JPH0570894A - 捻回特性の優れた高強度低熱膨張合金線およびその製造方法 - Google Patents

捻回特性の優れた高強度低熱膨張合金線およびその製造方法

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JPH0570894A
JPH0570894A JP23645091A JP23645091A JPH0570894A JP H0570894 A JPH0570894 A JP H0570894A JP 23645091 A JP23645091 A JP 23645091A JP 23645091 A JP23645091 A JP 23645091A JP H0570894 A JPH0570894 A JP H0570894A
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warm
wire
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JP23645091A
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Koji Sato
光司 佐藤
Atsumasa Kadowaki
醇昌 門脇
Tsutomu Inui
勉 乾
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 捻回特性が安定して高い高強度低熱膨張合金
とその製造方法の提供。 【構成】 最終加工線径にて115kgf/mm2以上の引張
強さを有するFe−Ni系合金線で、合金線の横断面の
空隙率が0.4%以下であることを特徴とする捻回特性
の優れた高強度低熱膨張合金線である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低弛度耐熱送電線用芯線
等に使用されるFe−Ni系合金組成を有し、捻回特性
の優れた高強度低熱膨張合金線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高強度で低い熱膨張係数をもつF
e−Ni系の合金線が、たとえば低弛度の架空送電線
(ACSR)中心部用の線として、その開発が望まれて
いる。このような用途に対し、組成的には特公昭56−
45990号、特開昭55−41928号、特公昭57
−17942号、特開昭55−122855号、特開昭
55−128565号、特開昭55−131155号、
特開昭56−142851号、特開昭57−26144
号、特開昭57−41350号、特開昭58−1176
7号、特開昭58−11768号等の合金が開示されて
いる。さらに、これらの合金の強度と捻回特性を向上さ
せる目的で、特公昭63−56289号、特公昭60−
34613号、特開昭57−110659号、特公平2
−15606号、特開昭58−77525号、特開昭5
8−210126号、特開昭58−221225号、特
開昭57−41350号、特公平2−41577号、特
公平2−55495号等の高強度低熱膨張合金線あるい
は合金線の製造方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の高強度
低熱膨張合金はいずれもNiまたはNi+Coを35〜
50%の範囲で含み、さらにCやNの侵入型固溶強化元
素やCr、Moなどの数種の置換型固溶強化元素やT
i、Nbなどの数種の析出強化型元素を低熱膨張特性を
損なわない範囲で含み残部Feからなる合金組成をも
つ。これらの合金はいずれも固溶化熱処理あるいは、焼
鈍熱処理状態においては、良好な捻回特性が得られるも
のの、引張強さはたかだか50〜80kgf/mm2の範囲で
あり、この状態では低弛度架空送電線用芯線の用途には
適さない。しかし、これらの合金はいずれも加工硬化能
が、従来の低熱膨張合金である36%Ni−Fe合金
や、42%Ni−Fe合金など代表的なFe−Ni系合
金に比べて大きく、冷間加工によって100kgf/mm2
上の引張強さが得られる。ただし、単純に冷間域で強加
工を加えただけでは捻回特性は大きく低下してしまうの
で、引張強さと捻回特性を両立させるために種々の製造
方法が提案されている。たとえば、前記特公昭60−3
4613号や特公平2−15606号ではいずれも冷間
加工の前段階または冷間加工の途中で歪取り焼鈍を実施
し、強度と捻回特性の両立が試みられている。これらの
公告公報には皮剥によって生じる表面の歪みを焼鈍熱処
理で除去することにより、良好な捻回特性が得られると
明記されている。本発明者もこの手法によって、高強度
低熱膨張合金線の製造テストを行なったところ、必ずし
も捻回特性は安定せず、5〜80回の範囲でばらつきが
見られた。
【0004】これに対し、特公平2−41577号およ
び特公平2−55495号に開示された合金線は上記の
特公昭60−34613号や特公平2−15606号と
ほぼ同一の製造プロセスをとるが、ここでは、冷間加工
