記サイドトリムの塑性変形
などにより、前記各取付壁の上壁面側において位
置ずれを起こすことがあり、また前記第１及び第
２取付壁に形成した前記各ボルト挿通孔から自動
車ボデイ側に固定ボルトを螺締するときに、該各
ボルトの締付トルクにより前記各取付壁の上壁面
側において位置ずれを起こし易く、従つて前記各
取付壁の上壁面側に段差が発生するなどの問題が
あつた。

本考案は以上のごとき問題に鑑みて考案したも
ので、その目的は、前記パツケージトレイに簡単
な部品を追加することにより、前記自動車ボデイ
への取付壁にスリツトを設けて、この取付壁を２
つの第１及び第２取付壁に分断するにも拘わら
ず、該各取付壁の上壁面側において位置ずれを起
こしたりすることなく、この上壁面側を面一状に
正確に組付けることができるパツケージトレイの
取付構造を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、リヤシート後方の荷物室を覆う上壁
面と、係合部をもつボデイ側への取付壁とから成
り、前記上壁面に、シートベルトの挿通口を形成
すると共に、前記取付壁及び前記上壁面に、該取
付壁の外方から前記挿通口にシートベルトを挿入
するためのスリツトを形成し、前記取付壁が前記
スリツトを挟んで第１取付壁と第２取付壁とに分
断されたパツケージトレイの取付構造であつて、
前記第１取付壁及び第２取付壁をそれぞれ前記ボ
デイ側にボルト止めする一方、前記第１取付壁と
第２取付壁の少なくとも一方に、該取付壁から前
記ボデイ側に突出して該ボデイ側の前記係合部に
係合するリブを設けると共に、このリブを、該リ
ブが突出する一方の取付壁のボデイ側への取付
時、この取付壁を他方の取付壁のボデイ側への取
付位置に規制する位置に突出していることを特徴
とするものである。

（作用） しかして前記第１及び第２取付壁を前記ボデイ
側に取付けるときには、該ボデイ側の係合部に前
記リブを係合させた状態で、前記各取付壁から前
記ボデイ側にそれぞれボルトを螺締するのであ
り、斯くすることにより前記リブで前記取付壁の
位置決めが行われ、つまり該各取付壁の上壁面側
において位置ずれを起こしたりすることなく、こ
の上壁面側が面一状に正確に組付けられるのであ
る。

（実施例） 以下本考案にかかるパツケージトレイの取付構
造を図面の実施例によつて説明する。

第４図はツーボツクスタイプ自動車の車室後部
側を示しており、リヤシート１の後方部位に荷物
室（図示せず）を設け、該荷物室の上部側にパツ
ケージトレイ２を開閉可能に取付けており、この
パツケージトレイ２は、自動車ボデイＢのインナ
ーパネルＰ側に固定支持される左右一対のサイド
トリム３と、これらサイドトリム３間に開閉可能
に取付けられるパツケージトレイ本体４とから構
成される。

また、前記サイドトリム３は、前記荷物室の上
部側に前記パツケージトレイ本体４と面一状に配
設される上壁面３１と、この上壁面３１の車幅方
向外端部側から下方に向けて一体に垂設される前
記インナーパネルＰへの取付壁３２とを備え、前
記上壁面３１と対向する前記サイドトリム３の内
方部位に、シートベルト５の巻取装置（図示せ
ず）を配置すると共に、前記上壁面３１に概略矩
形状をなす挿通口６を形成して、該挿通口６から
前記巻取装置に巻装されたシートベルト５を室内
側に繰り出し、このシートベルト５の長さ方向中
間部位で室内側には、タングプレート７やスルー
アンカ８などを取付けるようにしている。

更に、前記サイドトリム３には、その上壁面３
１と取付壁３２との一部に、前記挿通口６を車幅
方向外部側に解放させる縦長のスリツト９を形成
し、該スリツト９を挟んで前記サイドトリム３の
取付壁３２を、それぞれ２つの第１及び第２取付
壁３２ａ，３２ｂに分断すると共に、これら分断
された各取付壁３２ａ，３２ｂ間に形成する前記
スリツト９から、前記シートベルト５に前記タン
グプレート７やスルーアンカ８などを取付けるに
も拘わらず、前記シートベルト５を前記挿通口６
に簡単にセツトできるようにしている。

