JPH056831Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は例えばワンボツクスカーの車室に装
着されるシートの車両用シートフレーム構造の改
良に関する。

（従来の技術） 従来におけるワンボツクスカーは第２図に示す
ように、ボデイ１にフロア２を有する車室３が形
成されている。この車室３の前方よりフアースト
シート４、セカンドシート５の順に上記フロア２
の上部に取付けられている。

上記セカンドシート５におけるシートフレーム
構造について第３図乃至第６図を参照して説明す
る。第３図において上記セカンドシート５のフレ
ーム構造は上記フロア２の上部に脚部１０を固定
し、この脚部１０の上部にシートクツシヨンフレ
ーム１１を設け、さらに、このシートクツシヨン
フレーム１１の後部上端の左右に固定部材１２，
１２を介してシートバツクフレーム１３を設ける
ことによつて上記セカンドシート５のシートフレ
ームを構成している。

上記シートバツクフレーム１３の構造は、パイ
プをコ字状に折曲して形成した第１の枠１４と、
この第１の枠１４の下部両端部間に架設した第２
の枠１５によつて主枠１６を形成している。そし
て、上記主枠１６の間、つまり、上記第１の枠１
４と第２の枠１５の間に亘つて複数本のパツド受
枠線としての枠線１７……が上下左右方向へ格子
状に張架している。

上記第１の枠１４への枠線１７の代表的な３つ
の固定構造について第４図乃至第６図を参照して
説明する。

第１例としての第４図において１４は上記第１
の枠の軸心方向断面であり、その外周面の斜め前
方下部に上記枠線１７の先端部をアーク溶接によ
る固定部１８を介して固定している。そして、上
記第１の枠１４と枠線１７を覆う状態でクツシヨ
ンパツド１９を設けている。

また、第５図、第６図においては、その基本的
構造は第４図に示すものとほぼ同様である。そこ
で同一構成部分は同一符号を付して説明を省略す
る。第２例としての第５図において第１の枠１４
と枠線１７の先端の固定位置を上記第１の枠１４
の外周面における正面部分としている。

第３例としての第６図において、枠線１７の中
途部を第１の枠１４の外周面における正面部分に
スポツト溶接による溶接部１８を介して固定して
先端部分を上方へ突出している。

以上のような、固定構造による固定部分におい
て、乗員が着座して背もたれた場合に上記シート
バツクフレーム１３に与える後方への押圧力や衝
撃力等は、その大部分を上記枠線１７において軸
方向の引張り力を生じ、さらに、その引張り力を
第１の枠１４で支えることにより保持している。

しかし、従来における第１の枠１４と枠線１７
との固定構造は、上記引張り力を固定部１８のみ
を介して伝えるため耐久強度が劣るものであつ
た。

（考案が解決しようとする問題点） 以上のように、従来のシートフレーム構造にお
ける上記シートバツクフレームの主枠間における
パツド受枠線の固定構造は、乗員が着座して背も
たるた場合の押圧力や衝撃力によつて上記パツド
受枠線に生じる引張り力に対する耐久強度におい
て劣るものであつた。

そこで、この考案は上記固定構造における引張
り力に対する耐久強度を増すことにより上記パツ
ド受枠線の本数を減少することを目的としてい
る。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段及び作用） この考案は上記目的を達成するために、上記シ
ートバツクフレームの主枠間に張架されたパツド
受枠線の端部を、上記主枠の外周面に沿つて巻付
け、この巻付け先端部を上記主枠に溶接すること
により接触面積を増し、耐久強度を高めることが
できる。

（実施例） 以下この考案における一実施例を説明するが、
その基本的構造は第４図乃至第６図に示すものと
同一のため、同一構成部分については同一符号を
付して説明を省略する。第１図においてパツド受
枠線としての枠線１７はシートバツクフレーム１
３における第１の枠１４と第２の枠１５に亘つて
張架している。そして、上記枠線１７の端部を上
記第１の枠１４の外周面に沿つて巻付け、この枠
線１７の端部を上記第１の枠１４の上部を越えた
斜め上後方の位置にアーク溶接による固定部１８
を介して固定している。

以上のような固定構造によるシートフレーム構
造にすることにより、乗員の着座時に枠線１７に
生じる軸方向の引張り力がアーク溶接による固定
部１８を直接介することなく、上記第１の枠１４
に十分伝えることができるとともに、第１の枠１
４に枠線１７を巻付けることにより接触面積を増
大させることができる。また、これにともない上
記枠線１７の１本当りの耐久強度が従来よりも著
しく高くなり、枠線１７の本数を減少させること
が可能になる。

以上述べた理由によりコスト低減と、シートフ
レームの軽量化を図ることができる。

なお、この一実施例はワンボツクスカーにおけ
るシートフレーム構造に関するものであるが、こ
れに限定されるものではなく、他の車両に用いら
れるシートフレーム構造も含まれる。

〔考案の効果〕

この考案によれば、乗員が着座して背もたれた
場合に生じる押圧力や衝撃力によつて上記パツド
受枠線に引張り力が加わつてもパツド受枠線と上
記シートバツクフレームの主枠との固定部分の強
度が従来のものに比べて著しく高くなるため、耐
久性を向上させることができる。

また、これにともない上記パツド受枠線の本数
を従来よりも減少させることが可能になり、生産
コストを低減させるとともにシートフレームの軽
量化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す要部の断面
図、第２図乃至第６図は従来例を示すもので、第
２図は一般的なワンボツクスカーの側面図、第３
図はシートフレーム構造の斜視図、第４図乃至第
６図は第１例乃至第３例を示し、第３図における
−線部分の断面図である。 ２……フロア、３……車室、１０……脚部、１
１……シートクツシヨンフレーム、１３……シー
トバツクフレーム、１６……主枠、１７……パツ
ド受枠線（枠線）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車室のフロアに設けられた脚部とこの脚部の上
   部に設けられたシートクツシヨンフレームと、こ
   のシートクツシヨンフレームの後端上部に設けら
   れたシートバツクフレームと、このシートバツク
   フレームの主枠間に張架された複数本のパツド受
   枠線からなるシートフレーム構造において、上記
   パツド受枠線の端部を上記主枠の外周に沿つて巻
   付け、その巻付け先端部を上記主枠に溶接したこ
   とを特徴とする車両用シートフレーム構造。