JPH0569406U - アクチュエータ構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アクチュエータの小型化と各構成部品のレイ
アウトの自由度を向上させると共に、配置構成の簡素化
を図る。 【構成】 内部に液圧回路が形成されたハウジング２１
にカバー２２をボルト２３によって取り付けてなるアク
チュエータ構造において、前記ボルト２３の内部に前記
液圧回路の通路とリターンチェックバルブ３１を設け
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば車両のアンチロックブレーキ装置に用いられるアクチュエー タ構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

前記アンチロックブレーキ装置のアクチュエータ構造としては、ハウジングと 該ハウジングの上部にボルトにより取り付けられたカバーとからなり、このハウ ジング及びカバー内には、図２に示すような液圧回路が設けられている。

【０００３】 即ち、図中１は図外のマスターシリンダと前輪側のホィールシリンダを連通す るプライマリー通路、２はマスターシリンダと後輪側のホィールシリンダを連通 するセカンダリー通路、３ａ，３ｂ、４は各ホィールシリンダと前後輪用のリザ ーバ６，７とを連通するリターン通路であって、前記プライマリー通路１の各分 岐路１ａ，１ｂ及びセカンダリー通路２には、夫々常開型の増圧用電磁弁８，９ ，１０が設けられている一方、各リターン通路３ａ，３ｂ、４には、常閉型の減 圧用電磁弁１１，１２，１３が夫々設けられている。各増圧用電磁弁８，９，１ ０をバイパスするバイパス通路１４，１５，１６には、リターンチェックバルブ １７，１８，１９が設けられている。

【０００４】 依って、通常ブレーキ時には、マスターシリンダからブレーキペダルの踏み込 み量に応じて各プライマリー通路１及びセカンダリー通路２に流入したブレーキ 液は、各増圧用電磁弁８，９，１０を通って、各ホィールシリンダに供給されて 内部が増圧され、これによって、適正な制動力が確保される。また、ブレーキペ ダルの踏み込みを解除すると、各ホィールシリンダ内のブレーキ液は、セカンダ リー通路２並びに各分岐路１ａ，１ｂ，バイパス通路１４〜１６を通ってリター ンチェックバルブ１７〜１９の弁体を押し開きながらマスターシリンダへ速やか に戻され、ホィールシリンダ内を減圧する。

【０００５】 一方、急制動時などにおいて、路面の摩擦係数との関係で車輪がロックする惧 れがある場合は、増圧用電磁弁８〜１０及び減圧用電磁弁１１〜１３が図外のコ ントローラからの制御信号に基づき開閉作動して、各ホィールシリンダ内を減圧 −保持−再増圧を繰り返し動作させて、車輪を最適なスリップ率に制御するよう になっている。尚、減圧制御中にリザーバ６，７内に貯留されたブレーキ液は、 戻し通路２０ａ，２０ｂのポンプ装置２０を介してマスターシリンダに戻される ようになっている。

【０００６】 そして、前記液圧回路中の増減圧用電磁弁８〜１０、１１〜１３やリターンチ ェックバルブ１７〜１９等の各構成部品を、ハウジングやカバー内にレイアウト を考慮しつつ効率良く配置収納して全体のコンパクト化を図ろうとしている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

然し乍ら、前記従来のアクチュエータ構造にあっては、ハウジングの一端部に 対してカバーを、図３に示すようなレイアウト上、比較的大きなスペースが必要 となる大きなボルト５によって取り付けるようになっているため、そのボルト５ のスペース分だけアクチュエータ全体の大型化を招くばかりか、各構成部品のレ イアウトの自由度が制約されと共に、複雑な配置構成が余儀なくされる。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記従来の実情に鑑みて案出されたもので、内部に液圧回路が形成 されたハウジングにカバーをボルトによって取り付けてなるアクチュエータ構造 において、前記ボルトの内部に前記液圧回路中のチェックバルブを設けたことを 特徴としている。

【０００９】

【作用】

前記構成の本考案によれば、ボルト内にチェックバルブを設けることにより、 ボルトの有効利用が図れ、チェックバルブのハウジング内でのレイアウト上のス ペース分が不要となり、全体の小型化とレイアウトの自由度が向上すると共に、 配置構成の簡素化が図れる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳述する。

【００１１】 図１は本考案に係るアクチュエータ構造を従来と同様にアンチロックブレーキ 装置に適用した一実施例を示している。尚、アクチュエータの液圧回路の基本構 成は、図２に示すものと同様である。

【００１２】 即ち、図中２１は内部に液圧回路の各ブレーキ液通路や増減圧用電磁弁等を収 納したハウジング、２２は該ハウジング２１の一端部にボルト２３により取り付 けられるカバーであって、前記ハウジング２１の一端部所定位置には、ボルト孔 ２４が形成されている一方、該ボルト孔２４に対応するカバー２２の所定位置に はボルト挿通孔２５が貫通形成されている。前記ボルト孔２４は、小径な先端部 内周面に雌ねじ部２４ａが切られていると共に、基端部の内周面には、Ｏリング ２６とバックアップリング２７を保持する環状保持溝２４ｂが形成されている。 また、ボルト挿通孔２５は、ハウジング２１側端部にＯリング２８を保持する環 状保持溝２５ａが形成されている。