しかして以上のごときサイドトリム３の自動車
ボデイＢ側への取付構造を、次のごとく構成した
のである。

即ち、前記スリツト９を設けることで形成され
る前記サイドトリム３の第１及び第２取付壁３２
ａ，３２ｂのうち少なくとも一方に、前記サイド
トリム３の前記ボデイＢに対する取付時に、該ボ
デイＢの係合部に係合可能としたリブ１０を設
け、このリブ１０を前記ボデイＢ側に係合させた
状態で、前記各取付壁３２ａ，３２ｂの内部側か
らそれぞれ前記ボデイＢ側に向けて固定ボルト１
１を螺締することにより、前記各取付壁３２ａ，
３２ｂの上壁面３１側に位置ずれが発生するのを
阻止するようにしたのである。

具体的には、第１図乃至第３図で明らかにした
ごとく、前記ボデイＢを構成するインナーパネル
Ｐの内部側に、上端一部に車幅方向外方に向けて
突出する係合部１２ａをもつたデツキサイドトリ
ム１２を支持すると共に、前記サイドトリム３の
第１取付壁３２ａで前記スリツト９の形成側近く
に、前記係合突起１２ａの上部側に係合可能な概
略断面三角形状をなすリブ１０を外方に向けて一
体に突出形成する。

また、前記第１取付壁３２ａの前記デツキサイ
ドトリム１２との対向面側で、前記リブ１０の形
成位置よりも後方位置に、外方に向けて膨出する
膨出部１３を一体に突出形成すると共に、前記デ
ツキサイドトリム１２側に、前記膨出部１３を受
入可能とした係合部１２ｂを凹陥形成する一方、
これら膨出部１３と係合部１２ｂとに貫通形成し
たボルト孔と対向する前記インナーパネルＰの外
部側に、前記固定ボルト１１に螺合するナツト１
４を溶接手段などにより一体に固定する。

更に、前記第２取付壁３２ｂの前記デツキサイ
ドトリム１２との対向面側で、前記スリツト９の
形成位置近傍に、外方に向けて膨出する膨出部１
５を一体に突出形成すると共に、前記デツキサイ
ドトリム１２側に、前述した第１取付壁３２ａの
場合と同様に、前記膨出部１５を受入可能とした
係合部１２ｂを凹陥形成する一方、これら膨出部
１５と係合部１２ｂとに貫通形成したボルト孔と
対向する前記インナーパネルＰの外部側に、前記
固定ボルト１１に螺合するナツト１４を溶接手段
などにより一体に固定する。

斯くして前記サイドトリム３を前記インナーパ
ネルＰ側に取付けるときには、前記サイドトリム
３の第１取付壁３２ａに形成した前記リブ１０
を、第２図で明らかなごとく、前記デツキサイド
トリム１２に設けた係合部１２ａの上部側に係合
させると共に、前記第１及び第２取付壁３２ａ，
３２ｂに形成した各膨出部１３，１５を、第３図
で明らかなごとく、それぞれ前記デツキサイドト
リム１２に設けた係合部１２ｂに係合させ、この
状態で前記各取付壁３２ａ，３２ｂの内部側か
ら、それぞれ前記インナーパネルＰの外部側に設
けた前記ナツト１４へと固定ボルト１１を螺締す
ることにより、該インナーパネルＰに前記サイド
トリム３を一体に固定するのである。

以上のごとくして前記サイドトリム３の取付け
を行うときには、例え該サイドトリム３に前記ス
リツト９を設けたことにより、前記第１及び第２
取付壁３２ａ，３２ｂの上壁面３１間において塑
性変形などを起こすことがあつても、また例え
ば、前記取付壁３２ａの内部から前記インナーパ
ネルＰのナツト１４側に前記固定ボルト１１を螺
締するとき、該固定ボルト１１の締付トルクが前
記取付壁３２ａ側に作用して、該取付壁３２ａの
前記スリツト９側端部が他方の取付壁３２ｂに対
して下方に位置ずれしようとしても、前記第１取
付壁３２ａに形成した前記リブ１０と、前記デツ
キサイドトリム１２に設けた係合部１２ａとの係
合により、前記第１取付壁３２ａが第２取付壁３
２ｂに対して位置決めされることとなり、従つて
前記各取付壁３２ａ，３２ｂは、その上壁面３１
側において上下方向の位置ずれを起こすことがな
く、該上壁面３１が常に面一状に取付けられるの
である。