後の焼鈍時に生成するMo2C炭化物が強度と捻回特性
の向上に寄与すると述べられている。特公平2−415
77号および特公平2−55495号の発明者の1人は
「Effect of processes of drawing on torsional prop
erty of high-tensile strength Invar alloywire」(Wir
e Journal International vol.21,No.4(1988),P84)と題
して捻回特性の改善に触れている。この論文において、
捻回特性の改善は冷間加工後にMo2C炭化物を析出さ
せる焼鈍熱処理を実施するだけでは不十分で、とくに引
抜後の合金線の横断面の硬さ分布において、中心部の硬
さがもっとも高くなるように、ダイスの引抜角を小さ
く、かつ潤滑性を高めるためのクリストファーソンチュ
ーブと称される特殊な治具が必要であると報告されてい
る。この論文からも判るように、上記の4つの特許公報
(特公昭60−34613号、特公平2−15606
号、特公平2−41577号および特公平2−5549
5号)に開示されている方法は、いずれも捻回特性の優
れた高強度低熱膨張合金線の製造に関しては、必ずしも
十分な方法ではないのである。しかして、ダイスの引抜
角を小さくしたり、潤滑性を高めるためのクリストファ
ーソンチューブと称される特殊な治具を使用して捻回特
性を高めることは、引抜パス回数の増大(引抜角が小さ
くなると1パスあたりの減面率を高くとることができな
い)を招き、ラインの工程変更にも時間がとられ、全長
数kmにもおよぶ合金線の製造に対してははなはだ効率
の悪い製造方法である。以上の問題点を鑑み、本発明者
らは捻回機構に及ぼす組織要因を明らかにした上で安定
して高い捻回値が得られる高強度低熱膨張合金線の製造
を試みた。本発明は、安定して高い捻回特性を有する高
強度低熱膨張合金線およびその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の添
加元素を配合したFe−Ni系合金の熱間圧延素材を用
い、いくつかの製造プロセスによって素線を製造し、そ
の合金線の引張特性、捻回特性、熱膨張係数およびミク
ロ組織を調査した。その結果、従来の合金線の加工プロ
セスである熱間加工後の加工が冷間引抜のみで115kg
f/mm2以上の引張強さを達成させる場合には、合金中に
含まれる炭化物とマトリックスの界面にボイドが発生
し、過度のミクロボイドを含む合金線は、捻回値の低下
とバラツキの増加を招くことがわかった。このような捻
回値に悪影響を及ぼすミクロボイドの発生を抑制するた
めに、温間引抜あるいは温間圧延といった温間加工を適
度の割合で熱間加工後の製造プロセスに含めることによ
り、いずれも安定して70回以上の高い捻回値が得られ
ることがわかった。併せて、線材を得るための熱間加工
後あるいは該熱間加工後の伸線途中に、上述の温間加工
を施すのであるが、望ましくはこの温間加工の前段階
で、固溶化処理をおこない、MoやCrの炭化物を均一
に固溶させることで、十分に高い強度とより安定して高
い捻回値をもつ合金線が得られることもわかった。ま
た、これらのFe−Ni系高捻回値高強度低熱膨張合金
の中でも特に実際の送電線の通常使用での上限温度であ
る230℃までの平均熱膨張係数を、最も低いレベルの
値に押えることができる組成範囲も明らかにした。
【0006】すなわち、本発明の捻回特性の優れた高強
度低熱膨張合金線である、第1発明は、最終加工線径に
て115kgf/mm2以上の引張強さを有するFe−Ni系
合金線で、合金線の横断面の空隙率が0.4%以下であ
ることを特徴とする捻回特性の優れた高強度低熱膨張合
金線であり、望ましくは第1発明のFe−Ni系合金線
の合金組成が、重量%でC0.15〜0.30%、Si
0.5%以下、Mn0.5%以下、Mo1.0〜4.0
%、およびNi35%以上38%未満またはさらにCo
8%以下をNi+Coで35%以上38%未満の範囲で
含み残部は不純物を除きFeからなるものであり、また
は上記添加合金に加えてB0.0005〜0.02%を
含有するものである。
【0007】また、本願の第2発明は、Fe−Ni系合
金線を熱間加工後または該熱間加工後の伸線途中で、5
50〜850℃で減面率(以下単に数値のみ記入する)
20%以上の温間加工を行なうことを特徴とする捻回特
性の優れた高強度低熱膨張合金線の製造方法であり、望
ましくは、上記熱間加工後に80%以下、望ましくは6
0%以下の冷間加工を加えた後、550〜850℃で2
0%以上の温間加工を行ない、該温間加工に続いて冷間
加工を行ない、この際の(温間加工減面率)/(温間加
工とそれに続く冷間加工の総減面率)が、20〜90%
の範囲であり、さらに該冷間加工は減面率が85%以下
であることを特徴とする第1発明の捻回特性の優れた高
強度低熱膨張合金線の製造方法であり、また望ましく
は、Fe−Ni系合金線を熱間加工後または該熱間加工
後の伸線途中で、950〜1150℃の固溶化処理と、