【００１３】 前記ボルト２３は、一端に着座用フランジ部２９ａを一体に有する頭部２９と 、前記ボルト挿通孔２５及びボルト孔２４に挿通する軸部３０とを備えている。 この軸部３０は、頭部２９側基端部３０ａが段差小径状に形成され、また小径な 先端部３０ｂの外周に雌ねじ部２４ａに螺着する雄ねじ部３０ｃが切られている 。また、この軸部３０の内部に、増圧用電磁弁をバイパスするバイパス通路の一 部と、ホィールシリンダからマスターシリンダ方向のみのブレーキ液の通流を許 容するリターンチェックバルブ３１が設けられている。

【００１４】 前記バイパス通路は、軸部３０の内部軸方向に穿設された主通路部３２と、軸 部３０の基端部３０ａ内に直径方向に貫通形成されて、前記主通路部３２とバイ パス通路のホィールシリンダ側通路とを連通する第１連通路部３３と、軸部３０ の先端部３０ｂに直径方向に貫通形成されて、前記主通路部３２とマスターシリ ンダ側通路とを連通する第２連通路部３４とから構成されている。また、前記主 通路部３２は、他端側に大径部３２ａが形成されていると共に、該大径部３２ａ の開口端がボール栓体３５で液密的に閉止されている。

【００１５】 前記リターンチェックバルブ３１は、大径部３２ａ内に圧入固定された円筒状 のバルブシート３６と、該バルブシート３６の端部に有する弁座３６ａに離着座 して主通路３２の開口端を開閉するボール状弁体３７と、該弁体３７を閉方向に 付勢する圧縮コイルスプリング３８とから構成されている。

【００１６】 尚、前記バイパス通路のホィールシリンダ側通路は、カバー２２内に形成され 、マスターシリンダ側通路は、ハウジング２１内に夫々形成されている。また、 各連通路３３，３４は、前記各Ｏリング２６，２８及びバックアップリング２７ によってシールされている。

【００１７】 したがって、この実施例によれば、各構成部品を組み付けるに際し、まずハウ ジング２１の一端部内に増減圧用電磁弁等の構成部品を収納し、その上にカバー ２２を被装する。その後、ボルト２３をカバー２２の上方から各ボルト挿通孔２ ５及びボルト孔２４内に挿通し、そのまま雌ねじ部２４ａに雄ねじ部３０ｃを螺 合させて所定トルクで締め付ければ、各が通路部が合致して液圧回路の一部を形 成する。これによって、ボルト２３内のリターンチェックバルブ３１が逆止機能 を発揮し、通常ブレーキ時においてブレーキペダルの踏み込みを解除すると、ホ ィールシリンダ内のブレーキ液が、バイパス通路の前記リターンチェックバルブ ３１の弁体３７を圧縮コイルスプリング３８のばね力に抗して押し開いて、マス ターシリンダ方向のみの流入を許容し、その逆流を確実に阻止することができる 。

【００１８】 このように、本実施例では、ハウジング２１にカバー２２を取り付けるボルト ２３の内部に、リターンチェックバルブ３１を設けたため、該ボルト２３の有効 利用が図れ、ハウジング２１内にはリターンチェックバルブ３１のレイアウトス ペースを設ける必要がなくなる。したがって、その分ハウジング２１の小型化が 図れると共に、他の構成部品のハウジング２１内におけるレイアウトの自由度が 向上すると共に、配置構成の簡素化が図れる。

【００１９】 しかも、ボルト２３とリターンチェックバルブ３１の一体化により、部品点数 の削減による製造作業性の向上とコストの低廉化が図れる。

【００２０】 尚、本考案は、前記実施例に限定されるものではなく、リターンチェックバル ブ３１自体の構成を変更することも可能であり、また他の機器類のアクチュエー タにも適用できる。

【００２１】

【考案の効果】

以上の説明で明らかなように、本考案に係るアクチュエータ構造によれば、ハ ウジングにカバーを取り付けるボルト内にチェックバルブを設けたため、その分 ハウジングの小型化が図れると共に、他の構成部品のレイアウトの自由度が向上 すると共に、配置構成の簡素化が図れる。

【００２２】 また、ボルトとチェックバルブの一体化により、部品点数が削減し、製造作業 性の向上とコストの低廉化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るアクチュエータ構造をアンチロッ
クブレーキ装置に適用した一実施例を示す要部断面図。

【図２】本実施例が適用されるアンチロックブレーキ装
置の液圧回路図。

【図３】従来のボルトを示す側面図。

【符号の説明】

２１…ハウジング、２２…カバー、２３…ボルト、３１
…リターンチェックバルブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に液圧回路が形成されたハウジング
   にカバーをボルトによって取り付けてなるアクチュエー
   タ構造において、前記ボルトの内部に前記液圧回路中の
   チェックバルブを設けたことを特徴とするアクチュエー
   タ構造。