前記実施例においては、前記リブ１０を概略断
面三角形状となし、このリブ１０を前記デツキサ
イドトリム１２に形成した係合部１２ａの上部に
係合させるようにしたが、前記リブ１０を概略断
面コ形状に形成し、かつ前記デツキサイドトリム
１２側に前記リブ１０を受入可能とした受入溝か
ら成る係合部を形成するようにしてもよく、斯く
するときには前記サイドトリム３の自動車ボデイ
Ｂ側への取付時に、前記デツキサイドトリム１２
の前記係合部に前記リブ１０を係合させることに
より、前記サイドトリム３の上下及び左右方向の
位置ずれを阻止することができるのである。

また前記実施例は、前記リブ１０を前記サイド
トリム３の第１取付壁３２ａ側に設けるようにし
たが、前記リブ１０は前記スリツト９を挟んで前
記第１取付壁３２ａと対向される前記第２取付壁
３２ｂ側に設けることも可能であり、また前記リ
ブ１０は前記各取付壁３２ａ，３２ｂの両者に設
けることも可能である。

（考案の効果） 以上説明したごとく本考案にかかるパツケージ
トレイの取付構造では、リヤシート後方の荷物室
を覆う上壁面と、係合部をもつボデイ側への取付
壁とから成り、前記上壁面に、シートベルトの挿
通口を形成すると共に、前記取付壁及び前記上壁
面に、該取付壁の外方から前記挿通口にシートベ
ルトを挿入するためのスリツトを形成し、前記取
付壁が前記スリツトを挟んで第１取付壁と第２取
付壁とに分断されたパツケージトレイにおいて、
前記第１取付壁及び第２取付壁をそれぞれ前記ボ
デイ側にボルト止めする一方、前記第１取付壁と
第２取付壁の少なくとも一方に、該取付壁から前
記ボデイ側に突出して該ボデイ側の前記係合部に
係合するリブを設けると共に、このリブを、該リ
ブが突出する一方の取付壁のボデイ側への取付
時、この取付壁を他方の取付壁のボデイ側への取
付位置に規制する位置に突出させたことにより、
前記第１、第２取付壁の前記ボデイ側への組付
時、前記リブの前記ボデイ側係合部への係合によ
り、分断されている前記第１及び第２取付壁が相
互に位置ずれを起こしたりすることなく、これら
両取付壁の上壁面側を面一状に正確に組付け得る
ことが出来るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるパツケージトレイ取付
構造の要部を示す斜面図、第２図は同パツケージ
トレイのリブ形成部分を拡大して示す縦断面図、
第３図は同パツケージトレイの固定ボルト挿通部
分を拡大して示す縦断面図、第４図は自動車の車
室後部側を示す斜面図である。 １……リヤシート、２……パツケージトレイ、
３１……上壁面、３２……取付壁、３２ａ……第
１取付壁、３２ｂ……第２取付壁、５……シート
ベルト、６……挿通口、９……スリツト、１０…
…リブ、１１……ボルト、Ｂ……ボデイ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リアシート後方の荷物室を覆う上壁面と、係合
   部をもつボデイ側への取付壁とから成り、前記上
   壁面に、シートベルトの挿通口を形成すると共
   に、前記取付壁及び前記上壁面に、該取付壁の外
   方から前記挿通口にシートベルトを挿入するため
   のスリツトを形成し、前記取付壁が前記スリツト
   を挟んで第１取付壁と第２取付壁とに分断された
   パツケージトレイの取付構造であつて、前記第１
   取付壁及び第２取付壁をそれぞれ前記ボデイ側に
   ボルト止めする一方、前記第１取付壁と第２取付
   壁の少なくとも一方に、該取付壁から前記ボデイ
   側に突出して該ボデイの前記係合部に係合するリ
   ブを設けると共に、このリブを、該リブが突出す
   る一方の取付壁のボデイ側への取付時、この取付
   壁を他方の取付壁のボデイ側への取付位置に規制
   する位置に突出していることを特徴とするパツケ
   ージトレイの取付構造。