その後伸線することなく、または伸線途中で550〜8
50℃で20%以上の温間加工を行なうことを特徴とす
る第1発明の捻回特性の優れた高強度低熱膨張合金線の
製造方法であり、またさらに望ましくは、Fe−Ni系
合金線を熱間加工後または該熱間加工後に80%以下、
望ましくは60%以下の冷間加工を加えた後、950〜
1150℃の固溶化処理と、その後伸線することなく、
または伸線途中で550〜850℃で20%以上の温間
加工を行ない、該温間加工とそれに続く冷間加工の割合
が、(温間加工減面率)/(温間加工とそれに続く冷間
加工の総減面率)の百分率で、20〜90%の範囲であ
り、さらに該冷間加工は減面率が85%以下であること
を特徴とする第2発明の捻回特性の優れた高強度低熱膨
張合金線の製造方法である。本願の発明において、Fe
−Ni系合金線とは、NiまたはNi+Coを35〜5
0%の範囲で含み、残部が実質的にFeからなる合金、
およびさらにこれに加えてC,N,Cr,Moなどから
選択して添加される固溶強化元素や、必要に応じてT
i,Nb,Wなどの析出強化元素を低熱膨張特性を損な
わない範囲で含み、残部実質的にFeからなる合金組成
を有するものを意味する。
【0008】
【作用】本発明において合金線の横断面の空隙率は、横
断面の無腐食ミクロ組織において、外周部から直径の1
/3〜1/5の断面位置でSEM像を撮影し、18.75μ
m×27.5μm×10視野の画像解析結果から、ミクロボ
イドの面積率の平均値を算出することにより求めた。冷
間加工率の増加に伴う塑性変形能の低下は、マトリック
スと炭化物との界面でのボイドの発生を助長し、加工歪
による基地の硬化は、ボイドの発生に伴う実質断面積の
減少とそれに伴う延性低下のために相殺されて、もはや
十分に引張強さを高めることができなくなる。また、捻
回試験においても、ミクロボイドはクラックの起点とな
って、捻回値の低下とバラツキの原因となることを明ら
かにした。これらのミクロボイドが空隙率にして0.4
%以下の範囲であれば、115kgf/mm2以上の引張強さ
と安定した高い捻回特性を両立させることができる。し
かし、空隙率が0.4%を超えると捻回値のバラツキと
捻回値の急激な低下が生じるようになり、本発明が目的
とする高捻回特性が得られなくなる。したがって、本発
明の合金線の横断面の空隙率は0.4%以下に限定す
る。本発明の最も大きな特徴の一つは、このようなミク
ロボイドを見出したことおよびミクロボイドの面積率と
捻回特性の関係を初めて見出したことにあり、この点が
従来技術との比較で大きな相異点の一つである。
【0009】一方、ミクロボイドを0.4%以下に保ち
ながら、かつ115kgf/mm2以上の引張強さの合金線を
得るためには、熱間加工後または該熱間加工後の伸線途
中で、温間引抜あるいは温間圧延といった温間加工を適
度に導入することが有効であり、さらに温間加工の前段
階で固溶化処理を行ない、炭化物を均一に固溶させる
と、より一層その効果が増大することがわかった。温間
加工を製造プロセスに取り入れることで、前段階に冷間
加工がある場合は、これによって生じるミクロボイドは
圧接されるとともに、非常に微細な動的回復・再結晶組
織を得ることができ、さらに温間加工の温度を炭化物の
析出温度域にあわせることで、その後の冷間加工時の加
工硬化能が高まり、従来プロセスよりも低い冷間加工率
で、従来プロセスと同等以上の強度が得られるようにな
る。したがって、115kgf/mm2以上の引張強さを有す
る高強度低熱膨張合金線の製造方法において、本発明の
合金線の製造方法によれば、従来の製造方法よりも冷間
加工率を低くすることができ、その結果、基地と炭化物
界面を主とするミクロボイドの生成は抑制され、安定し
て高い捻回値と高引張強度を両立させることができる。
【0010】以下、本発明の合金線の製造方法の限定理
由について述べる。上記のような効果を得るための温間
加工は、熱間加工後あるいは、それに続く80%以下、
望ましくは60%以下の冷間加工後に実施する。熱間加
工後に温間加工の前段階で実施される冷間加工は、目的
とする仕上寸法の本合金線を得るために実施することが
できるが、熱間加工後の冷間加工率が80%を超える
と、その際に導入されたボイドを以後の温間加工で十分
に低減させることができず、仕上げの冷間加工を経てで
きる合金線に0.4%を超える空隙率のボイドが生じ、
目的とする高捻回特性が得られなくなるので、熱間加工
と温間加工の間に冷間加工を実施する場合は、該冷間加
工率の上限を80%に限定することが望ましい。但し、
この冷間加工率が60〜80%の範囲の場合、その後に
施す温間加工は、できるだけ高い温度で行なうことが必
要であるので、この冷間加工率は60%以下が望ましい
のである。熱間加工による表面酸化層は酸洗い、シェー
ビング、ピーリングなどの手段で除去すればよく、本発
明の方法においては必ずしも必須の要件ではない。温間
加工の加工温度は、炭化物の析出を利用した加工硬化能
の高い動的微細回復・再結晶組織を得るために、550
〜850℃の範囲に限定する。加工温度が550℃を下
回ると炭化物の析出が不十分となり、また、温間という
よりはむしろ冷間の加工条件に近づき、ボイドも発生す
るようになる。逆に、加工温度が850℃を超えると炭
化物が粗大化し、以後の冷間加工で十分な加工硬化能が
期待できないので、温間加工温度は550〜850℃に
限定する。また、温間加工の加工率は、その後の冷間加
工時の加工硬化能の高い動的微細回復・再結晶組織を得
るために、最低20%以上を必要とする。さらに、高引
張強度を得るためには、温間加工後の冷間加工も重要で
ある。温間加工とそれに続く冷間加工の総加工率に対す
る温間加工の割合(線材の場合の計算式を数1に示す)
が20%未満の場合、115kgf/mm2以上の引張強さを
得ようとすると、冷間加工時のボイドの発生のために捻
回値の低下とバラツキの増加が生じる。逆に、この割合
が90%を超えると、ボイドはほとんど存在しないが、
強度が115kgf/mm2に足りなくなる。したがって、温
間加工とそれに続く冷間加工の総加工率に対する温間加
工の割合は20〜90%に限定することが望ましい。ま
た、両者の加工率の割合に加え、温間加工後の冷間加工
率そのものが高すぎても、ボイドが発生し、捻回特性を
低下させる。そのために温間加工後の冷間加工率は85
%以下であることが望ましい。
【0011】
【数1】 R={1−(D1/D02}/{1−(D2/D02}×100 R:温間加工とそれに続く冷間加工の総加工率に対する
温間加工の割合 D0:温間加工前の線材の直径 D1:温間加工後の線材の直径 D2:温間加工+冷間加工後の線材の直径
【0012】上記の工程に加え、さらに捻回特性と強度
の優れた高強度低熱膨張合金線を得るためには、熱間加
工後あるいは該熱間加工後の伸線途中で、温間加工の前
段階に固溶化処理を入れることもできる。固溶化処理は
熱間加工後の表面酸化層を除去する前あるいは除去した
後のいずれに実施してもよい。この固溶化処理は炭化物
の積極的な固溶を目的としたもので、炭化物の固溶に必
要な温度まで上げる必要があり、いわゆる焼なまし処理
とは異なるものである。この固溶化処理を実施すること
で、熱間加工時に不均一に分布するMoやCr等の炭化
物を、一旦十分に固溶させることができ、その後の温間
加工時に均一に再析出させることによって、よりいっそ
う捻回値の安定化と加工硬化能とを高めることができ
る。固溶化処理温度が950℃以下であると、炭化物が
十分に固溶せず、逆に1050℃より高すぎると、炭化
物は固溶するが、結晶粒が粗大化し、いずれも捻回値の
安定化と加工硬化能に対して、悪影響を及ぼす。したが
って、このような効果をもたらす固溶化処理温度は95
0〜1050℃の範囲とすることが望ましい。上述した
高強度低熱膨張合金線を芯線にもつAl送電線のAl合
金の耐熱温度は連続通電温度で最大230℃程度であ
り、弛度をおさえるための芯線には常温から230℃の
温度範囲で低い熱膨張係数が要求される。従来の高強度
低熱膨張合金線は230℃よりもさらに高い温度、たと
えば、300℃までの平均熱膨張係数に重点をおいた開
発がなされている。しかし、実際にはAlの耐熱温度に
より送電線の使用温度の上限が決定されてしまうので、
高強度低熱膨張合金にはAl合金の連続通電温度の上限
である230℃までの平均熱膨張係数がとくに問題とな
る。
【0013】そこで、本発明者はFe−Ni系高捻回値
高強度低熱膨張合金線のなかでも、常温から230℃ま
での平均熱膨張係数がとくに低い値をとる合金組成範囲
について検討した結果、この範囲は前述の第1発明の望
ましい範囲であることがわかった。以下、これらの成分
限定理由を述べる。Cは以下に述べるMoとともに本発
明合金線の冷間加工硬化能を著しく高める作用をもつ。
そのために必要なCは最低0.15%であるが、0.3
%を超える過度のCの添加は熱膨張係数の増加を招くた
め、C量は0.15〜0.30%に限定するとよい。S
i,Mnは脱酸元素として本発明合金線の製造時にある
程度は必要であり、若干量は含まれる。だだし、過度の
Si,Mnは熱膨張係数の増加を招くため、それぞれ
0.5%以下の添加にとどめる。Moは数多くの強化元
素のうち、Cと複合添加した場合の冷間加工による硬化
能がもっとも大きい。これは、固溶状態における侵入型
固溶強化元素であるMoと置換型固溶強化元素であるC
の相互作用、さらに一部がMo2Cの微細2次炭化物と
して析出することが原因と考えられる。また、この微細
2次炭化物は、温間加工時の動的回復・再結晶組織の微
細化に役立つ。一方、CrはMoと同族の元素でMoと
同様の理由で強化に寄与するが、Moと同じだけ固溶強
化させようとすると熱膨張係数が高くなりすぎるため、
とくに230℃までの熱膨張係数を低くする目的に対し
ては、Mo単独添加の方がより効果的である。そのため
に、必要なMoは最低1.0%であるが4.0%を超え
る過度の添加は熱膨張係数の増加を招くのでMoは1.
0〜4.0%に限定するとよい。Bは本発明合金線にお
いて、結晶粒界に偏析して結晶粒界をピン止めし、Mo
の2次炭化物と同様、動的回復・再結晶組織の微細化に
役立つ。しかし、0.02%を超える過度の添加は、熱
間加工性を低下させるので、Bは0.02%以下とす
る。また、十分な効果を得るため0.0005%以上添
加する。従来のFe−Ni系高強度低熱膨張合金線で
は、このようなB添加の効果に着目した発明は見られ
ず、この点も本発明の特徴の1つである。
【0014】本発明において、Niの含有量は熱膨張特
性に大きく影響を及ぼす。特に、常温から230℃まで
の平均熱膨張係数を低下させる目的に対して、Ni量は
35%以上42%以下の範囲とする。Ni量が35%を
下回る場合には、低熱膨張特性の消失する温度を意味す
る変移点が低温側に移行し、230℃までの熱膨張係数
が増加してしまう。逆にNiが42%を越えると変移点
は高温側に移行するものの、低温側の熱膨張率が全体に
高くなるので同じく230℃までの熱膨張係数が増加し
てしまう。平均熱膨張係数を狭い範囲で安定させるのに
望ましい範囲は、以上の理由により、Niが35%以上
38%未満である。CoはNiの一部を置換することに
より、Ni単独の場合よりも、さらに230℃までの熱
膨張係数を低下させることができる。しかし、CoはN
iよりも冷間加工中のマルテンサイト変態を生じやす
く、オーステナイト相を不安定にする働きが強いのでC
oは8%以下の範囲でNiと置換可能である。よって、
CoがNiと複合添加される場合、30%以上38%未
満のNiと8%以下のCoをNi+Coで35%以上4
2%以下の範囲に限定するとよい。より望ましいNi+
Coの範囲は35%以上38%未満である。Fe−Ni
系合金を強化する添加元素は上記したCやCr、Mo以
外に種々考えられるが、Ti,Nb,Ta,Hf,Z
r,W等の元素はCとの親和力が強く、塊状の硬い1次
炭化物を生成し、冷間加工時に欠陥を作りやすく、捻回
値のばらつきの原因となりやすいので、本発明合金線に
対し、過度の添加は好ましくない。したがって、これら
の元素は添加する場合は、いずれも上限を0.2%程度
に抑制することが望ましい。また、酸素は合金中で介在
物を生成し、捻回値のばらつきの原因となるので、本発
明合金線においては、0.01%以下とするのが望まし
い。また、脱酸や脱硫を目的として添加されるAl,M
g,Ca,REM等の元素は通常含まれる下記に示す量
の含有はなんら特性上に差し支えない。 Al,REM ≦ 0.1% Mg,Ca ≦ 0.02% 本発明にかかる特に常温から230℃までの熱膨張係数
の低下を意図した合金線は、上述した合金元素と残部F
eから構成される新規な組成を有するFe−Ni系高強
度低熱膨張合金線である。
【0015】
【実施例】
(実施例1)表1に示す組成のFe−Ni系合金を溶製
し、熱間鍛造および熱間圧延によって直径11.2mmの
コイル材に仕上げ、表面酸化層を除去し、続いて100
0℃×1時間の加熱をして水冷する固溶化処理を実施し
たのち、直径9.8mmまで、約20%の加工率で冷間引
抜を実施した。なお、本発明合金線Q,Rについては、
固溶化処理なしで、寸法調整のために表面を一部研削
後、他の合金線と同様、直径9.8mmまで、約20%の
加工率で冷間引抜を実施した。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】前記試料を出発材として、表2に示す種々
の加工率の温間および冷間引抜き加工を施し、前記出発
材からの温間加工率と冷間加工率の総和を87.2%と
一定にし、最終的に直径3.5mmのコイル材を作製し
た。本発明合金線A〜E,J,K,Q,Rおよび比較合
金線G〜Lは、いずれも温間引抜+冷間引抜によりコイ
ル材とした。比較合金線FとMについては、それぞれ、
冷間引抜のみおよび温間引抜のみとした。また、本発明
合金線NとPについては、温間圧延+冷間引抜の工程で
コイルとした。
【0019】
【表3】
【0020】表3には表2の試料AないしRの製造工程
をまとめて示す。表3のうちHRは熱間圧延、STは固
溶化処理、CWDは冷間引抜、WWDは温間引抜、WW
Rは温間圧延、GRは研削を意味する略号である。温間
引抜ならびに冷間引抜はごく一般的なアプローチ角12
゜の超硬製の引抜ダイスを使用し、1パスあたり、20
%前後の減面率で伸線した。その際の伸線速度は、通常
の鋼線の伸線速度と同程度の速度で行なった。また、温
間引抜については、引抜ダイスの直前に設置された高周
波加熱コイルによって、合金線を750℃に連続的に加
熱しつつ、引抜を実施した。
【0021】温間圧延は、2段の圧延ロールの直前に設
置された高周波加熱コイルによって、合金線を750℃
に加熱しつつ、目的とする温間加工率にあわせて、最大
5個の連続ロール圧延を実施した。これらの線材を用い
て最終加工ままの状態で引張試験、捻回試験、熱膨張試
験を行ない、コイル横断面の空隙率を測定した。引張試
験の伸びは標点間250mmで測定し、引張強さと伸びに
ついていずれも3本の平均値を求めた。また捻回試験
は、掴み間の距離を自己径の100倍とし、回転数60
rpmで破断までの捻回値をそれぞれ10本測定して、
平均値と標準偏差を求めた。合金線の空隙率は、前述の
とおり、横断面の無腐食ミクロ組織において、外周部か
ら直径の1/3〜1/5の横断面位置でのSEM像を撮
影し、18.75μm×27.5μm×10視野の画像解析結果
から、ミクロボイドの面積率の平均値を算出することに
より求めた。これらの試験結果をまとめて表2および図
1に示す。なお、図2のa,bおよびcにそれぞれ本発
明合金線E、Aおよび比較合金線Fの横断面SEM像の
1例をスケッチで、実測した空隙率とともに示す。図
中、黒く塗られた部分が合金線の製造過程で生じるミク
ロボイドである。
【0022】表2および図1より、本発明の合金線の製
造方法によって得られた本発明合金線は、いずれも横断
面の空隙率が0.4%以下で、約97回以上の高い捻回
値(平均値)と115kgf/mm2以上の高い引張強さが得
られる。また、熱膨張係数も低い値が得られている。本
発明合金線のなかで、C,DとQ,Rを比較すると、
C,Dは明らかにQ,Rよりも引張強さ、捻回値とも高
くなっているが、これは、固溶化処理の効果である。一
方、比較合金線F〜Iのように温間加工を実施しない場
合(F)または温間加工率ならびに(温間加工率)/
(温間加工とそれに続く冷間加工の総加工率)がともに
本発明合金線の製造方法より、低すぎる場合は、横断面
の空隙率が0.4%よりも高くなり、いずれも高い引張
強さは得られるものの、捻回値が大幅に低下するように
なる。また、比較合金線M,Lのように冷間加工がない
場合(M)または(温間加工率)/(温間加工とそれに
続く冷間加工の総加工率)が90%を超えるようになる
と、空隙率は低いが、引張強さが115kgf/mm2を下回
るようになる。図2の本発明合金線E,Aおよび比較合
金線Fの横断面SEM像のスケッチから、本発明合金線
は比較合金線に比べ、あきらかにミクロボイドの面積率
が低く、温間加工の効果がはっきりと認められる。
【0023】(実施例2)実施例1と同じく表1の組成
の熱間圧延材について、1000℃×1時間の加熱をし
て水冷する固溶化処理を実施したのち、表面酸化層を除
去してから約20%の冷間引抜で直径9.8mmに仕上げ
た素線について、表3に示す温間加工温度と(温間加工
率)/(温間加工とそれに続く冷間加工の総加工率)の
冷間加工を組合せて直径3.5mmのコイルを作製した。
この試料を用いて、実施例1と同様の確性試験を実施し
た。本発明の合金線は、S,T,U,V,W,Xおよび
B1,C1,D1であり、比較合金線Y,Zは本発明の
温間加工温度の条件を外れるものである。この結果を表
4および図3に示す。なお、表4の合金線のうち、本発
明合金線のB1、C1およびD1は、実施例1のB,
C,Dとそれぞれ同じ750℃の温間加工を行ない、冷
間加工条件も実施例1のB,C,Dとそれぞれ同一であ
る。表4の各試料は、温間加工条件は異なっているもの
の、いずれもその製造工程は前述の略号で表わせば、H
R−ST−スケール除去−CWD−WWD−CWDで製
造したものである。表4および図3より、本発明の製造
方法によって得られる合金線は、いずれも横断面の空隙
率が0.4%以下であり、86回以上の高い捻回値(平
均値)と115kgf/mm2以上の高い引張強さが得られ、
また、熱膨張係数も低い値が得られることがわかる。一
方、比較合金線Yのように温間加工温度が500℃と低
すぎると、空隙率が0.4%より高くなり、高い引張強
さは得られるものの、捻回値が大幅に低下するようにな
り、また、比較合金線Zのように温間加工温度が高すぎ
ると、空隙率は低く、捻回値も高くなるが、引張強さが
115kgf/mm2を下回るようになることがわかる。
【0024】
【表4】
【0025】(実施例3)表5に示す組成のFe−Ni
系合金を溶製し、熱間鍛造および熱間圧延によって直径
11.2mmのコイル材に仕上げ、続いて、1000℃×
1時間の加熱と水冷の固溶化処理を実施したのち、表面
酸化層を除去し、直径9.8mmまで、約20%の加工率
で冷間引抜を実施した。以後は、表2の本発明合金線D
の製造方法と同じく温間引抜で59%加工後、温間加工
率と冷間加工率の総和を87.2%と一定にし、最終的
に直径3.5mmのコイル材とした。この試料を用いて、
実施例1と同じ確性試験を実施した。確性試験結果を表
6に示す。
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】表6に示す合金線はいずれも本発明の合金
線であり、No.1、2,3は請求項1、No.11,12,
13は請求項2、No.5,7,8,21は請求項3に相
当する合金線である。いずれの合金線も横断面の空隙率
が低く、高い引張強さと安定して高い捻回値が得られる
が熱膨張係数には合金組成の影響が大きく、請求項1の
合金線に対し、請求項2,3に相当するもののようにC
0.15〜0.3%、Mo 1.0〜4.0%、およびNi+Co 35%以
上38%未満に含有量を限定した範囲内では、30〜23
0℃までの平均熱膨張係数がより低い値とすることがで
きる。特にこの範囲内でNiの一部をCoに置き変えた
合金線はさらに良好な低熱膨張特性を有することがわか
る。請求項3の合金線がC、Moといった固溶強化元素
を請求項1の合金線と同等以下(CrはMo当量に換算
すると1.85倍)の量しか含まないのに、引張強さが
同等以上の値を示すのは、温間加工時に結晶粒界に偏析
するBの効果が大きいものと推察される。また、合金線
No.11とNo.5およびNo.12とNo.21の比較から、請
求項2の合金線No.11とNo.12が、それぞれ請求項3
の合金線No.5とNo.21に比べ、それぞれ同等以下の
C,Mo量にもかかわらず、それぞれ請求項2の合金線
より、高い引張強さが得られるのも、Bの効果によるも
のと考えられる。
【0029】(実施例4)実施例1と同じく、表1の熱
間圧延素材について、1000℃×1時間の加熱をして
水冷する固溶化処理を実施したのち、表面酸化層を除去
後、表7に示す4条件の温間加工前の冷間加工を施し
た。さらにこれらの素材について、加熱温度750℃の
温間引抜で30%加工後、70%の冷間加工を実施し
(前記数1のRの値は37%である)、それぞれ最終的
に直径4.6mm、3.5mm、2.6mmおよび2.0mmの
コイル材を作製した。表7の各試料は、温間加工前の冷
間加工条件ならびに最終仕上コイル径が異なっているも
のの、いずれもその製造工程は、前述の略号で表わせ
ば、HR−スケール除去−ST−CWD−WWD−CW
Dで製造したものである。これらの試料を用いて実施例
1と同様の確性試験を実施した。本発明の合金線はNo.
31〜33であり、比較合金線No.34は温間加工前の冷間加
工率が本発明の加工条件を外れるものである。確性試験
結果を表7に併せ示す。表7より本発明合金線No.31〜
33はいずれも低い空隙率をもち、高い引張強度と安定し
て高い捻回値が得られることがわかる。それに対し、比
較合金線No.34は温間加工前の冷間加工率が高すぎるた
めに、この加工時に導入されたミクロボイドを以後の温
間加工で十分に圧接できず、最終仕上径での捻回値不足
をまねく。また、本発明合金線No.31と32はNo.33より
もさらに空隙率が低く捻回値も高い。これらの結果か
ら、温間加工に至るまでの冷間加工率も制御することが
重要であり、本発明合金線が目的とする高捻回高強度低
熱膨張合金線を得るためには、温間加工前の冷間加工率
を80%以下、より好適には60%以下に限定すること
が望ましいことがわかる。
【0030】
【表7】
【0031】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の合金線は、
横断面の空隙率が0.4%以下に保たれるので、高い引
張強さと高い捻回値が得られる。このような低い空隙率
の合金線は、本発明の温間加工を用いた製造方法によっ
て得ることができる。また、熱間加工後または該熱間加
工後の伸線途中での固溶化熱処理とその後の温間加工
は、炭化物を均一微細に析出させるので、温間加工の効
果を高めることができ、より一層安定して高い捻回特性
が得ることに寄与する。さらに本発明で開示した特定の
合金組成にすることにより、上記の効果と共に、より低
い熱膨張係数を有する低弛度送電線の芯線の製造が可能
となり、従来の低弛度送電線よりもさらに低弛度の利点
と信頼性にすぐれた電力の輸送が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明合金線および比較合金線の(温間加工
率)/(温間加工とそれに続く冷間加工の総加工率)に
対する引張強さ、捻回値および空隙率の関係を示す図で
ある。
【図2】本発明合金線および比較合金線の最終加工状態
における横断面SEM像のスケッチの例である。
【図3】本発明合金線および比較合金線の温間加工温度
に対する引張強さ、捻回値および空隙率の関係を示す図
である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】すなわち、本発明の捻回特性の優れた高強
度低熱膨張合金線である、第1発明は、最終加工線径に
て115kgf/mm2以上の引張強さを有するFe−Ni系
合金線で、合金線の横断面の空隙率が0.4%以下であ
ることを特徴とする捻回特性の優れた高強度低熱膨張合
金線であり、望ましくは第1発明のFe−Ni系合金線
の合金組成が、重量%でC0.15〜0.30%、Si
0.5%以下、Mn0.5%以下、Mo1.0〜4.0
%、およびNi35%以上38%未満もしくはさらにC
o8%以下をNi+Coで35%以上38%未満の範囲
で含み残部は不純物を除きFeからなるもの、または、
C0.15〜0.30%、Si0.5%以下、Mn0.
5%以下、Mo1.0〜4.0%、B0.0005〜
0.02%、およびNi35〜42%、もしくはさらに
Co8%以下をNi+Coで35〜42%の範囲で含
み、残部は不純物を除きFeからなるものとするもので
ある。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最終加工線径にて115kgf/mm2以上の
    引張強さを有するFe−Ni系合金線で、合金線の横断
    面の空隙率が0.4%以下であることを特徴とする捻回
    特性の優れた高強度低熱膨張合金線。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のFe−Ni系合金線の
    合金組成が、重量%でC0.15〜0.30%、Si
    0.5%以下、Mn0.5%以下、Mo1.0〜4.0
    %、およびNi35%以上38%未満またはさらにCo
    8%以下をNi+Coで35%以上38%未満の範囲で
    含み残部は不純物を除きFeからなることを特徴とする
    捻回特性の優れた高強度低熱膨張合金線。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のFe−Ni系合金線の
    合金組成が、重量%でC0.15〜0.30%、Si
    0.5%以下、Mn0.5%以下、Mo1.0〜4.0
    %、B0.0005〜0.02%およびNi35%以上
    42%以下とまたはさらにCo8%以下をNi+Coで
    35%以上42%以下の範囲で含み残部は不純物を除き
    Feからなることを特徴とする捻回特性の優れた高強度
    低熱膨張合金線。
  4. 【請求項4】 Fe−Ni系合金線を熱間加工後、また
    は該熱間加工後に伸線加工を加えた後、550〜850
    ℃で減面率20%以上の温間加工と、冷間加工を行なう
    ことを特徴とする捻回特性の優れた高強度低熱膨張合金
    線の製造方法。
  5. 【請求項5】 Fe−Ni系合金線を熱間加工後、また
    は該熱間加工後に減面率80%以下の冷間加工を加えた
    後、550〜850℃で減面率20%以上の温間加工
    と、該温間加工に続いて冷間加工を行ない、この際の
    (温間加工減面率)/(温間加工とそれに続く冷間加工
    の総減面率)が、20〜90%の範囲であり、さらに該
    冷間加工は減面率が85%以下であることを特徴とする
    捻回特性の優れた高強度低熱膨張合金線の製造方法。
  6. 【請求項6】 Fe−Ni系合金線を熱間加工後、また
    は該熱間加工後に伸線加工を加えた後、950〜115
    0℃の固溶化処理と、その後冷間加工を加えまたは加え
    ないで、550〜850℃で減面率20%以上の温間加
    工と冷間加工を行なうことを特徴とする捻回特性の優れ
    た高強度低熱膨張合金線の製造方法。
  7. 【請求項7】 Fe−Ni系合金線を熱間加工後、また
    は該熱間加工後に減面率80%以下の冷間加工を加えた
    後、950〜1150℃の固溶化処理と、その後伸線加
    工を加えまたは加えないで、550〜850℃で減面率
    20%以上の温間加工と、該温間加工に続いて冷間加工
    を行ない、この際の(温間加工減面率)/(温間加工と
    それに続く冷間加工の総減面率)が、20〜90%の範
    囲であり、さらに該冷間加工は減面率が85%以下であ
    ることを特徴とする捻回特性の優れた高強度低熱膨張合
    金線の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0723025A1 (en) * 1995-01-23 1996-07-24 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Invar type alloy wire and manufacturing method thereof
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